何らかの理由で社会と繋がれなくなり、そのまま自宅の部屋に篭って何年も過ごすうちに社会との接点を完全に失ってしまう「引き篭もり」という人が今の日本には100万人いるという。
多くは会社や学校で過酷な環境に頑張って立ち向かおうとしたものの精神的に耐え切れず、心身ともに悲鳴を上げて何もかも投げたしたいような気持ちになってしまったまま時間が過ぎてしまうという人だ。
昔も一定数いたようだが、家族がそれを恥と思って周囲に隠すなどしたことで状況が悪化する、また、行政側にも今のように一般的ではなく対応の手段が用意されていなかった為、引き篭もり自体が数十年の長期化に及び、遂には親の死を以って子供も生活の手段を失って死に到るような最悪のケースもある。
それが近年になって政府の調査によって予想以上の多人数の引き篭もりが存在することが明らかになり、ニュースなどでも取り上げられて問題視されるようになる。
さらには時折、引き篭もりの子供が親を殺害する、若しくはその逆に長年引き篭もり続けた子供を親が殺すなどの悲劇が事件として報道されるようにもなってきた。
引き篭もると言う事は無職でも生活していける環境があるから継続できることであり、衣住食を提供してくれる親がやがて死ねば子供も共倒れになる可能性が高い。それは社会的にも悲劇であり大きな損失である。
しかしながら、一度引き篭もった人間は再度就職する事が難しい社会に日本はなってしまっている。
バブル崩壊後の日本経済の沈没は引き篭もりでない人間でさえ雇用を得られないケースを増やしている。
企業は即戦力を求めて職歴の途切れた人間を社会復帰させる余裕を欠いてしまっている。
受け皿が民間に無いのなら、官庁でそれを創生するなどする必要があるだろうが、引き篭もりは自己責任論が蔓延しており、精神的な病であるケースなどが多いことがなかなか理解されない。
基本的にやはり親などの家族だけで解決しようとしても困難であることは間違いない。
積極的に第三者を介入させることがポイントになるようだ。引き篭もっている子供も親には暴力を振るっても「何の関係も無い第三者にいきなり暴力を振るう」ことはまずない。
引き篭もりの当事者からしたら「何なんだ?コイツらは?」と思うような家族しかいない世界に異物たる登場人物を出すことで関心を外の世界に向けさせることが必要らしい。
いずれにしても対処は早ければ早い程良い。「親子共倒れの未来」など誰が望むだろうか。
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ドキュメントひきこもり 「長期化」と「高年齢化」の実態 (宝島社新書316) (宝島社新書 316) 新書 – 2010/7/9
池上 正樹
(著)
社会生活が正常に営めない、いわゆる「ひきこもり」の数は推計360万人ともいわれている。ひきこもり期間の長期化、当時者や親の高齢化が問題となるなか、政府もようやく対策に乗り出した。
一体、なぜ彼らはひきこもるのか? 当事者、ひきこもりの子どもを持つ親への綿密な取材を通して、世間から見えにくいひきこもりの今をレポートする。親たちの苦悩、ひきこもる者たちの心情……。知られざるひきこもりの実態をレポート。
一体、なぜ彼らはひきこもるのか? 当事者、ひきこもりの子どもを持つ親への綿密な取材を通して、世間から見えにくいひきこもりの今をレポートする。親たちの苦悩、ひきこもる者たちの心情……。知られざるひきこもりの実態をレポート。
- 本の長さ207ページ
- 言語日本語
- 出版社宝島社
- 発売日2010/7/9
- ISBN-104796677887
- ISBN-13978-4796677882
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商品の説明
著者について
池上 正樹 (いけがみ まさき) プロフィール
1962年生まれ。大学卒業後、通信社勤務を経て、フリーのジャーナリストとして独立。新聞・週刊誌などでおもに社会問題を執筆。ひきこもりについては1997年から追いかけ始める。著書に『「引きこもり」生還記』『痴漢「冤罪裁判」』(ともに小学館文庫)など。
1962年生まれ。大学卒業後、通信社勤務を経て、フリーのジャーナリストとして独立。新聞・週刊誌などでおもに社会問題を執筆。ひきこもりについては1997年から追いかけ始める。著書に『「引きこもり」生還記』『痴漢「冤罪裁判」』(ともに小学館文庫)など。
登録情報
