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大聖堂-果てしなき世界(中) (ソフトバンク文庫) ペーパーバック – 2009/3/17
発売1年で350万部突破
キングズブリッジを
未曾有の危機が襲う!
マーティンは橋の修復を依頼されるが、元親方は修道院長と手を組んで彼から仕事を奪いとった。折りしも、カリスはキングズブリッジを自由都市にする運動に携わるが、税金の徴収ができなくなることを恐れた修道院長の陰謀により、魔女裁判にかけられてしまう。
生きのびるためにカリスは修道女の道を選ぶが、失意のマーティンは町を去り、建築の修行にフィレンツェに移ることを決意する……。
キングズブリッジを
未曾有の危機が襲う!
マーティンは橋の修復を依頼されるが、元親方は修道院長と手を組んで彼から仕事を奪いとった。折りしも、カリスはキングズブリッジを自由都市にする運動に携わるが、税金の徴収ができなくなることを恐れた修道院長の陰謀により、魔女裁判にかけられてしまう。
生きのびるためにカリスは修道女の道を選ぶが、失意のマーティンは町を去り、建築の修行にフィレンツェに移ることを決意する……。
- 本の長さ680ページ
- 言語日本語
- 出版社SBクリエイティブ
- 発売日2009/3/17
- 寸法14.99 x 10.41 x 3.56 cm
- ISBN-104797346248
- ISBN-13978-4797346244
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商品の説明
出版社からのコメント
揺るぎない信念が、絶対的権力を打ち破る。――原田 圭 氏(アマゾン ジャパン株式会社 エディター)
まるで映画を見るように、登場人物のすべてが見逃せない。――大島範子 氏(ブックエキスプレス ディラ東京店)
まるで映画を見るように、登場人物のすべてが見逃せない。――大島範子 氏(ブックエキスプレス ディラ東京店)
著者について
ケン・フォレット(Ken Follet)
1949年、ウェールズ生まれ。新聞記者、出版社勤務などを経て1978年にスパイ小説『針の眼』を発表。
同書は、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞を受賞、ベストセラー作家としての地歩を築いた。その後も『大聖堂』や
『レベッカへの鍵』など、発表する作品はすべてベストセラーとなっている。
1989年に発表された『大聖堂』(ソフトバンク文庫)は、全世界で1500万部以上のセールスを記録、著作のなかでもっとも売れた作品となった。
本書は、18年後に発表された『大聖堂』の続編にあたり、初登場で全米ベストセラー第1位を獲得。
発売後1年あまりで世界で350万部の売り上げを記録、世界27カ国で出版が決定するなど大きな話題となっている。
翻訳:戸田裕之(とだ ひろゆき)
早稲田大学第一文学部卒業。主な訳書に『針の眼』ケン・フォレット(東京創元社)、『ネームドロッパー』ブライアン・フリーマントル(ともに新潮社)、
『雪の狼』グレン・ミード(二見書房)。他多数。
1949年、ウェールズ生まれ。新聞記者、出版社勤務などを経て1978年にスパイ小説『針の眼』を発表。
同書は、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞を受賞、ベストセラー作家としての地歩を築いた。その後も『大聖堂』や
『レベッカへの鍵』など、発表する作品はすべてベストセラーとなっている。
1989年に発表された『大聖堂』(ソフトバンク文庫)は、全世界で1500万部以上のセールスを記録、著作のなかでもっとも売れた作品となった。
本書は、18年後に発表された『大聖堂』の続編にあたり、初登場で全米ベストセラー第1位を獲得。
発売後1年あまりで世界で350万部の売り上げを記録、世界27カ国で出版が決定するなど大きな話題となっている。
翻訳:戸田裕之(とだ ひろゆき)
早稲田大学第一文学部卒業。主な訳書に『針の眼』ケン・フォレット(東京創元社)、『ネームドロッパー』ブライアン・フリーマントル(ともに新潮社)、
『雪の狼』グレン・ミード(二見書房)。他多数。
登録情報
- 出版社 : SBクリエイティブ (2009/3/17)
- 発売日 : 2009/3/17
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 680ページ
- ISBN-10 : 4797346248
- ISBN-13 : 978-4797346244
- 寸法 : 14.99 x 10.41 x 3.56 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 129,394位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,450位英米文学
