新書という性格もあり、全体を通じてダイジェスト版になっている。
導入といては、適当か?
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
未来を予測する技術 (ソフトバンク新書 46) 新書 – 2007/8/16
佐藤 哲也
(著)
21世紀はシミュレーション文化の世紀!!
コンピュータ技術の発展により飛躍的に精度を増したシミュレーション。気象予測、地震災害、新製品開発、経済予測……デカルト的な要素還元式の考え方だけでは分析しきれなかった複雑な現象をも対象にできる、未来を観る望遠鏡の可能性はいかに?!
コンピュータ技術の発展により飛躍的に精度を増したシミュレーション。気象予測、地震災害、新製品開発、経済予測……デカルト的な要素還元式の考え方だけでは分析しきれなかった複雑な現象をも対象にできる、未来を観る望遠鏡の可能性はいかに?!
- 本の長さ184ページ
- 言語日本語
- 出版社ソフトバンククリエイティブ
- 発売日2007/8/16
- ISBN-104797341165
- ISBN-13978-4797341164
商品の説明
レビュー
“スプートニクショック”という言葉になぞらえて“コンピュートニクショック”として、ニューヨークタイムスの一面を飾った日本の「地球シミュレータ」。2002年当時に世界最速を誇った日本のスーパーコンピュータは、まさに「未来観測のための望遠鏡」として登場した。本書では、この“コンピュートニク”という技術の奥にある科学的メッセージをさまざまな角度から検証し、21世紀の科学技術のありかた、ひいては人間の生き方・考え方・パラダイムまでも大きく変える可能性について解説する。シミュレーション文化の胎動・浸透という大きな潮流を概観することで、今後の科学技術の発展の方向を示唆する科学読み物。 --出版社からのコメント
登録情報
- 出版社 : ソフトバンククリエイティブ (2007/8/16)
- 発売日 : 2007/8/16
- 言語 : 日本語
- 新書 : 184ページ
- ISBN-10 : 4797341165
- ISBN-13 : 978-4797341164
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,735,348位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2007年10月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
地球シミュレータセンター長、佐藤哲也さんが、未来を予測する技術であるシミュレーションについて、基礎の基礎から、その果てしない可能性までを綴る。
2002年から2004年11月まで5期にわたりスパコンランキングのトップに君臨し、最大理論性能40TFLOPS、消費電力は約6MW(年間の電気代が約6.5億円)という超弩級の国産ベクタコンピュータ、「地球シミュレータ」。その可能性は、スペックだけでは語れない。
コンピュータのことを完全に侮ってました。
シミュレーションでできること、できないこと。計算能力の進歩によって可能になった予測や、今後予測しようとしていることが見えてくる。
予測ができるのだから、それに挑む。コンピュータの計算能力、また、それを生かす情報処理技術はまだまだ発展途上だ。
終章で「未来を選択できる社会」という節で、筆者はこのように語っている。
『本書を書くことを決心した背景には、日本が開発した世界に誇る地球シミュレータの存在と、今後の未来設計を支えるであろうシミュレーション技術の現状を多くの方に知っていただきたいと考えたからである。』
その想いが十二分に伝わってくる、すばらしい本でした。
2002年から2004年11月まで5期にわたりスパコンランキングのトップに君臨し、最大理論性能40TFLOPS、消費電力は約6MW(年間の電気代が約6.5億円)という超弩級の国産ベクタコンピュータ、「地球シミュレータ」。その可能性は、スペックだけでは語れない。
コンピュータのことを完全に侮ってました。
シミュレーションでできること、できないこと。計算能力の進歩によって可能になった予測や、今後予測しようとしていることが見えてくる。
予測ができるのだから、それに挑む。コンピュータの計算能力、また、それを生かす情報処理技術はまだまだ発展途上だ。
終章で「未来を選択できる社会」という節で、筆者はこのように語っている。
『本書を書くことを決心した背景には、日本が開発した世界に誇る地球シミュレータの存在と、今後の未来設計を支えるであろうシミュレーション技術の現状を多くの方に知っていただきたいと考えたからである。』
その想いが十二分に伝わってくる、すばらしい本でした。
2007年8月21日に日本でレビュー済み
過日、福岡伸一氏の『生物と無生物のあいだ』を読んだ。美麗な文章で魅せる分子生物学のガイダンスで、野口英世氏の幻影に物申すといった印象だったが、結局、動的平衡のメカニズムは不可思議で謎に包まれたまま、という、生命や自然の奥深さに驚嘆して終わった。
