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日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点 単行本 – 2008/2/26

4.3 5つ星のうち4.3 89個の評価

「偽装国家・日本」を心理学者が鋭く分析!
日本人は「人を見たら泥棒と思え」と考え、アメリカ人は「渡る世間に鬼はなし」と思って生きている!? 心と文化をめぐる常識を次々と覆していくラジカルな日本社会論、ついに登場!!
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商品の説明

出版社からのコメント

第一章 「心がけ」では何も変わらない!
第二章 「日本人らしさ」という幻想
第三章 日本人の正体は「個人主義者」だった!?
第四章 日本人は正直者か?
第五章 なぜ、日本の企業は嘘をつくのか
第六章 信じる者はトクをする?
第七章 なぜ若者たちは空気を読むのか
第八章 「臨界質量」が、いじめを解決する
第九章 信頼社会の作り方
第十章 武士道精神が日本のモラルを破壊する

著者について

【著者略歴】山岸俊男(やまぎしとしお)
社会心理学者。一九四八年名古屋市生まれ。一橋大学社会学部、同大学大学院を経て、八〇年ワシントン大学哲学博士。北海道大学助教授、ワシントン大学助教授を経て、現在、北海道大学大学院文学研究科教授、同大学社会科学実験研究センター長。社会的ジレンマ、信頼、社会的知性など心と社会の関係について、認知科学、心理学、社会学、経済学など多くの側面から、実験、調査、コンピュータなどを通じて総合的に研究を進めている。二〇〇四年、紫綬褒章受賞。日本学術会議会員。日本学術振興会グローバルCOEプログラム「心の社会性に関する教育研究拠点」拠点リーダー。
【著書】『信頼の構造』東京大学出版会(日経・経済図書文化賞受賞)、『安心社会から信頼社会へ』中公新書、『社会的ジレンマ』PHP新書など多数。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 集英社インターナショナル (2008/2/26)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/2/26
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 264ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4797671726
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4797671728
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 89個の評価

著者について

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山岸 俊男
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カスタマーレビュー

星5つ中4.3つ
5つのうち4.3つ
89グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2023年10月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
掟と法、家父長制度、地方と都市部そしてなぜ日本人は政治に無関心なのか。たくさんの光明をいただきました。手にした人は満足すると思います。
2016年1月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本人は実は一匹狼である。外国人は実は、日本人より他人を信頼する。
他人を信頼しない人より、積極的に信頼する人のほうが、その人が信頼たりうる人かシビアに、そして正確に判定している。
「帰属の基本的エラー」がキャバクラ経営を成立させている。
・・・間違い。「帰属の基本的エラー」が日本人像を作る。(行為が必ずしもその人の真意ではないということ)
いじめ問題のカギは「臨海質量」にある。どのクラスの生徒も大して変わらない。問題は傍観者の数である。
初期において如何にして傍観者の数を臨海質量以下にできるかがカギである。
統治の倫理(武士道)と市場の倫理(商人道)は相反するし、混濁すると社会がもっとも危険な状態となる。(←日本社会は今ココ)

・・・・・・・・・・

日本人は実は一匹オオカミだった。そしてアメリカ人は日本人より積極的に他人と協力する人々だった。
実験によって明らかにされたこの結果を読めたことは自分にとってとても大きなものだった。
給料を下げてまで一人で働く決定をする人の割合がアメリカ人に対し日本人は8倍であった。
そうそう。グループに非協力的な人がいると分かったら、もうそもそも一人で働きたいやって思っちゃうことありますよ。

「帰属の基本的エラー」も面白い。
日本人について?僕は個人主義者だけど、日本人って周りを気にするっていうか、集団主義者ですよねぇ。
って思ってる人がなぜそう思うのかが解き明かされている。
簡単に言うと「やりたくないことを仕方なくやってるのに、それを見ている人には、やりたくてやっているように映っている」
ということだろう。それが強固な日本人像となる。そうなってしまうと「残業なんて日本人なんだし、みんな進んでやってる
んだから帰りたいけど私も残業しなきゃ」となってしまう。

