第一章を読んでから、付録Aを読んでこのレビューを書いている。
「概念」の捉え方を理論的に(しかも短く!)解説しながら、プログラミングパラダイムをジェネレーティブに持っていく土壌をしっかり説明してくれる。
プログラミングにおける知識・概念の説明を交え実践に向けてのエッセンスを散りばめている。昨今の議論にあがってくるDDDなどの理解にも深く影響を与え、プログラミングパラダイムの出自を意識しながら問題を紐解くことができる。
本文中にも様々な知識が語られていて、読みながら「ああ、この考えにつながるのか」「いままでこの考えに影響をうけていたのか」という気づきと再発見が多い。
わくわくしながら読める。
ただ、実際分厚いのでkindle化を待望します...
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ジェネレーティブプログラミング 単行本 – 2008/4/1
ソフトウェア再利用を、現実的な一歩として進めるために。
オブジェクト指向技術が実用化されて久しいが、当初標榜されていたソフトウェア部品の
再利用性を高める、という目標については、まだまだ業界全体としてまだ遠い位置にある。
確かに、オブジェクト指向は、それが登場する以前と比較したなら、継承やカプセル化といった
メカニズムにより、設計情報(意図)をソースコード上に、より直接的に表現することを可能に
した。だが、それはまだまだ設計情報をコード(暗号)化したものの域を出てはいない。
しかし、本書では、もっと直接的にソースコード上に設計情報を表現するための手法を多数
紹介している。このほか、設計意図の再利用に焦点をあてること、ある製品だけでなく、
製品ファミリとしてのドメインに焦点をあてること、ドメインに特化した言語を使うことなど、
さまざまなアプローチにより、ソフトウェアの再利用性を実用的な形で高めていくための
手法も多く記されている。
本書は、オブジェクト技術を中心に、ドメイン工学、プロダクトライン、DSL、サブジェクト、
アスペクト、パターン、メタプログラミングなどを利用して、設計情報を「意図(インテンション)」
としてすくい取り、そこから「生成的(ジェネレーティブ)」にコードを作り出そう、というアイディアの
流れの中にあり、ジェームズ・O・コプリンの「マルチパラダイムデザイン」を継承している。
さらに、本書からジャック・グリーンフィールドらの「ソフトウェアファクトリー」が派生している。
間違いなく、本書はソフトウェア開発技術史上において一里塚を築くものであり、設計と実装を
より近くで結びつけるための、オブジェクト指向の次にくる技術を総括するものと位置づけられる。
本書によって、より現実的なソフトウェアの再利用の基礎が立ち上がりつつあるのだ。ソフト
ウェア開発技術の変遷と最新技術の動向について知りたい、今後のソフトウェア技術の潮流の
先を読みたい、またそれらをご自身の企業活動としてのソフトウェア開発に活用していきたい
という方には、必読の書といえるだろう。
(株)式会社チェンジビジョン 平鍋健児
オブジェクト指向技術が実用化されて久しいが、当初標榜されていたソフトウェア部品の
再利用性を高める、という目標については、まだまだ業界全体としてまだ遠い位置にある。
確かに、オブジェクト指向は、それが登場する以前と比較したなら、継承やカプセル化といった
メカニズムにより、設計情報(意図)をソースコード上に、より直接的に表現することを可能に
した。だが、それはまだまだ設計情報をコード(暗号)化したものの域を出てはいない。
しかし、本書では、もっと直接的にソースコード上に設計情報を表現するための手法を多数
紹介している。このほか、設計意図の再利用に焦点をあてること、ある製品だけでなく、
製品ファミリとしてのドメインに焦点をあてること、ドメインに特化した言語を使うことなど、
さまざまなアプローチにより、ソフトウェアの再利用性を実用的な形で高めていくための
手法も多く記されている。
本書は、オブジェクト技術を中心に、ドメイン工学、プロダクトライン、DSL、サブジェクト、
アスペクト、パターン、メタプログラミングなどを利用して、設計情報を「意図(インテンション)」
としてすくい取り、そこから「生成的(ジェネレーティブ)」にコードを作り出そう、というアイディアの
流れの中にあり、ジェームズ・O・コプリンの「マルチパラダイムデザイン」を継承している。
さらに、本書からジャック・グリーンフィールドらの「ソフトウェアファクトリー」が派生している。
間違いなく、本書はソフトウェア開発技術史上において一里塚を築くものであり、設計と実装を
より近くで結びつけるための、オブジェクト指向の次にくる技術を総括するものと位置づけられる。
本書によって、より現実的なソフトウェアの再利用の基礎が立ち上がりつつあるのだ。ソフト
ウェア開発技術の変遷と最新技術の動向について知りたい、今後のソフトウェア技術の潮流の
先を読みたい、またそれらをご自身の企業活動としてのソフトウェア開発に活用していきたい
という方には、必読の書といえるだろう。
(株)式会社チェンジビジョン 平鍋健児
- 本の長さ746ページ
- 言語日本語
- 出版社翔泳社
- 発売日2008/4/1
- ISBN-10479811331X
