花田一三六の処女長編『野を馳せる風のごとく』。
角川スニーカー文庫で10年前に出た作品が再び世に出た。
スニーカー文庫版は今でも本棚の奥に入っている。
度重なる古本売却の果てに残っている数十冊のうちの一冊だ。
それを持っているにも関わらず、本日GA文庫版を買ってしまった。
10年前に読んだ作品である。
大筋は憶えていたが、場面場面は憶えていなかった。
ところどころ、見覚えのある表現が出てきてはニヤリとする。
だがそんなことは瑣末なことだ。
読んでいて漲るのである。
活力が。
主人公ダリウスのあまりの力強さに。
その生命力の質量の大きさに。
「大陸物」と呼ばれた作品群が、GA文庫で再刊されるのは素晴らしいことだ。
願わくば未刊行の「大陸物」もGA文庫から刊行されることを望む。
昨今のラノベにない骨太な力強さを求める人にお薦めしたい。
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戦塵外史 野を馳せる風のごとく (GA文庫) 文庫 – 2006/10/12
戦乱ファンタジーの金字塔 ついに復活!
国がひとつ、死に瀕していた。
「面白かったな」
というのが、国の最高権力者アバール大公の感想である。
無骨な漢達がしのぎを削る!
戦塵外史シリーズ第一弾!
国がひとつ、死に瀕していた。
「面白かったな」
というのが、国の最高権力者アバール大公の感想である。
無骨な漢達がしのぎを削る!
戦塵外史シリーズ第一弾!
- 本の長さ285ページ
- 言語日本語
- 出版社ソフトバンククリエイティブ
- 発売日2006/10/12
- ISBN-104797337761
- ISBN-13978-4797337761
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商品の説明
出版社からのコメント
「どけえいっ」
一陣の風のごとく戦場を駆け抜ける赤毛の巨馬。騎乗する男が振るうのは、一スタルト(約三・六メートル)はあろうかという“削り出し”の大剣だ。それに触れた五人の兵士の首が一度に飛ぶ。人間業ではない。
彼の名はダリウス。今は亡きアバール大公国の世継ぎである。その肉体も、精神も、強さも、全てが桁外れの男である。
「兵を挙げて頂きたく存じます」
彼の内縁の妻アスティアが連れてきたのは、亡国の皇女フィアナだった。生ぬるい平和に退屈していたダリウスは即決した。たった五人で一国を奪う……。こんな愉快な話が他にあるだろうか。
「ひとつ派手にやろうじゃないか!」
一陣の風のごとく戦場を駆け抜ける赤毛の巨馬。騎乗する男が振るうのは、一スタルト(約三・六メートル)はあろうかという“削り出し”の大剣だ。それに触れた五人の兵士の首が一度に飛ぶ。人間業ではない。
彼の名はダリウス。今は亡きアバール大公国の世継ぎである。その肉体も、精神も、強さも、全てが桁外れの男である。
「兵を挙げて頂きたく存じます」
彼の内縁の妻アスティアが連れてきたのは、亡国の皇女フィアナだった。生ぬるい平和に退屈していたダリウスは即決した。たった五人で一国を奪う……。こんな愉快な話が他にあるだろうか。
「ひとつ派手にやろうじゃないか!」
登録情報
- 出版社 : ソフトバンククリエイティブ (2006/10/12)
- 発売日 : 2006/10/12
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 285ページ
- ISBN-10 : 4797337761
- ISBN-13 : 978-4797337761
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,370,700位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年1月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
角川スニーカー文庫で出てたのを読んで以来タイトルも作者名も忘れていましたが時折、思い出そうとして結局わからずじまいで最近までいました。つい先日作者のTwitterを見かけ活動をしているのを知り懐かしい気持ちで改めて購入しました。
本を閉じたあと懐かしい気持ちと読み終えた充実感でいっぱいになりました。
独特とも言える淡々とした文章ですが、読み進めればロマンに満ちており登場人物のカリスマを強烈に感じます。
また今後の活躍に期待させていただきます。
本を閉じたあと懐かしい気持ちと読み終えた充実感でいっぱいになりました。
独特とも言える淡々とした文章ですが、読み進めればロマンに満ちており登場人物のカリスマを強烈に感じます。
また今後の活躍に期待させていただきます。
2019年3月23日に日本でレビュー済み
