本書のタイトルは『日本人になりたいヨーロッパ人』とあるが、これは些か商業的意味合いが強いと言うべきで、コンセプトとしては副題の『ヨーロッパ27カ国から見た日本人』(日本)像と観た方が適切であろう。このページの上の「商品の説明」には、「ヨーロッパの国々に滞在してきた著者が、自らの体験を交えながら、ヨーロッパの人の日本人に対する印象を分析」とあるが、書籍等に依拠した歴史的事実(トリビア)と著者の体験談が織り混ぜられており、前者は著者自身の考察と言うものではない。また著者の体験談にも居住だけでなく旅行(一時的体験)も含むので、トピックに依っては表層的・一面的な観察も散見される。全体に「ヨーロッパの多くの国は日本人に好意を抱き、逆に憧れすらも抱かれていた」という、もっぱら日本人への肯定的一面を綴るものであるが、内容面からすればタイトル通りに『日本人になりたい』と言うのは些か誇張であろう。著者の「ヨーロッパ暮らしは早20年以上になる」(8頁)らしく、ヨーロッパ諸国に愛着の強い筆致には個人的善解(や個人的志向性)も否めないので、ある程度割り引く必要もある。幾つかのトピックには『
日本は外国人にどう見られていたか (知的生きかた文庫)
』と重複するものも散見される。本書の構成・内容は、同前「商品の説明」及び「登録情報」最下段の「目次を見る」に概略があるので、本稿では特に取り上げない。以下、個人的に興味を惹いたトピックを幾つか取り上げたい。
まず意外に知られていないと思えるのが、「ウズベキスタン」だろう(51頁以下)。WW2後のソ連による日本人「捕 虜」の「抑 留」と「ナヴォイ劇場」建設の経緯と堅牢さ、独立後のウズベキスタン政府の対応など歴史面でも興味深いが、前記のように右トピックは著者の個人的体験ではない。次に一部仄聞するところもあるが(前記同様体験談ではない)、「ハンガリー」(66頁以下)で、言葉(単語)の類似性や名前の順序(苗字→名)、蒙古斑のあることなど興味深いトピックも見える。他方「ドイツ」(107頁以下)で言及のある、「シュリーマン」の体験録(120〜122頁)は前掲書に詳しく紹介されている。ところで「クロアチア」(197頁以下)での薬局でのエピソードで、著者は「クロアチア人は親切」と感心するが、当の薬局の「窓口の婦人」の「そっけない態度」もクロアチア人と観うるところであり、これは一面的であろう。またこの類の書籍で政治的な議論は無粋だろうが、著者は「オランダ」のトピック(93頁以下)で、WW2における日本のオランダ領インドネシアへの「侵 攻」に(中立的に)触れている(96頁)。著者の言及がないので指摘しておきたいが、日本の右「侵 攻」の背景には、当時のアメリカを中心とする対日経済封鎖である“ABCD包囲網”の一翼を担っていたのがオランダ(領インドネシア)であり、日本の一方的な「侵 攻」ではないことに注意すべきである。以上、全体的に有名な事情・歴史的背景から著者の個人的体験まで綴られているが、著者自身の個人的愛着や志向性等の窺える筆致には多少斟酌すべきところもあり、一時的な旅行体験と歴史的特質などを峻別する必要もあると思われる。
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日本人になりたいヨーロッパ人 ヨーロッパ27カ国から見た日本人 単行本 – 2014/10/8
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ヨーロッパの国々に滞在してきた著者が、自らの体験を交えながら、ヨーロッパの人の日本人に対する印象を分析していきます!
音楽や芸術をはじめ、ヨーロッパの様式に憧れる日本人は多い。けれど実は、ヨーロッパの多くの国は日本人に好意を抱き、逆に憧れすらも抱かれていた!
生まれ変わったら日本人になりたいと願うポーランド人や、最も優秀な国民だと尊敬しているスペイン人、ヨーロッパ1の親日国家・トルコ、元は同じ人種だったというハンガリーなど、全27カ国を紹介していきます。
旅行のお供にもおすすめの一冊。
音楽や芸術をはじめ、ヨーロッパの様式に憧れる日本人は多い。けれど実は、ヨーロッパの多くの国は日本人に好意を抱き、逆に憧れすらも抱かれていた!
