『ジョン平とぼくと』の世界には魔法があります。魔法が体系的に確立されていて、誰でも魔法を使える……はずなのですが、何故か主人公はちょっと魔法が苦手みたいです。そのせいか彼は科学に傾倒していきます。そう、魔法世界なのに科学もしっかり研究されているんです。
いわゆる少年漫画のような話ではなく、どちらかというと日常系のお話です。そんな日常の中で起きる事件に巻き込まれた主人公が奮闘――というよりは「がんばる」お話です。
まったりとしていて、そしてしっかり山場がある。そんなお話が読みたい人へ。
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ジョン平とぼくと (GA文庫) 文庫 – 2006/9/13
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使い魔と少年の、ゆるゆる現代ファンタジー
魔法の苦手な高校生・北見重が、それでもなんとかやりすごしていた日々は、新しい教師が赴任してきたのをきっかけに大きく動き始める。
のんびりゆるゆる、だけど心にしっかり残る。ハートウォーミング・ファンタジー登場!
魔法の苦手な高校生・北見重が、それでもなんとかやりすごしていた日々は、新しい教師が赴任してきたのをきっかけに大きく動き始める。
のんびりゆるゆる、だけど心にしっかり残る。ハートウォーミング・ファンタジー登場!
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社ソフトバンク クリエイティブ
- 発売日2006/9/13
- ISBN-104797337117
- ISBN-13978-4797337112
商品の説明
出版社からのコメント
そこは小さな魔法が日常的に存在する世界。魔法の苦手な高校生・北見重は、大した能力もなさそうな彼の使い魔・ジョン平とともに、なんとか日々をやりすごしている。目下の悩みのタネは、3週間後に予定されている魔法実技の試験である。
そんなある日、重の通う高校に、新任の物理化学教師がやってくる。普段使われていない化学室の個人利用を許されていた重にとっては、自分の居場所がなくなるかどうかの一大事。しかし実際には、それはもっと大きな出来事の序曲にすぎなかったのだった。
架空科学系テキストサイト「大西科学」が贈る、ハートウォーミング・ファンタジー。巻末には小川一水氏による解説を収録。
そんなある日、重の通う高校に、新任の物理化学教師がやってくる。普段使われていない化学室の個人利用を許されていた重にとっては、自分の居場所がなくなるかどうかの一大事。しかし実際には、それはもっと大きな出来事の序曲にすぎなかったのだった。
架空科学系テキストサイト「大西科学」が贈る、ハートウォーミング・ファンタジー。巻末には小川一水氏による解説を収録。
登録情報
- 出版社 : ソフトバンク クリエイティブ (2006/9/13)
- 発売日 : 2006/9/13
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 272ページ
- ISBN-10 : 4797337117
- ISBN-13 : 978-4797337112
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年7月2日に日本でレビュー済み
勝手に企画中のGA文庫の初期の名作を掘り起こすシリーズ第二弾は大西科学さんが7年前に発表したこちらの作品
表紙の絵も最近のラノベじゃあまり見かけないゆる〜い雰囲気ですが、内容の方は意外と骨のある所を感じさせる作品です
舞台は現代的な科学が支配的で、力という点では科学技術に及ばないが古くから伝わる魔法もそれなりの存在感を示し、何より全ての人間が
「使い魔」と称される動物を生涯のパートナーとして傍らに置いている、そんな社会に生きる魔法が苦手で化学の実験が好きな高校生・北村重と
彼の使い魔の犬・ジョン平の物語
色々と語るべき所はあるのだけど、やっぱりこの作品で描かれる世界の見どころは「使い魔」の存在感にあるのでしょうな
人が魔法とともにあり、その魔法の象徴として生涯を共に過ごし、その死後も場合によっては使い魔が遺志を継ぐ事もある絆こそが