- - 15,241位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1949年、ウェールズ生まれ。新聞記者、出版社勤務などを経て1978年にスパイ小説『針の眼』を発表。同書は、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞を 受賞、ベストセラー作家としての地歩を築いた。その後も『大聖堂』や『レベッカへの鍵』など、発表する作品はすべてベストセラーとなっている。1989年 に発表された『大聖堂』(ソフトバンク文庫)は、全世界で1500万部以上のセールスを記録、著作のなかでもっとも売れた作品となった。本書は、18年後 に発表された『大聖堂』の続編にあたり、初登場で全米ベストセラー第1位を獲得。発売後1年あまりで世界で350万部の売り上げを記録、世界27カ国で出 版が決定するなど大きな話題となっている。(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『大聖堂―果てしなき世界 (上)』(ISBN-10:479734623X)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年7月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
それまで続いていた、悪なる主人公のラルフと善なる主人公マーティン兄弟やカリスがイギリスとフランスとの戦争や中世頃に流行ったペストの混乱に陥りながらも、一生懸命に災難に立ち向かい、翻弄されながらも生き抜いていく。上巻、中巻、下巻の至る所に18禁と思える様な映像描写が随所随所に描かれているが、例えば『ランブール兄弟の祈祷書』の挿絵に描かれている様に中世の性風俗はこの様なものなのかもしれないと思える。ここは製作社が上手に皆が鑑賞できる様な映像に工夫して欲しいものだ。この巻でも登場する女性の登場人物、カリス、グウェンダ、フィリッパが強烈な存在を焼き付けてくる。その中でもカリスの活躍が印象に残った。ゴドウィンやフィルモン等の修道院の登場人物が次第に悪党の本性をはっきりと露見させて大きくなっていく。この巻では特に悪の主人公ラルフが大活躍する。マーティンを苦しめていたエルフリック等もしぶとく存在していたが・・・。
2015年4月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前作ほどの面白さは無かったけど、充分楽しめた。ブリューゲルやボッシュの世界を覗き見るような面白さは、抜群。
2013年3月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現代の名作で、将来は古典的名著の一つになるでしょう。長編にもかかわらず息継ぐ暇なく読み手を没入させる筆致はさすがに素晴らしいです。
2009年5月10日に日本でレビュー済み
権力者たちの狡猾な仕打ちに農民たちが立ち向かいつつ話は進んでいく。
やはり権力者たちは,私腹を肥やすことしか考えず,農民は日々の暮らしを楽にしたいだけなのだ。
夢を持つ者たちは,夢を打ち砕かれて,新たな道を見いだそうとする。
中世のヨーロッパ。
暗黒時代と言うよりも,女性が自分を主張できないままでがまんしてきた時代だったのだろう。
だからこそ,二人のヒロインが輝きを増してくるのだ。
やはり権力者たちは,私腹を肥やすことしか考えず,農民は日々の暮らしを楽にしたいだけなのだ。
夢を持つ者たちは,夢を打ち砕かれて,新たな道を見いだそうとする。
中世のヨーロッパ。
暗黒時代と言うよりも,女性が自分を主張できないままでがまんしてきた時代だったのだろう。
だからこそ,二人のヒロインが輝きを増してくるのだ。
2009年8月8日に日本でレビュー済み
中巻に入っていよいよ読むのを止められなくなってくる。だが、中巻の裏表紙の惹句はひどい。出版社の編集が自らネタバレしてどうする。これで私は第4部を読み進める喜びを全て奪われてしまった。がっかりだ。(レビューのディレッタントさんの紹介も筋を全部バラしているので要注意)(下巻の「主要登場人物」表も読まない方が吉) しかし、ぐいぐい読ませる力はさすが。前作から読み継いできたが、これはおもしろい。小説そのものは五つ☆なんだがな。
2009年10月7日に日本でレビュー済み
1500万部を突破して世界が瞠目した『大聖堂』。ケン・フォレットは3年の歳月をかけて、邦訳版は文庫上・中・下巻合計1999ページという前作を凌ぐボリュームの巨編を18年ぶりに続編として送り出した。
舞台は同じイングランドのキングスブリッジ。時代はあれから約150年後の14世紀である。本書では大聖堂はあくまでシンボル的な存在であり、前作で活躍したトムやジャック、アリエナの末裔たちが織りなす人間ドラマが主流である。
主人公格のマーティンとカリス、グウェンダをはじめとする登場人物たちが幾多の試練に見舞われながら、物語は1327年11月から1361年11月までの34年間が描かれる。
