1~5巻まで読んだ上での感想ですが、ハッキリ言うと1巻が一番面白い作品でした。
内容としては漢字が使われなくなった日本が舞台で、そこに住む兄妹がメインキャラとなり、展開されていきます。
出だしのインパクトの強さ、ワードの面白さ、設定の面白さなど、とにかくすさまじい出だしです。
(特に、冒頭数ページの「二十一世紀のみなさまへ」は爆笑しました)
作品の雰囲気としては、「漢字がなくなっている」「難しい言葉が使われなくなっている」という点から、どことなくディストピア系SFを想起させます。
革命モノという観点で見るならば、「反体制ではなく体制側に主人公を配置した下セカ」という見方もできると思います。(1~2巻のみですが)
また、この作品は
・作品を作ることは無意味かどうか
・安易な表現を多用することの危険性、それによる知能の低下
・「萌え」を主軸にした文化形態(今で言うクールジャパン)に対する懸念
・女性キャラクターを性的に搾取する問題について
・度を越した多様性の受容
・人種差別や選民思想の問題
などのような、結構重要な問題を大幅に誇張して表現しているように感じます。
なので、「フフッ」と笑えるながらも「いや、笑い事じゃないよな」と思わせてくれる、なかなかハイソな作品と言えるのではないでしょうか。
(もっとも、本文中に時々挟まれるエピソードに「中身のない作品でも、読者は勝手に深読みする」という下りがちょくちょく入るので、作者としては「俺のラノベで深読みなんてしなくて良いから」「書いてある以上のことは読み取らなくて良いから」とか考えてらっしゃるのかも知れません)
以上のように、うがった見方をしてみると非常に面白い作品だと思います。
とはいえ、余りよろしくない点も多々あります。
ザッとまとめるとこんな感じです。
・主人公がバカ
→昔のラノベだししょうがないか……と思いましたが、よくみたら「俺ガイル」と同じ年に出ていますね。「俺ガイル」の登場によって、単なるバカキャラは完全に過去のモノになったと感じていますので、その辺はタイミングが悪かったというのもあると思います。
・キャラの掘り下げが少ない
→テンプレの見た目の女の子がテンプレなしゃべり方をするという、いつものハリボテ芸。そのキャラがなぜその格好なのか? なぜその口調なのか? なぜ主人公に好意を向けるのか? というところまで踏み込みません。それについては作者自身も触れていますので、取り立てて語ることでもないでしょう。
・かゆいところに手が届かない
→例えばホミュラ賞の候補となった「うすび」、冬耳著の「二十一世紀」など、「いや、そっちも読んでみたいよ! さわりだけでも読ませてよ!」と思ったのですが、特に中身は出てきませんでした。他にも説明が少なかったりする箇所もあり、なんとなく物足りない感があります。残念。
・SF要素が雑
→過去改編によって存在しなかったはずの人間が生まれる、という下りがありますが、過去改編によって人が存在しなくなるという下りはありません。あれだけ好き勝手に変えていたら有りそうなもんですが。あとは様々なガジェットが出てきますが、それによって起きる作用についての説明もかなりいい加減です。SFモノじゃないとはいえ、もう少しなんとかできなかったのでしょうか。それか「不思議なことがおこった」的なことにしてもっとファンタジー寄りにするとか。何かやりようがなかったのかと悔やまれます。
・お話自体がたいしたことない内容
→設定の作り込み、プロットの整合性、キャラクターの抱える思想などのあらゆる要素がたいしたことないです。
有り体に言ってしまえば、そんなに面白くありません。正直、その辺の一次創作SSスレに転がってそうな話です。出版するほどのレベルではないと思います。
しかし、最後のオチはよかったです。
キレイにタイトル回収しつつ、円環で閉じることができたなと感じます。
総評
総評としては、アイデア先行型の作品と言ったところでしょうか。
読んでる最中は、3分の一発ギャグをむりやり引き延ばして60分間見せられてるような感覚でした。
結果、無料で読めるお試し版が一番面白かったです。
めちゃくちゃつまらないというわけではありませんが、そこまでして読むほどか? と言う気もします。
だったら他の作品で良いよねという感じです。
Kindle Unlimited利用者なら無料で読めるので、そういう方は読んでみてはどうでしょうか。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
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僕の妹は漢字が読める (HJ文庫 か 6-1-1) 文庫 – 2011/6/30
第5回NJ大賞 銀賞
兄ラブ妹&国宝級美少女と贈る平成文学の金字塔!?
『きらりん!おぱんちゅおそらいろ』それは日本文学を代表する作家オオダイラ・ガイの最新作だ。彼の小説に感動した高校生イモセ・ギンは、ツンデレ気味だけど本当は兄思いのクロハ、クールでちょっと毒舌系の幼女ミルというふたりの可愛い妹に助けられオオダイラのもとを訪れる。しかし、そこでギンや妹たちは謎の現象に巻き込まれてしまい――。
兄ラブ妹&国宝級美少女と贈る平成文学の金字塔!?
