「ミステリーを読み慣れた読者といえども、物語の結構を見破り、
球を芯で捉えることは容易ではなかろう。
実に考え抜かれた、見事な配球の野球ミステリーだ。」
と帯に書かれていましたが、この物語はミステリではなく、
どちらかというと文学的な匂いのする家族小説でした。
話の中心である往年の名投手をK・Mとイニシャルで表記する企み。
感情移入できませんでした。
各話の視点人物を変える企み。
1人称の章と3人称の章が交互に構成され、
とくに1人称の主語がないので誰が誰のことを語っているのかよくわからず、
ストレスがたまります。読み進めるのに難儀しました。
最後にどんでん返しがあるのかとこらえましたが、5章で唐突に背景が語られ、
終章でもトルネードは起きず、終了。
あれれ、優秀賞のはずが、と、公募賞の選評を見ましたが、
実はあまりほめられてないんですね。
文章のうまさは評価されていました。
それは読んでいても感じます。ただ、文学寄りで、エンタメ感はありません。
はあ・・・・・。
読み終えたとき、そんな感じでした。
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