懐かしいですね。今読むとある意味新鮮で楽しめました。
※パクり星1というレビューがあります。酒見賢一の後宮小説に影響されているとは思いますが、花の慶次とは似てませんね。
(松風っぽい馬はいますけどねw)
※戦争とは云々星2というレビューがあります。史実を書いた作品ではないのですから、小難しく考えず楽しみましょう。
※パクり星1というレビューがあります。酒見賢一の後宮小説に影響されているとは思いますが、花の慶次とは似てませんね。
(松風っぽい馬はいますけどねw)
※戦争とは云々星2というレビューがあります。史実を書いた作品ではないのですから、小難しく考えず楽しみましょう。
2019年1月20日に日本でレビュー済み
この作品は架空の歴史書や様々な資料などを元にして、架空の史実を後世のある歴史家(Aとする)が紐解いていくような文体を取っている英雄譚。
話は歴史家Aの視点(作者の視点)でAの考察を踏まえて話が進むのだが、事象に対してのAの考察が偏りすぎていて
この文体をとったことで悪い意味で作者のイデオロギーがチラチラ見え隠れして話に集中しづらくなっている。
その最たる者が【戦争に負けて国が滅んでも別に何も問題ない】という考え、そしてそれが一般論であるかのように歴史家Aや登場人物を使って所々断定的に述べられている。
なのでそのことについて読者としてこちらも考えずにはいられなくなるので考察する。
作者を含めて日本人にとっての一般的な敗戦というイメージはたぶん第二次大戦の日本の敗戦に近いだろう。
そんな日本人にとっての敗戦とは実質的には『敗戦処理をした(戦って負けた)相手がアメリカ』であり、そして『欧米列強の植民地支配の終わりを迎えた時期』だった。
例えば、当時敗戦処理をした(戦争に負けた)相手がソ連や中国だった場合、もしくは負けた時期が欧米列強の植民地主義の全盛期だった場合はどうなっていただろう。
戦後から今日までのソ連(ロシア)や中国の非人道的行いの数々、もしくは帝国主義全盛の欧米列強がアジアやアフリカで行った現地異人種の奴隷化や虐殺、愚民化政策などが物語るように、
日本の敗戦処理の相手や時期、そのどれか一方でも史実と状況が異なっていれば悲惨な末路をたどっていただろうことは想像に難くない。
要するに日本の敗戦とは「負けた相手が良かった」だけであり(アメリカの原爆投下や民間人への空襲などを戦争犯罪を肯定するものではない)、「負けた時期が良かった」だけに思える。
極論を言えば、たまたま偶然『恵まれた敗戦』を迎えられたから、にすぎないのではないだろうか。
その日本(本土)人の『恵まれた敗戦』観をそのまま体現したような作者の【戦争に負けて国が滅んでも別に何も問題はない】という主張は短絡的だし稚拙な国家観からくるものに感じる。
国という防壁がなくなった時の惨劇は第二次大戦敗戦時の北の地や中国大陸での出来事が証明している。
本土から離れた北の地では長崎原爆投下翌日から火事場泥棒よろしくソ連軍が侵攻を始め、ポツダム宣言受諾して降伏した8月14日からポツダム宣言調印の9月2日のその前日まで侵攻の足を全く止めなかったし、
そして中国大陸や朝鮮半島での引き揚げ時、軍人はもとより現地民による本国民間人の虐殺や強姦、強盗などが相次いだとされ、またよく知られるシベリア抑留の方々や生死不明のまま日本本土に帰るつくことができなかった方も多い。
「恵まれた敗戦」を迎えた日本でさえそういった現実があったのに、本作に登場する侵略者であるガルディア帝国やエイジェル王国は敗戦しても国の名前を取り上げるだけで現地住民には一切危害を加えないなど、つくづく分別がつきやさしい侵略者たちばかりである。
そんな理想的なやさしいせかいの中で【戦争に負けて国が滅んでも別に何も問題はない】に違いない!と言われても何のリアリティも説得力もない。
本作の主人公たちにしても超人的な強さをもち敵はバッタバッタとなぎ倒していくが、理想的で完全無欠な英雄すぎて戦記物の主人公としてはいまいちリアリティがかけることからもこの作者の幻想や願望が強い世界観の作品になってるようだ。
話は歴史家Aの視点(作者の視点)でAの考察を踏まえて話が進むのだが、事象に対してのAの考察が偏りすぎていて
この文体をとったことで悪い意味で作者のイデオロギーがチラチラ見え隠れして話に集中しづらくなっている。
その最たる者が【戦争に負けて国が滅んでも別に何も問題ない】という考え、そしてそれが一般論であるかのように歴史家Aや登場人物を使って所々断定的に述べられている。
なのでそのことについて読者としてこちらも考えずにはいられなくなるので考察する。
作者を含めて日本人にとっての一般的な敗戦というイメージはたぶん第二次大戦の日本の敗戦に近いだろう。
そんな日本人にとっての敗戦とは実質的には『敗戦処理をした(戦って負けた)相手がアメリカ』であり、そして『欧米列強の植民地支配の終わりを迎えた時期』だった。