この世界の象徴でしょう。特に主人公・重の父親が既に他界しており、その使い魔だったパンダが父親の代わりとして重に口答えを許さない
「父親的存在感」をしっかりと示している辺りにこの「使い魔」という設定の骨太さを感じた
シリーズ第一巻にあたる本作では魔法が苦手で、その劣等感から逃れるように一人化学実験室に入り浸っていた重が自分の魔法の未熟さの
象徴とでも言うべき「ゆるーい」存在感を示すジョン平と学校で起きた使い魔の失踪事件と校舎のあちこちで発生する爆発的事象を起こす魔法の真相
数少ない理解者であった化学教師の後任としてやってきた謎めいた女教師の正体に挑むまでが描かれています
重の魔法の能力不足で話す言葉も片言なジョン平はなんとも頼りないけれども、重が自分の未熟さから不安になったり、苛立った時には常に傍らにある事で
宥め役として不思議な存在感を示している所が実に良かった。特に終盤で重には辛い、事件の解決役としてはあまりに報われない展開が待っているのだけど
辛い立場に追いやられた重と彼に感情移入する読者にとってジョン平の「ゆるさ」がどれだけ救いになった事やら…この理屈じゃ語れないけど不思議と心を
あるべき所に落ち付けてくれる点がある意味「魔法」とも言えるかと
一見あっさり目の作品に思えるけども、「魔法」という力の原理や使い魔がいる世界における日常の在り方がくどくならず、それでいて不足を
感じさせない形で上手に描写されている点も好印象。設定馬鹿は御免だけど、ディテールがいい加減な薄っぺらい世界観も気に食わない方には
満足できる世界観であるかと思われます
ファンタジー作品を中心に「半身」と呼ばれる存在が登場する作品は数あれど、ここまで「ゆるさ」を徹底しながら、それでいてどんな時にも
その存在が傍らにあるから生きていけるという圧倒的な「存在の掛け替えの無さ」も感じさせる不思議な雰囲気を持った一冊
派手なだけでテンプレどっぷりな魔法に飽きた方には是非お勧めしたいと思います
表紙の絵も最近のラノベじゃあまり見かけないゆる〜い雰囲気ですが、内容の方は意外と骨のある所を感じさせる作品です
舞台は現代的な科学が支配的で、力という点では科学技術に及ばないが古くから伝わる魔法もそれなりの存在感を示し、何より全ての人間が
「使い魔」と称される動物を生涯のパートナーとして傍らに置いている、そんな社会に生きる魔法が苦手で化学の実験が好きな高校生・北村重と
彼の使い魔の犬・ジョン平の物語
色々と語るべき所はあるのだけど、やっぱりこの作品で描かれる世界の見どころは「使い魔」の存在感にあるのでしょうな
人が魔法とともにあり、その魔法の象徴として生涯を共に過ごし、その死後も場合によっては使い魔が遺志を継ぐ事もある絆こそが
この世界の象徴でしょう。特に主人公・重の父親が既に他界しており、その使い魔だったパンダが父親の代わりとして重に口答えを許さない
「父親的存在感」をしっかりと示している辺りにこの「使い魔」という設定の骨太さを感じた
シリーズ第一巻にあたる本作では魔法が苦手で、その劣等感から逃れるように一人化学実験室に入り浸っていた重が自分の魔法の未熟さの
象徴とでも言うべき「ゆるーい」存在感を示すジョン平と学校で起きた使い魔の失踪事件と校舎のあちこちで発生する爆発的事象を起こす魔法の真相
数少ない理解者であった化学教師の後任としてやってきた謎めいた女教師の正体に挑むまでが描かれています
重の魔法の能力不足で話す言葉も片言なジョン平はなんとも頼りないけれども、重が自分の未熟さから不安になったり、苛立った時には常に傍らにある事で
宥め役として不思議な存在感を示している所が実に良かった。特に終盤で重には辛い、事件の解決役としてはあまりに報われない展開が待っているのだけど
辛い立場に追いやられた重と彼に感情移入する読者にとってジョン平の「ゆるさ」がどれだけ救いになった事やら…この理屈じゃ語れないけど不思議と心を
あるべき所に落ち付けてくれる点がある意味「魔法」とも言えるかと
一見あっさり目の作品に思えるけども、「魔法」という力の原理や使い魔がいる世界における日常の在り方がくどくならず、それでいて不足を
感じさせない形で上手に描写されている点も好印象。設定馬鹿は御免だけど、ディテールがいい加減な薄っぺらい世界観も気に食わない方には
満足できる世界観であるかと思われます
