私は美術館に時々行きます。絵画や彫刻を見て、圧倒されるときがしばしばあります。でもよく考えてみると、それらを鑑賞するときはいつも、表面を見ていることに気づきます。もちろん彫刻は立体的であり、油絵等もテクスチャーは三次元的です。白汚氏の作品は一味違います。写真なので平面であることは確かです。ところが空間と奥行きの表現がすさまじく、極めて三次元的です。自分自身がその空間に疑似的に存在するような刺激的な雰囲気を感じることができます。
被写体が下水道という、アートとしては特異と思われるものですが、それは単に下水道とはこんなところという意味合いにとどまらず、モノクロームの闇と光を用いてかなり抽象的に表現されています。特に漆黒においては、何もないものを写しているともいえます。物がそこに「ある」のではなく、物がそこに「ない」とでも言いましょうか。
足を踏み入れることのできない闇に、天頂からおぼろげな光が差し込み、美しい曲線をぼんやりと浮かび上がらせます。時に光は水面に反射し、煌めいています。非現実的な現実は、圧倒的な迫力をもって私を包み込むのです。
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地下水道 undercurrent 単行本(ソフトカバー) – 2010/4/22
白汚 零
(著, 写真)
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東京の地下に張り巡らされた「地下水道」の世界を、じつに25年間にもわたって撮り続けた写真家のはじめての写真集。明治期に手仕事で造られたレンガ積みの壁面、数十メートルの高低差で水をおろす螺旋状の水道、地下墓所のような浄水施設など、地底に広がる多様な世界が幻想的な画像で再現される。限られた人にしか観ることの出来なかった世界を圧倒的迫力で見せる、新鋭映像作家のデビュー作。
- 本の長さ96ページ
- 言語日本語
- 出版社草思社
- 発売日2010/4/22
- 寸法21.5 x 1.2 x 28.1 cm
- ISBN-104794217587
- ISBN-13978-4794217585
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商品の説明
著者について
25年にわたって「下水道」を撮り続けている写真家。東京都下水道局の協力を得て、深層部の下水道から開通前の最新水路までさまざまな場所を撮影。
登録情報
- 出版社 : 草思社 (2010/4/22)
- 発売日 : 2010/4/22
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 96ページ
- ISBN-10 : 4794217587
- ISBN-13 : 978-4794217585
- 寸法 : 21.5 x 1.2 x 28.1 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 918,308位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 120,227位趣味・実用
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イメージ付きのレビュー
1 星
隙間産業的カメラマンによる奇をてらったカタログ。
さながらトランキライザーを常用しながら違法運転をしているところを想像してしまった。無論そんなことを本当にしたら通報されてOUTだが。 アート写真家、内山英明から知性がごっそり抜け落ちた様な、奇抜さのみの下卑たカタログパンフレット。それはこのカメラマンにはアート性というものが皆無だからであろうことは容易に知れる。数知れぬほどいる写真家たちとは違い、このカメラマンによるこれは、ネットに掲載されている薄っぺらな情報と何ら代わり映えのしない薄っぺらなカタログとしか言いようがない。ちなみにウィキペディアの"日本の写真家一覧"にこのカメラマンは載っていない。当然だが。 表現の自由が許されるのならば、感受の自由も許されなくてはならないのは言うまでもないが、他のレビューを眺めるに、皆は普段、どの様なアートに触れているのだろうか。そもそもアートに触れているのだろうか。単にスノビズムを感じさせるだけのレビューもあるが、それはただ、このカメラマンの様に、奇抜さのみに注目しているだけだからなのではないか、とさえ思われて来る。