第1章の冒頭から惹き込まれる風景描写が素晴らしい。
「窓から見えるのは、どこまでも遠くつづいている、灰色の世界だけだった。・・」
舞台はジュネーヴ湖畔にあるとあるホテルだが、以前スイスに行ったことのある読者であれば
おおよその場所は想像がつくと思う。登場人物の心理描写もさることながら筆者のレマン湖近辺の風景描写はあたかもそこを自分が旅をしているような気持になる。
何回でも繰り返し読みたくなる作品。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
秋のホテル (ブルックナー・コレクション) - – 1988/10/25
アニータ ブルックナー
(著),
小野寺 健
(翻訳)
- 本の長さ243ページ
- 言語日本語
- 出版社晶文社
- 発売日1988/10/25
- ISBN-104794921810
- ISBN-13978-4794921819
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
秋。スイス。ジュネーブ湖畔に立つ「ホテル・デュ・ラック」。―女性作家イーディス・ホウプは、イギリスを追われるようにシーズンオフのホテルへやってきた。見知らぬ男、知見らぬ女が、それぞれの人生の影を引きずりながら、このホテルに集まってくる。イーディスは愛人デヴィッドに手紙を書きつづりながら、ふかい孤独とまっすぐに向きあっていく。現代の愛のかたちを真摯に探りつづける女の心理を硬質な美しい文章で描きだした、84年度ブッカー賞受賞の話題作。
登録情報
- 出版社 : 晶文社 (1988/10/25)
- 発売日 : 1988/10/25
- 言語 : 日本語
- - : 243ページ
- ISBN-10 : 4794921810
- ISBN-13 : 978-4794921819
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
星5つ中4.7つ
5つのうち4.7つ
5グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2007年12月6日に日本でレビュー済み
読み始めたときにはこんなに心に残る本になるとは思わなかった。
半分くらい読んだところで飽きて他の本に移ってしまったくらい。
でもまたなんとなく読み始めたら、どんどん面白くなって
最後にはとてもいい本だったとしみじみと思う本になった。
読み終えた直後には彼女の判断はバカだって思ったけど、すぐに思い直した。
きっと自分も同じことをする。
半分くらい読んだところで飽きて他の本に移ってしまったくらい。
でもまたなんとなく読み始めたら、どんどん面白くなって
最後にはとてもいい本だったとしみじみと思う本になった。
読み終えた直後には彼女の判断はバカだって思ったけど、すぐに思い直した。
きっと自分も同じことをする。
2006年2月17日に日本でレビュー済み
ブルックナーの作品は、日本人には少々取りつきにくいところがあるかもしれない。この「秋のホテル」もヨーロッパの有閑女性達についての知識がないと理解に苦しむ部分があるのは事実だ。しかし、ブルックナーの繊細で仔細な人間観察を通じて、ヒロインの内面の変化と成長が丹念に描かれたこの作品は、静謐さの中にも人間のエゴイズムや孤独をしっかりと見据えていて素晴らしい。イギリス文学の伝統を受け継ぎながら、普遍的な人間性を描いた傑作といえる。こういった作品が生まれるのも成熟した文化を持つヨーロッパならではだろう。
2002年5月8日に日本でレビュー済み
ブルックナーのブッカー賞受賞作品が「秋のホテル」だ。知的で思慮深い女性は人生の観察者でしかないのだろうか。
愛にこがれ、愛を求めつつも、踏み出せない孤独な女の心理をブルックナーは見事に描ききっている。ブルックナーは、何度も読み返すごとにその味わいが増すという素晴らしい小説を多数発表しているが、まずは「秋のホテル」から入ると彼女の世界がつかみやすいだろう。
愛にこがれ、愛を求めつつも、踏み出せない孤独な女の心理をブルックナーは見事に描ききっている。ブルックナーは、何度も読み返すごとにその味わいが増すという素晴らしい小説を多数発表しているが、まずは「秋のホテル」から入ると彼女の世界がつかみやすいだろう。