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「昭和」を生きた台湾青年 日本に亡命した台湾独立運動者の回想1924-1949 単行本 – 2011/3/25
王 育徳
(著)
中国国民党軍によって兄を殺されたのちに日本へ脱出。民主化を求めて蔣介石の独裁と戦った台湾の亡命知識人が、多感な青春期を送った日本時代を回想。封建制が色濃く残る生家への反発、熱誠あふれる日本人教師との交流、大陸から来た中国人への違和感――。自身の成長の軌跡とかさねて近代化の途上にあった台湾社会の諸相を活写した貴重な記録。
- 本の長さ328ページ
- 言語日本語
- 出版社草思社
- 発売日2011/3/25
- 寸法2 x 14 x 20 cm
- ISBN-104794218133
- ISBN-13978-4794218131
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商品の説明
著者について
王育徳(おう・いくとく) 1924年、台南の裕福な商家に生まれる。43年、東京帝大入学。在学中に台湾に疎開。49年、香港経由で日本へ亡命。50年、東京大学に再入学、60年に同大学院博士課程修了。明治大学講師を経て74年に同校教授。60年に台湾青年社を設立、独立運動の先頭に立つ。84年、死去。
登録情報
- 出版社 : 草思社 (2011/3/25)
- 発売日 : 2011/3/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 328ページ
- ISBN-10 : 4794218133
- ISBN-13 : 978-4794218131
- 寸法 : 2 x 14 x 20 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 823,723位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 101,062位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年8月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1895年から1945年まで、日本の領土であった台湾で、先祖代々、台湾に暮らしながら、日本人として育てられた数多くの台湾人がいた。日本の高い教育を受け、大東亜戦争を経て、数奇な人生を送った彼ら彼女らの存在に、現代のわれわれが、無知、無理解、無情であってはならない、と感じさせる素晴らしい一冊
2019年6月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
丁寧な記述でした。
ただ、本人の記述と娘さんの記述の区別が曖昧なところがあるように思いました。
ただ、本人の記述と娘さんの記述の区別が曖昧なところがあるように思いました。
2019年8月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
台湾の戦前、戦中、戦後を伺い知ることができる1冊でした。現代台湾の問題を考える上でも、必要な1冊でもあります。
2011年4月7日に日本でレビュー済み
日本人は戦後の台湾をどれくらい知っているだろうか。本書には、1924年(大正13年)生まれの台湾人知識人の眼に映った、伝統的な台湾人の大家族の葛藤、前近代と近代、日本教育、友情、屈折、ハングリー精神、師弟関係、内地旅行、旧制高校の生活、戦時下の台湾、終戦後の台湾、日本人の引き揚げ、中国(国民党)軍の進駐、治安・規律の悪化、インフレ、228事件、無実の兄の処刑、筆者に届こうとする中国国民党の魔の手が描かれている。自伝部分は、著者の台湾脱出までしか書かれていないが、巻末に32ページにわたる「その後の足跡」という部分があり、王氏の日本人に台湾を考えさせることも含む台湾独立運動への献身がまとめられている。
読者は筆者の眼を通じて、台湾人の親が子に望むこと、大きくて複雑な家族内の軋轢、兄弟姉妹の情、台湾の結婚にまつわる風習、女性へのときめき、台湾人の眼に映った日本人、学問への思い、演劇指導と脚本執筆、中国人上司の言葉などを追体験し、時に筆者と共に涙し、なぜ筆者が台湾独立に一生を捧げたのか理解できるに違いない。
また、倉石武四郎博士の人柄、邱永漢氏との交流や李登輝氏との接点についても触れられている。
「植民地」に対して、「謝罪」しか思いつかない日本人が多いが、まず本書を読んで、台湾人がどう感じ・考えていたのか知ってほしい。そうすれば、どのようにすることが正しいことなのか自ずと明らかになるであろう。
また、台湾独立運動が「一部の日本時代の特権階級のもの」であるかのような宣伝があるが、本書を読めば、決してそのようなものではなく、民主的な法治社会を求めるすべての台湾人のための運動であることがよく分かる。