私はアート写真が観たかった。私はカメラマンではなく、写真家、アーティストにしか金を払いたくなかった。そもそもアートにしか時間を使いたくなかったのだが、『胎内都市』の言い訳がましい商品説明にある様に、本作品もアートではなく、「アートの様」としか思えない単なるペラペラのカタログだった。それは、たとえば写真家の内山英明などの作品と比較してみれば、写真初心者でも容易に分かることだ。 単なるカメラマンのカタログにうっかり施しをしてしまった感のある私自身の判断ミスも考慮し、劇甘に評価した上で、星一個。というか、星をつけないといけない仕様だからしょうがない。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2019年8月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
さながらトランキライザーを常用しながら違法運転をしているところを想像してしまった。無論そんなことを本当にしたら通報されてOUTだが。
アート写真家、内山英明から知性がごっそり抜け落ちた様な、奇抜さのみの下卑たカタログパンフレット。それはこのカメラマンにはアート性というものが皆無だからであろうことは容易に知れる。
数知れぬほどいる写真家たちとは違い、このカメラマンによるこれは、ネットに掲載されている薄っぺらな情報と何ら代わり映えのしない薄っぺらなカタログとしか言いようがない。
ちなみにウィキペディアの"日本の写真家一覧"にこのカメラマンは載っていない。当然だが。
表現の自由が許されるのならば、感受の自由も許されなくてはならないのは言うまでもないが、他のレビューを眺めるに、皆は普段、どの様なアートに触れているのだろうか。そもそもアートに触れているのだろうか。単にスノビズムを感じさせるだけのレビューもあるが、それはただ、このカメラマンの様に、奇抜さのみに注目しているだけだからなのではないか、とさえ思われて来る。
私はアート写真が観たかった。私はカメラマンではなく、写真家、アーティストにしか金を払いたくなかった。そもそもアートにしか時間を使いたくなかったのだが、『胎内都市』の言い訳がましい商品説明にある様に、本作品もアートではなく、「アートの様」としか思えない単なるペラペラのカタログだった。それは、たとえば写真家の内山英明などの作品と比較してみれば、写真初心者でも容易に分かることだ。
単なるカメラマンのカタログにうっかり施しをしてしまった感のある私自身の判断ミスも考慮し、劇甘に評価した上で、星一個。
というか、星をつけないといけない仕様だからしょうがない。
アート写真家、内山英明から知性がごっそり抜け落ちた様な、奇抜さのみの下卑たカタログパンフレット。それはこのカメラマンにはアート性というものが皆無だからであろうことは容易に知れる。
数知れぬほどいる写真家たちとは違い、このカメラマンによるこれは、ネットに掲載されている薄っぺらな情報と何ら代わり映えのしない薄っぺらなカタログとしか言いようがない。
ちなみにウィキペディアの"日本の写真家一覧"にこのカメラマンは載っていない。当然だが。
表現の自由が許されるのならば、感受の自由も許されなくてはならないのは言うまでもないが、他のレビューを眺めるに、皆は普段、どの様なアートに触れているのだろうか。そもそもアートに触れているのだろうか。単にスノビズムを感じさせるだけのレビューもあるが、それはただ、このカメラマンの様に、奇抜さのみに注目しているだけだからなのではないか、とさえ思われて来る。
私はアート写真が観たかった。私はカメラマンではなく、写真家、アーティストにしか金を払いたくなかった。そもそもアートにしか時間を使いたくなかったのだが、『胎内都市』の言い訳がましい商品説明にある様に、本作品もアートではなく、「アートの様」としか思えない単なるペラペラのカタログだった。それは、たとえば写真家の内山英明などの作品と比較してみれば、写真初心者でも容易に分かることだ。
単なるカメラマンのカタログにうっかり施しをしてしまった感のある私自身の判断ミスも考慮し、劇甘に評価した上で、星一個。
というか、星をつけないといけない仕様だからしょうがない。
さながらトランキライザーを常用しながら違法運転をしているところを想像してしまった。無論そんなことを本当にしたら通報されてOUTだが。
アート写真家、内山英明から知性がごっそり抜け落ちた様な、奇抜さのみの下卑たカタログパンフレット。それはこのカメラマンにはアート性というものが皆無だからであろうことは容易に知れる。
