のっけから一人の少女の生い立ちを調べるインタビューが掲載される。引き込まれる導入部だ。少女=桐崎マヤのアウトロー的な活躍を描写しながら、物語は進行していく。それと同時にインタビューも進んでいく。一話につき一インタビューだ。
作中での日本は荒廃している。諸外国=アフリカやブラジル、メキシコの様に暴力が支配する区域もあるほどだ。アウトローヒーローがいる『シティ・オブ・ゴッド』。そんな風に例えれば正しいだろうか。
その活躍は深町お家芸とも言える残虐な暴力と、テンポの良い展開で引っ張ってくれる。今のまま格差社会が進行し、お互いの手を取り合うことがないまま時代が進んでいけば、やがてこんな未来がやって来るぞ。そんなメッセージがこもっているのだろう。
ラストのインタビューも黙示録的だ。ホラーとは違う、現実的な恐怖がある。確実にやってくる『今そこにある危機』とでも言うべきか。この作風には絶対的な信頼と好感が持てる。だが、大災害が起きた後、日本がこんな風に荒廃する事はあるだろうか。事実、無法地帯になっている箇所もあるかもしれない。もしそういった実話を参考にしているのならば、マヤのバックグラウンドをもう少し掘り下げてほしかった。彼女が過去と決別し、桐崎から切り裂きマヤとなって暴走するきっかけになった、ディープで、バイオレントなエピソードを読んでみたかった。パルプノワール的な本書に対して、そこまで求めるのは筆者のわがままだろうか。
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ジャックナイフ・ガール 桐崎マヤの疾走 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) 文庫 – 2014/6/5
深町 秋生
(著)
2014年7月公開予定、中島哲也監督、役所広司・小松菜奈出演の映画『渇き。』原作者の最新刊です!
舞台は20XX年の東北。天涯孤独の少女・桐崎マヤ、通称“切り裂きマヤ"と呼ばれる不良の活躍を描く。
大麻の収穫期と聞けば、タンデムシートに舎弟を乗せて隣県までひとっ走りし、友人のために娼婦に化け、フェア・マッチをするために誘拐されたライバルの弟の救出に奔走……。
物語の世界が見えたとき、驚き、胸がしめつけられる。
舞台は20XX年の東北。天涯孤独の少女・桐崎マヤ、通称“切り裂きマヤ"と呼ばれる不良の活躍を描く。
大麻の収穫期と聞けば、タンデムシートに舎弟を乗せて隣県までひとっ走りし、友人のために娼婦に化け、フェア・マッチをするために誘拐されたライバルの弟の救出に奔走……。
物語の世界が見えたとき、驚き、胸がしめつけられる。
- 本の長さ246ページ
- 言語日本語
- 出版社宝島社
- 発売日2014/6/5
- 寸法10.7 x 1.4 x 15.2 cm
- ISBN-104800227704
- ISBN-13978-4800227706
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商品の説明
著者について
深町 秋生 (ふかまち あきお) プロフィール
1975年生まれ、山形県出身。専修大学経済学部卒業。2005年に『果てしなき渇き』(宝島社)で第3回『このミステリーがすごい! 』大賞を受賞し、デビュー。他の著書に『ダブル』(幻冬舎)『ダウン・バイ・ロー』(講談社)など。『アウトバーン』『アウトクラッシュ』『アウトサイダー』(すべて幻冬舎)の「組織犯罪対策課 八神瑛子」シリーズは、累計36万部を突破している。最新刊は『ジャックナイフ・ガール 桐崎マヤの疾走』(宝島社)。
1975年生まれ、山形県出身。専修大学経済学部卒業。2005年に『果てしなき渇き』(宝島社)で第3回『このミステリーがすごい! 』大賞を受賞し、デビュー。他の著書に『ダブル』(幻冬舎)『ダウン・バイ・ロー』(講談社)など。『アウトバーン』『アウトクラッシュ』『アウトサイダー』(すべて幻冬舎)の「組織犯罪対策課 八神瑛子」シリーズは、累計36万部を突破している。最新刊は『ジャックナイフ・ガール 桐崎マヤの疾走』(宝島社)。
登録情報
- 出版社 : 宝島社 (2014/6/5)
- 発売日 : 2014/6/5
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 246ページ
- ISBN-10 : 4800227704
- ISBN-13 : 978-4800227706
- 寸法 : 10.7 x 1.4 x 15.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 756,534位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 948位宝島社文庫
- - 4,343位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2014年10月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
他の作品を読破した末に、最新作として読んだのだけれど・・・
クオリティの違い(低さ)にびっくりしてしまったのが、正直な感想。
まずはヒロインの命名。切り裂きマヤ=桐崎マヤ、って酷すぎる。
そして、簡単に人に刃を向け、手首やらノドを掻っ切ってしまう。
『組織犯罪対策課 八神瑛子』などの、他の作品のヒロインも乱暴では
あるが、もうちょっとスジが通っているし、命を奪うことや守ること、
酷い暴力を描くことで、生きることの意味を考えさせられたりもして
いたのだけれど、この作品にはそれが全然無い。
読みきり連作として、気楽に書いたものなのかもしれないけれど、
この作品を最初に読んでいたら、他の作品を読むことはなかったと思う。
発表しない方が、良かったのでは・・・。
クオリティの違い(低さ)にびっくりしてしまったのが、正直な感想。
まずはヒロインの命名。切り裂きマヤ=桐崎マヤ、って酷すぎる。
そして、簡単に人に刃を向け、手首やらノドを掻っ切ってしまう。
『組織犯罪対策課 八神瑛子』などの、他の作品のヒロインも乱暴では
あるが、もうちょっとスジが通っているし、命を奪うことや守ること、
酷い暴力を描くことで、生きることの意味を考えさせられたりもして
いたのだけれど、この作品にはそれが全然無い。
読みきり連作として、気楽に書いたものなのかもしれないけれど、
この作品を最初に読んでいたら、他の作品を読むことはなかったと思う。
発表しない方が、良かったのでは・・・。