筆者は台北高校弁論部在籍中に「人生は短く、芸術は長し...されど宗教はさらに長い」と論じたという。筆者自身が、教師から学んで人格形成をしてきたが、戦後は台南一中の教師として学生を感化し、そして、世界中に広がる台湾独立運動を指導した。自らの名声ではなく、台湾のため、台湾人民の自決のために身を捧げて燃え尽きた王育徳先生の後姿こそ、朽ちることなく永遠に続くのではないか。本書が出版されたことは、人類共通の価値観に訴えかけ、後に続く人々の心に種を撒き、糧となるであろう。
「昭和」を生きた台湾青年 日本に亡命した台湾独立運動者の回想1924-1949
読者は筆者の眼を通じて、台湾人の親が子に望むこと、大きくて複雑な家族内の軋轢、兄弟姉妹の情、台湾の結婚にまつわる風習、女性へのときめき、台湾人の眼に映った日本人、学問への思い、演劇指導と脚本執筆、中国人上司の言葉などを追体験し、時に筆者と共に涙し、なぜ筆者が台湾独立に一生を捧げたのか理解できるに違いない。
また、倉石武四郎博士の人柄、邱永漢氏との交流や李登輝氏との接点についても触れられている。
「植民地」に対して、「謝罪」しか思いつかない日本人が多いが、まず本書を読んで、台湾人がどう感じ・考えていたのか知ってほしい。そうすれば、どのようにすることが正しいことなのか自ずと明らかになるであろう。
また、台湾独立運動が「一部の日本時代の特権階級のもの」であるかのような宣伝があるが、本書を読めば、決してそのようなものではなく、民主的な法治社会を求めるすべての台湾人のための運動であることがよく分かる。
筆者は台北高校弁論部在籍中に「人生は短く、芸術は長し...されど宗教はさらに長い」と論じたという。筆者自身が、教師から学んで人格形成をしてきたが、戦後は台南一中の教師として学生を感化し、そして、世界中に広がる台湾独立運動を指導した。自らの名声ではなく、台湾のため、台湾人民の自決のために身を捧げて燃え尽きた王育徳先生の後姿こそ、朽ちることなく永遠に続くのではないか。本書が出版されたことは、人類共通の価値観に訴えかけ、後に続く人々の心に種を撒き、糧となるであろう。
「昭和」を生きた台湾青年 日本に亡命した台湾独立運動者の回想1924-1949
2011年5月1日に日本でレビュー済み
私のもと住んでいたマンションの隣に台湾から来た一家がいました。
そこのおばあさんは「日本人は好き。礼儀正しい。外省人(中国大陸から来た人)は嫌い。残酷」と、口癖のように言っていました。
私は「日本は中国、台湾を侵略し、暴挙を振るっていた」と教えられていたので、日本の隣人に対するリップサービスと思っていました。
しかし、お付き合いを深め、話を聞くにつれ、そうではないことがわかってきました。
この本には、一主婦の私が「そうではない」と感じたことすべてが、わかりやすくまとめられています。
そして、日記であるゆえに、多少中だるみもありますが、戦中の台湾の生活、風習も手に取るように分ります。
「台湾独立」に対して、まったく関心のない人こそ、手にとってほしい一冊です。
そこのおばあさんは「日本人は好き。礼儀正しい。外省人(中国大陸から来た人)は嫌い。残酷」と、口癖のように言っていました。
私は「日本は中国、台湾を侵略し、暴挙を振るっていた」と教えられていたので、日本の隣人に対するリップサービスと思っていました。
しかし、お付き合いを深め、話を聞くにつれ、そうではないことがわかってきました。
この本には、一主婦の私が「そうではない」と感じたことすべてが、わかりやすくまとめられています。
そして、日記であるゆえに、多少中だるみもありますが、戦中の台湾の生活、風習も手に取るように分ります。
「台湾独立」に対して、まったく関心のない人こそ、手にとってほしい一冊です。
2019年5月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大きな歴史の流れの中でも個人の意思・正義を貫いた王さんの人生は素晴らしい。後10年でも長生きしてほしかった。たんたんと綴られたかに見える文章。しかし、その裏にある王さんの思いを読者は充分に汲み取れるだろう。この本を読むと、台湾がなぜ親日的であるのかを理解できる。台湾の置かれた状況は今も別の面で厳しい。王さんの意思が成就することを願うばかりである。
2011年6月1日に日本でレビュー済み
なかには悲しく重い事実も描かれていますが、一度読み始めたらやめられず、一気に読んでしまいました。この本に出会えたことで、いっそう隣国の台湾に親しみが増しました。台湾の方の日本人に対する思いにも感激です。また、脈々たる台湾の旧き伝統も心に染みました。美しい島―台湾をより深く知る上でも、絶対にお勧めの一冊です。
2021年8月18日に日本でレビュー済み
1924年生まれの台湾人・王育徳氏による回想録。生い立ちから亡命のために祖国を永遠に離れることになった1949年7月4日までが綴られている。全九章で、編者による長いあとがきは回想録のその後の王氏の生涯を補足する。文庫版あとがきは王氏の娘である明理さんが担当している。
