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十面埋伏 上 単行本 – 2005/11/1
九月九日午後、古城刑務所第五面談室。凶悪な受刑者・王国炎(ワングゥオイェン)の口から繰り出される中国全土を震撼させた数々の重大な未解決事件の”詳細”。デタラメとして一蹴する幹部たちだったが、刑務所捜査官・羅維民(ルオウェイミン)は本能的にその重要性をかぎわけ、事件解決に向かって動き出していく。ベストセラー大賞、金盾文学賞、中国図書賞の、中国三大文学賞受賞作ついに刊行!
- 本の長さ392ページ
- 言語日本語
- 出版社新風舎
- 発売日2005/11/1
- ISBN-104797483059
- ISBN-13978-4797483055
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商品の説明
著者について
◆張平(ヂャンピン):1954年生まれ。中国を代表する中堅実力派作家。中国作家協会副主席、山西省作家協会主席、中国全国政治協商会議委員。84年『姉さん』で全国優秀短編小説賞を受賞。80年代後半、ノンフィクション『法、汾西を揺るがす』・『天網』の発表で、名誉毀損で訴えられるも、張平の勝利で結審。97年『選択』、優秀な長編文学に授与される茅盾文学賞を受賞。同作品は映画化され、中国国産映画としては空前の興行成績をあげる。『十面埋伏』はベストセラー大賞、金盾文学賞、中国図書賞の三冠を得る。04年3月発表の『国家幹部』は最新の超大作。その他、作品多数。日本には04年8月『凶犯』(新風舎文庫)にて初上陸。現代中国の抱える深刻な政治・社会問題に深く切り込むその作品は常に反響を巻き起こしている。
◆荒岡啓子(あらおかけいこ):1951年東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒業、大阪外国語大学大学院言語社会研究科博士前期課程修了。(株)ダイエー海外部、駿台外語専門学校中国語専任講師を経て、現在は同志社大学嘱託講師。翻訳家としても活躍。2004年8月『凶犯』(新風舎文庫)の翻訳を手掛ける。
◆荒岡啓子(あらおかけいこ):1951年東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒業、大阪外国語大学大学院言語社会研究科博士前期課程修了。(株)ダイエー海外部、駿台外語専門学校中国語専任講師を経て、現在は同志社大学嘱託講師。翻訳家としても活躍。2004年8月『凶犯』(新風舎文庫)の翻訳を手掛ける。
登録情報
- 出版社 : 新風舎 (2005/11/1)
- 発売日 : 2005/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 392ページ
- ISBN-10 : 4797483059
- ISBN-13 : 978-4797483055
- Amazon 売れ筋ランキング: - 869,575位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年12月27日に日本でレビュー済み
中国版ダイハードですかね。早回しの展開と山場の過度な演出。ハリウッド映画のノベライゼーションを読んでるみたいでした。
2010年9月12日に日本でレビュー済み
古城刑務所の捜査官、羅維民が一人の受刑者、王国炎の存在とその扱いに疑問を抱き始めたところから、この物語は始まる。一捜査官の羅維民の厳しい日常生活が描かれ、徐々に話は警察や政界、実業界を跨ぐ黒社会との癒着を暴きだすことへと繋がっていく。
主要登場人物だけでも20人近くになり(登場人物一覧表に助けられました!)、こんなの読みとおせるかと思ったけれど、作者張平のストーリーテリングの巧さにぐいぐいと引き込まれ、あっという間に上下2巻各400ページ近くのこの本を読み終えてしまった。
主人公の一人である羅維民だけでなく、登場人物それぞれが丁寧に描かれ、実にしっかりとした骨格の作品となっている。特に、大きな癒着構造に気が付き出した後の公安上層部の動きが実に緊張感を孕んだ展開となってきて、ハラハラさせられる。どの人物を信用してよいか良く判らない段階での羅維民のジレンマというか、逡巡には、中国の現実社会が大きく影を落としているようで、彼と一緒になってドキドキしてしまった。
誰も味方がいないと思っていた羅維民にやっと現われた強力な援軍の地区公安本部長の何波の存在がまたよい。何波の旧知で羅維民の上司である辜幸文はどこまで信用してよいか判らない危うさがあったりする。