例えば、当時敗戦処理をした(戦争に負けた)相手がソ連や中国だった場合、もしくは負けた時期が欧米列強の植民地主義の全盛期だった場合はどうなっていただろう。
戦後から今日までのソ連(ロシア)や中国の非人道的行いの数々、もしくは帝国主義全盛の欧米列強がアジアやアフリカで行った現地異人種の奴隷化や虐殺、愚民化政策などが物語るように、
日本の敗戦処理の相手や時期、そのどれか一方でも史実と状況が異なっていれば悲惨な末路をたどっていただろうことは想像に難くない。
要するに日本の敗戦とは「負けた相手が良かった」だけであり(アメリカの原爆投下や民間人への空襲などを戦争犯罪を肯定するものではない)、「負けた時期が良かった」だけに思える。
極論を言えば、たまたま偶然『恵まれた敗戦』を迎えられたから、にすぎないのではないだろうか。
その日本(本土)人の『恵まれた敗戦』観をそのまま体現したような作者の【戦争に負けて国が滅んでも別に何も問題はない】という主張は短絡的だし稚拙な国家観からくるものに感じる。
国という防壁がなくなった時の惨劇は第二次大戦敗戦時の北の地や中国大陸での出来事が証明している。
本土から離れた北の地では長崎原爆投下翌日から火事場泥棒よろしくソ連軍が侵攻を始め、ポツダム宣言受諾して降伏した8月14日からポツダム宣言調印の9月2日のその前日まで侵攻の足を全く止めなかったし、
そして中国大陸や朝鮮半島での引き揚げ時、軍人はもとより現地民による本国民間人の虐殺や強姦、強盗などが相次いだとされ、またよく知られるシベリア抑留の方々や生死不明のまま日本本土に帰るつくことができなかった方も多い。
「恵まれた敗戦」を迎えた日本でさえそういった現実があったのに、本作に登場する侵略者であるガルディア帝国やエイジェル王国は敗戦しても国の名前を取り上げるだけで現地住民には一切危害を加えないなど、つくづく分別がつきやさしい侵略者たちばかりである。
そんな理想的なやさしいせかいの中で【戦争に負けて国が滅んでも別に何も問題はない】に違いない!と言われても何のリアリティも説得力もない。
本作の主人公たちにしても超人的な強さをもち敵はバッタバッタとなぎ倒していくが、理想的で完全無欠な英雄すぎて戦記物の主人公としてはいまいちリアリティがかけることからもこの作者の幻想や願望が強い世界観の作品になってるようだ。
2015年3月15日に日本でレビュー済み
好意的な評価がありますが、おそらく隆慶一郎の一夢庵風流記とか未読の方でしょう
ハッキリ言って文章のトレースが多すぎです。登場人物の名前を差し替えただけで文章を丸パクリの部分が多々あります
よくこんなのが出版できたなと思う。盗作にならないのだろうか?
ハッキリ言って文章のトレースが多すぎです。登場人物の名前を差し替えただけで文章を丸パクリの部分が多々あります
よくこんなのが出版できたなと思う。盗作にならないのだろうか?
2011年8月16日に日本でレビュー済み
非常に面白い。
話の流れとしては良くある話ではあるし予定調和的でもある。
そして戦記物にしては味方側に超人が多すぎるきらいはあるが
それが気にならないくらい、内容は爽快で面白い。
語り口は、架空の史実がありその伝記や史料を読み解きながら
現代に生きる誰かが過去を語っているような感じ。
(別に全編にわたって↑なのではなく、そういった体裁をとっており、そういった語り口を所々に効果的に挟んであると言う事)
実際、それなりに重要人物とおもわれる彼。が名無しだ。
彼はダリウスにも気に入られているようだし、早死にはしないかなぁwとかおもうので、それでも名無しというのはすごいね。
以下の作品が好きな方はこの本も楽しめるのでは?とおもいます。
(後者3作品よりは超人的な活躍をする人がたくさん出てきます)
・でたまか
・ゆらゆらと揺れる海の彼方
・タザリア王国物語
・ノルマルク戦記
・紺碧の艦隊
話の流れとしては良くある話ではあるし予定調和的でもある。
そして戦記物にしては味方側に超人が多すぎるきらいはあるが
それが気にならないくらい、内容は爽快で面白い。
語り口は、架空の史実がありその伝記や史料を読み解きながら
現代に生きる誰かが過去を語っているような感じ。
(別に全編にわたって↑なのではなく、そういった体裁をとっており、そういった語り口を所々に効果的に挟んであると言う事)
実際、それなりに重要人物とおもわれる彼。が名無しだ。
彼はダリウスにも気に入られているようだし、早死にはしないかなぁwとかおもうので、それでも名無しというのはすごいね。
以下の作品が好きな方はこの本も楽しめるのでは?とおもいます。
(後者3作品よりは超人的な活躍をする人がたくさん出てきます)
・でたまか
・ゆらゆらと揺れる海の彼方
・タザリア王国物語
・ノルマルク戦記
・紺碧の艦隊