- 出版社 : 宝島社 (2010/7/9)
- 発売日 : 2010/7/9
- 言語 : 日本語
- 新書 : 207ページ
- ISBN-10 : 4796677887
- ISBN-13 : 978-4796677882
- Amazon 売れ筋ランキング: - 849,498位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 400位宝島社新書
- - 2,185位社会病理
- - 126,185位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1962年生まれ。大学卒業後、通信社の勤務を経て、現在はフリーのジャーナリスト。雑誌やネットメディアなどで、主に「心」や「街」をテーマに執筆。1997年から日本の「ひきこもり」現象を追いかけ始める。東日本大震災後は、被災地に入り、震災と「ひきこもり」の関係を調査。最新刊は『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)。他に『ドキュメント ひきこもり~「長期化」と「高年齢化」の実態~』(宝島社新書)、『ふたたび、ここから~東日本大震災、石巻の人たちの50日間~』(ポプラ社)など。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年11月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
かなり、具体的に書かれていて、こわい位。でも、これは今の日本の現実です。参考になります。
2012年10月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
面白く、良い本なのだが・・・
担当者のやる気がなかったのだろうか?能力がなかったのだろうか?
ミスが多いのが残念だ。それゆえの☆2つ。
p114 2行目・・・通らなくなってしまった・・・×
通らなくなってしまった。・・・○
p125 ・・・いい加減人の方が・・・×
いい加減な人の方が・・○
p148 2行目・・・ひとりで生きいける・・・×
ひとりで生きていける・・・○
p159 3行目・・・フラられる経験・・・×
フラれる経験・・・○
p176 1行目・・・ついに、ここまで来てしまいした・・・×
ついに、ここまで来てしまいました・・・○
p187 ・・・皆で一緒に遊べるよう場所・・・×
皆で一緒に遊べるような場所・・・○
担当者のやる気がなかったのだろうか?能力がなかったのだろうか?
ミスが多いのが残念だ。それゆえの☆2つ。
p114 2行目・・・通らなくなってしまった・・・×
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p125 ・・・いい加減人の方が・・・×
いい加減な人の方が・・○
p148 2行目・・・ひとりで生きいける・・・×
ひとりで生きていける・・・○
p159 3行目・・・フラられる経験・・・×
フラれる経験・・・○
p176 1行目・・・ついに、ここまで来てしまいした・・・×
ついに、ここまで来てしまいました・・・○
p187 ・・・皆で一緒に遊べるよう場所・・・×
皆で一緒に遊べるような場所・・・○
2012年9月24日に日本でレビュー済み
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財政問題を勉強していて、破綻後のイメージを膨らませるために読んだ。
今、定職につくには、職歴と対人力が必要という。
高校や大学を卒業した後、定職につけなかったり、一旦、離れると、定職につくのは難しい。
しかも、定職につけない・離れた理由の多くは、対人力の低さである。
ひきこもると、益々、対人力は低下してしまう。
ひきこもりの人が恵まれているのは、彼らの生活を支える、親の持ち家と年金収入である。
ひきこもりの親は、自分の死後をとても心配している。
この本では、2つのテクニックを紹介している。
「世帯分離=持ち家なし=生活保護ゲット」
「対人力の低さ=病気=障がい者年金ゲット」
筆者は、ひきこもりの親の支援をしている人なので、しかたないが、財政破綻は加速するばかりだ。
いつから、こんなに、対人力が強調される世の中になったんだろう?
自分の子供をひきこもりにしないため、子供に対人力をどうつけさせたらいいんだろう?
