格差社会論争は、言論の注目を浴びているが、実は高齢者の間の格差問題も相当深刻な状況にある。
当然ながら、高齢者にも格差は存在し、そのことが様々な問題を引き起こしている。
たとえば、団塊の世代において、住宅購入の時期(バブル期か否か)により、シニアディバイドといわれる経済格差が生じている。
本著は、このシニアディバイドという社会現象を手がかりに、様々な角度から、老いを考察している筆者の意欲作である。
その他にも、医学、性、エイジズム、古代ギリシャ哲学など、多面的な角度から「老い」に迫った筆者の考察は、どれも、訓示として、実に明快であった。
かつて、『老人力』という書名の岩波新書がベストセラーになったが、こちらの本も、「老い」に対する啓蒙書として、もっと、広く読まれて欲しい好著である。
どなたか見識高い知識人や文化人の方が、この著作の素晴らしさを説いて、強く推してほしいものだ。
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嫌老社会 老いを拒絶する時代 [ソフトバンク新書] (ソフトバンク新書 20) 新書 – 2006/9/16
長沼 行太郎
(著)
「老い」を嫌悪する時代そのものを問う!
今後、ますます高齢社会を迎える中、「老い」をどのように捉えればいいのか。
「老い」を拒絶し嫌悪する時代に、歴史的な背景から団塊世代の問題までを多角的な視点から論じ抜く。
今後、ますます高齢社会を迎える中、「老い」をどのように捉えればいいのか。
「老い」を拒絶し嫌悪する時代に、歴史的な背景から団塊世代の問題までを多角的な視点から論じ抜く。
- 本の長さ176ページ
- 出版社ソフトバンククリエイティブ
- 発売日2006/9/16
- ISBN-104797334584
- ISBN-13978-4797334586
商品の説明
出版社からのコメント
「老い」を嫌悪する時代に、それと向き合う思想と技術を徹底考察。
格差問題から「老い」に関する歴史的背景まで幅広く論じた一冊。
「老い」は今までどのように処理されてきて、これからはどう向き合っていくべきなのか。
年をとるという誰にとっても切実なテーマを考えるための必読書である。
格差問題から「老い」に関する歴史的背景まで幅広く論じた一冊。
「老い」は今までどのように処理されてきて、これからはどう向き合っていくべきなのか。
年をとるという誰にとっても切実なテーマを考えるための必読書である。
レビュー
「老い」を嫌悪する時代に、それと向き合う思想と技術を徹底考察。
格差問題から「老い」に関する歴史的背景まで幅広く論じた一冊。
「老い」は今までどのように処理されてきて、これからはどう向き合っていくべきなのか。
年をとるという誰にとっても切実なテーマを考えるための必読書である。 --出版社からのコメント
格差問題から「老い」に関する歴史的背景まで幅広く論じた一冊。
「老い」は今までどのように処理されてきて、これからはどう向き合っていくべきなのか。
年をとるという誰にとっても切実なテーマを考えるための必読書である。 --出版社からのコメント
登録情報
- 出版社 : ソフトバンククリエイティブ (2006/9/16)
- 発売日 : 2006/9/16
- 新書 : 176ページ
- ISBN-10 : 4797334584
- ISBN-13 : 978-4797334586
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,316,068位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年9月27日に日本でレビュー済み
著者は、昔、
『知のトレーニング』という本の著者、花村太郎というペンネームの方
だそうです。私もその本には影響を受けたことがあります。
そこから察するに、本書の内容がきわめて、
博覧強記で、最初こそ高齢化社会を統計から分析するという
ふりをして導入していますが、本書の神髄は、哲学思想に
あると言っていいと思います。
本書、「嫌老社会」も、そういった背景で読むと、この本が、社会学的内容
で、はやりの世代間格差社会論、世代内格差論だけでなく、
それを超えて、深い知見と、歴史上の賢人は
いかに老人、老齢社会、老いるということを考察し研究したか、が
下敷きになっています。
冒頭こそ、厚生労働省の白書や統計を分析し、国際的な高齢化社会
さらに、日本の急速に進む高齢化社会や団塊世代の分析を通じて、
社会論のような顔をしていますが、本書のコアが社会論でないことは、
読み進むにつれて徐々に明らかになります。
つまり、本書は、「老いる」ことを巡る、知的冒険の書です。
アリストテレス、ソクラテスに始まり、イザナギ、イザナミのミコト
の神話、ボーボワールや、谷崎潤一郎など、出るわ、出るわ。
偉大な賢人や古今東西の文献に現れる「老いる」こと、「老人」「病気」
など、エイジングに関する文化的考察の書と言えます。
『知のトレーニング』という本の著者、花村太郎というペンネームの方
だそうです。私もその本には影響を受けたことがあります。
そこから察するに、本書の内容がきわめて、
博覧強記で、最初こそ高齢化社会を統計から分析するという
ふりをして導入していますが、本書の神髄は、哲学思想に
あると言っていいと思います。
本書、「嫌老社会」も、そういった背景で読むと、この本が、社会学的内容
で、はやりの世代間格差社会論、世代内格差論だけでなく、
それを超えて、深い知見と、歴史上の賢人は
いかに老人、老齢社会、老いるということを考察し研究したか、が
下敷きになっています。
冒頭こそ、厚生労働省の白書や統計を分析し、国際的な高齢化社会
さらに、日本の急速に進む高齢化社会や団塊世代の分析を通じて、
社会論のような顔をしていますが、本書のコアが社会論でないことは、
読み進むにつれて徐々に明らかになります。
つまり、本書は、「老いる」ことを巡る、知的冒険の書です。
アリストテレス、ソクラテスに始まり、イザナギ、イザナミのミコト
の神話、ボーボワールや、谷崎潤一郎など、出るわ、出るわ。
偉大な賢人や古今東西の文献に現れる「老いる」こと、「老人」「病気」
など、エイジングに関する文化的考察の書と言えます。
2006年11月14日に日本でレビュー済み
今の社会は高齢化になっているのに、60代や70代の人は自分をお年寄りと思っていない。
それは今の社会が、正しくこのタイトル通り「嫌老社会」だからだろう。
老化してゆくことは、死の世界の汚穢と通じるものがあるから醜悪に感じる。
人間を「自立性」「社会的有用性」で定義することにより、高齢者を巡る世代間対立への世論誘導に繋がる。
団塊の世代内でのシニアデバイトがもたらす、この先の老後。
書かれていることは少し漠然としてはいるが、これから日本が抱えそうな問題を考えさせる。
それは今の社会が、正しくこのタイトル通り「嫌老社会」だからだろう。
老化してゆくことは、死の世界の汚穢と通じるものがあるから醜悪に感じる。
人間を「自立性」「社会的有用性」で定義することにより、高齢者を巡る世代間対立への世論誘導に繋がる。
団塊の世代内でのシニアデバイトがもたらす、この先の老後。
書かれていることは少し漠然としてはいるが、これから日本が抱えそうな問題を考えさせる。