金融業界関係者のみならず、多くの人に読んでもらいたい1冊。
唐突感のあった「多重債務問題」の再発。過払金返還問題から上限金利引き下げ、
業法の改正など、ここまでやるか、と思うくらいの業界に対する締め付け。
多重債務者を救うと言い、さかんに広告を出す弁護士。
これらの裏側にあった、報道されない事実、意図的に歪められた報道などが
この本で明らかにされる。
細かな事実認識には、間違いもあるようだが、規制する側、される側、
報道する側それぞれの立場から、フェアな見方が示されていると思う。
振興銀行の闇や、クレジットカードや電子マネーの展開から再び、
同じ問題が発生するという見方も興味深い。
コンビニで手軽に借金ができる社会を、便利な社会と考えるのか、
許すべきではないと考えるのか、私たちが判断しなければいけないと思う。
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サラ金殲滅 単行本 – 2010/7/17
須田 慎一郎
(著)
- 本の長さ254ページ
- 言語日本語
- 出版社宝島社
- 発売日2010/7/17
- ISBN-104796672427
- ISBN-13978-4796672429
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商品の説明
著者について
須田 慎一郎 (すだ しんいちろう) プロフィール
1961年東京都出身。金融ジャーナリスト。夕刊紙、週刊誌での執筆、テレビでのコメンテータとして活躍。政界、官界、財界での豊富な人脈をもとに、数々のスクープをものにしてきた。著書に『下流喰い──消費者金融の実態』(ちくま新書)、『ブラックマネー 「20兆円闇経済」が日本を蝕む』(新潮社)、『大淘汰の時代 「メガ再編」後に生き残る企業 消える企業』(講談社)、共著に『偽りの政権交代 財務省に乗っ取られた日本の悲劇』(同)など多数。
1961年東京都出身。金融ジャーナリスト。夕刊紙、週刊誌での執筆、テレビでのコメンテータとして活躍。政界、官界、財界での豊富な人脈をもとに、数々のスクープをものにしてきた。著書に『下流喰い──消費者金融の実態』(ちくま新書)、『ブラックマネー 「20兆円闇経済」が日本を蝕む』(新潮社)、『大淘汰の時代 「メガ再編」後に生き残る企業 消える企業』(講談社)、共著に『偽りの政権交代 財務省に乗っ取られた日本の悲劇』(同)など多数。
登録情報
- 出版社 : 宝島社 (2010/7/17)
- 発売日 : 2010/7/17
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 254ページ
- ISBN-10 : 4796672427
- ISBN-13 : 978-4796672429
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,301,456位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 62,999位投資・金融・会社経営 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
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2010年8月11日に日本でレビュー済み
2010年6月17日に日本でレビュー済み
「アイフルが日本初の無人契約機むじんくんを設置」など、
序文から大間違いで(正しくはアコム。業界の常識)、
アイフルのおまとめローンが、
不動産狙いの過剰融資といった記述など、
実際に働いていた私からすれば明らかな見当違いの記述も多く、
サラ金=悪という説法は聞き飽きた感があるが、
それよりも振興銀とSFCGの問題を扱った章が実に興味深い。
無知なサラ金問題よりも、
振興銀とSFCGの問題を中心に本書を執筆した方が
よかったのではないかと思う。
序文から大間違いで(正しくはアコム。業界の常識)、
アイフルのおまとめローンが、
不動産狙いの過剰融資といった記述など、
実際に働いていた私からすれば明らかな見当違いの記述も多く、
サラ金=悪という説法は聞き飽きた感があるが、
それよりも振興銀とSFCGの問題を扱った章が実に興味深い。
無知なサラ金問題よりも、
振興銀とSFCGの問題を中心に本書を執筆した方が
よかったのではないかと思う。
2011年3月2日に日本でレビュー済み
サラ金がどんな風にして生まれて、どのようにして終わりつつあるかがこの本のテーマだ。
著者の須田氏はテレビのワイドショーなどで、よく見かける顔である。
内容はまぁまぁで、著者自身が長い取材経験を持つサラ金の全体像を著したものだ。
タイトルが示唆しているように、「サラ金は今や消滅しつつある」というのがこの本が訴える最も重大な命題である。
2010年6月の改正化資金業法完全施行によって、サラ金は最早先細りだ、という事を十分な取材と実例を交えて論証してくれている。ここは本書の長所である。
ファミマTカードのように、ポイントカードで消費者を囲い込み、銀行口座がなくても、クレジットカード同様の機能を持たせるというコンビニの狡知には驚いた。
「店頭入金のクレジットカードはサラ金のローンカードと大差がない」との大手銀行幹部の声も紹介しているが、その通りだろう。