数知れぬほどいる写真家たちとは違い、このカメラマンによるこれは、ネットに掲載されている薄っぺらな情報と何ら代わり映えのしない薄っぺらなカタログとしか言いようがない。
ちなみにウィキペディアの"日本の写真家一覧"にこのカメラマンは載っていない。当然だが。
表現の自由が許されるのならば、感受の自由も許されなくてはならないのは言うまでもないが、他のレビューを眺めるに、皆は普段、どの様なアートに触れているのだろうか。そもそもアートに触れているのだろうか。単にスノビズムを感じさせるだけのレビューもあるが、それはただ、このカメラマンの様に、奇抜さのみに注目しているだけだからなのではないか、とさえ思われて来る。
私はアート写真が観たかった。私はカメラマンではなく、写真家、アーティストにしか金を払いたくなかった。そもそもアートにしか時間を使いたくなかったのだが、『胎内都市』の言い訳がましい商品説明にある様に、本作品もアートではなく、「アートの様」としか思えない単なるペラペラのカタログだった。それは、たとえば写真家の内山英明などの作品と比較してみれば、写真初心者でも容易に分かることだ。
単なるカメラマンのカタログにうっかり施しをしてしまった感のある私自身の判断ミスも考慮し、劇甘に評価した上で、星一個。
というか、星をつけないといけない仕様だからしょうがない。
アート写真家、内山英明から知性がごっそり抜け落ちた様な、奇抜さのみの下卑たカタログパンフレット。それはこのカメラマンにはアート性というものが皆無だからであろうことは容易に知れる。
数知れぬほどいる写真家たちとは違い、このカメラマンによるこれは、ネットに掲載されている薄っぺらな情報と何ら代わり映えのしない薄っぺらなカタログとしか言いようがない。
ちなみにウィキペディアの"日本の写真家一覧"にこのカメラマンは載っていない。当然だが。
表現の自由が許されるのならば、感受の自由も許されなくてはならないのは言うまでもないが、他のレビューを眺めるに、皆は普段、どの様なアートに触れているのだろうか。そもそもアートに触れているのだろうか。単にスノビズムを感じさせるだけのレビューもあるが、それはただ、このカメラマンの様に、奇抜さのみに注目しているだけだからなのではないか、とさえ思われて来る。
私はアート写真が観たかった。私はカメラマンではなく、写真家、アーティストにしか金を払いたくなかった。そもそもアートにしか時間を使いたくなかったのだが、『胎内都市』の言い訳がましい商品説明にある様に、本作品もアートではなく、「アートの様」としか思えない単なるペラペラのカタログだった。それは、たとえば写真家の内山英明などの作品と比較してみれば、写真初心者でも容易に分かることだ。
単なるカメラマンのカタログにうっかり施しをしてしまった感のある私自身の判断ミスも考慮し、劇甘に評価した上で、星一個。
というか、星をつけないといけない仕様だからしょうがない。
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2020年2月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私はこの「地下水道」という本のタイトルがあまり好きではありません。なぜなら、写っている物が地下水道(下水道)であり、そのままだからです。ひねりを加えればいいというわけではないのですが、少なくともこの作品群は、ドキュメントとして地下水道はこういうところです、という単純な撮影手段では決して収まっていません。モノクロームという限られた情報の中で(むしろ敢えて情報を制限することによって)、作者にとっての被写体像が最も的確に表れており、その暗さや、狭小さ、孤独感や不安感までもが、モノクロームでなければ表現できなかっただろうと思わせるほどです。
写真はたいていは具象的です。大きなフィルムを使い、きめ細やかな情報を写し取ることで、評価されるものかもしれません。この本ではそのような手法は見当たりません。ごく普通の小さな一眼カメラを用い、荒い粒子のフィルムで(中にはデジタルもあるかもしれませんが)、作者が30年という歳月を費やしまさに命がけで表現したかったものは心象風景としての下水道であり、非常に抽象的です。このことは、写真マニアにとっては意見が二分することでしょう。特に、建造物は、大判フィルムでという根拠のない常識が存在し、それと真反対のことをしている作品は一部の人には否定されるでしょう。私には作者の意図するものに共感することしかできません。作者独自の感性世界に引き込まれてゆくばかりです。