『きらりん!おぱんちゅおそらいろ』それは日本文学を代表する作家オオダイラ・ガイの最新作だ。彼の小説に感動した高校生イモセ・ギンは、ツンデレ気味だけど本当は兄思いのクロハ、クールでちょっと毒舌系の幼女ミルというふたりの可愛い妹に助けられオオダイラのもとを訪れる。しかし、そこでギンや妹たちは謎の現象に巻き込まれてしまい――。
- 本の長さ294ページ
- 言語日本語
- 出版社ホビージャパン
- 発売日2011/6/30
- 寸法10.8 x 1.4 x 15 cm
- ISBN-104798602507
- ISBN-13978-4798602509
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登録情報
- 出版社 : ホビージャパン (2011/6/30)
- 発売日 : 2011/6/30
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 294ページ
- ISBN-10 : 4798602507
- ISBN-13 : 978-4798602509
- 寸法 : 10.8 x 1.4 x 15 cm
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2021年4月14日に日本でレビュー済み
2018年4月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
23世紀の行き過ぎたラノベの世界を超えた世界のラノベ
昔のラノベを読んでいるのですが、いま読んでもこの作品
重度のロリなんで、この作品が投入された当時だと
拒絶しまくる人が多量に出そうに思います。
23世紀のロリ作家に憧れる高校生作家の卵なラノベ
23世紀には、漢字が衰退してしまい、 文芸作品は、妹を題材にした
作品が主流になっています。 そんな重鎮作家と作家志望の高校生が
なぜかタイムスリップし21世紀に舞い降り、漢字のある世界で苦労する
そして、もとの23世紀に戻ってきたら、漢字のある世界になってしまった
というのがこの本の流れです
重度のロリ妹の世界で、ついていけない人にとっては残念な作品だと
思います。しかし、タイムスリップした先が、実は23世紀の文化の
メルクマークになっていて、それに気づいた誰かが。。。という話の
作り方は、まさにSFの作り込みですごいと思いました。
2011年の作品なので5年以上経過していますが、いまでも読むに耐える
(但し、妹ロリに耐えられる前提ですが)内容になっています。
万人にお勧めはできないものの、単なる妹ロリラノベかと思っていたら
謎の人物が登場してきてどこに落ち着くのかも わからないこの作品
私なこの作品を買って良かったと思いMSいた おすすめです
昔のラノベを読んでいるのですが、いま読んでもこの作品
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23世紀には、漢字が衰退してしまい、 文芸作品は、妹を題材にした
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なぜかタイムスリップし21世紀に舞い降り、漢字のある世界で苦労する
そして、もとの23世紀に戻ってきたら、漢字のある世界になってしまった
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重度のロリ妹の世界で、ついていけない人にとっては残念な作品だと
思います。しかし、タイムスリップした先が、実は23世紀の文化の
メルクマークになっていて、それに気づいた誰かが。。。という話の
作り方は、まさにSFの作り込みですごいと思いました。
2011年の作品なので5年以上経過していますが、いまでも読むに耐える
(但し、妹ロリに耐えられる前提ですが)内容になっています。
万人にお勧めはできないものの、単なる妹ロリラノベかと思っていたら
謎の人物が登場してきてどこに落ち着くのかも わからないこの作品
私なこの作品を買って良かったと思いMSいた おすすめです
2011年7月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
上手下手は言えないが,文章が読みにくかった.
設定は奇抜であるが,ストーリーは基本時間移動物と
オタクネタなので目新しさが無い.
キャラクターで押せるかというと,空気の主人公とテンプレ的な
ハーレム要員がいるだけで,尖ったものが無かった.
オタクネタとハーレム展開が好きな人なら
設定は奇抜であるが,ストーリーは基本時間移動物と
オタクネタなので目新しさが無い.
キャラクターで押せるかというと,空気の主人公とテンプレ的な
ハーレム要員がいるだけで,尖ったものが無かった.