今、定職につくには、職歴と対人力が必要という。
高校や大学を卒業した後、定職につけなかったり、一旦、離れると、定職につくのは難しい。
しかも、定職につけない・離れた理由の多くは、対人力の低さである。
ひきこもると、益々、対人力は低下してしまう。
ひきこもりの人が恵まれているのは、彼らの生活を支える、親の持ち家と年金収入である。
ひきこもりの親は、自分の死後をとても心配している。
この本では、2つのテクニックを紹介している。
「世帯分離=持ち家なし=生活保護ゲット」
「対人力の低さ=病気=障がい者年金ゲット」
筆者は、ひきこもりの親の支援をしている人なので、しかたないが、財政破綻は加速するばかりだ。
いつから、こんなに、対人力が強調される世の中になったんだろう?
自分の子供をひきこもりにしないため、子供に対人力をどうつけさせたらいいんだろう?
2011年6月23日に日本でレビュー済み
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かつては10代の登校不適応にはじまり社会参入の遅延と捉えられていた「引きこもり」現象は、
1.そうした旧来の引きこもり世代がそのまま40代以上まで高年齢化している
ことに加えて、
2.かなりの程度社会人経験を経た人たち(40代すら含む!)が、業務や社内の対人関係に行き詰まり、失職するのを期に新たに参入してくる
・・・という、以前とは異なる次元での複雑な様相を呈している。もはや「社会人経験をある程度積んだ人たちは引きこもりにならない」という通説も通用しなくなった。
本書ではそうした引きこもった当事者と家族の発言が多数採録されていて、一見羅列的であり過ぎるようにも見えるかもしれない。しかし、それこそが現在の「引きこもり」現象が、一元的なステレオタイプで容易には説明できない現状を、ありのままに示していることになるだろう。単にネットやゲームが逃げ場になっているとか、本人の社会性・対人関係能力未熟さなどにも容易に還元できないのだ。
引きこもりの少なからず部分が発達障害や不安障害、うつ病、統合失調症等と診断可能な数多くの人たちが含まれているととらえられる一方で、そうした人たちを「病者」という一個人の問題として捉えるだけでいいのかという問題提起もなされている。
バブル期を経て、その後の不況と新自由主義的な経済の元で、「自己責任」で結果を迅速に次々出すことが求められる、業績至上主義に会社組織そのものが変容した。それが、会社内での人間関係の質そのものにも影響し、家族主義的なサポート体制を急速に失って、ギスギスしたものとなり、むしろ生真面目でコツコツやる層にこそ、新たな不適応を生み出している。
更に雇用状況の悪化。履歴の空白がある者に「敗者復活戦」を容易に許さない日本の風土もあいまって、一度働くことから「降りて」しまわざるを得なかった層の再度の社会参入をも厳しいものにしている。
そうした社会変容の中で、「引きこもり」概念そのものが、従来とは全く別の次元にシフトすることを迫られているのだ。
引きこもりの人を抱えた家庭そのものの生活困窮化も加速している。引きこもりの人間の大半が親と同居しているため、生活保護の対象にもならず、現在の日本の公的セフティ・ネットの外側にいる。
疎外され、孤立し、自分や環境をネガティブにとらえる悪循環を断ち切るには、人のネットワークが必要だ。本人が参加できなくても家族がそうしたネットワークに参加するだけでも確かに一つの契機になる。
ただし、本書で取り上げられている、様々な「引きこもり当事者の会(親の会)」の活動は、恐らくまだ大都市部を中心とした団体であり、そうした会への会費すら払えない層も少なくないという。こうした団体へのアクセス性そのものが非常に難しい地域もまだ多いのではないかという感想も持った。
また、発達障害についての記述(実際、そうした診断をも受ける方が少なくないのは確かだが)は、やや表層的な次元の記述にとどまり、新たな誤解を生む懸念もある気がする。
1.そうした旧来の引きこもり世代がそのまま40代以上まで高年齢化している
ことに加えて、
2.かなりの程度社会人経験を経た人たち(40代すら含む!)が、業務や社内の対人関係に行き詰まり、失職するのを期に新たに参入してくる
・・・という、以前とは異なる次元での複雑な様相を呈している。もはや「社会人経験をある程度積んだ人たちは引きこもりにならない」という通説も通用しなくなった。
