魔法と科学が併存する不思議なパラレルワールドの魔法が苦手で化学が好きなちょっと落ちこぼれっぽい
少年・重と彼の使い魔・ジョン平の物語第二弾。人がその生涯のパートナーとして「使い魔」と呼ばれる動物を
常に連れているというのがこの作品の特徴であり、ジョン平をはじめとした彼らのキャラクターが魅力なのだけど
それだけに今回は動物好きの方にはちょっと読むのが辛い内容になっています
バクテリア型使い魔という意外過ぎる正体が判明した「ブラウ」の事件が終わり、迎えた春休み。重が化学実験室で
見知らぬ少女と出会うところから物語が始まります。三葉と名乗る明らかに不審な彼女の処遇をどうしようかと周りに
相談を持ち掛ける重に対し、周りは彼女を大切に保護しろと口を揃えて返してきます。納得いかないまま彼女と行動を
共にする事になった重の周りに次第に怪しげな人物が出没し…
前回「ブラウ」を開発したトライアック・ジャパン社がいよいよその暗部を見せ始めました。その動きに呼応するかの様に
前回意外な正体が判明した寧先生も登場。更には重の亡父・陽一郎の使い魔、パンダのエンダーも事態の真相について
何かを知っているような素振を見せ始め…。今回、結構活劇シーンが多いです。寧先生の戦闘力は前回と変わらず大した物ですが
彼女を追い込む大魔法使いも登場、更にはエンダーが不思議な拳法を見せ、思わず「らんま1/2」かよ、と笑っちゃいました
ただでさえ落ちこぼれ気味な上、特殊な大人たちに正面から挑む力も度胸もない重が最後の最後で大活躍。前回寧先生を相手に
した時同様、知恵を絞って戦います。その解決方法は意外すぎる…
ただ、敵は退けても幸せになれるとは限らない、という残酷な結末が今回も重を待ち受けます。トライアック・ジャパン社が
使い魔を兵器化する研究をしていたとはいえ、罪もない使い魔やそれに関わった人々が、誰も何の罪もないというのに辛い結末を
受け入れざるを得なくなるとは…前回以上にビターな結末でしたね。表題の意味が明らかになると同時にどうにも遣る瀬無い気分に
なりました。特に実験動物の悲哀、という部分が強いので動物好きの方には辛い部分があるかもしれません
ジョン平は今回もいい味を「ゆる〜く」出していますが、彼の能力は今回も明かされず重の未来もよく分からないままです。しかし
物語は今回も大きく進んでおりますので、次が期待できる内容となっております。
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ジョン平とぼくと2 ジョン平と去っていった猫 (GA文庫) 文庫 – 2006/12/14
- 本の長さ304ページ
- 言語日本語
- 出版社ソフトバンククリエイティブ
- 発売日2006/12/14
- ISBN-104797339128
- ISBN-13978-4797339123
商品の説明
出版社からのコメント
高校二年から三年に上がる前の春休み。
昼ご飯から戻ってきた重とジョン平が化学室のドアを開けると、そこには見慣れない女の子が立っていた。
岡崎三葉と名乗った女の子は、追っ手からかくまってほしいと二人に告げる。そのあまりに浮世離れした話に呆然としつつも、その場の流れと友人達の意見により、不承不承自宅に連れて帰る重。だが、翌日化学室に現れたのは、果たして追っ手とおぼしき男と、その使い魔だったのだ!
魔法が日常的に存在する世界を舞台に、魔法的オチコボレにして科学の徒・北見重とその使い魔ジョン平が活躍する、現代魔法ファンタジー第2弾登場!
昼ご飯から戻ってきた重とジョン平が化学室のドアを開けると、そこには見慣れない女の子が立っていた。
岡崎三葉と名乗った女の子は、追っ手からかくまってほしいと二人に告げる。そのあまりに浮世離れした話に呆然としつつも、その場の流れと友人達の意見により、不承不承自宅に連れて帰る重。だが、翌日化学室に現れたのは、果たして追っ手とおぼしき男と、その使い魔だったのだ!