生まれ変わったら日本人になりたいと願うポーランド人や、最も優秀な国民だと尊敬しているスペイン人、ヨーロッパ1の親日国家・トルコ、元は同じ人種だったというハンガリーなど、全27カ国を紹介していきます。
旅行のお供にもおすすめの一冊。
- 本の長さ253ページ
- 言語日本語
- 出版社宝島社
- 発売日2014/10/8
- 寸法13 x 2.1 x 18.8 cm
- ISBN-10480022943X
- ISBN-13978-4800229434
商品の説明
著者について
片野 優 (かたの まさる) プロフィール
1961年生まれ、群馬県館林市出身。東京都立大学法学部卒業。ジャーナリスト。出版社(集英社)退社後、1991年よりオーストリアのウィーンに暮らす。ハンガリーのブダペスト滞在中に、現地在住の日本人向けミニコミ誌『パプリカ通信』を創刊。現在は、セルビア共和国のベオグラードに暮らしている。北極圏や旧ソ連を含むヨーロッパ各地を訪問・取材し、歴史や文化、環境をテーマとした情報・記事を発信している。
須貝 典子 (すがい のりこ) プロフィール
1962年生まれ、新潟県新発田市出身。東京女子大学短期大学部卒業。ライター。出版社(集英社)退社後、1991年よりオーストリアのウィーンに暮らす。ハンガリーのブダペスト滞在中に、現地在住の日本人向けミニコミ誌『パプリカ通信』を創刊。現在は、セルビア共和国のベオグラードに暮らしている。北極圏や旧ソ連を含むヨーロッパ各地を訪問・取材し、歴史や文化、環境をテーマとした情報・記事を発信している。
1961年生まれ、群馬県館林市出身。東京都立大学法学部卒業。ジャーナリスト。出版社(集英社)退社後、1991年よりオーストリアのウィーンに暮らす。ハンガリーのブダペスト滞在中に、現地在住の日本人向けミニコミ誌『パプリカ通信』を創刊。現在は、セルビア共和国のベオグラードに暮らしている。北極圏や旧ソ連を含むヨーロッパ各地を訪問・取材し、歴史や文化、環境をテーマとした情報・記事を発信している。
須貝 典子 (すがい のりこ) プロフィール
1962年生まれ、新潟県新発田市出身。東京女子大学短期大学部卒業。ライター。出版社(集英社)退社後、1991年よりオーストリアのウィーンに暮らす。ハンガリーのブダペスト滞在中に、現地在住の日本人向けミニコミ誌『パプリカ通信』を創刊。現在は、セルビア共和国のベオグラードに暮らしている。北極圏や旧ソ連を含むヨーロッパ各地を訪問・取材し、歴史や文化、環境をテーマとした情報・記事を発信している。
登録情報
- 出版社 : 宝島社 (2014/10/8)
- 発売日 : 2014/10/8
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 253ページ
- ISBN-10 : 480022943X
- ISBN-13 : 978-4800229434
- 寸法 : 13 x 2.1 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,333,636位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 9,407位外交・国際関係 (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年10月9日に日本でレビュー済み
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2014年10月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ただ延々と、歴史的経緯やエピソードを書き綴っているだけで、それはそれで知識として
役には立つけど、プーチンがどうだから、琴欧州がどうだから、ロシア人は、またはブル
ガリア人は日本人になりたいと結論づけるられるはずも無いだろう。
いや著者はそんなアホな主張はしてないけど、つまり本のタイトルが内容とかけ離れ過ぎ。
役には立つけど、プーチンがどうだから、琴欧州がどうだから、ロシア人は、またはブル
ガリア人は日本人になりたいと結論づけるられるはずも無いだろう。
いや著者はそんなアホな主張はしてないけど、つまり本のタイトルが内容とかけ離れ過ぎ。
2014年10月10日に日本でレビュー済み
最近この種の日本礼賛本が多いが、その中ではまだバランスが取れている。
ただ、日本が嫌いというデータや意見も紹介した方が、自画自賛を防げるだろう。
とはいえ、21世紀の世界で日本が嫌われる理由はあまりない。日本は全体としては、まじめで有能で文化的な国だ。とくに、離れているヨーロッパとは、互いに相手を理想化できる良い位置にある。日本が欧米等から叩かれたのは、(1)昭和時代の軍事的膨張、(2)1980年代の経済的膨張(輸出攻勢)の2回だが、(1)は1995年の首相による公式謝罪(村山談話)を踏襲し、「先に日本が満州・中国・ベトナムを侵略し、欧米から経済制裁を受け、怒って英米に宣戦した」という歴史的事実を忘れない限り、改めて非難はされないだろう。