「臨海質量」がいじめ問題のカギを握る。
これは全国の小中学校の先生に必須で読んでほしいと思った。
あと、全国の小学生に必修で教えることはできないだろうか。

本レビューのタイトルにした「挨拶のパラドックス」とは「囚人のパラドックス実験」をもじったもの。
「囚人のパラドックス」とは、簡単に言うと「協力行動をとれば互いが利益を得るのに、相手を信じられない
ことによって双方利益が得られなくなってしまう」ことだそうだ。
これがなんとなく会社での出退勤時や廊下などですれ違う際の挨拶にも当てはまると感じた。
双方挨拶をすると双方気持ちがよい。→双方にとって利益となる。
片方だけ挨拶すると「無視された、無視した」というわずかでも負の念が湧く。→片方が不利益を被る。
双方挨拶をしないと双方気まずい。→双方にとって不利益となる。

あいさつ?そんなんどうでもいいわ。とか
ああ、あの人は変わってて挨拶しないからねぇという人を除いた、みんながやれば自分もやるという80%の人々については、
無視されるかもしれないとか、違うグループだからとか、恥ずかしいとかも含めて、
相手が信頼できないから挨拶しないのではないかなと思う。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年9月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こんなに重要な本を読み漏らしていたことに後悔。
「失敗の本質」や「空気の研究」に続く白眉。

少し気になる点。
他のレビューアーと同じように武士道の扱いに違和感がある。
企業や大組織の不祥事は安心社会でも信頼社会でも発生している。

江戸期に幕藩体制維持のために思想教育として導入された朱子学寄りの武士道と、
本来の野性味溢れる個人主義的な武士はかなり異なる。
著者は前者のイメージなのだろうが、そこは儒教や朱子学としてほしい。
それでも違和感は残る。

農村社会と武士道も全く異なる。
前者は所属集団内の狭い範囲での相互監視や調和であるが、
後者の仁義や忠孝は特定の所属組織の枠を超え、広く日本全体、
あるいは世界や人類全体に無私に尽くそうと気概した偉人達が大勢現れた。

また外敵からの防衛を担う武士達こそは集団外部との接点であり、
外来者が敵なのか味方なのか信頼関係性に敏感だったはずである。
実際に幕末以降世界に目を向け、社会変革の担い手となったのも武士達である。
ただし商人気質の下級武士が中心なのは確か。
日露戦争以降、軍部が腐敗していったのは世代交代で武士精神が失われていったから。
先の大戦で、後世や敵軍からも畏敬を受けているのは武士精神を持っていた指揮官達。
敵味方に分かれながら尊敬や信頼を得、友情や同志に近い感情が芽生えている。
そうゆう意味で武士道と商人道は類似している。

組織織内部における安心社会と信頼社会は面白い。
日本の人事制度、労使環境はグローバル企業でも未だに前者であり
海外現地人の制度は別に設けている。

社員全員の顔が見える中小企業なら、安心社会のしくみのままでよいが、
大組織は、信頼社会の人事制度へ移行できないままのため、
その制度の欠陥の隙をついて、社内の立ち回りや世辞活動により
他人の成果や労力にただ乗りして出世していく無責任な
自己利益追求型の経営層や役人幹部によって汚染される可能性を排除出来ない。
もちろん人事制度にネットの評判機能などない。
これらの人は、ただ要領や頭の良さだけで、理想や思想、哲学、モラルがなく、
だが、それにあてはまる適切な言葉がないため、品格や武士道を
無理やり当てはめているわけで、この元々適切でない言葉を
全否定することに意味があるのか違和感を感じる。

でも、全体的には読んで勉強になることばかりのとても良い本でした。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年3月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の主張は「人の心は環境によって決まる」というもの。
いくら教育で人の心を矯正しようとしてもそれは不可能であり、
人は置かれている環境に最適な振る舞いをするだけなのだ。
そういう著者の主張は常識を気持ちよく論理的に覆すもので、非常に納得できるし面白い。

いじめは人間社会のルールを子供たち自身が学ぶためのものでもあり、
正しい「いじめ」のやり方を学ぶことは必要という考察、
アメリカ人よりも日本人の方が実は個人主義的に行動するなど、目からウロコである。
以前「日本人の自尊心は言われているほど低くない」というような実験がニュースになっていたが、
この人の仕事だったようだ。

だが、「人の心は環境によって決まる」という主張には納得できるものの、
そこから導き出している結論
1)安心社会VS信頼社会という構図
2)農村社会=安心社会=武士道という位置づけ
には違和感を感じた。

1)については、グローバル型の信頼社会に適応するため〜〜とあるが、
そもそもそのグローバル化、構造改革路線が今は否定されてきているという問題がある。
本当に信頼社会が目指すべきものなのだろうか。
安心社会を取っておくべき領域と、信頼社会に転換すべき領域があると私は思う。

