本書は、インタビューをもとにして、ドラッカーの業績を明らかにしたもので、これ1冊で
ドラッカーのマネジメントへの貢献を知ることができる。以前からドラッカーの著書には親
しんできたが、本書によって以下の３つの点について教えられた。
1つ目は、ドラッカーの自著に対する評価である。本書のなかで自身が最も重要と考える6冊
を挙げている。年代順に、『企業とは何か』『現代の経営』『創造する経営者』『経営者の
条件』『断絶の時代』『イノベーションと企業家精神』である。個人的には『断絶の時代』
が入って、『マネジメント』が選ばれていないことが意外であった。
2つ目は、著者の『非営利組織の経営』への評価である。著者は『非営利組織の経営』の中
で、ドラッカーには珍しく、自身の経験やエピソードを披露していると指摘している。この
の指摘によって、他の著書に比べて、あまり注目されていない『非営利組織の経営』を手に
とるきっかけを与えてもらった。
3つ目は、ジャック・ウェルチについての評価である。ＧＥ、ウェルチとドラッカーの関係に
ついて、今まで知られていなかった事実について語られている。ウェルチの業績に対するドラ
ッカーの見方（経営環境への目配せ、前任者の業績）も知ることができる。おそらく、この点
が本書の１番の功績であろう。
今まで読んできた人にも、新たに教えられることがある有益な1冊であり、オススメ。
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