はじめは橋の崩落、フランスとの100年戦争で荒れた国家、さらにはヨーロッパを席捲するペストの猛威。これらの災厄にくわえて、さまざまな人々の野心、貪欲、希望、愛憎、そして復讐、人間の生み出すさまざまな思いと葛藤。読者は、思わずマーティンやカリス、グウェンダらに感情移入してしまい、ある時は絶望し、ある時は憎悪し、またある時は喜びに打ち震えること請け合いだ。
また、彼らが子供時代に遭遇した“事件”の謎がこの長い長い物語の最後になって、“幸運の切り札”として解き明かされ、利用されるといった仕掛けもほどこされている。
本書は、前作ほどの歴史絵巻的なスケール感は感じられないが、個々の人間の営みがより一層身近に、まるでそこにいるかのように読者に訴えかけてくる。まさに稀代のストーリー・テラー、ケン・フォレットがつむぎ出した14世紀イングランドの一大ロマン小説である。
舞台は同じイングランドのキングスブリッジ。時代はあれから約150年後の14世紀である。本書では大聖堂はあくまでシンボル的な存在であり、前作で活躍したトムやジャック、アリエナの末裔たちが織りなす人間ドラマが主流である。
主人公格のマーティンとカリス、グウェンダをはじめとする登場人物たちが幾多の試練に見舞われながら、物語は1327年11月から1361年11月までの34年間が描かれる。
はじめは橋の崩落、フランスとの100年戦争で荒れた国家、さらにはヨーロッパを席捲するペストの猛威。これらの災厄にくわえて、さまざまな人々の野心、貪欲、希望、愛憎、そして復讐、人間の生み出すさまざまな思いと葛藤。読者は、思わずマーティンやカリス、グウェンダらに感情移入してしまい、ある時は絶望し、ある時は憎悪し、またある時は喜びに打ち震えること請け合いだ。
また、彼らが子供時代に遭遇した“事件”の謎がこの長い長い物語の最後になって、“幸運の切り札”として解き明かされ、利用されるといった仕掛けもほどこされている。
本書は、前作ほどの歴史絵巻的なスケール感は感じられないが、個々の人間の営みがより一層身近に、まるでそこにいるかのように読者に訴えかけてくる。まさに稀代のストーリー・テラー、ケン・フォレットがつむぎ出した14世紀イングランドの一大ロマン小説である。
2009年7月23日に日本でレビュー済み
上巻からまたさらに10年間くらいが語られていく。マーティンの出世には出来が悪いが幅を利かせている親方のエルフリックが目の上のたんこぶとなるが、マーティンの実力は誰もが認めるところとなる。カリスも父の右腕となり、布地の染色を開発していく。また、グウェンダは長男を生むが、これには後々の問題を孕んでいる。それでも夫婦で働きに働くことで、周囲からも一目置かれるようになる。
それぞれに大活躍していくのだが、反面、『スターウォーズ』ならば、ダークサイドとでもいう人々の動きも阻止できない。とにかくこの時代、権力がものをいう。権力がないと完膚なきまでに叩きのめされてお終い、となる。暴れん坊のラルフも一巻の終わりと思いきや・・・。
カリスにも重大な事件が起き、マーティンもキングズブリッジを離れてしまう事態となり、先行き不透明となる。それにしても今回は、村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』にあったような壮絶なシーンが・・・。これに似たものは、中国の処刑法で、左右の足を縛った綱の先にそれぞれ反対方向に向いた馬がおり、同時にその別々の方向に走らせるなどというのがあったが、想像するだけで痛かった・・・。また今回はペストがカギとなる。
それぞれに大活躍していくのだが、反面、『スターウォーズ』ならば、ダークサイドとでもいう人々の動きも阻止できない。とにかくこの時代、権力がものをいう。権力がないと完膚なきまでに叩きのめされてお終い、となる。暴れん坊のラルフも一巻の終わりと思いきや・・・。
カリスにも重大な事件が起き、マーティンもキングズブリッジを離れてしまう事態となり、先行き不透明となる。それにしても今回は、村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』にあったような壮絶なシーンが・・・。これに似たものは、中国の処刑法で、左右の足を縛った綱の先にそれぞれ反対方向に向いた馬がおり、同時にその別々の方向に走らせるなどというのがあったが、想像するだけで痛かった・・・。また今回はペストがカギとなる。
2009年4月21日に日本でレビュー済み
前作「大聖堂」もそうでしたが、この中巻は苦難と悲劇が立て続けに主人公達に降りかかります。
前巻でマーティンは徒弟期間が明ける間際に親方のエルフリックから血の繋がらない子供を身ごもった娘と結婚するよう命令されたのを断ったせいで破門になりますが、持ち前の才能と高い技術で実績を重ねたおかげで建築職人としてキングズブリッジの町の人たちに認められ、崩れた橋の修復を請け負うまでになります。ところが最も難しい橋脚の部分が終わった所で修道院長のゴドウィンと組んだエルフリックに仕事を横取りされてしまいます。
