まだ東海村の事故も、とうぜんこの度の東日本の大地震も津波もなかった時代のものですが、色々と参考になります。
電力会社側の意見が、当時からいかにいい加減であるかは、文章のそこらじゅうから透けて見えます。「原子力発電所は、その地方で想定され得る最大級の地震に対しても十分な耐震性を持たせてあります・・・・したがって、原子力発電所においては、津波による被害は考えられません」・・・しれっとこんな文章を書いた人間は、今どこで何をしてるんだろうかと、憤りを感じます。
対する反原発派の面々(久米三四郎・小林圭ニ・生越忠・堀江邦夫・小出裕章・藤田祐幸・山口俊明・高木仁三郎・他)の論理は現在を予言するかのごとく明確です。予言というより、この当時から原発の危険性は変わらず、現在まであり続けた、ということでしょう。戦慄します。長年、原子力発電所に不信感があったくせに、こわいものを見たくなくて勉強不足だった自分にも腹が立ちました。
反原発派から言わせれば、推進派は何の根拠もなく推進しているだけ、とのこと。つまり私くらいの知識しかないのに「安全です」と判子を押している人間がいた(現在もいる?)ってことです。恐ろしい。
原子力に関する書籍は、賛否どちらのものも、今後は増え続けるだろうな、と思います。しかしあまり専門書に近いものだと、私のような文系の思考回路をしている者には読みづらい。だからといって、あまり軽い本には信憑性が感じられない。この雑誌(文庫の方は未読)は、一つの問題点に対して数ページしかなく論旨がクリア、新聞記事をちらりと読む感覚でするりと頭に入ります。ぜひ再版を願います。
(2011年8月追記・再販されたようです。私は文庫は未読なので、書店等で違いを比べてみたいと思います)
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決定版 原発大論争! 電力会社vs反原発派 (宝島SUGOI文庫 ) (宝島社文庫) 文庫 – 1999/11/25
別冊宝島編集部
(編集)
電力会社による原発推進の論拠を完膚なきまでに論破
×電力会社:原発がないと電気が足りなくなる ⇒ ◎原発があるから電気が不足する
×電力会社:原発は安上がり ⇒ ◎都合が悪くなると計算式を変えて発電原価をデッチアゲ
×電力会社:原発労働者にミスはない ⇒ ◎原発労働者は勘が頼りの素人集団
×電力会社:世界的に原子力が推進されている ⇒ ◎電力会社は原発をもてあましている
国民の批判の声を封じる電力会社の『内部資料・原子力発電に関する疑問に答えて』に、小出裕章、高木仁三郎、西尾漠、藤田祐幸ら15人の論客が総反撃!
×電力会社:原発がないと電気が足りなくなる ⇒ ◎原発があるから電気が不足する
×電力会社:原発は安上がり ⇒ ◎都合が悪くなると計算式を変えて発電原価をデッチアゲ
×電力会社:原発労働者にミスはない ⇒ ◎原発労働者は勘が頼りの素人集団
×電力会社:世界的に原子力が推進されている ⇒ ◎電力会社は原発をもてあましている
国民の批判の声を封じる電力会社の『内部資料・原子力発電に関する疑問に答えて』に、小出裕章、高木仁三郎、西尾漠、藤田祐幸ら15人の論客が総反撃!
- 本の長さ381ページ
- 言語日本語
- 出版社宝島社
- 発売日1999/11/25
- ISBN-104796616543
- ISBN-13978-4796616546
登録情報
- 出版社 : 宝島社 (1999/11/25)
- 発売日 : 1999/11/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 381ページ
- ISBN-10 : 4796616543
- ISBN-13 : 978-4796616546
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,603,810位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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