- ISBN-13978-4798113319
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商品の説明
著者について
著者紹介
Krzysztof Czarnecki(クシシュトフ・チャルネッキ)
カリフォルニア州立大学サクラメント校で計算機科学の修士号、ドイツのイルメナウ大学で計算機科学の修士号と博士号を取得。
ドイツ、ウルムにあるダイムラー・クライスラー社の技術研究所において研究者ならびにコンサルタントとして従事。
Xeroxパロアルト研究所とワシントン州レイモンドのマイクロソフトリサーチの客員研究員として、アスペクト指向プログラミングとインテンショナルプログラミングの研究に早くから関わる。
Ulrich W. Eisenecker(ウールリシュ・W・アイセンアッカ)
ツバイブリュッケンのカイザースラウターン応用科学大学の計算機科学教授。 同大学のコンポーネントウェアとウィンドウインタフェース学科長兼任。(大学で職に就く前、産業界で10年ほど実務経験がある。)ドイツのIT雑誌「OBJEKTspektrum」で主にコンポーネントソフトに焦点を当てた記事の編者をつとめ、自身は同誌にC++のコラムも寄稿している。100を超える論文・記事を発表し、ドイツ国内および国際的なIT会議における講演者として活躍中。
訳者紹介
津田義史(つだ よしふみ)
1972.2.16生。東京電機大学卒。外資系ソフトウェアベンダで、プログラマとしてのキャリアを開始。ネットワーク型、リレーショナル型、オブジェクト型、ロータスノーツなど、種々のデータベースに造詣が深い。また、ソフトウェア開発に関するコンサルティングもこなす。静的な言語に関心があり、動的な言語は好まない。著書に「Notes/Domino APIプログラミング」オーム社
今関 剛(いまぜき たけし)
信州大学物理学科卒。1991年より大手電機メーカ向けのCAE(Computer Aided Engineering)システムの設計と構築,現場への展開,組込みソフトウェア開発に従事。製造業における設計/開発業務および成果物品質の改善に貢献する。2000年より、製造業ドメインにて培った知識とソフトウェア開発技術をベースに,オブジェクト指向技術コンサルティングおよび組織内プロセス改善、SPI/SEPG支援に取り組む。現在はイーソル((株))にて、再利用型開発による効率化を目指し技術と管理の両面から改善に取り組んでいる。プロダクトラインは2000年より活動テーマとして着手し、セミナおよび記事執筆を精力的に行っている。EEBOFメンバ。
朝比奈 勲(あさひな いさお)
1974.3.4生。アメリカカリフォルニア州立大学Davis校卒。1990年渡米。アメリカで情報工学の学位取得後、シリコンバレーの一流企業でプリンタ関連のソフトウェア開発に携わる。2005年帰国後、ソフトウェアのオフショア開発分野においてブリッジSEとして活躍。オフショア開発を通じて他国の文化を理解し、日本の文化の良さを伝えることに日々勤める。
Krzysztof Czarnecki(クシシュトフ・チャルネッキ)
カリフォルニア州立大学サクラメント校で計算機科学の修士号、ドイツのイルメナウ大学で計算機科学の修士号と博士号を取得。
ドイツ、ウルムにあるダイムラー・クライスラー社の技術研究所において研究者ならびにコンサルタントとして従事。
Xeroxパロアルト研究所とワシントン州レイモンドのマイクロソフトリサーチの客員研究員として、アスペクト指向プログラミングとインテンショナルプログラミングの研究に早くから関わる。
Ulrich W. Eisenecker(ウールリシュ・W・アイセンアッカ)
ツバイブリュッケンのカイザースラウターン応用科学大学の計算機科学教授。 同大学のコンポーネントウェアとウィンドウインタフェース学科長兼任。(大学で職に就く前、産業界で10年ほど実務経験がある。)ドイツのIT雑誌「OBJEKTspektrum」で主にコンポーネントソフトに焦点を当てた記事の編者をつとめ、自身は同誌にC++のコラムも寄稿している。100を超える論文・記事を発表し、ドイツ国内および国際的なIT会議における講演者として活躍中。
訳者紹介
津田義史(つだ よしふみ)
1972.2.16生。東京電機大学卒。外資系ソフトウェアベンダで、プログラマとしてのキャリアを開始。ネットワーク型、リレーショナル型、オブジェクト型、ロータスノーツなど、種々のデータベースに造詣が深い。また、ソフトウェア開発に関するコンサルティングもこなす。静的な言語に関心があり、動的な言語は好まない。著書に「Notes/Domino APIプログラミング」オーム社
今関 剛(いまぜき たけし)
信州大学物理学科卒。1991年より大手電機メーカ向けのCAE(Computer Aided Engineering)システムの設計と構築,現場への展開,組込みソフトウェア開発に従事。製造業における設計/開発業務および成果物品質の改善に貢献する。2000年より、製造業ドメインにて培った知識とソフトウェア開発技術をベースに,オブジェクト指向技術コンサルティングおよび組織内プロセス改善、SPI/SEPG支援に取り組む。現在はイーソル((株))にて、再利用型開発による効率化を目指し技術と管理の両面から改善に取り組んでいる。プロダクトラインは2000年より活動テーマとして着手し、セミナおよび記事執筆を精力的に行っている。EEBOFメンバ。