(2)は日本の経済停滞によって静まった。もちろん今の日本は自慢ばかりできる状態ではなく、政府債務の膨張、非正規雇用の低賃金、子供・教育・介護政策の弱さ、そのことによる少子化などの深刻な課題があるが、これは外国人から見ると関係のない話だ。
それにしても、筆者はよく日本びいきの話を集めたものだ。意図的に探せば、集まるとは思うけれども。次は、視点を逆にして、「日本人が好きな世界の国々」という本を作れば、国際交流に貢献できる。
たとえば、
「日本人はイギリスが好き。明治時代に科学技術を学び、イギリスの軍艦を売ってもらってロシアとの戦争に勝利した。今でも学校のチャイムや、お店の閉店の音楽は、イギリス由来のメロディーを使っている。」
「日本人はイタリアが好き。イタリアで修業した日本人がレストランを開き、三色旗が立ちならび、かつてイタリアの植民地だったのではないかと思うくらいだ。」
「日本人はエジプトが好き。世界史の教科書はエジプト王国から始まる。たくさんの観光客がピラミッドを訪れ、買い物をしてくれる。日本人は猫好きだが、ヤマネコに穀物の番をさせて可愛いペットに変えたのは、古代エジプトなのだ。」
「日本人は韓国がかなり好き。大都市の駅やデパートには、ハングルも表示して歓迎してくれる。街には焼肉店がおいしそうな匂いを振りまき、日本人は元気を付けたいときそれを頬張る。朝鮮戦争で韓国が耐えなければ、半島全体が社会主義になって日本は大変だっただろう。そのあと日本と違って、自力で軍事政権を倒し民主化した韓国の現代史についても、良識ある日本人は敬意をもってくれるようだ。」
「日本人は、ブラジルが好き。昔は新天地を求めて移民がはるばるブラジルに渡ってきたし、今はサッカー留学の若者がやってくる。神戸のコーヒー博物館に行くと、ブラジルの農園を再現している。逆に、ピラニアを輸入して飼っている人もいるが、この気持ちは分からないね。」
ただ、日本が嫌いというデータや意見も紹介した方が、自画自賛を防げるだろう。
とはいえ、21世紀の世界で日本が嫌われる理由はあまりない。日本は全体としては、まじめで有能で文化的な国だ。とくに、離れているヨーロッパとは、互いに相手を理想化できる良い位置にある。日本が欧米等から叩かれたのは、(1)昭和時代の軍事的膨張、(2)1980年代の経済的膨張(輸出攻勢)の2回だが、(1)は1995年の首相による公式謝罪(村山談話)を踏襲し、「先に日本が満州・中国・ベトナムを侵略し、欧米から経済制裁を受け、怒って英米に宣戦した」という歴史的事実を忘れない限り、改めて非難はされないだろう。
(2)は日本の経済停滞によって静まった。もちろん今の日本は自慢ばかりできる状態ではなく、政府債務の膨張、非正規雇用の低賃金、子供・教育・介護政策の弱さ、そのことによる少子化などの深刻な課題があるが、これは外国人から見ると関係のない話だ。
それにしても、筆者はよく日本びいきの話を集めたものだ。意図的に探せば、集まるとは思うけれども。次は、視点を逆にして、「日本人が好きな世界の国々」という本を作れば、国際交流に貢献できる。
たとえば、
「日本人はイギリスが好き。明治時代に科学技術を学び、イギリスの軍艦を売ってもらってロシアとの戦争に勝利した。今でも学校のチャイムや、お店の閉店の音楽は、イギリス由来のメロディーを使っている。」
「日本人はイタリアが好き。イタリアで修業した日本人がレストランを開き、三色旗が立ちならび、かつてイタリアの植民地だったのではないかと思うくらいだ。」
「日本人はエジプトが好き。世界史の教科書はエジプト王国から始まる。たくさんの観光客がピラミッドを訪れ、買い物をしてくれる。日本人は猫好きだが、ヤマネコに穀物の番をさせて可愛いペットに変えたのは、古代エジプトなのだ。」
「日本人は韓国がかなり好き。大都市の駅やデパートには、ハングルも表示して歓迎してくれる。街には焼肉店がおいしそうな匂いを振りまき、日本人は元気を付けたいときそれを頬張る。朝鮮戦争で韓国が耐えなければ、半島全体が社会主義になって日本は大変だっただろう。そのあと日本と違って、自力で軍事政権を倒し民主化した韓国の現代史についても、良識ある日本人は敬意をもってくれるようだ。」
「日本人は、ブラジルが好き。昔は新天地を求めて移民がはるばるブラジルに渡ってきたし、今はサッカー留学の若者がやってくる。神戸のコーヒー博物館に行くと、ブラジルの農園を再現している。逆に、ピラニアを輸入して飼っている人もいるが、この気持ちは分からないね。」
2014年12月5日に日本でレビュー済み
「ヨーロッパ各国気質」から著者の本を購読しているが、今回は欧州から日本への意識の面で書かれている。著者が各国で実体験をもとに書かれていることも多いので、日本(人)に対して欧州(人)がどのような印象を持っているか、日本のメディア等では語られていないことも書かれていて面白い。