著者の父は本妻以外に妾にあたる女性二人を妻とし、著者はその第二夫人の息子として生を受けた。養子も含めて十一人の子どもをもつ豪商の大家族は、夫人同士の対立もあって複雑な家庭環境である。第一章から学校入学後しばらくまでの期間は、この大家族を舞台にした幼少時の出来事が主で、家族の関係性や人となり、当時の台湾における生活の一端が垣間見える。
中学・高校と進むにつれて日本統治下だった台湾における「本島人」と「内地人」の関係についての記述が増える。やはり、内地人から本島人に対する差別意識は明確に存在して著者自身もいじめにあっているが、それでも中国との戦争がはじまるまでは穏やかな関係にあったようである。中国との開戦が転機となり、「皮肉なことに皇民化政策が推進されたことで、逆に台湾人意識が芽生えたとも言える」という考察は、支配することについて考えさせられる。高校時代は本編のなかでもっとも明るい時代だろう。高校生活を満喫する著者の楽しさが伝わり、当時通っていた高校にリベラルな教師が多かったというエピソードも面白い。「台北での下宿生活が暗いじめじめした大家族制度から解放して、自由の天地に呼吸させた」という著者の言葉が印象的で、家族への愛憎相半ばする想いを感じる。
東京大学入学以降は戦争の影響がはっきりと前面に表れる。そこから台湾への帰国、敗戦、中国国民党による支配、二・二八事件と最愛の兄の死、亡命と、二十代前半を波乱の連続のなかで過ごす。そして日本の敗戦による影響が強いこの時期、台湾人の立場や心情の複雑さがうかがえる。敗戦国から一転して戦勝国側への変化。日本統治からの解放感と、日本人に対する親しみと同情。中国への期待から疑惑、そして失望。そして終戦による安堵もつかの間、台湾人にとってはその後も辛い時代が続いたことを改めて知らされる。
本編以後を補足するあとがきで紹介される亡命後の台湾独立運動や、台湾人による初の台湾語辞典を手がけるなど、台湾の独立を強く願ったのが王氏だった。それとともに、全編を通して日本人への絆や親しみを隠さず表明し、「皇民化運動」を除く日本統治への評価は一貫して高い。それとは対照的に、戦後に日本に代わって長らく台湾を支配することになった中国国民党や中国人に対する憤りは激しく、不信感は強い。著者の親日・反中の立場の明確さから留飲をさげる読者もいるだろう。
日本と中国というふたつの国に運命を大きく左右された台湾人青年の回想を通し、長らく実質的な自治が叶わなかった台湾の歴史を振り返り、複雑な立ち位置を知るとともに、親日的な側面も含めて現在の台湾につながる成り立ちについて理解が深まった。
著者の父は本妻以外に妾にあたる女性二人を妻とし、著者はその第二夫人の息子として生を受けた。養子も含めて十一人の子どもをもつ豪商の大家族は、夫人同士の対立もあって複雑な家庭環境である。第一章から学校入学後しばらくまでの期間は、この大家族を舞台にした幼少時の出来事が主で、家族の関係性や人となり、当時の台湾における生活の一端が垣間見える。
中学・高校と進むにつれて日本統治下だった台湾における「本島人」と「内地人」の関係についての記述が増える。やはり、内地人から本島人に対する差別意識は明確に存在して著者自身もいじめにあっているが、それでも中国との戦争がはじまるまでは穏やかな関係にあったようである。中国との開戦が転機となり、「皮肉なことに皇民化政策が推進されたことで、逆に台湾人意識が芽生えたとも言える」という考察は、支配することについて考えさせられる。高校時代は本編のなかでもっとも明るい時代だろう。高校生活を満喫する著者の楽しさが伝わり、当時通っていた高校にリベラルな教師が多かったというエピソードも面白い。「台北での下宿生活が暗いじめじめした大家族制度から解放して、自由の天地に呼吸させた」という著者の言葉が印象的で、家族への愛憎相半ばする想いを感じる。
東京大学入学以降は戦争の影響がはっきりと前面に表れる。そこから台湾への帰国、敗戦、中国国民党による支配、二・二八事件と最愛の兄の死、亡命と、二十代前半を波乱の連続のなかで過ごす。そして日本の敗戦による影響が強いこの時期、台湾人の立場や心情の複雑さがうかがえる。敗戦国から一転して戦勝国側への変化。日本統治からの解放感と、日本人に対する親しみと同情。中国への期待から疑惑、そして失望。そして終戦による安堵もつかの間、台湾人にとってはその後も辛い時代が続いたことを改めて知らされる。
本編以後を補足するあとがきで紹介される亡命後の台湾独立運動や、台湾人による初の台湾語辞典を手がけるなど、台湾の独立を強く願ったのが王氏だった。それとともに、全編を通して日本人への絆や親しみを隠さず表明し、「皇民化運動」を除く日本統治への評価は一貫して高い。それとは対照的に、戦後に日本に代わって長らく台湾を支配することになった中国国民党や中国人に対する憤りは激しく、不信感は強い。著者の親日・反中の立場の明確さから留飲をさげる読者もいるだろう。
日本と中国というふたつの国に運命を大きく左右された台湾人青年の回想を通し、長らく実質的な自治が叶わなかった台湾の歴史を振り返り、複雑な立ち位置を知るとともに、親日的な側面も含めて現在の台湾につながる成り立ちについて理解が深まった。