本書は、コンピュータ・シミュレーションという、一見、生命や自然とは無縁の技術の解説本かと思いきや、著者の主張がまさに、「今後の科学は動的平衡にあるシステムをホリスティックに考えるべき」という一貫した方向性を示しており、21世紀科学の課題を、この2冊からまざまざと実感させられた。
素人からすると、生命を研究するのに多くのマウスの貢献を必要としたり、温暖化を予測するのに膨大なエネルギーを消費するという、ある種の矛盾を感じつつも、デカルト的な要素還元の科学を卒業し、超専門的な、多様な分野の協調から考察する科学の時代になっているのだと感じた。
著者の言う、「地下核実験の代替としてシミュレーションをしている場合ではない」というのはまったく同感で、「他にやることはいっぱいあるだろう」という思いを強くした。
本書は、コンピュータ・シミュレーションという、一見、生命や自然とは無縁の技術の解説本かと思いきや、著者の主張がまさに、「今後の科学は動的平衡にあるシステムをホリスティックに考えるべき」という一貫した方向性を示しており、21世紀科学の課題を、この2冊からまざまざと実感させられた。
素人からすると、生命を研究するのに多くのマウスの貢献を必要としたり、温暖化を予測するのに膨大なエネルギーを消費するという、ある種の矛盾を感じつつも、デカルト的な要素還元の科学を卒業し、超専門的な、多様な分野の協調から考察する科学の時代になっているのだと感じた。
著者の言う、「地下核実験の代替としてシミュレーションをしている場合ではない」というのはまったく同感で、「他にやることはいっぱいあるだろう」という思いを強くした。
2007年8月28日に日本でレビュー済み
地球シミュレータを用いた予測の話が紹介されており,環境問題等に対してシミュレーションがますます大きな役割を演ずるようになることを納得させられる。シミュレーション技術のひとつの究極の姿が明快に示されている良書である。
ところで,このタイプのシミュレーションは,同時期に同じ出版社から出た「心はプログラムできるか」(有田隆也)によれば「対象とする現象をそっくり模擬」するための「従来型シミュレーション」ということになる。要素還元的な方法論の限界というものが,本書に書かれている丸ごとシミュレーション(「ホリスティク・パラダイム」と筆者は呼んでいる)で本当に解決できるのか,あるいは,種を巻いて「創発」させるタイプのシミュレーション(心はプログラムできるか)が必要なのか?
いずれにせよ,この種のシミュレーション技術は社会の方向性を決める際に必要不可欠であろう。ただし,今後期待することとして書かれている「個人というレベルでもシミュレーションが活用されるようになる未来」(180頁)には明るいものを感じにくい。「生き方のシミュレーション」というものがよくわからないが,「この会社をやめてフリーになったときの年収予測*万円」とか,「この人と結婚したらこういう子供が生まれる確率80%」という類いの予測とするなら,「新鮮な気持ちで未来に夢を持つことができる」だろうか? 逆のような気がしてならないのだが。
ところで,このタイプのシミュレーションは,同時期に同じ出版社から出た「心はプログラムできるか」(有田隆也)によれば「対象とする現象をそっくり模擬」するための「従来型シミュレーション」ということになる。要素還元的な方法論の限界というものが,本書に書かれている丸ごとシミュレーション(「ホリスティク・パラダイム」と筆者は呼んでいる)で本当に解決できるのか,あるいは,種を巻いて「創発」させるタイプのシミュレーション(心はプログラムできるか)が必要なのか?
いずれにせよ,この種のシミュレーション技術は社会の方向性を決める際に必要不可欠であろう。ただし,今後期待することとして書かれている「個人というレベルでもシミュレーションが活用されるようになる未来」(180頁)には明るいものを感じにくい。「生き方のシミュレーション」というものがよくわからないが,「この会社をやめてフリーになったときの年収予測*万円」とか,「この人と結婚したらこういう子供が生まれる確率80%」という類いの予測とするなら,「新鮮な気持ちで未来に夢を持つことができる」だろうか? 逆のような気がしてならないのだが。
2007年8月22日に日本でレビュー済み
日本学術会議の月刊誌「学術の動向」2007年7月号において、この分野の日本の第一人者として佐藤 哲也さんは「未来を科学するシミュレーション」という原稿を書かれています。本書はそこで述べた内容を新書用にふくらませたもののようです。コンピュータの処理能力は指数関数的に年々向上しています。そのため、シミュレーション科学は、将来にわたって発展する有望な学問領域です。この学問分野に興味がある人にとっては広い意味でのこの分野の最近の動向を知ることが出来るので、有益な本と思います。シミュレーションによる地震の予測がなぜ難しいのかの説明はとてもわかりやすく、また、どうすれば予測の精度上げられるかについてのアイデアも説明されており好感が持てます。残念な点は、地球温暖化の議論に貢献している地球シミュレータの結果の解説が少ない点です。