アベノミクスと、それが模範にしているとされる昭和初期の高橋財政との類似点、相違点を比較しながら、
アベノミクスのどこに問題があるのかを解説するユニークな本。
デフレ脱却に成功したとされる高橋是清が行った政策がどのようなものだったのか、その大枠を知ることができる。
高橋是清が出口政策に失敗したのは、日銀の国債引受によって財政規律を失われてしまったことにあり、
アベノミクスの日銀による国債買入も、高橋是清の失敗と同じ危険性が隠れている、と著者は指摘している。
さらに、天文学的な借金をすでに背負っているアベノミクスは、高橋財政以上に出口政策が困難とも。
80年前のアベノミクスに何が起きたのか、過去の史実を知ることは、アベノミクスの是非を判断する一つの材料になるだろう。
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聞け! 是清の警告 アベノミクスが学ぶべき「出口」の教訓 単行本 – 2013/8/20
久保田博幸
(著)
80年前、「金融緩和策」「円安・株高策」「拡大財政策」によって、デフレ脱却をなし遂げた高橋是清。是清の行ったこれらの政策が、アベノミクスのモデルになっているとされる。
しかし、是清の政策は「出口戦略」に失敗し、結果的に財政規律が失われてしまった。当時の日本の金融・財政を知り尽くしていたはずの彼は、なぜ失敗したのか。アベノミクスにも高橋財政と同様に、悲劇的な結末を迎える危険性が……。
元祖リフレ派・高橋是清が残した警告とは? 過去の事例からアベノミクスに隠された「罠」を読み解く。
しかし、是清の政策は「出口戦略」に失敗し、結果的に財政規律が失われてしまった。当時の日本の金融・財政を知り尽くしていたはずの彼は、なぜ失敗したのか。アベノミクスにも高橋財政と同様に、悲劇的な結末を迎える危険性が……。
元祖リフレ派・高橋是清が残した警告とは? 過去の事例からアベノミクスに隠された「罠」を読み解く。
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社すばる舎
- 発売日2013/8/20
- ISBN-104799102613
- ISBN-13978-4799102619
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商品の説明
出版社からのコメント
……私はリフレ派と呼ばれる人達の考え方に対しては、あまり賛同できません。そのリフレ派がデフレ脱却の手本としていたのが高橋財政でした。リフレ派は特に大きなレジーム・チェンジとされた日銀による国債引受が、デフレ脱却に大きな効果があったとの見方をしていたのですが、ここに違和感を覚えていました。是清の政策が何か勘違いされている面があるのではないかと訝しんでいたのです。
日銀による国債引受は戦後に制定された財政法で禁じられており、主要国でも中央銀行による国債引受は禁じられています。その禁じられた政策を行ってまで、デフレから脱却を目指すとするリフレ派の意見は、危険な発想と考えていました。
アベノミクスにおける金融政策では、さすがに財政法で禁じられている日銀による国債引受までは踏み込みませんでしたが、その代わりに年間発行額の7割もの国債を買入れるという異次元緩和政策が決定されたのです。
リフレ派の政策が日銀の政策となり、その模範とされたのが是清の政策であるのならば、高橋財政を改めて確認し、アベノミクスと比較することがたいへん重要です。
高橋財政でデフレ脱却に成功したのは、最初のレジーム・チェンジとされる金輸出禁止による効果が大きかったように思われます。
期待に働きかけるというより、円安や財政政策、政策金利の引下げなどにより直接に経済に働きかける経路が存在していたのです。その財政政策に必要とされる国債の発行方式として日銀の国債引受を選択したと思われます。
これに対してアベノミクスでは、円安による株高や輸入物価の上昇等への影響はあったものの日銀の異次元緩和が実体経済に働きかけるような経路が見当たりません。リフレ派の言うところの期待に働きかける効果についても、なにやら呪文で物価が上昇するかのような印象を持っています。
アベノミクスの中心には日銀の異次元緩和があり、その異次元緩和の主役は国債です。日銀による国債引受が、かつて高橋財政の出口政策を困難にさせることになりました。アベノミクスもやはり同様に出口が大きな問題となることが予想されます。
(「はじめに」より抜粋)
日銀による国債引受は戦後に制定された財政法で禁じられており、主要国でも中央銀行による国債引受は禁じられています。その禁じられた政策を行ってまで、デフレから脱却を目指すとするリフレ派の意見は、危険な発想と考えていました。
アベノミクスにおける金融政策では、さすがに財政法で禁じられている日銀による国債引受までは踏み込みませんでしたが、その代わりに年間発行額の7割もの国債を買入れるという異次元緩和政策が決定されたのです。
リフレ派の政策が日銀の政策となり、その模範とされたのが是清の政策であるのならば、高橋財政を改めて確認し、アベノミクスと比較することがたいへん重要です。
高橋財政でデフレ脱却に成功したのは、最初のレジーム・チェンジとされる金輸出禁止による効果が大きかったように思われます。
期待に働きかけるというより、円安や財政政策、政策金利の引下げなどにより直接に経済に働きかける経路が存在していたのです。その財政政策に必要とされる国債の発行方式として日銀の国債引受を選択したと思われます。
これに対してアベノミクスでは、円安による株高や輸入物価の上昇等への影響はあったものの日銀の異次元緩和が実体経済に働きかけるような経路が見当たりません。リフレ派の言うところの期待に働きかける効果についても、なにやら呪文で物価が上昇するかのような印象を持っています。
アベノミクスの中心には日銀の異次元緩和があり、その異次元緩和の主役は国債です。日銀による国債引受が、かつて高橋財政の出口政策を困難にさせることになりました。アベノミクスもやはり同様に出口が大きな問題となることが予想されます。
(「はじめに」より抜粋)
著者について
久保田博幸(くぼた・ひろゆき)
1958年、神奈川県生まれ。慶応義塾大学法学部卒。
証券会社の債券部で14年間、国債を中心とする債券ディーリング業務に従事する傍ら、1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。
専門は日本の債券市場の分析。特に日本国債の動向や日銀の金融政策について詳しい。現在、金融アナリストとしてQUICKなどにコラムを配信している。
また、「牛さん熊さんの本日の債券」というメルマガを配信中。日本アナリスト協会検定会員。
主な著書として「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」、「ポケット図解 日本銀行の仕組みがわかる本」(秀和システム)、「債券と国債のしくみがわかる本」(技術評論社)、「日本国債先物入門」(パンローリング)などがある。
1958年、神奈川県生まれ。慶応義塾大学法学部卒。
証券会社の債券部で14年間、国債を中心とする債券ディーリング業務に従事する傍ら、1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。
専門は日本の債券市場の分析。特に日本国債の動向や日銀の金融政策について詳しい。現在、金融アナリストとしてQUICKなどにコラムを配信している。
また、「牛さん熊さんの本日の債券」というメルマガを配信中。日本アナリスト協会検定会員。
主な著書として「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」、「ポケット図解 日本銀行の仕組みがわかる本」(秀和システム)、「債券と国債のしくみがわかる本」(技術評論社)、「日本国債先物入門」(パンローリング)などがある。
登録情報
- 出版社 : すばる舎 (2013/8/20)
- 発売日 : 2013/8/20
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 224ページ
- ISBN-10 : 4799102613
- ISBN-13 : 978-4799102619
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,129,483位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 6,959位経済学・経済事情
- カスタマーレビュー:
著者について
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