原点からの化学シリーズは『化学の理論』『無機化学』『有機化学』の3冊を使いました。本来別々にレビューすべきですが、今回まとめてレビューさせて頂きます。
高校物理には厳密性を無視した記述や小手先のテクニック、公式の丸暗記に対し批判的意見が一定数ありますが、高校化学には物理と比べて丸暗記を良しとする風潮があると感じています。物理も化学も突き詰めれば考え方は同じです。根底にあるシンプルな事実(=原理)を起点として理論が展開されているに過ぎません。そして、たかが高校で習う範囲の理論は、複雑な数学的手法や高度な物理的知識がなくとも理解することは可能です。
本シリーズでは、高校化学が物理学との繋がりを意識して説明されています。それもそのはず、高校化学の土台である「理論化学」は大学では「物理化学」という名前に変わり、熱力学、統計力学、量子力学といった物理理論に基づいて、原子や分子の状態や構造、反応を定量的に記述する分野になります。そもそも、物理も化学も同じ自然科学な訳ですから、関連性が無い方がおかしいのです。本シリーズでは『化学の理論』がこれにあたります。まずはこれを読んでください。自身の化学の理解度がいかに浅かったかを実感させられます。
『無機化学』は残念ながらあまり突っ込んだ話はありません。本来、無機化学は定量的な学問なのですが、理論的な説明をするためには量子力学のかなり深い話までしなければなりません。そこまで掘り下げるのは流石に高校生には荷が重すぎるのです。ただし、一般的な高校生にも理解できる範囲で丸暗記が最小限になるよう、論理的な説明がなされています。
『有機化学』は電子論に基づいて説明がなされています。本シリーズの中では最も難しいとされていますが、慣れれば大したことはありませんし、むしろこちらの方が暗記が減って圧倒的に楽です。
本シリーズの良いところは、理論・無機・有機の各論が有機的に繋がり、高校化学を論理的・体系的に理解できることです。『新・物理入門』のレビューでも述べましたが、応用力とは正しい理解を以てして初めて備わるものだと思います。
石川正明先生の著書は、本シリーズの他に『新理系の化学』があります。こちらは本シリーズと比べて内容がコンパクトにまとまっている為、予備校で石川先生の授業を受けている方に向いています。
逆に、本シリーズは諄いぐらい丁寧に解説されているので、独学で勉強されている方におすすめです。化学は暗記科目だと半ば諦めている人は、ぜひ本シリーズを読んでみてください。
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化学の理論: 原点からの化学 (駿台受験シリーズ) 単行本 – 2007/11/6
石川 正明
(著)
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- 本の長さ324ページ
- 言語日本語
- 出版社駿台文庫
- 発売日2007/11/6
- ISBN-104796117059
- ISBN-13978-4796117050
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登録情報
- 出版社 : 駿台文庫 (2007/11/6)
- 発売日 : 2007/11/6
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 324ページ
- ISBN-10 : 4796117059
- ISBN-13 : 978-4796117050
- Amazon 売れ筋ランキング: - 207,864位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 256位高校化学教科書・参考書
- - 882位化学 (本)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2022年1月1日に日本でレビュー済み
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この本はタイトル通り平衡と電気陰性度で殆どの理論を説明しています。そんな馬鹿なと思うかもしれませんが実際に説明されているから凄いです。この2つのワードを頭に留めた上で読むとより理解が進むと思います。勿論この2つは無機、有機の理解にも大いに約立ちます。
例えば気体の工業的製法の過程でNO、COが生成されて不思議に思ったこと無いですか?NO2,CO2ではなぜ駄目なのかと。実は平衡のルール(拡散と安定)より高温では平衡が大きく偏ってNO,COが生じるわけですがこのようなことを”暗記抜き”で理解出来るようになり本番での失敗のリスクが激減します。
ただこの本を受験生が使う上で注意点がいくつかありそれを今後の読者の為に書いておきます。
まず電子軌道論の章は読まなくて良いです。というのも電子軌道論だけでは説明できないことも多いのですがそれらについては触れられていないからです。分子理論まで勉強したら良いのですがそこまでしても点数は増えないからだとは思いますが。例えばこの本では電子反発理論でH2Sの形を推定出来ないと書かれておりそれは正しいです。ただ一方で電子反発理論の例題で取り上げられてる硫黄酸化物イオンは電子軌道論だけでは説明できませんがそれは書かれていません。これは共鳴を電子軌道論だけでは説明出来ないからです。なので共鳴構造の分子は全て電子軌道論だけでは説明できません。つまり電子軌道論で推定した間違った形を正しいものと勘違いしてしまうリスクがあるわけです。
もし電子軌道論や分子軌道などの踏み込んだ知識について知りたい意欲ある受験生がいるのであればアトキンス一般化学という本がオススメです。これは大学1回生が教養で用いるやさしい教科書であり高校化学の内容を深堀りしつつ一周している本なので高校までの知識ですらすら読めます。
次にこの本は理論を「理論的に」説明している本なので対象者は理論の暗記は終えている前提です。化学平衡を扱ってる都合上例題も最難関大レベルのものが多いです。
