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リバーズ・エッジ (ワンダーランドコミックス) コミック – 2000/1/1
- 本の長さ232ページ
- 言語日本語
- 出版社宝島社
- 発売日2000/1/1
- ISBN-104796616691
- ISBN-13978-4796616690
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商品の説明
商品説明
河口にほど近く、広く、ゆっくりと澱む河。セイタカアワダチソウが茂るその河原で、いじめられっこの山田は、腐りゆく死体を発見する。「自分が生きてるのか死んでるのかいつもわからないでいるけど/この死体をみると勇気が出るんだ」。過食しては吐く行為を繰り返すモデルのこずえもまた、この死体を愛していた。ふたりは、いつも率直で、「かわいい」ハルナにだけは心を許している。山田を執拗にいじめ抜くハルナの恋人、一方通行の好意を山田に寄せる少女、父親のわからない子どもを妊娠するハルナの友人。それぞれに重い状況を抱えた高校生たちがからみ合いながら物語は進行する。そして、新たな死体が、ひとつ生まれる。
本書は、93年から94年にかけて雑誌「CUTiE」で連載され、94年6 月に単行本化されたものの愛蔵版である。発表当時から多くの若者の心をとらえ、何年経ってもその評価が揺らぐことはなく、新たな読者を獲得し続けている。もちろん「若者」であっても、共感できる人もいれば、できない人もいるはずだ。
だがはっきりと言えるのは、本書が「読み物」としての興奮を存分に読者に与えてくれるものだということ。痛ましく、凄まじいこの物語に、きっちりと「おとしまえ」をつけて描き上げることのできる著者の圧倒的な力量には、誰もが魅せられるはずだ。(門倉紫麻)
登録情報
- 出版社 : 宝島社 (2000/1/1)
- 発売日 : 2000/1/1
- 言語 : 日本語
- コミック : 232ページ
- ISBN-10 : 4796616691
- ISBN-13 : 978-4796616690
- Amazon 売れ筋ランキング: - 229,899位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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本作で描かれる若者の”平坦な戦場“での戦いは、
平成を越えて令和の日本でも続いていると感じ、
読み返すたびにその普遍性にびっくりする。
至高の青春漫画。
問題は電子化・配信がされてないことだ。
この漫画は紙の本で手元に置いておきたい漫画だと思う。
一冊にまとまってるのも美しいし、
SNSや動画を見る片手間に読まれてほしくない。
でも電子版が配信されず絶版になり、
忘れられることだけはあってはいけない作品と思う。
漫画に限らず、創作物に何か感じる心がある人は必読だと思います。
最初に読んだときの感想「良く分からない」でした。いや、今も正直良く分かりません。絵柄もこれでプロの漫画家になれるのか…?と思うほど乱雑で、内容は読めば読むほど嫌悪感すら感じる負のパワーを漂わせています。
しかし、何故だか「あなたは強くなれる」だとか「あなたは私が守る」と言ったような綺麗ごとを吐いているようなドラマや小説を見たり読んだりすると、無性にこの漫画を読みたくなります。どこかが…何か「リアル」なのです。絵も何度も見ているとどこか「不気味な美しさ」を感じます。
台詞面もはっきり言うと下らない言葉が多いのですが、時々はっとさせられる切れのある台詞があります。個人的に印象に残った台詞は、
「自分が生きているのか死んでいるのかいつも分からないでいるけど この死体をみると勇気が出るんだ」
「世の中みんな キレイぶってステキぶって楽しぶってるけど ざけんじゃねえよって ざけんじゃねえよ いいかげんにしろ あたしにも無いけど あんたらにも逃げ道ないぞ ザマアミロって」
これらが頭から離れません。
そして、この異様な台詞を読むと、私自身も何故だか勇気が湧いてきます。よく耳にする「あなたは独りじゃない」みたいな保証のない台詞なんか絵空事じゃないかと思う程、胸をえぐられたような気がします。この漫画が理解されない理由も、一方で絶大な人気を誇る理由もなんとなくわかる気がするのです。
この作品が2018年に実写映画化されると聞いて、何故か私はとてもうれしくなりました。この漫画の本質を理解してないくせに何を言うかと思われるのは承知の末ですが、絶対に観に行きたいです。
