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ヨットクラブ (晶文社ミステリ) 単行本 – 2003/10/1
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- 本の長さ326ページ
- 言語日本語
- 出版社晶文社
- 発売日2003/10/1
- ISBN-10479492738X
- ISBN-13978-4794927385
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商品の説明
出版社からのコメント
イーリイの奇妙な世界
実業界で成功し、すべてを手に入れたジョン・ゴーフォースにも、ひとつだけ叶わぬ望みがあった。それは市の有力者が集まる秘密めいた社交クラブの会員になること。だが、待望の入会の誘いを受けたとき、彼はすでに人生に倦怠を覚え始めていた……。富豪たちのひそかな罪深き愉しみを描いて、MWA最優秀短篇賞に輝いた名作「ヨットクラブ」、規律正しい教育を理想に掲げる寄宿制学校のおぞましい実態が明らかにされる「理想の学校」、何か月も一言も口をきかず、互いに無視しあってきた夫婦が繰り広げる奇妙なゲームの顛末「夜の客」、自分が神であることに悩む男が始めた通信事業「G.O'D.の栄光」など、奇抜なシチュエーション、たがのはずれた世界を、ブラックユーモアをまじえて描き、読者に強烈なショック???恐怖をもたらす異色作家イーリイの傑作、全15篇を収録。
実業界で成功し、すべてを手に入れたジョン・ゴーフォースにも、ひとつだけ叶わぬ望みがあった。それは市の有力者が集まる秘密めいた社交クラブの会員になること。だが、待望の入会の誘いを受けたとき、彼はすでに人生に倦怠を覚え始めていた……。富豪たちのひそかな罪深き愉しみを描いて、MWA最優秀短篇賞に輝いた名作「ヨットクラブ」、規律正しい教育を理想に掲げる寄宿制学校のおぞましい実態が明らかにされる「理想の学校」、何か月も一言も口をきかず、互いに無視しあってきた夫婦が繰り広げる奇妙なゲームの顛末「夜の客」、自分が神であることに悩む男が始めた通信事業「G.O'D.の栄光」など、奇抜なシチュエーション、たがのはずれた世界を、ブラックユーモアをまじえて描き、読者に強烈なショック???恐怖をもたらす異色作家イーリイの傑作、全15篇を収録。
内容(「MARC」データベースより)
人生に倦んだ富豪たちのひそかな愉しみを描いて、アメリカ探偵作家クラブ賞に輝いた表題作をはじめ、日常の裏側にひそむ現代の不安と恐怖を、ブラック・ユーモアに満ちた鋭い筆致で抉り出す異才イーリイの短編集。
登録情報
- 出版社 : 晶文社 (2003/10/1)
- 発売日 : 2003/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 326ページ
- ISBN-10 : 479492738X
- ISBN-13 : 978-4794927385
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,030,576位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2007年12月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
不条理な世界を描かせたら天下一品の名手イーリイの傑作処女短編集です。本書を読んで感じるのは、著者はアメリカ人作家なのですが、まるでイギリス作家のような手触りの非常に端正な小説世界が読み取れるという事と、文豪アントニー・バージェスに絶賛された事が示すように奇想で驚かせるだけではなく文学的にも基本がしっかりとしているという点です。彼の描く世界は一見すると至極まともなのですが、注意深く考えて見ると微かに綻びが見えてくる歪んだアンバランス・ゾーンなのです。その反面、不条理とはいっても結末は十分に自然且つ論理的であり、読者を喜ばせようと意図して無理矢理つけられた落ちはありません。ですから、人によっては少し物足りない印象を持ってしまう部分もあるだろうなと思いますので、その面で万人向けでなく読者を選ぶ職人気質の作家と言えるでしょう。『理想の学校』の静かに進行する狂気の姿。『ヨットクラブ』は、金持ちの道楽として現実にありそうな恐ろしさ。『タイムアウト』は、正義感の強い老人が妥協せざるを得ない憂鬱。『隣人たち』は、子供を見せない奇妙な夫婦を、執拗に追い詰めて行く人々の妄執。『大佐の災難』の何が真実か確信が揺らぐ瞬間のぞっとする恐怖。『オルガン弾き』は、マッドな展開が不協和音を呼ぶ、不可思議な人間の嗜好を、それぞれ見事に描いています。全15編、非日常の世界に起こる奇妙奇天烈な出来事を淡々と冷静に語る枯れた作風が持ち味の著者ならではの名人芸を、どうぞたっぷりとお楽しみ下さい。
2005年1月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
はっきり言ってミステリではない。いわゆる奇妙な味の短編集。ミステリと銘打っておけば売れるという出版社の戦略。しかし、ミステリ読者のあいだでは、かなりの支持を得ることとなった。おそらく、従来のミステリの形式が飽きられたのと、純文学的であることが評価されたのだろう。日本のミステリ界の問題点を感じさせられる。
イーリイは結末を明示しないのが特徴で、ここで好悪が別れるだろう。
ミステリという枠組みをはずして読めば、なかなかの粒ぞろい。哀愁漂う物語が多く、ひねりも効いている。
イーリイは結末を明示しないのが特徴で、ここで好悪が別れるだろう。
ミステリという枠組みをはずして読めば、なかなかの粒ぞろい。哀愁漂う物語が多く、ひねりも効いている。
2005年8月17日に日本でレビュー済み
これぞ短編と思わせてくれる名作が盛りだくさん。最初の理想の学校では、対極にあるふたつを同じものとして見せ、結果的に現代を鋭く批評している傑作。これだけ読めば、レベルの高さを実感できる。
日本で言うと、乙一のZOOみたいな作品なので、それが気に入った人はぜひ
日本で言うと、乙一のZOOみたいな作品なので、それが気に入った人はぜひ
2004年1月13日に日本でレビュー済み
非常に毒のあるブラックユーモア短編集でとても楽しく読めた。だいたいはニヤリとさせられる種類の笑いだが、ところどころ異様にテンションが高い。「面接」などはコントとして十分上演できそうな短編だった。似たような作家をあげるとするならロアルド・ダールだが、ダールがちょっとクスリをやってハイになったような感じ。
2004年10月11日に日本でレビュー済み
それぞれ違う味の短編(「タイムアウト」は中編ですが)で、面白いです。
共通しているのはじわじわと沸いてくる作品への興味。強烈なショックというよりも、じっくり読める短編が多かった。
判りやすいオチがついているものはイマイチで、オチが無いというか、ストンと丸く収まってしまっている気にさせられてしまうものの方が作品自体の回転の速さとは裏腹に底からじわっとくる妙味を楽しめる。
共通しているのはじわじわと沸いてくる作品への興味。強烈なショックというよりも、じっくり読める短編が多かった。
判りやすいオチがついているものはイマイチで、オチが無いというか、ストンと丸く収まってしまっている気にさせられてしまうものの方が作品自体の回転の速さとは裏腹に底からじわっとくる妙味を楽しめる。