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ストリート・チルドレン (新風舎文庫 も 100) 文庫 – 2003/10/1

3.9 5つ星のうち3.9 18個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新風舎 (2003/10/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2003/10/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 286ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4797490748
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4797490749
  • カスタマーレビュー:
    3.9 5つ星のうち3.9 18個の評価

著者について

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盛田 隆二
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盛田隆二(もりた・りゅうじ)

1971年、県立川越高校2年在学中に書いた短編「糠星」が旺文社小説コンクールで1等になる。同作品は短編集『あなたのことが、いちばんだいじ』(光文社文庫)に所収

1985年、情報誌「ぴあ」編集者の傍ら小説を執筆し、「夜よりも長い夢」で早稲田文学新人賞入選

1990年、デビュー作『ストリート・チルドレン』(講談社)が野間文芸新人賞候補作

1992年、第2作『サウダージ』(中央公論社)は三島由紀夫賞候補作

1996年「ぴあムック」編集長等を経て、18年間勤務したぴあを退社、作家専業に

2004年『夜の果てまで』(角川文庫)が30万部を超えるベストセラーに

2007年~2010年、早稲田大学 文化構想学部 客員教授

2011年『二人静』(光文社)で第1回Twitter文学賞受賞

2016年8月24日午後8時~NHK-Eテレ「ハートネットTV」で、30分番組「父との長いお別れ・作家 盛田隆二 ――リハビリ・介護を生きる 認知症の親をおくって」を放送

著書は他に『焼け跡のハイヒール』『蜜と唾』『父よ、ロング・グッドバイ 男の介護日誌』『残りの人生で、今日がいちばん若い日』『いつの日も泉は湧いている』『きみがつらいのは、まだあきらめていないから』『身も心も』『あなたのことが、いちばんだいじ』『ありふれた魔法』『ささやかな永遠のはじまり』『散る。アウト』『おいしい水』『リセット』『ニッポンの狩猟期』『金曜日にきみは行かない』『ラスト・ワルツ』『いつかぼくは一冊の本を書く』など多数

カスタマーレビュー

星5つ中3.9つ
5つのうち3.9つ
18グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2014年8月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1699年の内藤新宿から1998年の未来の新宿(1990年刊行の為)まで、社会の底辺を生きる一族の血の因果を廻る物語。

親方の奥さんを孕ませた三次から連なるその因果を、新宿というしがらみの街で生き抜く男と女。それは今の日本と同様、生きるのに過酷な世界です。

本書に出会い、画家として人間として半ば覚醒した夭折の日本画家・瓜南直子さんは盛田隆二さんに次のように語りました。

「けだものの愛おしさ、いたましい命、盛田さんの小説から読み取ったんだけど、勘違いかな?」

私は血の因果だけでなく、一族の周りの世代を超えて同じ役割を担う人たちから、魂の因果(輪廻)も同時に感じていました。

絶筆となる豊饒の海シリーズ全四巻で四世代の輪廻転生の物語を描き、最終巻の
天人五衰―豊饒の海・第四巻 (新潮文庫) ではその輪廻を真っ向から否定し、資本主義に魂を売った日本人の覚醒を命を賭して促した三島由紀夫とデビュー作の僅か1巻で13世代を描いた盛田隆二さんとの間に不可思議な縁を感じます。

三島の死後40年を経て白日の下にさらされたでっちあげの戦争や原子力など産業利権構造とその裏にある闇なる力。今、日本は、世界に誇る芸術・文化・平和・完全循環型農社会を成した江戸のマインド、更に遡れば2万年の平和を享受した縄文のマインドを取り戻す時にあり、究極的にはそれを願ったであろう三島の魂魄を背負う役割が本書にはある気がしてなりません。

自らの血と魂の遍歴に思いを馳せることを思い起こさせてくれる疾走感に満ちた傑作であり、一族最後の鉄男の物語はレイモンド・チャンドラーのミステリーの如く読者を惹きつけます。ぜひ多くの方に読んで頂きたい、時代が必要とした小説です。

最後に、盛田隆二さんも編集に携わった瓜南直子さんの
絵画を生きて――月の消息 から本書に纏わる貴重な言の葉を紹介します。

「孤児のような気持ちを味わっていた。ながい間、私ひとりが薄寒い現代にぽつんと生まれ落ちた気分でいた。いっそ明治の半ばに生まれて、先の戦争の前に死んでいたらよかったのに、などと思っていた。子供のころから古典や歴史が好きだったけれど、それは記された遠い物語であり、いくらその世界にあこがれても、入ってゆくことはできない。書物の中に、なつかしい匂いを嗅ぐほどに、私は寂しかった。

しかし20年程前、ある小説(盛田隆二さんのストリート・チルドレン (光文社文庫))を読んだのをきっかけに、自分が立っている時代から、地続きに時代を遡ってゆくコツをつかんだ。コツさえつかめばしめたもの。はずみをつけて明治から江戸、室町、平安・・・・と遡って行った時、私は自分の体内に流れている日本という大いなる河を感じた。」

