この評価は日本語で書かれた本書についてです。原文で書かれた「地平線」についてではありません(フランス語がわからないので判断不可)。
翻訳後の推敲がおそらく足りないのでしょう、かなり読みにくいです。
過去と何十年も経た現在が交差する話の展開なので、余計にわかりにくいのかもしれません。
ただ、一工夫あったのでは、と思わせる点もあります。
「僕はこの仕事をどうやって見つけたんだろう?彼が自宅近くの14区を散歩していたころ...」。
この「僕」と「彼」はじつは同一人物。話は3人称で進行しているので、混乱を避けるために「」でくくることを考えてもよかったのでは。
また、人称の訳し方もわかりにくい。章の始まりで「彼は」、いったい誰のことだ、と悩んでいると3,4行過ぎたころに人物名がようやく現れる。
ただ、読みにくいのですが、モディアノの世界はやはり心引き付けられるものがあります。
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地平線 (フィクションの楽しみ) 単行本 – 2015/2/1
- 本の長さ187ページ
- 言語日本語
- 出版社水声社
- 発売日2015/2/1
- ISBN-104801000835
- ISBN-13978-4801000834
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登録情報
- 出版社 : 水声社 (2015/2/1)
- 発売日 : 2015/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 187ページ
- ISBN-10 : 4801000835
- ISBN-13 : 978-4801000834
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,280,849位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 312,561位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年3月16日に日本でレビュー済み
本書については、5年ほど前、原書が刊行されたときに<レビュー>を書き、★を3つにした。
そのときの見出しは――「期待外れ」。
《モディアノ特有のほの暗い雰囲気、漠然とした不安感など、その小説世界はこれまでどおりなのだが、本書をこれまでの作品と比較した場合、これを書かざるをえなかった内的モチーフが稀薄だったのではないかという読後感を否めない。モディアノにしては珍しく話が拡散しているのだ》
という意味のことを記した。
いまもこの評価とあまり変わらないが、今回、翻訳で読み返し、なぜ★を3つにしたか、その最大の理由を思い出した。
60年代のパリで知り合った、ボスマンスとマルガレットという若い男女がお互いに支え合うようにして生きていくが、心に暗闇を抱えたふたりは、結局、別れることになる。
その40年後、ボスマンスがどうやってマルガレットを探し出したかというと、インターネット検索で彼女の居場所をさぐり当てたのである。
小説の最後の最後へきてのこの結末に、私はガクッときてしまったのだ。
モディアノともあろう作家が……「そりゃ、ないだろう」と落胆したのだった。
そのラストを知りながら、今回、翻訳で再読してみると、★3つは少々、酷だったかなという思いがしないでもない。
《人生にどんな確かな基盤も持っていなかった》(本訳書69ページ)のボスマンスとマルガレットのあてどなさ、あるいは男や母親からつきまとわれる怖さは十分、こちらに伝わってくる。
よって、今回は★4つ、とすることにした。
余談ながら、翻訳にはいくつか首をかしげたくなるものがあった。
9ページ:《カード・ゲーム》→《ジグソーパズル》
18ページ:《明るい色をした木製の巨大なエレベーター》→これは、内側を木張りにしたエレベーターだと思われる。いくらなんでも「木製の巨大なエレベーター」など、ないでしょう。
……といった具合だが、まあ、ご愛嬌か。
そのときの見出しは――「期待外れ」。
《モディアノ特有のほの暗い雰囲気、漠然とした不安感など、その小説世界はこれまでどおりなのだが、本書をこれまでの作品と比較した場合、これを書かざるをえなかった内的モチーフが稀薄だったのではないかという読後感を否めない。モディアノにしては珍しく話が拡散しているのだ》
という意味のことを記した。
いまもこの評価とあまり変わらないが、今回、翻訳で読み返し、なぜ★を3つにしたか、その最大の理由を思い出した。
60年代のパリで知り合った、ボスマンスとマルガレットという若い男女がお互いに支え合うようにして生きていくが、心に暗闇を抱えたふたりは、結局、別れることになる。
その40年後、ボスマンスがどうやってマルガレットを探し出したかというと、インターネット検索で彼女の居場所をさぐり当てたのである。
小説の最後の最後へきてのこの結末に、私はガクッときてしまったのだ。
モディアノともあろう作家が……「そりゃ、ないだろう」と落胆したのだった。
そのラストを知りながら、今回、翻訳で再読してみると、★3つは少々、酷だったかなという思いがしないでもない。
《人生にどんな確かな基盤も持っていなかった》(本訳書69ページ)のボスマンスとマルガレットのあてどなさ、あるいは男や母親からつきまとわれる怖さは十分、こちらに伝わってくる。
よって、今回は★4つ、とすることにした。
余談ながら、翻訳にはいくつか首をかしげたくなるものがあった。
9ページ:《カード・ゲーム》→《ジグソーパズル》
18ページ:《明るい色をした木製の巨大なエレベーター》→これは、内側を木張りにしたエレベーターだと思われる。いくらなんでも「木製の巨大なエレベーター」など、ないでしょう。
……といった具合だが、まあ、ご愛嬌か。
2015年7月4日に日本でレビュー済み
ここ数年、村上春樹氏ノーベル賞受賞ならず…とセットで話題になる海外の大御所。日本での知名度と売上向上は翻訳者の心意気にかかっている、と思うのであります、が、冒頭1頁目から、日本語の文章として破綻しているよーな。
前年ノーベル賞のアリス.マンローの翻訳も微妙でしたが。
でもモディアノの作品世界は充分に堪能できます(原書で読める人が羨ましい)。
前年ノーベル賞のアリス.マンローの翻訳も微妙でしたが。
でもモディアノの作品世界は充分に堪能できます(原書で読める人が羨ましい)。