それにしても、刑務所の中でシャンパンを飲んだり、豪華な食事ができる受刑者がいるなんて、日本では(おそらく欧米でも)まず考えられないことだけれど、そんな信じられないことがおそらく実際に起こっているのが、いまの中国なのかもしれない。
もっと張平の作品を、この荒岡啓子さんの訳で読んでみたいけれど、訳されているのは後一冊「凶犯」。「凶犯」もこの「十面埋伏」も新刊はなくて、図書館か古本で手に入るだけ。それだけは残念。
主要登場人物だけでも20人近くになり(登場人物一覧表に助けられました!)、こんなの読みとおせるかと思ったけれど、作者張平のストーリーテリングの巧さにぐいぐいと引き込まれ、あっという間に上下2巻各400ページ近くのこの本を読み終えてしまった。
主人公の一人である羅維民だけでなく、登場人物それぞれが丁寧に描かれ、実にしっかりとした骨格の作品となっている。特に、大きな癒着構造に気が付き出した後の公安上層部の動きが実に緊張感を孕んだ展開となってきて、ハラハラさせられる。どの人物を信用してよいか良く判らない段階での羅維民のジレンマというか、逡巡には、中国の現実社会が大きく影を落としているようで、彼と一緒になってドキドキしてしまった。
誰も味方がいないと思っていた羅維民にやっと現われた強力な援軍の地区公安本部長の何波の存在がまたよい。何波の旧知で羅維民の上司である辜幸文はどこまで信用してよいか判らない危うさがあったりする。
それにしても、刑務所の中でシャンパンを飲んだり、豪華な食事ができる受刑者がいるなんて、日本では(おそらく欧米でも)まず考えられないことだけれど、そんな信じられないことがおそらく実際に起こっているのが、いまの中国なのかもしれない。
もっと張平の作品を、この荒岡啓子さんの訳で読んでみたいけれど、訳されているのは後一冊「凶犯」。「凶犯」もこの「十面埋伏」も新刊はなくて、図書館か古本で手に入るだけ。それだけは残念。
2018年5月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
たいへん饒舌な作家である。これだけ書きたいことがあれば分厚い単行本上、下2冊になるのもなるほどと思わせる。漢字が多く字面を追うのはやや苦労するが、紙質は厚めで活字も大きいので割に早く読み進める。内容は1990年代の中国の社会状況であるが、よくこれだけのの内容を出版することができたなという感慨を覚える。きっと作者には様々な圧力があったのではないかと想像するが、時代は流れて行く、中国はどんどん変わって行っている。
読み進めると、日本人の読者としてはやや違和感を覚えるところもあり、止まってしまう。例えば3人の登場人物(公務員)が職務中に食堂で昼食を取る場面で、当然のようにビールを大量に飲む。登場人物の妻(公務員ではない)が入院することになった時、公費で入院費を出すのが当然で話が進んでいく。登場人物が「怒鳴る」という行動をとるのが多く描写されていることなどである。また筋書きはポケベルと携帯で進んでゆくのだが、やたら掛けまくっていると印象で、まだ洗練された使い方ではないのも、読んでいてニヤッとしたくなるところだ。
中国で3つの文学賞を取ったということであるが、何が評価されたのかと考えると、当然この時代にこの内容を書いて出版したということに対してだろう。文体、構成につていうとまだまだ洗練される余地がある。ちょうど最近ノーベル賞作家オルハン・パムクの「わたしの名は赤」という作品を読んだのでつい比べてしまったが、これだけの内容を持っている小説であれば、構成を工夫することによってもっと印象深い作品になれると思う。いまの構成では、登場人物も、事象の時系列もごちゃごちゃした印象で、もったいないなーと感じた。小説としての洗練というものも、やはり時間がかかるものだろう。中国でも20年後には洗練された文体、構成の小説が出てくることを期待する。
まあともかく今の中国を理解するためには一級の資料だろう。
読み進めると、日本人の読者としてはやや違和感を覚えるところもあり、止まってしまう。例えば3人の登場人物(公務員)が職務中に食堂で昼食を取る場面で、当然のようにビールを大量に飲む。登場人物の妻(公務員ではない)が入院することになった時、公費で入院費を出すのが当然で話が進んでいく。登場人物が「怒鳴る」という行動をとるのが多く描写されていることなどである。また筋書きはポケベルと携帯で進んでゆくのだが、やたら掛けまくっていると印象で、まだ洗練された使い方ではないのも、読んでいてニヤッとしたくなるところだ。