写真はたいていは具象的です。大きなフィルムを使い、きめ細やかな情報を写し取ることで、評価されるものかもしれません。この本ではそのような手法は見当たりません。ごく普通の小さな一眼カメラを用い、荒い粒子のフィルムで(中にはデジタルもあるかもしれませんが)、作者が30年という歳月を費やしまさに命がけで表現したかったものは心象風景としての下水道であり、非常に抽象的です。このことは、写真マニアにとっては意見が二分することでしょう。特に、建造物は、大判フィルムでという根拠のない常識が存在し、それと真反対のことをしている作品は一部の人には否定されるでしょう。私には作者の意図するものに共感することしかできません。作者独自の感性世界に引き込まれてゆくばかりです。
私はこの「地下水道」という本のタイトルがあまり好きではありません。なぜなら、写っている物が地下水道(下水道)であり、そのままだからです。ひねりを加えればいいというわけではないのですが、少なくともこの作品群は、ドキュメントとして地下水道はこういうところです、という単純な撮影手段では決して収まっていません。モノクロームという限られた情報の中で(むしろ敢えて情報を制限することによって)、作者にとっての被写体像が最も的確に表れており、その暗さや、狭小さ、孤独感や不安感までもが、モノクロームでなければ表現できなかっただろうと思わせるほどです。
写真はたいていは具象的です。大きなフィルムを使い、きめ細やかな情報を写し取ることで、評価されるものかもしれません。この本ではそのような手法は見当たりません。ごく普通の小さな一眼カメラを用い、荒い粒子のフィルムで(中にはデジタルもあるかもしれませんが)、作者が30年という歳月を費やしまさに命がけで表現したかったものは心象風景としての下水道であり、非常に抽象的です。このことは、写真マニアにとっては意見が二分することでしょう。特に、建造物は、大判フィルムでという根拠のない常識が存在し、それと真反対のことをしている作品は一部の人には否定されるでしょう。私には作者の意図するものに共感することしかできません。作者独自の感性世界に引き込まれてゆくばかりです。
写真はたいていは具象的です。大きなフィルムを使い、きめ細やかな情報を写し取ることで、評価されるものかもしれません。この本ではそのような手法は見当たりません。ごく普通の小さな一眼カメラを用い、荒い粒子のフィルムで(中にはデジタルもあるかもしれませんが)、作者が30年という歳月を費やしまさに命がけで表現したかったものは心象風景としての下水道であり、非常に抽象的です。このことは、写真マニアにとっては意見が二分することでしょう。特に、建造物は、大判フィルムでという根拠のない常識が存在し、それと真反対のことをしている作品は一部の人には否定されるでしょう。私には作者の意図するものに共感することしかできません。作者独自の感性世界に引き込まれてゆくばかりです。
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2019年9月15日に日本でレビュー済み
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下水道。暗くて危険で臭気に満たされたとても人間の立入るべきではない領域。臭いものには蓋を、という発想で造られた都市のブラックボックス。作者はこの前人未踏の、近寄りたくもないような場所を何故被写体として選んだのか?それは本を読み進めていくうちにわかる。光の届かない闇はおそらく技術的に可能な最深度の漆黒。そこへマンホールから天空の光が差し込みマックスのコントラストを浮かびださせる。このような暗い場所で入射する光の微妙な角度さえも計算されているのは極めて写真的なプロセスであり、感動的だ。色のない世界を作者に案内されるがごとくページを追うと、自分があたかもそこにいるかのような錯覚を覚える。ただ、所々に現れるカラー写真についてはいかがなものか?美しいと思えるのだが、やはり気が散ってしまうのだ。作者の真の狙いはわからぬが、この本はモノクローム写真集として仕上げるべきだったのではと思う。いずれにせよ、とても複雑な感覚に包まれる、他に類を見ない作品集であることに違いはない。