オタクネタとハーレム展開が好きな人なら
2011年10月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
言語そのものを題材とした小説は数多いですが、ライトノベルでは珍しいのでは。
萌え文化がメインカルチャーとなった架空の未来という設定はおもしろい。
ただ現代と過去の文芸比較が話の主軸になっているのにしては、古典の引用が少なすぎます。
文語文、候文、漢文など種々多彩な文体を用例として作品中に盛り込み
この作品内の「現代文」と対比させれば滑稽さがより引き立つようになると思います。
「現代文」誕生の経緯、漢字や語彙の消滅過程など、これからの展開で詳細に描いてくれることを期待します。
萌え文化がメインカルチャーとなった架空の未来という設定はおもしろい。
ただ現代と過去の文芸比較が話の主軸になっているのにしては、古典の引用が少なすぎます。
文語文、候文、漢文など種々多彩な文体を用例として作品中に盛り込み
この作品内の「現代文」と対比させれば滑稽さがより引き立つようになると思います。
「現代文」誕生の経緯、漢字や語彙の消滅過程など、これからの展開で詳細に描いてくれることを期待します。
2011年7月2日に日本でレビュー済み
23世紀の漢字が失われ、萌え文化とひらがな表現が世間に受け入れられ文学のみならず社会まで毒された狂気未来の設定は面白い。
そんな中でその社会に染まりきって小説家を目指す兄と、どこかこの社会に疑問を感じている漢字の読める妹とのやり取りは
読者側から見ると妹を全力で応援したくなること受け合いの楽しい掛け合いになっていて笑わせてくれる。
こちらとしてもそのまま不条理世界でコントみたいな会話をしながら兄が小説家を目指す話だと思っていたのだが、そこからの展開は個人的にちょっと肩透かし
唐突に23世紀から離れ、兄の面白23世紀人っぷりを発揮しつつもちょっとしたSF展開になってしまう。
妹も漢字が読めることのアドバンテージが失われてしまい、ただの突っ込むだけのツンデレ系妹となってしまったことが残念。
次巻もあるそうですが、このままの流れで行くならイマイチになる印象です。
そんな中でその社会に染まりきって小説家を目指す兄と、どこかこの社会に疑問を感じている漢字の読める妹とのやり取りは
読者側から見ると妹を全力で応援したくなること受け合いの楽しい掛け合いになっていて笑わせてくれる。
こちらとしてもそのまま不条理世界でコントみたいな会話をしながら兄が小説家を目指す話だと思っていたのだが、そこからの展開は個人的にちょっと肩透かし
唐突に23世紀から離れ、兄の面白23世紀人っぷりを発揮しつつもちょっとしたSF展開になってしまう。
妹も漢字が読めることのアドバンテージが失われてしまい、ただの突っ込むだけのツンデレ系妹となってしまったことが残念。
次巻もあるそうですが、このままの流れで行くならイマイチになる印象です。
2012年2月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
評価も結構高く、タイトル適にも買ってみようかなと思い買ってみたのですが・・・・
まず世界観は漢字が無くなっていった世界ということで工夫などされていて良いとはおもいます。
ただキャラ設定が独特すぎるというか・・・
はっきり言って自分には合いませんでした。
タイトルに騙されてはいけません。
ここまで面白くないのは久しぶりです
「今妹系が多いからとりあえず妹系を書いてみよう」
そんなノリで書いているのではないか?とおもうような構成でした。
学生が作れるレベルだと私は思っております。それぐらいひどかったです。
ゆえに☆1つとさせていただきました。
そして、キャラがとてつもなくきもちわるかったです。(感想)
まず世界観は漢字が無くなっていった世界ということで工夫などされていて良いとはおもいます。
ただキャラ設定が独特すぎるというか・・・
はっきり言って自分には合いませんでした。
タイトルに騙されてはいけません。
ここまで面白くないのは久しぶりです
「今妹系が多いからとりあえず妹系を書いてみよう」
そんなノリで書いているのではないか?とおもうような構成でした。
学生が作れるレベルだと私は思っております。それぐらいひどかったです。
ゆえに☆1つとさせていただきました。
そして、キャラがとてつもなくきもちわるかったです。(感想)
2011年7月7日に日本でレビュー済み
サイトでお試し版を読み、続きが気になったため購入しました。
設定は突飛ですが、平凡な娯楽作品。
途中で一度「お?」と思わせるものも、その後の展開は予定調和。
表現や台詞回しをとってもこれといった印象が無い平凡なものに思いました。
一方で安易に陥りがちな文化的差別をまっこうから設定に盛り込むことで、嫌味無くテーマを前面に押し出してくるのはアイディアの勝利と取れるかもしれません。
クセの無い文でサラッと読めるので、文字通り「話のネタ」としての価値は十分にある一冊。
設定は突飛ですが、平凡な娯楽作品。
途中で一度「お?」と思わせるものも、その後の展開は予定調和。
表現や台詞回しをとってもこれといった印象が無い平凡なものに思いました。
一方で安易に陥りがちな文化的差別をまっこうから設定に盛り込むことで、嫌味無くテーマを前面に押し出してくるのはアイディアの勝利と取れるかもしれません。
クセの無い文でサラッと読めるので、文字通り「話のネタ」としての価値は十分にある一冊。
2011年7月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
でたひと→ぎんさん
「せいとうはぶんがくのオオダイラせんせいすきすきしょうせつかめざすぞー」
かんじよめない きんだいぶんがくわからない←ふつー
でたひと→くろは
(おにいちゃん{ぎんさん}チュッちゅしたいしたいでもつんでれ)
てれっこ
でたひと→みる
クロハのいもうと
おにいちゃんだいしゅき オオダイラせんせい いやいや
といった文章が主流となっている時代のお話
発想の勝利
終わり方だけ微妙
「せいとうはぶんがくのオオダイラせんせいすきすきしょうせつかめざすぞー」
かんじよめない きんだいぶんがくわからない←ふつー
でたひと→くろは
(おにいちゃん{ぎんさん}チュッちゅしたいしたいでもつんでれ)
てれっこ
でたひと→みる
クロハのいもうと
おにいちゃんだいしゅき オオダイラせんせい いやいや
といった文章が主流となっている時代のお話
発想の勝利
終わり方だけ微妙