中国で3つの文学賞を取ったということであるが、何が評価されたのかと考えると、当然この時代にこの内容を書いて出版したということに対してだろう。文体、構成につていうとまだまだ洗練される余地がある。ちょうど最近ノーベル賞作家オルハン・パムクの「わたしの名は赤」という作品を読んだのでつい比べてしまったが、これだけの内容を持っている小説であれば、構成を工夫することによってもっと印象深い作品になれると思う。いまの構成では、登場人物も、事象の時系列もごちゃごちゃした印象で、もったいないなーと感じた。小説としての洗練というものも、やはり時間がかかるものだろう。中国でも20年後には洗練された文体、構成の小説が出てくることを期待する。
まあともかく今の中国を理解するためには一級の資料だろう。
2007年2月5日に日本でレビュー済み
ある地方の司法部門上層幹部と闇の犯罪組織との癒着、不動産開発業者と農村の悪徳幹部による耕地の不正取引など、急激な市場経済が進行する現代中国で正に生起している社会問題に真正面から切り込んだこの小説は、著者張平氏のストーリーテラーとしての力がいかんなく発揮される秀作といえる。
同時に、摘発とも思えるほどの社会的発言を呈するこの作品が、彼の国で発刊を許されていることにも驚かされる。
著者は言う。「社会と政治に対する関心を放棄せよということは、私に生きることを放棄せよと言うに等しい。」艱難辛苦の中にいる人々のために、良知を持つ作家としてものを書くことが作家として責任を果たすことだと考える氏は、まさに血を吐くように執筆する作家なのだ。
社会の不公平と不正義を目にした時、私たちはこの著者ほど、憤りに身を震わせることが出来るだろうか。
上下巻合わせて800頁余ですが一気に読めます。映画化も決定したらしい。
同時に、摘発とも思えるほどの社会的発言を呈するこの作品が、彼の国で発刊を許されていることにも驚かされる。
著者は言う。「社会と政治に対する関心を放棄せよということは、私に生きることを放棄せよと言うに等しい。」艱難辛苦の中にいる人々のために、良知を持つ作家としてものを書くことが作家として責任を果たすことだと考える氏は、まさに血を吐くように執筆する作家なのだ。
社会の不公平と不正義を目にした時、私たちはこの著者ほど、憤りに身を震わせることが出来るだろうか。
上下巻合わせて800頁余ですが一気に読めます。映画化も決定したらしい。
2005年11月26日に日本でレビュー済み
とにかくおもしろい。中国物なのでどうかな?って思ったが相関図がしっかりしているから迷うことなく読み進めるし、ていうかそんなことが気にならないぐらい一気に読んでしまいました。近くて遠い国の中国の奥底にある感情についても見えてくる作品です。このボリューム感はお買い得ですよ。さぁ下巻が楽しみです。
2005年12月13日に日本でレビュー済み
自らの命を犠牲にしてまで正義を貫こうとする熱い漢(おとこ)たちの話。
日本にもこんな漢たちがいればと願う。
涙した。
日本にもこんな漢たちがいればと願う。
涙した。
2005年11月24日に日本でレビュー済み
中国の地方の現状をノンフィクションとフィクションを重ね合わせて書いているのだが、これが面白い。
上下で相当厚いけれど、読む価値はあり。日本で言うと、大沢在昌の新宿鮫シリーズに雰囲気は似ている。ただ、下の作者あとがきにあるように、貧困という作者の人生と小説の内容が重ねあわされ、そこが感動をもたらすものになっている。
久々に面白いものに出会ったという感じである。
上下で相当厚いけれど、読む価値はあり。日本で言うと、大沢在昌の新宿鮫シリーズに雰囲気は似ている。ただ、下の作者あとがきにあるように、貧困という作者の人生と小説の内容が重ねあわされ、そこが感動をもたらすものになっている。
久々に面白いものに出会ったという感じである。
2006年9月13日に日本でレビュー済み
日本では(そしておそらく米国でも)かつて、地方ボスの悪事を暴くために奮闘する警察官や新聞記者を描くミステリが大きな共感をもって受け止められた時期があったように思います。幸いなことに、日本では地方ボスが悪事を働く余地は弱められ、今そんなミステリを書いてもリアリティーを持たせるのにかなり苦労することになるでしょう。でも、いまの中国はまさしくそんな状況です。日本を含む外国のジャーナリズムも、ほかならぬ中国のジャーナリズムも、この現実を描き出す作業に果敢に取り組んではいますが、いかんせん、核心には迫りきれていないのが実情でしょう。そのなかで、筆者は小説というミステリという枠組みを存分に生かし、現実に接近しています。ストーリーは面白く、共産党による支配システムを理解する役にも立つ、お勧め本です。