このシリーズは
1.主人公（男子高校生）の一人称で語られ
2.どうやらイケメンではなさそうで、一般的にはあまりモテてなさそうな主人公が
3.なぜか無自覚のうちに複数の美少女（ただし性格はちょっとエキセントリック）の心を同時に掴んでしまい
4.その狭間で起きる騒動に巻き込まれて
5.やれやれ
という、「学園ラブコメ・ライトノベル」のフォーマットを踏襲している。
しかし、地の文（主人公の心の声）が昨今の「学園ラブコメ・ライトノベル」にありがちな「主人公の心理状態を過剰に説明する（及び相手の言動にいちいちツッコミまくる）」煩いものではなく、自分や相手の行動を客観的に（そこに話者の主観が介入するにせよ）描くことによりその人物の心理状態を描くという、言ってみれば「普通の一人称小説」であることが「学園ラブコメ・ライトノベル」群の中では異彩を放っていると思う。
「基本的にライトノベル独特のノリは苦手だが米澤穂信などの青春小説は大好物」といった方にぜひとも読んで頂きたい。
どうやらこのシリーズは4巻で終了してしまっているらしい。
多くのライトノベル読者が「主人公の心理状態を過剰に説明する（及び相手の言動にいちいちツッコミまくる）」煩い地の文が無いと、主人公の心理状態を理解できない（想像できない）とすると寂しい話である。
残り2巻をじっくりと楽しみたいと思う。
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