朝比奈 勲(あさひな いさお)
1974.3.4生。アメリカカリフォルニア州立大学Davis校卒。1990年渡米。アメリカで情報工学の学位取得後、シリコンバレーの一流企業でプリンタ関連のソフトウェア開発に携わる。2005年帰国後、ソフトウェアのオフショア開発分野においてブリッジSEとして活躍。オフショア開発を通じて他国の文化を理解し、日本の文化の良さを伝えることに日々勤める。
登録情報
- 出版社 : 翔泳社 (2008/4/1)
- 発売日 : 2008/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 746ページ
- ISBN-10 : 479811331X
- ISBN-13 : 978-4798113319
- Amazon 売れ筋ランキング: - 612,194位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 11,802位電気・通信 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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カスタマーレビュー
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3グローバルレーティング
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2014年2月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
750ページもあります。後書きにこう書いてあります。「なお、本書は大変重いので、本屋さんでの立ち読みはお勧めできません。購入して、家に持ち帰るべきですよ。」 確かにそうなのですが、それならKINDLE版を出して欲しいと思います。まあ枕にも使えますが(笑)
原書は2001年に刊行されましたが、出版社の事情等によってこの日本語版が出たのは2008年です。間違いなくソフトウエア開発技術史の金字塔になる本です。もう15年も前の本ですが、色あせないどころか昨今の様々な技術がこの本を追いかけているとさえ思えます。
ジェネレーティブ・プログラミングとは、生成的なプログラミング手法というほどの意味です。クラスの再利用を推進するグループが今でも活躍されていますが、目立った成果は出ていません。それは恐らく制約として「業務ドメイン」を定義していないためです。「ドメイン駆動設計」という本では、業務知識を持つドメインエキスパートと開発者を明確に分けて説明されていました。ジェネレーティブプログラミングは、さらに開発者を隠してしまいフレームワークやツールだけが残ります。ドメインエキスパートはそのツールを使ってジェネレーティブ(生成的)にシステムを開発するのです。
どうすればそんな事が可能なのでしょうか?それには、オブジェクト技術を中心に、ドメイン工学、プロダクトライン、DSL、サブジェクト、アスペクト、パターン、メタプログラミングなどを駆使して、設計情報を「意図(インテンション)」として救い出す事が必要です。本書はそれらを網羅的に解説されています。
とはいえ全部読むのは大変ですので、まず第1章で全体像を眺め、いきなり11章「インテンショナルプログラミング」に飛びましょう。その後2章に戻れば作者が何を言いたいのか迷わずに済むと思います。本棚にあるだけでもちょっと格好良いですよ。
原書は2001年に刊行されましたが、出版社の事情等によってこの日本語版が出たのは2008年です。間違いなくソフトウエア開発技術史の金字塔になる本です。もう15年も前の本ですが、色あせないどころか昨今の様々な技術がこの本を追いかけているとさえ思えます。
ジェネレーティブ・プログラミングとは、生成的なプログラミング手法というほどの意味です。クラスの再利用を推進するグループが今でも活躍されていますが、目立った成果は出ていません。それは恐らく制約として「業務ドメイン」を定義していないためです。「ドメイン駆動設計」という本では、業務知識を持つドメインエキスパートと開発者を明確に分けて説明されていました。ジェネレーティブプログラミングは、さらに開発者を隠してしまいフレームワークやツールだけが残ります。ドメインエキスパートはそのツールを使ってジェネレーティブ(生成的)にシステムを開発するのです。
どうすればそんな事が可能なのでしょうか?それには、オブジェクト技術を中心に、ドメイン工学、プロダクトライン、DSL、サブジェクト、アスペクト、パターン、メタプログラミングなどを駆使して、設計情報を「意図(インテンション)」として救い出す事が必要です。本書はそれらを網羅的に解説されています。
とはいえ全部読むのは大変ですので、まず第1章で全体像を眺め、いきなり11章「インテンショナルプログラミング」に飛びましょう。その後2章に戻れば作者が何を言いたいのか迷わずに済むと思います。本棚にあるだけでもちょっと格好良いですよ。