下水道。暗くて危険で臭気に満たされたとても人間の立入るべきではない領域。臭いものには蓋を、という発想で造られた都市のブラックボックス。作者はこの前人未踏の、近寄りたくもないような場所を何故被写体として選んだのか?それは本を読み進めていくうちにわかる。光の届かない闇はおそらく技術的に可能な最深度の漆黒。そこへマンホールから天空の光が差し込みマックスのコントラストを浮かびださせる。このような暗い場所で入射する光の微妙な角度さえも計算されているのは極めて写真的なプロセスであり、感動的だ。色のない世界を作者に案内されるがごとくページを追うと、自分があたかもそこにいるかのような錯覚を覚える。ただ、所々に現れるカラー写真についてはいかがなものか?美しいと思えるのだが、やはり気が散ってしまうのだ。作者の真の狙いはわからぬが、この本はモノクローム写真集として仕上げるべきだったのではと思う。いずれにせよ、とても複雑な感覚に包まれる、他に類を見ない作品集であることに違いはない。
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2012年5月6日に日本でレビュー済み
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普段は目にすることが出来ない意外な場所が、こんなにも美しいとは知りませんでした。
実際に行くと悪臭が酷そうなので、写真だけにとどめておくのが良さそうですね。
実際に行くと悪臭が酷そうなので、写真だけにとどめておくのが良さそうですね。
2010年5月6日に日本でレビュー済み
地下水道を撮影した写真集としては、地下河川・渋谷川を撮影した畠山直哉の傑作「Underground」(2000年)が記憶に新しい。あちらはアート系の写真作家らしい、光と闇、絵画的な色彩、「撮ること」への自己言及等が込められたコンセプチュアルな現代写真集だったが、本作品はそういったロジカルなひねりのない代わりに、地下世界の闇と静かな水音が感じられるようなストレートなモノクロ写真が特徴的だ。
何しろ地下水道の美しさに魅せられて水道専門誌(!)で働くようになったというエピソードを持つ写真家が、撮り続けて25年目にして初めて出す作品集である。都内の地下水道を知り尽くしたであろう男が満を持して紹介する「絶景ポイント」は粗い感じのモノクロ写真が本当によく似合ってるけど、カラー作品を次はもっと見たいですかね。
NHK「ブラタモリ」かテレ朝「タモリ倶楽部」で、是非タモリ&江川達也両氏と共演して頂きたい作家さんです。
何しろ地下水道の美しさに魅せられて水道専門誌(!)で働くようになったというエピソードを持つ写真家が、撮り続けて25年目にして初めて出す作品集である。都内の地下水道を知り尽くしたであろう男が満を持して紹介する「絶景ポイント」は粗い感じのモノクロ写真が本当によく似合ってるけど、カラー作品を次はもっと見たいですかね。
NHK「ブラタモリ」かテレ朝「タモリ倶楽部」で、是非タモリ&江川達也両氏と共演して頂きたい作家さんです。
2010年4月29日に日本でレビュー済み
印象的なカバー写真に目を惹かれ、購入しました。地下下水道というある意味特殊な世界、
僕が興味を持ったのは地下下水道という題材ではなく、この白汚零の恐ろしいまでの色彩感覚だった。脚色してるショットはもちろん、モノトーンのものにさえ色彩を感じる。
最後のページの飛行機のカットは必見でしょう。下水道とか好き嫌いを超越した作者の[意志]がここには確かにあると思う。
静かな饒舌。生は常に死と隣り合わせにある事を示してくれる、類い希な表現者であると思う。
僕が興味を持ったのは地下下水道という題材ではなく、この白汚零の恐ろしいまでの色彩感覚だった。脚色してるショットはもちろん、モノトーンのものにさえ色彩を感じる。
最後のページの飛行機のカットは必見でしょう。下水道とか好き嫌いを超越した作者の[意志]がここには確かにあると思う。
静かな饒舌。生は常に死と隣り合わせにある事を示してくれる、類い希な表現者であると思う。
2010年6月9日に日本でレビュー済み
書店の棚にあったものを偶然、手にして、頁をめくった。なんと言葉に表したらいいかわからない、強い衝撃を受けた。なんとかひねり出したのが、SF的、宇宙的、古代遺跡的。こんな世界が、今住んでいる世界の間近にあるということの不思議さ。一枚いちまい見ているうちに、向こうの世界に連れて行かれそうになる。中の1,2枚の写真がいいというのでなく、どの写真にも引き込まれてしまう。