本書ではそうした引きこもった当事者と家族の発言が多数採録されていて、一見羅列的であり過ぎるようにも見えるかもしれない。しかし、それこそが現在の「引きこもり」現象が、一元的なステレオタイプで容易には説明できない現状を、ありのままに示していることになるだろう。単にネットやゲームが逃げ場になっているとか、本人の社会性・対人関係能力未熟さなどにも容易に還元できないのだ。
引きこもりの少なからず部分が発達障害や不安障害、うつ病、統合失調症等と診断可能な数多くの人たちが含まれているととらえられる一方で、そうした人たちを「病者」という一個人の問題として捉えるだけでいいのかという問題提起もなされている。
バブル期を経て、その後の不況と新自由主義的な経済の元で、「自己責任」で結果を迅速に次々出すことが求められる、業績至上主義に会社組織そのものが変容した。それが、会社内での人間関係の質そのものにも影響し、家族主義的なサポート体制を急速に失って、ギスギスしたものとなり、むしろ生真面目でコツコツやる層にこそ、新たな不適応を生み出している。
更に雇用状況の悪化。履歴の空白がある者に「敗者復活戦」を容易に許さない日本の風土もあいまって、一度働くことから「降りて」しまわざるを得なかった層の再度の社会参入をも厳しいものにしている。
そうした社会変容の中で、「引きこもり」概念そのものが、従来とは全く別の次元にシフトすることを迫られているのだ。
引きこもりの人を抱えた家庭そのものの生活困窮化も加速している。引きこもりの人間の大半が親と同居しているため、生活保護の対象にもならず、現在の日本の公的セフティ・ネットの外側にいる。
疎外され、孤立し、自分や環境をネガティブにとらえる悪循環を断ち切るには、人のネットワークが必要だ。本人が参加できなくても家族がそうしたネットワークに参加するだけでも確かに一つの契機になる。
ただし、本書で取り上げられている、様々な「引きこもり当事者の会(親の会)」の活動は、恐らくまだ大都市部を中心とした団体であり、そうした会への会費すら払えない層も少なくないという。こうした団体へのアクセス性そのものが非常に難しい地域もまだ多いのではないかという感想も持った。
また、発達障害についての記述(実際、そうした診断をも受ける方が少なくないのは確かだが)は、やや表層的な次元の記述にとどまり、新たな誤解を生む懸念もある気がする。
2014年3月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
内容が少し自分の考えとずれがあるというか
ベーシックインカムの導入というトピックをこの本の内容に
絡めること自体に疑問を感じます。
ベーシックインカムの導入というトピックをこの本の内容に
絡めること自体に疑問を感じます。
2014年5月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
働いている人の中にも、「ひきこもり」の人たちと共通する
『メンタル的なメカニズム』 を持った人がたくさんいて、
「ひきこもり」は誰にでも起こる身近な問題であると著者はいいます。
一度正社員になれないと敗者復活できない弱者差別の社会、
人を疎外し孤立させる社会で、自分自身と向き合う状況に置かれれば自己否定に走ってしまい、
もし人から疎外されなければ必要のない「なぜこうなってしまったのか」という問いかけを
延々と続けることになる・・・。
日本が膨大な数の「ひきこもり」を輩出し続ける問題への解答は、容易でないことは確かですが、
日本社会がその問題を生み出していることを、鋭く提起する本として読む価値があると考えます。
『メンタル的なメカニズム』 を持った人がたくさんいて、
「ひきこもり」は誰にでも起こる身近な問題であると著者はいいます。
一度正社員になれないと敗者復活できない弱者差別の社会、
人を疎外し孤立させる社会で、自分自身と向き合う状況に置かれれば自己否定に走ってしまい、
もし人から疎外されなければ必要のない「なぜこうなってしまったのか」という問いかけを
延々と続けることになる・・・。
日本が膨大な数の「ひきこもり」を輩出し続ける問題への解答は、容易でないことは確かですが、
日本社会がその問題を生み出していることを、鋭く提起する本として読む価値があると考えます。