単に、カードで決済させるだけではなく、小口でもいいからなるべく消費者にカネを借りさせて、金利を儲けようという企みは、コンビニチェーンでも、イオン等のスーパーでも同様である。ここら辺の指摘は実に鋭い。
書評者として一番参考になったのは、第8章で、「電子マネーとニューウェーブ」のところであった。
スイカのような、プリペイドカードを何時の間にかサラ金のキャッシュカードにしてしまう方法があるという。それは、電子マネーの残高が一定金額を下回ると自動的に数千円をチャージし、後日、カードから引き落とす仕組みである。
この「オートチャージ機能」のついたスイカの場合、改札機がキャッシュディスペンサーの役割を果たす事になる。
この機能は、交通系のプリペイドカードのほか、イオングループの電子マネーワオン等でも利用できる。プリペイドカードが何時の間にか、サラ金のカードになり、ポストペイカードになっているという、恐ろしい仕組みだ。
勿論、チャージされた金額には金利がつき、事後に元利合計を払わなければいけなくなる。
ここら辺は実に勉強になった。
この本の欠点を2つだけ指摘しておきたいと思う。
それは、貸金業法改正によって、サラ金は消滅するが、闇金の復活はないと簡単に結論付けているところだ。(P20-23)
「闇金は割に合わない商売になりつつあり、姿を消しつつある」というのが著者の主張である。
新しい形態の闇金として拡大してると言われている「ソフト闇金」に対しても、商売としてうまみがないので大した社会問題にはならない、と結論づけている。
手放しで闇金がなくなると言っている訳ではない。
しかし、「闇金のうまみは以前とは比べ物にならないほど小さくなっているのだ」と主張しているのだ。
私はこれには大いなる疑問を持つ。事実、ソフト闇金の繁盛を伝えるルポ記事も発表されている。
第2の欠点は、サラ金業界を創り上げた人々に対して、彼の眼があまりに優し過ぎるのではないか、と感じるところもある。
アコムやプロミスやレイクの創業者達に対して、須田氏は「性格のとっぽい彼ら」と表現している。
彼らの残した巨大な社会悪を考えれば、それを「彼ら生来のとっぽさ故であると考えざるを得ない」と考えるのは安易すぎないだろうか。
著者はサラ金地獄にのめり込んだ被害者達の実態を、よく知る人である人だけに、こういったところが妙に甘いのが気になった。
この業界に興味がある人が読めば、それなりに得るところの本であると思う。
著者の須田氏はテレビのワイドショーなどで、よく見かける顔である。
内容はまぁまぁで、著者自身が長い取材経験を持つサラ金の全体像を著したものだ。
タイトルが示唆しているように、「サラ金は今や消滅しつつある」というのがこの本が訴える最も重大な命題である。
2010年6月の改正化資金業法完全施行によって、サラ金は最早先細りだ、という事を十分な取材と実例を交えて論証してくれている。ここは本書の長所である。
ファミマTカードのように、ポイントカードで消費者を囲い込み、銀行口座がなくても、クレジットカード同様の機能を持たせるというコンビニの狡知には驚いた。
「店頭入金のクレジットカードはサラ金のローンカードと大差がない」との大手銀行幹部の声も紹介しているが、その通りだろう。
単に、カードで決済させるだけではなく、小口でもいいからなるべく消費者にカネを借りさせて、金利を儲けようという企みは、コンビニチェーンでも、イオン等のスーパーでも同様である。ここら辺の指摘は実に鋭い。
書評者として一番参考になったのは、第8章で、「電子マネーとニューウェーブ」のところであった。
スイカのような、プリペイドカードを何時の間にかサラ金のキャッシュカードにしてしまう方法があるという。それは、電子マネーの残高が一定金額を下回ると自動的に数千円をチャージし、後日、カードから引き落とす仕組みである。
この「オートチャージ機能」のついたスイカの場合、改札機がキャッシュディスペンサーの役割を果たす事になる。
この機能は、交通系のプリペイドカードのほか、イオングループの電子マネーワオン等でも利用できる。プリペイドカードが何時の間にか、サラ金のカードになり、ポストペイカードになっているという、恐ろしい仕組みだ。
勿論、チャージされた金額には金利がつき、事後に元利合計を払わなければいけなくなる。
ここら辺は実に勉強になった。
この本の欠点を2つだけ指摘しておきたいと思う。
それは、貸金業法改正によって、サラ金は消滅するが、闇金の復活はないと簡単に結論付けているところだ。(P20-23)
「闇金は割に合わない商売になりつつあり、姿を消しつつある」というのが著者の主張である。
新しい形態の闇金として拡大してると言われている「ソフト闇金」に対しても、商売としてうまみがないので大した社会問題にはならない、と結論づけている。
手放しで闇金がなくなると言っている訳ではない。
しかし、「闇金のうまみは以前とは比べ物にならないほど小さくなっているのだ」と主張しているのだ。
私はこれには大いなる疑問を持つ。事実、ソフト闇金の繁盛を伝えるルポ記事も発表されている。
第2の欠点は、サラ金業界を創り上げた人々に対して、彼の眼があまりに優し過ぎるのではないか、と感じるところもある。
アコムやプロミスやレイクの創業者達に対して、須田氏は「性格のとっぽい彼ら」と表現している。
彼らの残した巨大な社会悪を考えれば、それを「彼ら生来のとっぽさ故であると考えざるを得ない」と考えるのは安易すぎないだろうか。
著者はサラ金地獄にのめり込んだ被害者達の実態を、よく知る人である人だけに、こういったところが妙に甘いのが気になった。
この業界に興味がある人が読めば、それなりに得るところの本であると思う。