一方カリスは衰退していく羊毛市を立て直す策として羊毛を織って赤く染めた布を目玉商品として売り出しますが、折しも修道院の権威を高めるため新しい修道院長の館の建設を目論んだゴドウィンは手っ取り早く資金を作るため過去の法令を持ち出して、布を織るのに住民の家にある縮絨機の使用を禁止し、修道院が所有する縮絨機を使わせて使用料を取ろうとします。辛くもその問題は法の抜け道を使って切り抜けますが、今のままでは町のためにどれだけ策を講じても修道院に邪魔されるばかりだと考えたカリスはキングズブリッジを自由都市にする運動を起こします。しかし税金やその他の利権を失うことを怖れた修道院長の陰謀でカリスは魔女裁判にかけられ、生き延びるため(魔女裁判での有罪は即死刑に繋がるので)女子修道院に入って修道女の道を歩まざるを得なくなります。カリスとの結婚を翌日に控えながらそうした悲劇に直面したマーティンはフィレンツェへ建築の修行をするため失意のうちに町を去ってしまいます。
これは私の個人的な考えになりますが、エルフリックと言いゴドウィンと言い、目先のプライド、権威、利権に目を奪われすぎですね。
エルフリックはマーティンの才能と技術に嫉妬して、事あるごとにゴドウィンに取り入ってマーティンの仕事を奪いますが、交渉事や政治には優れているのですから、技術面で及ばないのが分かっているなら仕方ないと割り切って、修道院を始めとする施主やその他取引先と職人との仲介役、まとめ役に徹していれば、マーティンを自分の強い味方として活用でき、互いに良い結果をもたらすことができたのではないでしょうか。
ゴドウィンにしても、修道院の権威を高めるために必要な資金を作るために目先の収入だけを考えず、利権を手放して一時的に収入が減っても、町を繁栄させることで収入を増やそうとする長期的な視点があれば、カリスたちの反感を買わずに済んだことでしょう。まあ所詮は読者の視点から考えた結果論でしかありませんが。
あと、この間の後半辺りからイギリスとフランスの百年戦争と、ペストの流行が起こりまして、物語にも大きな影響を与えてきます。学校の世界史の授業では(少なくとも私の場合は)あまり詳しく教わりませんが、中世ヨーロッパの歴史では重大な事件なので、物語を読むに当たっては大まかな経緯だけでも理解しておいた方が良いかも知れません。
前巻でマーティンは徒弟期間が明ける間際に親方のエルフリックから血の繋がらない子供を身ごもった娘と結婚するよう命令されたのを断ったせいで破門になりますが、持ち前の才能と高い技術で実績を重ねたおかげで建築職人としてキングズブリッジの町の人たちに認められ、崩れた橋の修復を請け負うまでになります。ところが最も難しい橋脚の部分が終わった所で修道院長のゴドウィンと組んだエルフリックに仕事を横取りされてしまいます。
一方カリスは衰退していく羊毛市を立て直す策として羊毛を織って赤く染めた布を目玉商品として売り出しますが、折しも修道院の権威を高めるため新しい修道院長の館の建設を目論んだゴドウィンは手っ取り早く資金を作るため過去の法令を持ち出して、布を織るのに住民の家にある縮絨機の使用を禁止し、修道院が所有する縮絨機を使わせて使用料を取ろうとします。辛くもその問題は法の抜け道を使って切り抜けますが、今のままでは町のためにどれだけ策を講じても修道院に邪魔されるばかりだと考えたカリスはキングズブリッジを自由都市にする運動を起こします。しかし税金やその他の利権を失うことを怖れた修道院長の陰謀でカリスは魔女裁判にかけられ、生き延びるため(魔女裁判での有罪は即死刑に繋がるので)女子修道院に入って修道女の道を歩まざるを得なくなります。カリスとの結婚を翌日に控えながらそうした悲劇に直面したマーティンはフィレンツェへ建築の修行をするため失意のうちに町を去ってしまいます。
これは私の個人的な考えになりますが、エルフリックと言いゴドウィンと言い、目先のプライド、権威、利権に目を奪われすぎですね。
エルフリックはマーティンの才能と技術に嫉妬して、事あるごとにゴドウィンに取り入ってマーティンの仕事を奪いますが、交渉事や政治には優れているのですから、技術面で及ばないのが分かっているなら仕方ないと割り切って、修道院を始めとする施主やその他取引先と職人との仲介役、まとめ役に徹していれば、マーティンを自分の強い味方として活用でき、互いに良い結果をもたらすことができたのではないでしょうか。
ゴドウィンにしても、修道院の権威を高めるために必要な資金を作るために目先の収入だけを考えず、利権を手放して一時的に収入が減っても、町を繁栄させることで収入を増やそうとする長期的な視点があれば、カリスたちの反感を買わずに済んだことでしょう。まあ所詮は読者の視点から考えた結果論でしかありませんが。
あと、この間の後半辺りからイギリスとフランスの百年戦争と、ペストの流行が起こりまして、物語にも大きな影響を与えてきます。学校の世界史の授業では(少なくとも私の場合は)あまり詳しく教わりませんが、中世ヨーロッパの歴史では重大な事件なので、物語を読むに当たっては大まかな経緯だけでも理解しておいた方が良いかも知れません。