ファンタジー作品を中心に「半身」と呼ばれる存在が登場する作品は数あれど、ここまで「ゆるさ」を徹底しながら、それでいてどんな時にも
その存在が傍らにあるから生きていけるという圧倒的な「存在の掛け替えの無さ」も感じさせる不思議な雰囲気を持った一冊
派手なだけでテンプレどっぷりな魔法に飽きた方には是非お勧めしたいと思います
2006年10月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本作は、「魔法の世界」と銘打っているけれど、「化学の好きな理系っぽい男の子がいて、家族がいて、友人がいて、先生がいて、学校でちょっとした事件が起こる物語」、とその粗筋を説明すると、まるで魔法の世界とは思えない。これは、猫耳付けた露出の多い女の子が呪文を唱えてチャンバラするような話でもないし(まあ俺はそういうのも好きだけどな)、すんごい巨悪を愛だか友情だかの力で打ち負かすような話でもない。
もし魔法があるとしたら、科学とどういう関係になるのだろう。そんな世界の姿を、作者はかなりの紙幅を割いて描き出している。現役の理系研究者という肩書きも持つ作者らしい理屈っぽさが発揮され、それは作品の地味さにもつながってるのかもしれないけど、淡々とした独白のように語られる日常的な世界という雰囲気を作り出すことに成功しているし、また、作者のSF魂を感じずには居られないポイントでもある。
それから、主人公の男の子の淡い恋心の描き方とその未来に、俺はかなりクラっときたのでした。こういう上手い距離感を、近年見てなかった気がする。
もし魔法があるとしたら、科学とどういう関係になるのだろう。そんな世界の姿を、作者はかなりの紙幅を割いて描き出している。現役の理系研究者という肩書きも持つ作者らしい理屈っぽさが発揮され、それは作品の地味さにもつながってるのかもしれないけど、淡々とした独白のように語られる日常的な世界という雰囲気を作り出すことに成功しているし、また、作者のSF魂を感じずには居られないポイントでもある。
それから、主人公の男の子の淡い恋心の描き方とその未来に、俺はかなりクラっときたのでした。こういう上手い距離感を、近年見てなかった気がする。
2006年9月28日に日本でレビュー済み
アイザック・ニュートンが万有引力を発見したことよりも、錬金術師としての業績で有名なこの世界では、魔法が現実のこととして日常のなかに溶け込んでいます。ただし、それほどたいしたことが出来るわけでもなく、占術庁の発表する天気予言はよく外れるし、学校に空を飛んでいったりはできません。主人公の重は自転車で通学しています。荷台に使い魔のジョン平を乗せて。
ジョン平は、猫や鳥類のようなメジャーな使い魔に比べれば少しは珍しい犬の使い魔です。主人が魔法を使うごとに「訓致」が進んで、人間のように話せるようになったり寿命が伸びたりします。ジョン平はまだ訓致がそれほど進んでいないので、重の幼なじみの鈴音の使い魔である猫のトルバディンのように流暢には話せません。これは元の動物の知能などにはかかわりなく、主人がどれだけ魔法を使ったかによるようです。そんな魔法のあまり得意でない重と、使い魔ジョン平の高校生活を描いた作品です。
ジョン平は、猫や鳥類のようなメジャーな使い魔に比べれば少しは珍しい犬の使い魔です。主人が魔法を使うごとに「訓致」が進んで、人間のように話せるようになったり寿命が伸びたりします。ジョン平はまだ訓致がそれほど進んでいないので、重の幼なじみの鈴音の使い魔である猫のトルバディンのように流暢には話せません。これは元の動物の知能などにはかかわりなく、主人がどれだけ魔法を使ったかによるようです。そんな魔法のあまり得意でない重と、使い魔ジョン平の高校生活を描いた作品です。
2009年3月1日に日本でレビュー済み
現代社会と同じくらいに科学技術は進歩している。ただし、違うところが一つ。「魔法」が存在していてみんなが使えること。人々は使い魔となる動物をそれぞれ飼っているし、天気は予報ではなく予言され、首相の使い魔の病状がトップニュースになってしまうような世界。高校生の北見重は、そんな世界ではちょっと外れている。上手く魔法が使えないのだ。でも彼はそんなことをあまり気にしないし、うまく言葉をしゃべれない使い魔ジョン平と仲良く暮らしながら、誰も来ない物理化学室で今日も一人で実験を行っている。