以前から、日本では欧州(人)にあこがれる日本(人)が多く存在したが、日本(人)にあこがれる欧州(人)は、実際、欧州に長期滞在してきたなかで実際多く見てきた。
日本で「ヨーロッパ」と聞くとオシャレで優雅なイメージを持っている日本人が多くいるように、かつての欧州では日本をサムライ、忍者などのイメージが強かった。近年、多くの欧州(人)が日本に実際訪れイメージは全く変わったのではないかと思う。
日本は時代によって大きく変化する国なので、今後の欧州(人)の印象がどう変わっていくのかが楽しみである。
以前から、日本では欧州(人)にあこがれる日本(人)が多く存在したが、日本(人)にあこがれる欧州(人)は、実際、欧州に長期滞在してきたなかで実際多く見てきた。
日本で「ヨーロッパ」と聞くとオシャレで優雅なイメージを持っている日本人が多くいるように、かつての欧州では日本をサムライ、忍者などのイメージが強かった。近年、多くの欧州(人)が日本に実際訪れイメージは全く変わったのではないかと思う。
日本は時代によって大きく変化する国なので、今後の欧州(人)の印象がどう変わっていくのかが楽しみである。
2015年2月11日に日本でレビュー済み
昨日書店で買ったばかりなので3分の1も読んでいません。
しかし,数分おきに何故かこみ上げてくるものと,数十分おきに爆笑してしまいます。
この本は,日本人こそが是非読んでおくべき本だと思います。
私的には,かなりはまる本です。
しかし,数分おきに何故かこみ上げてくるものと,数十分おきに爆笑してしまいます。
この本は,日本人こそが是非読んでおくべき本だと思います。
私的には,かなりはまる本です。
2014年10月22日に日本でレビュー済み
『住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち』のヒット以来、売り上げの増加を狙って、変わった書名の本が出回るようになったなあという印象だ。この本もそのうちの一つじゃないかと思う。こんなタイトルの本が日本で出版されていると、欧米人が知ったら、多くの人たちが怒るんじゃないかと思った。書かれている内容については、テレビや、他の同種の本、ネットで知られているようなことも書かれており、特別に新鮮な感じはしなかったが、27カ国の日本贔屓エピソードが紹介されているわけで、決して、「日本人になりたい」という思う欧米人が多数いるということを紹介しているわけではない。最近のネットで紹介されていた統計では、ドイツの反日パーセントが、高かったとか、まだまだ、日本のことをほとんど知らない一般庶民が多数いるというようなネット映像で見る機会も有ったりという現実を知り、よけいこの詐欺的なタイトルを腹立たしく感じる。著者はあくまでも副題に書かれているように、「ヨーロッパ27カ国から見た日本人」を書こうとしたのだろうが、出版社はそうではなかった。本を売らんがために、日本礼賛だけの、欧州人を馬鹿にしたようなタイトルの本を売ろうとしたのだ。
2014年11月3日に日本でレビュー済み
ほんの20数年前までは、欧州各国に行ってお寿司の話しても「生の魚を食べるなんてムリ!!」みたいな冷たい反応が年配者からはあたりまえだったのが、マンガ、アニメのブームが来たおかげで、ここのところ「日本からやって来ました」というとなぜか目をキラキラさせて10代の人から尊敬のまなざしを受けるようになったのは、かなり戸惑ったが嬉しい。こんなところには日本人は来ないでしょ!っていう欧州の奥地でも日本がODAやってて『日本人です』っていうと大歓迎受けてびっくりしたこともある。日本人に憧れるヨーロッパ人って、本書にもあるように昔から少数はいたと思うけど、ここ10年くらいですごく多数に変化してきた観はあるね。若いヨーロッパ人の日本に対する関心がエモーションの部分で動いているのはすごいことなんじゃないかなぁ。ところで、本書の日本人捕虜がナヴォイ劇場を建設した話は感動して思わず落涙、、、!!でした。
日本人はヨーロッパの歴史を学校でかなり学ぶけど、ヨーロッパって、日本の歴史について体系的に学校で教えたりしてないところがほとんどだから、日本のことはホントに知らないのよ。でもこういう人間性あふれる話は時代を超えて伝えられていくんだろうね。
ちょい難しいレビューが多いんだけど、軽く読んで「こんな見方もあるんだぁ!」ぐらいのほうが楽しめると思う。
日本人はヨーロッパの歴史を学校でかなり学ぶけど、ヨーロッパって、日本の歴史について体系的に学校で教えたりしてないところがほとんどだから、日本のことはホントに知らないのよ。でもこういう人間性あふれる話は時代を超えて伝えられていくんだろうね。
ちょい難しいレビューが多いんだけど、軽く読んで「こんな見方もあるんだぁ!」ぐらいのほうが楽しめると思う。