購入済みの感想です。
それぞれの記事の内容は悪くない。でもどれもページ数が足りなくて掘り下げ不足。
でマニアには物足りず、初心者にはさっぱりわからない本になっています。
たとえば。巻頭のデッドプール特集の「概要」にあたる文章に
>>『ちなみに翌2009年には、実写映画「ウルヴァリン：X-MEN ZERO」が公開されている。
>>そう、全国のデッドプールファンが「なにあれ」と溜息を漏らした、
>>ライアン・レイノルズ演じるところのウェイド・ウィルソンが登場した「アレ』だ』
という一文がありますが、これって「アレ」で大体のところが通じる（笑ってくれる）アメコミマニア向けの文章ですよね。
「あ～ｗ原作デップーが映画デップーを惨殺するファンアートがネットでブレイクしたんだよね～ｗ」みたいな。
ではこの本がそういったマニア向けなのかというとまるでそんなことはないのが大問題。
たとえば、巻頭カラーでキャプテンアメリカのことを『強い愛国心を持ち、自ら志願して超人兵士になった』と紹介しているわけです。
これ、誰に向けた本なの？
本来であればその「ウルヴァリン：X-MEN ZERO」のデッドプールがどんなふうにダメなのか、
原作と映画を比較してキッチリ紹介しなきゃダメで、
実際そういった別稿もあるにはあるものの全体における自分の役割を把握していない担当ライターが適当に流し、
どうでもいい秘宝ノリのオレ★フリートークをかます始末。
総論で説明された同じ事をもう一回説明しちゃってます。こんな原稿、編集者が突っ返して書き直させないとだめでしょ！
他にも……ジャスティスリーグの紹介。いまさら邦訳本（しかも数冊）のあらすじ。
インタビュー。そろそろなんでもかんでもギンティくんに秘宝ノリでインタビューさせるのやめませんか...？
村枝先生の企画は『ディスクウォーズ：アベンジャーズ』の原型なの？ 違うの？ そのへんの事情をきちんと聞けよギンティ！
きみが仮面ライダー好きなのはビンビン伝わってくるけどアメコミの知識も愛もビタイチ感じないよギンティ！
読者のターゲットを絞り込めていない、ライターへの発注がアバウト、企画の練り込み不足、要するに編集者が仕事をしていないのですね。
その結果、雑文をなんとな～く寄せ集めて綴じただけのダメムックに。
ようやく訪れたアメコミブーム（とそこに至るまでを牽引してきたライター諸氏の努力）を食い物にして
ちゃちゃっとモンキービジネスしちゃう洋泉社の編集者、校庭十周な。
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