ある日、重に物理化学室の鍵を貸してくれた教師が田舎に帰ることになり、代わりの女性教師、榎戸寧がやってきた。このまま実験をさせてもらえるか分からない重は少し不安になる。そして時を同じく起きるクラスメイトの使い魔の失踪。残される大爆発の跡。幼なじみの有吉鈴音から事件現場近くで寧先生を見たという証言を聞き、自分が疑われたこともあり、重は寧先生を調べ始めるのだが…
全体的にとってもゆるい雰囲気。もっとシリアスな感じになってもおかしくないのだけれど、ジョン平が言葉を発するとそれも自然と緩んでしまう。時々間に挟まれる重の解釈に、いわゆる理系の理屈っぽさを感じる人がいるかもしれない。でもボクはそういうのが好きだし、最後の解決も思わずクスッと笑っちゃうような日常的な解決で好感度が高い。
大人から見た青春群像ともまとめられるかもしれない。
ある日、重に物理化学室の鍵を貸してくれた教師が田舎に帰ることになり、代わりの女性教師、榎戸寧がやってきた。このまま実験をさせてもらえるか分からない重は少し不安になる。そして時を同じく起きるクラスメイトの使い魔の失踪。残される大爆発の跡。幼なじみの有吉鈴音から事件現場近くで寧先生を見たという証言を聞き、自分が疑われたこともあり、重は寧先生を調べ始めるのだが…
全体的にとってもゆるい雰囲気。もっとシリアスな感じになってもおかしくないのだけれど、ジョン平が言葉を発するとそれも自然と緩んでしまう。時々間に挟まれる重の解釈に、いわゆる理系の理屈っぽさを感じる人がいるかもしれない。でもボクはそういうのが好きだし、最後の解決も思わずクスッと笑っちゃうような日常的な解決で好感度が高い。
大人から見た青春群像ともまとめられるかもしれない。
2006年11月8日に日本でレビュー済み
説明するのは難しいのだけれど、この世界いいなって思いました。人間がみな、なにかしらの魔法の力をもっていて、でもそれは決して大きな力ではなく、使い魔というペットのような存在をしたがえている。学校や職場にも連れていって、いつも一緒。主人公の使い魔は犬で、彼の亡父の使い魔はパンダ! そんな微笑ましい世界に、ちょっとした事件が起こります。主人公は決してかっこよくもなくモテもせず、魔法能力も今いちな高校男子。彼が事件の謎にせまり、勇気をふりしぼって、謎めいた新任教師を追いつめるのですが、じつは……という物語です。恋のほろ苦さを思い出したり、ジョン平との信頼関係に胸が熱くなったり、高校生活の懐かしさにじーんときたりして、これ読んでよかった!っていう爽やかな気持ちになれますよ〜
2007年12月2日に日本でレビュー済み
この本は、落ちこぼれ学生の重が使い魔のジョン平と協力して事件を追っていく、現代ファンタジーです。ファンタジーといっても、実際にはSFや推理小説の要素なんかが結構絡んできたりするので、寝静まった頃、超能力者どうしがドンパチやって世界の支配をうんぬん……みたいなものとは全然違います。
どちらかというと、派手なアクションよりエブリディ・マジックもの(日常の魔法体験を描いたファンタジー)に近いです。こう書くとなんだか児童文学に近くて、それを見越してか紹介文には「ほのぼの」と書かれていますが、実際にほのぼのしている訳では案外なかったりして、結構嫌なシーンもあったりします。そういうのも含め、全編に漂うどことなくノスタルジックな要素がこの作品の魅力の一つ。世界設定も結構気合を入れて練られていて、癖はあります。でも、ファンタジー抜きでも全く楽しめる内容なのは保障します。米澤穂信とか、後「ザンヤルマの剣士」とかが好きな人に特におすすめしますよ。
どちらかというと、派手なアクションよりエブリディ・マジックもの(日常の魔法体験を描いたファンタジー)に近いです。こう書くとなんだか児童文学に近くて、それを見越してか紹介文には「ほのぼの」と書かれていますが、実際にほのぼのしている訳では案外なかったりして、結構嫌なシーンもあったりします。そういうのも含め、全編に漂うどことなくノスタルジックな要素がこの作品の魅力の一つ。世界設定も結構気合を入れて練られていて、癖はあります。でも、ファンタジー抜きでも全く楽しめる内容なのは保障します。米澤穂信とか、後「ザンヤルマの剣士」とかが好きな人に特におすすめしますよ。