また理論的に説明するということはミクロの世界の化学反応、つまり電子の動きを追って説明しているということなので物理を未習では厳しいかもしれません。例えばこの本の最初のページからmv^2/2=3KT/2が登場します。電気陰性度に絡む説明は当然クーロン力の公式が用いられています。それくらいは知っている前提で書かれています。
以上より最難関大志望で理論の伸び悩みを感じている人、暗記に限界を感じている人にオススメです。この本を読み終えたら無機編も読むとより理解が深まります。参考までに。
例えば気体の工業的製法の過程でNO、COが生成されて不思議に思ったこと無いですか?NO2,CO2ではなぜ駄目なのかと。実は平衡のルール(拡散と安定)より高温では平衡が大きく偏ってNO,COが生じるわけですがこのようなことを”暗記抜き”で理解出来るようになり本番での失敗のリスクが激減します。
ただこの本を受験生が使う上で注意点がいくつかありそれを今後の読者の為に書いておきます。
まず電子軌道論の章は読まなくて良いです。というのも電子軌道論だけでは説明できないことも多いのですがそれらについては触れられていないからです。分子理論まで勉強したら良いのですがそこまでしても点数は増えないからだとは思いますが。例えばこの本では電子反発理論でH2Sの形を推定出来ないと書かれておりそれは正しいです。ただ一方で電子反発理論の例題で取り上げられてる硫黄酸化物イオンは電子軌道論だけでは説明できませんがそれは書かれていません。これは共鳴を電子軌道論だけでは説明出来ないからです。なので共鳴構造の分子は全て電子軌道論だけでは説明できません。つまり電子軌道論で推定した間違った形を正しいものと勘違いしてしまうリスクがあるわけです。
もし電子軌道論や分子軌道などの踏み込んだ知識について知りたい意欲ある受験生がいるのであればアトキンス一般化学という本がオススメです。これは大学1回生が教養で用いるやさしい教科書であり高校化学の内容を深堀りしつつ一周している本なので高校までの知識ですらすら読めます。
次にこの本は理論を「理論的に」説明している本なので対象者は理論の暗記は終えている前提です。化学平衡を扱ってる都合上例題も最難関大レベルのものが多いです。
また理論的に説明するということはミクロの世界の化学反応、つまり電子の動きを追って説明しているということなので物理を未習では厳しいかもしれません。例えばこの本の最初のページからmv^2/2=3KT/2が登場します。電気陰性度に絡む説明は当然クーロン力の公式が用いられています。それくらいは知っている前提で書かれています。
以上より最難関大志望で理論の伸び悩みを感じている人、暗記に限界を感じている人にオススメです。この本を読み終えたら無機編も読むとより理解が深まります。参考までに。
2021年3月12日に日本でレビュー済み
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原点からの化学シリーズには本当にお世話になりました。
「発想法」は一番最初にやるべきで、シリーズ全体の大事な部分を大まかに説明しています。
「理論」は一番オススメです。電子軌道、平衡移動の仕組み(ルシャトリエの原理)など教科書には詳しく書かれていないが、非常に重要で高校化学の理解を深めるには必須の知識を得られます。演習は「計算」でやりましょう。
「無機」は無機化学の暗記量を最低限にするように工夫されて書かれていて、原理に則った議論がされています。「理論」の次におすすめです。
「有機」は正直やらなくてもいいかもしれませんが、有機化学を楽しみたい方にはおすすめです。
理科は基礎が一番大事なのでこのシリーズで磐石な基礎を築きましょう。
「発想法」は一番最初にやるべきで、シリーズ全体の大事な部分を大まかに説明しています。
「理論」は一番オススメです。電子軌道、平衡移動の仕組み(ルシャトリエの原理)など教科書には詳しく書かれていないが、非常に重要で高校化学の理解を深めるには必須の知識を得られます。演習は「計算」でやりましょう。
「無機」は無機化学の暗記量を最低限にするように工夫されて書かれていて、原理に則った議論がされています。「理論」の次におすすめです。
「有機」は正直やらなくてもいいかもしれませんが、有機化学を楽しみたい方にはおすすめです。
理科は基礎が一番大事なのでこのシリーズで磐石な基礎を築きましょう。
2020年4月29日に日本でレビュー済み
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大学生でないから本当に正確な表現かどうか自分は判断することはできない。
けどこれのおかげで物理のように楽しく化学が学んでいけそうだ。
最高です!
けどこれのおかげで物理のように楽しく化学が学んでいけそうだ。
最高です!
2020年10月30日に日本でレビュー済み
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通常配達ですが、翌日届きました🎵
2019年5月11日に日本でレビュー済み
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弟用に購入。自らの受験時はラストにこれに気づき間に合わなかった。
弟もまるで授業を受けている様だと満足している。
弟もまるで授業を受けている様だと満足している。
2015年12月7日に日本でレビュー済み
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いままで丸暗記で済ましていた問題が、理論を使って解けるようになりました
これによって初めて見るような問題でも、要点を把握して解答が出来るようになったのです。
物理の知識を使うので、物理を一通り理解した後に使うと効果は倍増します。
これによって初めて見るような問題でも、要点を把握して解答が出来るようになったのです。
物理の知識を使うので、物理を一通り理解した後に使うと効果は倍増します。