魔法が日常的に存在する世界を舞台に、魔法的オチコボレにして科学の徒・北見重とその使い魔ジョン平が活躍する、現代魔法ファンタジー第2弾登場!
登録情報
- 出版社 : ソフトバンククリエイティブ (2006/12/14)
- 発売日 : 2006/12/14
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 304ページ
- ISBN-10 : 4797339128
- ISBN-13 : 978-4797339123
- カスタマーレビュー:
著者について
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カスタマーレビュー
星5つ中4.5つ
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2007年11月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
魔法的落ちこぼれ・化学好きな主人公が出会った不思議な女の子。何者かに追われている彼女を守りたい、といつしか思うようになっていきます。恋にも似た彼の心の動きがとっても初々しく繊細に描かれていて、いいなあと思いました。クライマックスは、競技場での戦闘シーン。主人公は非力なため傍から見ているだけなのですが、女性調査官と敵が高度な魔法を駆使して闘う場面は大迫力! 最後に知恵を使い意外過ぎる方法で敵を退散させる主人公には、思わず笑ってしまいつつ拍手を送りたくなりました。第1巻でも登場したパンダ(主人公の父の使い魔)が活躍するアクションシーンは緊張感がありつつほのぼのして、とっても愉快。闘うパンダって…!
主人公は、魔法の世界にいるにもかかわらず魔法能力が今ひとつ。誰かを守りたい・助けたいと思っても実際たいしたことのできない自分を何かにつけ歯がゆく思っている。そんな彼にすごく共感を覚えます。ほのぼのしたユーモア、動物の愛らしさ、迫力ある戦闘場面、科学や物理学の知識、単語の羅列で発動する魔法、高校生活の懐かしさ、などがぎゅうっと詰まっていて、なんとも言えぬ風味を醸し出していると思う。魔法好き、動物好き、科学好き、どれかに当てはまる方におすすめします!
主人公は、魔法の世界にいるにもかかわらず魔法能力が今ひとつ。誰かを守りたい・助けたいと思っても実際たいしたことのできない自分を何かにつけ歯がゆく思っている。そんな彼にすごく共感を覚えます。ほのぼのしたユーモア、動物の愛らしさ、迫力ある戦闘場面、科学や物理学の知識、単語の羅列で発動する魔法、高校生活の懐かしさ、などがぎゅうっと詰まっていて、なんとも言えぬ風味を醸し出していると思う。魔法好き、動物好き、科学好き、どれかに当てはまる方におすすめします!
2009年3月2日に日本でレビュー済み
ブラウ事件も収まり、懸案だった魔法試験も何とか無難に乗り切った春休みのある日、重が化学室の扉を開けると、そこには体操服を着た少女がいた。岡崎三葉と名乗るいかにも言動が怪しいその少女は、追われているので匿って欲しい、と重にお願いする。予想外の展開に狼狽した重は、女の子ということもあって幼なじみの鈴音に相談するが、彼女も匿ってあげれば、という。最後の砦のエンダーも、予想に反して匿うことに反対しない。
結局、重の家に住むことになり、なぜか一緒に学校にまで行くと、化学室に再び招かれざる客が来る。その姿を見るなり逃げ出した三葉を追う内に、追手の正体と依頼主の存在が明らかになるのだが。寧先生の再登場、エンダーの格闘戦、ブラウ事件との関わりなど、見せ場がいっぱい、かつ、ほんわか世界の魅力が深まる第2巻。
結局、重の家に住むことになり、なぜか一緒に学校にまで行くと、化学室に再び招かれざる客が来る。その姿を見るなり逃げ出した三葉を追う内に、追手の正体と依頼主の存在が明らかになるのだが。寧先生の再登場、エンダーの格闘戦、ブラウ事件との関わりなど、見せ場がいっぱい、かつ、ほんわか世界の魅力が深まる第2巻。