アニメ「皺」を気に入ったので、原作を買ってみました。
ちょっと「タンタンの冒険」の作者エルジェの描くおじさんキャラの雰囲気に似ている絵柄も自分好みで気に入りました。
話は、アニメとは少し異なり、結構過酷なエピソードも交じっています。
原作は、割と現実的で心をひきつける内容になっています。
その中でも気になってしまうのは、認知症で夫のことを忘れた妻が施設で出会ったおじいさんとの恋に夢中で夫はそれをみているしかない、という悲哀あるものです。そのほかにも流血沙汰のエピソードやエミリオが図書室でいら立って本を投げつけるなどアニメには入っていなかったエピソードがいくつかあります。
アニメの特典で映画監督が語っていたけど、作品では認知症を患う人やそれに関わる人たちを悲しませるようなことない作品になるように気遣ったと言っていたので、アニメ化されなかったのだと思います。
原作をみて、アニメの配慮や監督の作品への肉付けに気付きました。
アニメ・原作ともどちらもよい作品です。
灯台も佳作です。ラストははじめはわけがわかりませんでしたが、何度か読むと、ありえないと思えたようなことやテキトーにでっちあげたものでもそれを信じてそれを夢として突き進んでいけば、本当にもなりうるということの象徴だということに気付きました。過酷な経験をしても、絶望せずに夢を持てば道を切り開くことのできる若者への希望を示しているのだと感じました。
この作者の他の作品も機会があったら是非読みたいとおもいました。

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皺 (ShoPro Books) 単行本 – 2011/7/29
息子夫婦に連れられ、老人ホームに入ることになった元銀行員のエミリオ。そこでは、たくさんの老人たちがそれぞれの「老い」を生きていた。やがて彼らは「アルツハイマー」という残酷な現実と向き合うことになり……。大切な人の顔も、思い出さえも、なにもかもが失われていくなかで、人生最後の日々に人は何を思うのか――。
まさに一本一本刻まれた「しわ」のように、さりげない描写を静かに積み重ね、2007年にフランスで刊行されるや話題となった表題作『皺』の他、スペイン内戦を背景に灯台守の老人と青年兵士の交流を描いた短編『灯台』を収録。
同作は2011年にアニメーション映画化され、スペインのアカデミー賞と呼ばれる第26回ゴヤ賞で最優秀アニメーション賞、最優秀脚本賞を受賞した。
まさに一本一本刻まれた「しわ」のように、さりげない描写を静かに積み重ね、2007年にフランスで刊行されるや話題となった表題作『皺』の他、スペイン内戦を背景に灯台守の老人と青年兵士の交流を描いた短編『灯台』を収録。
同作は2011年にアニメーション映画化され、スペインのアカデミー賞と呼ばれる第26回ゴヤ賞で最優秀アニメーション賞、最優秀脚本賞を受賞した。
- 本の長さ176ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館集英社プロダクション
- 発売日2011/7/29
- ISBN-104796870911
- ISBN-13978-4796870917
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商品の説明
出版社からのコメント
かなしいのに、どこかあたたかい。 物語の最後。あんなに美しく悲しい2ページを他に知りません。 ――えすとえむ(漫画家) フランスで刊行されるや絶賛の声! スペイン発、「老い」と向き合った話題のコミックがついに日本上陸! 平成23年度[第15回] 文化庁メディア芸術祭 マンガ部門 優秀賞 受賞!!