信頼社会/安心社会というのは、対立して両者が同時に成り立たないわけではなく、
それぞれの問題や社会ごとに、安心社会と信頼社会の倫理を使い分けていけばいいのではないか。
あるひとつの問題なり社会の中で安心社会と信頼社会の倫理を混同することが問題なのであって、
後戻りできない以上、すべてが信頼社会に転換すべき、という主張には納得できない。

例えば、インターネットオークションのしくみを信頼社会として紹介しているが、
評価システムが自動的に悪人を排除する点で、これは安心社会における悪人排除のしくみそのものではないだろうか。
悪人も名前を変えて再参入できるので、信頼の積み重ねが大切になる、という点が信頼社会であるとしているが、
再参入しても結局は不誠実な取引をしていれば弾き出されるのだから、悪人が自動的に排除される点では同じことである。

2)については、著者は安心社会の一例として江戸時代の農村社会をあげている。
また、武士道が安心社会の倫理観であるともしている。
しかし、そもそも農村社会と武士道は全く異なるもので、
そのふたつが結果的に安心社会の例として持ち出されている点に非常に違和感・無理を感じる。

また、武士道の精神を重んじる人間になりたいと考えて努力している人を否定するような帯文など、
一部の書き方、見出しにも問題がある。
本の売り上げアップを強く意識している為か、武士道や品格という単語を必要以上に悪く書いている。
そういった言葉が持て囃される風潮を苦々しく思っていた方々の注目を集めるという
ビジネス戦略としては正しいのかもしれないが、
商人道であろうと武士道であろうと人の心を操作・教育しようとするやり方がダメなのだ、
という主張なのだから、帯文の『武士道が日本をダメにする』という書き方では誤解が生じる。

武士道精神で商売したらとんでもないことになる、という例もあった。
武士道とは無私の精神であり、大儀のためには全てが犠牲になってもよい、
というような信念で商売をされても困る、という例だったが、それは極端すぎると感じた。
正々堂々という言葉もあるように、
たとえ敵(身内ではない相手)でも背後から切りつけないという考え方も武士道にはあるはずだ。

農村社会が安心社会である点に異論はない。
しかし、武士道を持ち出したのは無理がある気がした。

1)や2)のような違和感を感じたのは、個人を扱う心理実験の結果を社会全体に無理に当てはめようとしたことに原因があるような気がする。
また、著者個人の価値観として、日本の伝統的なものが嫌いだというような意味のことを話している対談を読んだことがあるが、それも影響しているのかもしれない。
逆に私はそういうものが好きなので、特に違和感を感じたのかもしれない。

全体として、個人の考え方についての考察には賛同できるのだが、それを社会全体に広げて当てはめている部分に納得がいかない所が多い。
他人と信頼関係を結ぶべるようになるためにはトライアンドエラーが必要という主張には大いに納得するし、個人としてこれからも実践していきたいと思うのだが。

色々書いたが一読の価値はある。
常識が覆されていく快感を味わってほしい。
42人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年7月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
専門的な知識は一切必要なく、論理的かつ分かりやすく、納得感のある説明がなされており非常に読みやすかったです。

長らく人間関係に不安がモヤっとあったのですが、この本を読みそれは自分が安心社会に属していて、その規範に重きを置いているためだとわかりました。

ずっと手元に置いておき読み返したい、最も大切な1冊となりました。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年7月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
個々の日本人はすっかり個人主義的になってしまって,もはや従来の 「安心社会」 をとりもどすことはできない. そういうなかで,著者は日本に適したやりかたをめざしつつも,個人主義の歴史がふるい欧米的な社会の実現をめざしているようだ. 「囚人のジレンマ」 など,ゲーム理論を武器にしつつ,合理的なゲームではなく不合理な人間がゲームでどうふるまうかを実験し,そこから結論をみちびこうとしている.

しかし,著者も書いているようにこの本では論理性よりわかりやすさを重視しているためか,飛躍する論理をうめることができず,納得できる議論にはなっていない. だが,東 浩紀 らのようにもはや 「規律訓練」 の時代ではなく,監視カメラのように 「環境管理」 によって安全・安心をまもる必要があるというような議論とくらべると,もしかするとまだ 「規律訓練」 的なやりかたにものぞみをつなぐことができるのではないかとおもえてくる.
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート