現代は情緒の時代であることは、日常生活でも感じることはあります。同時に、近代以降に登場する合理性や論理などといった価値観に疑いの目が向けられているという風潮もあると考えられます。そのような意味で、私たちは「情緒」の時代にいると思います。日本においては、大局的にみると明治維新から高度成長までは日本の近代化の時代であり、それらを性急に推進するためには徹底した合理性と、論理的思考が必要であったと考えられます。また、その間に共産革命や大戦を経験しています。
「情緒から論理へ」というテーマであれば、やはり、人間の理性の限界はなにか、理性を突き詰めた世の中はどのようになるか、といった理性(論理)の有効性と危険性を示して欲しかったと思います。それを踏まえたうえで、情緒の危険性を示し、論理にも危険な側面があるけれど、情緒が先行した世の中に、論理の有用性を見出す試みがなされていれば、題意に沿った著作であったと思います。
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情緒から論理へ (ソフトバンク新書 100) 新書 – 2009/3/17
鈴木 光司
(著)
◎藤原正彦氏『国家の品格』に異議アリ!
ベストセラー『国家の品格』で藤原正彦氏は、「論理より情緒」と喝破した。
本書は、これに異を唱える。
論理的に考えず、情緒的な希望的観測に引きずられた指導者たちの過ちによって、
過去、いかに多くの国民が不幸に見舞われたことか。
いまの日本人に必要なのは、「情緒より論理」と言うべきなのだ。
大局観や総合判断力は、視野の狭い情緒によって養われるものではない。
哲学や物理学のような論理の世界で培われる素養である。
日ごろの生活で誰もが直面する事象から、かつての太平洋戦争の愚策に至るまでを俎上に乗せ、
日本人の論理の欠如と情緒による失墜を考察し、政界共通する論理を示すこと、
そして日本人らしい情緒を保つことの両立を提言する。
◎鈴木光司氏は言う。
「僕が『情緒より論理だ』と言うのは、もともと日本人は情緒を好みすぎる民族だからです。
日本人は放っておけば、ますます情緒に惹かれます。だからこそ、必要なのは論理と僕は声を大にして言いたいのです」
ベストセラー『国家の品格』で藤原正彦氏は、「論理より情緒」と喝破した。
本書は、これに異を唱える。
論理的に考えず、情緒的な希望的観測に引きずられた指導者たちの過ちによって、
過去、いかに多くの国民が不幸に見舞われたことか。
いまの日本人に必要なのは、「情緒より論理」と言うべきなのだ。
大局観や総合判断力は、視野の狭い情緒によって養われるものではない。
哲学や物理学のような論理の世界で培われる素養である。
日ごろの生活で誰もが直面する事象から、かつての太平洋戦争の愚策に至るまでを俎上に乗せ、
日本人の論理の欠如と情緒による失墜を考察し、政界共通する論理を示すこと、
そして日本人らしい情緒を保つことの両立を提言する。
◎鈴木光司氏は言う。
「僕が『情緒より論理だ』と言うのは、もともと日本人は情緒を好みすぎる民族だからです。
日本人は放っておけば、ますます情緒に惹かれます。だからこそ、必要なのは論理と僕は声を大にして言いたいのです」
- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社ソフトバンククリエイティブ
- 発売日2009/3/17
- ISBN-104797348445
- ISBN-13978-4797348446
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商品の説明
著者について
鈴木光司(すずき・こうじ)
1957年、静岡県浜松市生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒。90年、デビュー作の『楽園』(新潮社)が日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞。その後、『リング』『らせん』『ループ』『バースデイ』(以上、角川書店)が計800万部のベストセラーとなり、一大ホラーブームを巻き起こす。著作は世界20カ国語に翻訳されている。また、"文壇最強の子育てパパ"の異名の通り、二人の娘を育て上げた経験から、政府の諮問機関「少子化への対応を推進する国民会議」や東京都青少年問題協議会の委員などを歴任。作家になる前、塾の講師や家庭教師をして子どもたちに勉強を教えた経験もある。2008年12月、サイエンスホラー小説『エッジ』(角川書店)を発刊。
1957年、静岡県浜松市生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒。90年、デビュー作の『楽園』(新潮社)が日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞。その後、『リング』『らせん』『ループ』『バースデイ』(以上、角川書店)が計800万部のベストセラーとなり、一大ホラーブームを巻き起こす。著作は世界20カ国語に翻訳されている。また、"文壇最強の子育てパパ"の異名の通り、二人の娘を育て上げた経験から、政府の諮問機関「少子化への対応を推進する国民会議」や東京都青少年問題協議会の委員などを歴任。作家になる前、塾の講師や家庭教師をして子どもたちに勉強を教えた経験もある。2008年12月、サイエンスホラー小説『エッジ』(角川書店)を発刊。
登録情報
- 出版社 : ソフトバンククリエイティブ (2009/3/17)
- 発売日 : 2009/3/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 208ページ
- ISBN-10 : 4797348445
- ISBN-13 : 978-4797348446
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,544,205位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 770位論理学・現象学
- - 1,170位SB新書
- - 195,932位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年3月17日に日本でレビュー済み
やり玉に上がっている「国家の品格」はたしかにツッコミどころの多い本でこれをきっかけにいろんな論争があればいいなと思っていたけど、フタを開けてみたら、単行本、雑誌のコラムなどを含めてそのことごとくが筆者の戦後思想への忠誠心競争と言ってもいいくらい陳腐な文句の羅列ばかりだった。(その最悪の代表例が同じ新書で出た木村和彦の著書)
この新書もその列に新たに加わっただけで内容は一言で言って「国家の品格はウヨクっぽいからボク、嫌い」ということを長々(ダラダラ)と書き散らしただけのシロモノ。本書の売りモノらしい第2次大戦関連の記述も目新しいところは何もなく、「失敗の本質」その他からの拾い食い適当に並べただけ。
星2つなのはサブカルから文化人モードに入るとき、その前歴がまったく生かされず、陳腐極まる発言ばかりを繰り返す"識者"(某演出家や某漫才師など)がなぜ多いのかという疑問を解決するのに、モデルケースとしてこの書物を生かせる道があるのではないか?という淡い期待から。
この新書もその列に新たに加わっただけで内容は一言で言って「国家の品格はウヨクっぽいからボク、嫌い」ということを長々(ダラダラ)と書き散らしただけのシロモノ。本書の売りモノらしい第2次大戦関連の記述も目新しいところは何もなく、「失敗の本質」その他からの拾い食い適当に並べただけ。
星2つなのはサブカルから文化人モードに入るとき、その前歴がまったく生かされず、陳腐極まる発言ばかりを繰り返す"識者"(某演出家や某漫才師など)がなぜ多いのかという疑問を解決するのに、モデルケースとしてこの書物を生かせる道があるのではないか?という淡い期待から。
2009年4月18日に日本でレビュー済み
「国家の品格」に共感を覚えていたので、反論を唱えたこの本を興味深く読みました。日本人が情緒(場の空気)に流されておかしな方向へ流れて行きがちだという主張はまさにその通りだと思いますが、藤原氏への反論は的を得ていない印象を抱きました。「なぜ人を殺してはいけないのか。」については、論理で説明しようとする試みより「ならぬことはならぬのです。」と言い切るべきという藤原氏の意見の方に完全に同意します。ただし読者個々の意見は別として、論理と情緒の問題を考えさせる点でこの本は一読の価値があります。最後の章は同じような例をこれでもかこれでもかと出してきてちょっとくどいです。