著者について
【著者】 パコ・ロカ Paco Roca 1969年、スペイン・バレンシア生まれ。イラストレーターとして活躍するかたわら、コミック・アーティストとしてヨーロッパ各地で作品を発表。2008年、本作『アルーガス』でスペインコミック賞を受賞。「老い」という社会的なテーマを扱ったことで、コミックの枠を越え、広く世間から高い評価を受けた。 【訳者】 小野耕世 1939年東京生まれ。国士舘大学21世紀アジア学部客員教授。日本マンガ学会理事。日本における海外コミックの翻訳および研究、紹介の第一人者で、長年の海外コミックの紹介と評論活動が認められ、2006年に第10回手塚治虫文化賞特別賞を受賞。主な著書に『世界コミックスの想像力 グラフィック・ノヴェルの冒険』(青土社)、訳書にアート・スピーゲルマン『マウス』(晶文社)、ジョー・サッコ『パレスチナ』(いそっぷ社)などがある。
登録情報
- 出版社 : 小学館集英社プロダクション (2011/7/29)
- 発売日 : 2011/7/29
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 176ページ
- ISBN-10 : 4796870911
- ISBN-13 : 978-4796870917
- Amazon 売れ筋ランキング: - 120,479位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 90,947位コミック
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年4月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今や他人事では済まされない事実、寂しいが現実である。
2015年11月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
表紙にスレありと説明文にありましたが、思っていたよりもキズのようにしっかりした跡でした。が、本体には全く問題なく、状態も「良い」のレベルで妥当かなと納得しています。
2018年2月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
届くのも早く綺麗な商品でした。
本屋さんが、教える
オススメの本で、紹介されていて
とっても読みたかった本です。
本屋さんが、教える
オススメの本で、紹介されていて
とっても読みたかった本です。
2013年6月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
思いの外、良い作品でした。
淡々と進むストーリー、
所々で影を落とすアルツハイマー、
徐々に進む症状。
悲しいストーリーの中でも救われる点は、
主人公が、絶望と心理的苦痛を、それほど長く
受けなかったという点です。
個人的には、同様のテーマである
「ペコロスの母に会いに行く」の方が
日本人的な情緒と感性に響くものがありました。
この作品は、リアリティが高く
ペコロスは思いやりが深い。
そういう違いではないかと、感じました。
淡々と進むストーリー、
所々で影を落とすアルツハイマー、
徐々に進む症状。
悲しいストーリーの中でも救われる点は、
主人公が、絶望と心理的苦痛を、それほど長く
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個人的には、同様のテーマである
「ペコロスの母に会いに行く」の方が
日本人的な情緒と感性に響くものがありました。
この作品は、リアリティが高く
ペコロスは思いやりが深い。
そういう違いではないかと、感じました。
2014年6月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最近、記憶が怪しくなってきた父への自覚と戒めをこめてプレゼントするつもりで購入しました。
渡す前に目を通しておこうとページをめくったら、最後まで一気に読んでしまいました。
いろんなことがだんだんとわからなくなっていく、本人はいつものつもりでもだんだんできなくなっていく。
いずれ父もこうなっていくのでは、もしものときはこの本を思い出していたわっていければよいと考え直しました。
・・・父へ渡すときは戒めの気持ちはもうなく、残りの時間を大切にすごしたくなりました。
渡す前に目を通しておこうとページをめくったら、最後まで一気に読んでしまいました。
いろんなことがだんだんとわからなくなっていく、本人はいつものつもりでもだんだんできなくなっていく。
いずれ父もこうなっていくのでは、もしものときはこの本を思い出していたわっていければよいと考え直しました。
・・・父へ渡すときは戒めの気持ちはもうなく、残りの時間を大切にすごしたくなりました。
2016年11月27日に日本でレビュー済み
映画を見てとても感激して 原作を読みましたが 映画の方が良かったです。なんだか残念。
2014年8月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2作収録されているのですが、どちらも傑作です。心打たれて、読み終わってからも放心してしまう始末。
この本に出会えた事と、日本語で出版してくださったことに感謝したい。
表題の『皺』に出てくる人物もですが、もう一つの短編の灯台守に魅了されました。
読んだら古本で売ろうと読み始めましたが、ずっと手元に置いておきたいと思い直しました。買って正解でした。
この本に出会えた事と、日本語で出版してくださったことに感謝したい。
表題の『皺』に出てくる人物もですが、もう一つの短編の灯台守に魅了されました。
読んだら古本で売ろうと読み始めましたが、ずっと手元に置いておきたいと思い直しました。買って正解でした。