過激で残酷なシーンも多いので規制されないか不安はありますが、なるべく原作のイメージを崩さないで映像化されることを願っています。
褒めている様に見える割には評価は厳しめなのは、やはり「分かりにくい場面が多い」という点が取れないところにあります。漫画評論家からはファンが多そうですが、一般受けしない作品であることは否定できないと思うし、多分途中で読むのをやめてしまう方も多い気がします。
読み手の健康状態によっては、読んだ後奇行に走る人がいそうだし(大袈裟かな)、「正常で健康な人」には気持ち悪さしか感じられない漫画となっているのは間違いないでしょう。
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なんとなくつきあっている観音崎とは距離を置きたがっているハルナ。友達のルミは中年の彼氏に高価な化粧品を贈られていることが自慢。モデルをしている吉川こずえは痩身体形を維持するために食べては吐くを繰り返す。田島カンナは山田君の彼女を自認しているが、山田君はゲイであることを隠すためにつきあっているふりをしているだけだということを知らない。
そんな高校生たちが、人生をもどかしく思い、痛ましいほどあがきながら生きていくさまを描いたコミックです。高校時代とは大抵の人がまだ何者でもありません。何者かになりたいとは思うものの、何者になればよいのかも判断がつかない時代でしょう。私もそうでした。
生きる上での指針となるのはメディアが作り上げた二つの世界;<世間一般とされる世界>か<人並み以上とされる世界>のどちらかです。ハルナやカンナは<世間一般とされる世界>の甘い恋愛に憧憬を抱き、ゲイでいじめられっ子の山田君は<世間一般とされる世界>から排除される存在です。一方、中年のパパがいるルミやモデルのこずえは<人並み以上とされる世界>に自慢げに足を置いています。しかし実のところ彼らは皆、その世界に釈然としないことを、ハルナなどは密かに感じ、こずえなどはあからさまに声に出しています。そのもどかしさが、主人公たちと同じ年齢だった私自身の日々を思い起こさせます。
わけても脇役のカンナの心模様が私にはなんとも切なく、愛しく、そして痛々しく感じられてなりませんでした。
山田君やハルナやこずえが河原の白骨遺体に、わずかな嫌悪を持ちながらも惹きつけられずにいられないのは、いにしえから人の中にビルトインされた<タナトス>(自己破壊への本能)がなせるワザなのでしょう。その<タナトス>はこずえの嘔吐の衝動や、河原崎がルミにしでかしたこと、カンナが自身にしでかしたこと、などあらゆる場面に顔を出します。そうした場面の連続に、読み手の心が激しく引きちぎられる思いは避けられません。
にもかかわらず、この物語を最後まで読み通してしまったのは、私の中にも<タナトス>の美と魅力を知る心があるからでしょうか。
ひどく危険なコミックです。ですが同時にそれでも私はこの作品をこう評したいと思います。人間はもどかしさを感じながらでしか前へと進むことはできないことを思い知るコミック、そして<タナトス>と闘うことが人生の要諦のひとつだと学ぶコミックだと。
だからこそ、そのラストシーンのように、朝がやってくることを信じてこの書を閉じたのです。
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ドラッグ・意味のないセックス・同性愛その他もろもろよくあるストーリーかもしれないけど、岡崎京子の絵を淡々とした文章だとまるで自分がその架空の世界の住民になったような気がする・・・。
現実ではそうそう遭遇することもない出来事ばかりだけど、どこか学生の頃自分も抱いていた、そして今もどこか抱いている自分のとても暗い部分を漫画というビジュアルではっきりと表現されたような感じです。
暗い話、ハッピーエンドは好きな方には決してお勧めできません。健康的に精力的に日々を頑張っている人たちにも。
決して皮肉ではなく、読んだら不快感しか残らないと思いますので・・・
なぜこんなに『生きることに実感がわかない』のだろう。
制度?社会?幻想?周囲の人たちのせい?
いくら突き詰めても答えはでない。
世間は言う「こんなにも豊かな社会に何の文句があるのか」と。
それでも僕は思う。
この『自分に纏わりつくような、うっとうしさ』は何なのか。
「リバーズエッジ」は大げさな答えを出さない。
「わたし達は何かを話さないために延々とおしゃべりしていたんだ」
その言葉は深く実感をもって苦く残った。
「君がいなくなって本当に寂しい」
その言葉の重みは、誰もが切に望む暖かさを伝え、
少女の、「いまはただ、胸が苦しい・・」その切なさに、
僕はいい年をして涙が止まらなかった・・。
岡崎京子、渾身の力作。