「神話の時代から、緑と石清水に造形された、この奇跡のような島だけが持つことができたものがある。その感覚は誰もの内の深い処で、たしかな記憶として眠っている。それを掘り起こし、紡いでゆく。それが私の仕事だと思っている。そして、私が描くまでのながいながい『時』そのものを、絵の中に棲みつかせたいと思う。誰もが共有する内なる感覚にうれしくなるように。語り部のように物語を記し描いてきた祖先の末裔として、私はまだ語られていない、いわば拾遺を描いてゆきたい。」
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2004年2月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とんでもない勘違いかもしれないが、村上龍の 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫 む 3-1) が時代の断面として描いたことを、この作品は300年と言うスパンで描いたのでないかと、読んでいる最中に思ったのである。私は小説を読む時、活字で書かれていることを頭の中で、具象化されたイメージに置き換えようと常に試みているのだが、 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫 む 3-1) もこの作品も、その具象化されたイメージの向こうにあるものを感じ取れなければ、堪能することが出来ない作品だと思う。残念ながら、私にその能力が備わっていないことが、この作品の評価が低くなった理由である。感性の研ぎ澄まされた人なら、堪能できる作品に違いないと思う。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2019年6月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「組頭の年若い女房トヨをたった一度の交わりで孕ませてしまったことを知り、春彼岸の中日に下諏訪の村を逃げ出した十九歳の三次が、四人の追っ手を振り切り、大豆や小豆の茎葉で飢えをしのぎながら中山道から甲州街道を上り、ようやく江戸は内藤新宿にたどり着いたのは一六九九年初夏のことだった」からはじまるこの疾走感はすごい。
ここから300年の物語だから、最後は1999年。その間の一家の生と性を書きあげた処女作。
性はなかなかのものである。こどもと孫の両方の父親となる者や男女両刀使いが出てくる。
最後は新宿でアジアの祭典。出版年より8年ほど先の近未来のことである。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年4月7日に日本でレビュー済み
子育て生活の序盤戦でこの本に出逢えたことに感謝。

300年間、親から子へ流れていった、脈々と続く
遺伝子の物語でもある。

1人1人の人たちは、安定や幸福とは無縁の人生で
も、遺伝子はしっかりと過去から未来へ流れていく
力強さ。

私も子供を育てて世に送り出すにあたって勇気づけ
られた。

私の役割は、彼らに完璧な既製品の人生を用意する
ことではなく、この子たちに生きる力をつけさせて
広い世界に送り出すこと、それだけでいいという、
自由な気持ちになれる作品。

それでいて、1人1人の人物も、ハチャメチャだけ
ど元気いっぱいで魅力的。無駄な生は一つもない。

私自身の人生にも、きっとストーリーは用意されて
いる。その人生を目いっぱい楽しめばいいと思う。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2003年9月28日に日本でレビュー済み
なかなか書店では手に入らないので、図書館から借りてきて読んでみた。
新宿の歴史を背景に繰り広げられる人間ドラマなのだが、「おいしい水」や「湾岸ラプソディ」のヒット作と比べると内容そのものはとても地味で、人間描写なども十分とは言いがたい。
しかし盛田隆二を知る上では参考になる一冊だろう。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年10月14日に日本でレビュー済み
「新宿」を舞台に、300年にわたる「生」と「性」の軌跡を描いた、盛田隆二の衝撃的デビュー作。1699年、19歳の青年が下諏訪から「内藤新宿」に出奔する。彼を一代目として流れ出た血の宿縁は、男色者、遊民、歌舞伎子、詐欺師、家出娘など、ことごとく路上の民で彩られながらも、1998年、出稼ぎフィリピーナとの間に子をなす十三代目の青年まで危うく一筋に流れる……。(裏表紙より)

『ストリート・チルドレン』の一番初めに登場する19歳の三次は、組頭の女房をはらませて新宿に逃げてきますが、その三次の末裔として時と場所を超えて出現したのが『夜の果てまで』の主人公の安達俊介ではないか……と、文庫の解説に書いてあるのを読んで、盛田隆二が書き続けている物語の宇宙が大きな弧を描いてつながったような気がして震えました。

秋の夜長に読書の楽しみを味わわせてくれる深い余韻を残す小説です。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2003年12月30日に日本でレビュー済み
ぐりぐりと引き込まれてしまいました。
なかなかチョイ読みはできないと思います。
新宿の300年を背景に、一つの血筋が辿られていく。
その血筋に連なる人々がなしうることは、ほぼ、生れて、
ぎりぎりの生活を送り、子を産み、死んでいくだけ。
彼らは、後には何も遺さない。ただ、血だけが伝わる。
ただし、その分、彼らは、生命力が強いというのか、
神話の登場人物のように、H指数(?)が高いのです。
彼らの連綿たる血のつながりの起伏が本書の魅力の
中核をなしていそう。男色もあるし。
途中何度か、家系図の記述に終始して、悪く言えば手抜きかとも
捉えられる箇所がありますが、それは本書の未熟な点というより、
構成上のバランスでそうならざるを得ないのかも。
過去300年に遡るそれぞれの時代の新宿は、十分緻密にかつ
極めて自然に描写されており、血統に関するより以上の叙述は、
本書が持つ疾走感をスポイルする気がします。
本編だけでなく、巻末の書評も傑作です。文庫化されてよかった。
評論家の先生方もムキになってて、当時の衝撃が伝わってきます。
主題歌は、椎名林檎の「歌舞伎町の女王」かな。この曲実は、
1998年(新宿生誕300年)に発表のよう。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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