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人工知能のための哲学塾 単行本 – 2016/8/11
本書はこの問いを巡って、人工知能を成り立たせるための哲学・思想的背景(工学やコンピュータサイエンスではなく)について、
ゲームAI開発者として数多くの実績のある三宅陽一郎氏が解説する一冊です。
人工知能は「私」というものを持ちうるのか? そうならばそれはいかにしてか? 「世界」とは何か? そして「身体」とは何か?
人間の世界認識/自己認識の軌跡を濃密に辿りながら人工知能に迫ります。
Facebookで1,500人が参加するコミュニティ「人工知能のための哲学塾」にて開催されてきた連続夜話が待望の書籍化!
目次
第一夜 フッサールの現象学
第二夜 ユクスキュルと環世界
第三夜 デカルトと機械論
第四夜 デリダ・差延・感覚
第五夜 メルロ=ポンティと知覚論
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日2016/8/11
- 寸法15 x 2.5 x 21.1 cm
- ISBN-104802510179
- ISBN-13978-4802510172
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出版社より
第一夜〜第三夜
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第一夜 フッサールの現象学人工知能と現象学との関係性を示す第一夜です。 現象学、環世界、デカルト、デリダ、メルロ=ポンティなど、21世紀に入ってからの哲学を中心にその変遷と、それにともなって人工知能の基礎がどう変わっていくかということを考えていきます。 |
第二夜 ユクスキュルと環世界キャラクターの人工知能の基盤となる環世界(主観世界)を解説する第二夜です。 人間とは何か、生きるとは何かを探求する学問を作るための学問である哲学は、自然と生物学とも関わりがあります。ここでは生物学者ユクスキュルを採り上げ、ユクスキュルが探求した「生物が環境との関わりの中で構築する主観的世界」をみていきます。 |
第三夜 デカルトと機械論デカルト的な世界観とフッサールから、知能の成立の基礎に迫る第三夜です。 人の思考を記号化するという分析哲学に対し、機械に人の思考の真似をさせようとする人工知能。ここでは、「記号を介して人間と機械がつながる」ということをテーマに人の思考と機械の思考を対比させていきます。 |
第四夜〜第五夜
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第四夜 デリダ・差延・感覚予測と感覚について解説した第四夜です。 ロボットやゲームのキャラクターの人工知能を考えたとき、身体があり、環境があり、センサーがあり、アウトプットがある、ということが基本となります。 ここでは、ジャック・デリダの哲学を通じて知能の実体とは何か、人工知能が自身をとらえることは可能なのか、ということを考えていきます。 |
第五夜 メルロ=ポンティと知覚論身体が世界に息づくことを、人工知能から考察する第五夜です。 ここでは、身体と知能の問題を考えていきます。周囲にある空間や時間、運動と知覚などという問題があり、そういったもの同士の関係を考えていきます。 |
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人工知能のための哲学塾 | ツールからエージェントへ。弱いAIのデザイン 人工知能時代のインタフェース設計論 | AIアシスタントのコア・コンセプト 人工知能時代の意思決定プロセスデザイン | 人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇 | 人工知能のための哲学塾 未来社会篇 〜響きあう社会、他者、自己〜 | |
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カスタマーレビュー |
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価格 | — | ¥2,860¥2,860 | ¥1¥1 | ¥2,750¥2,750 | ¥2,860¥2,860 |
発売日 | 2016年8月11日 | 2017年9月29日 | 2017年12月24日 | 2018年4月20日 | 2020年7月21日 |
判型 | A5判 | A5判 | B5判変型 | A5判 | A5判 |
ページ数 | 320ページ | 288ページ | 136ページ | 384ページ | 452ページ |
定価 | 本体 ¥2,400+税 | 本体 ¥2,600+税 | 本体 ¥2,300+税 | 本体 ¥2,500+税 | 本体 ¥2,600+税 |
商品の説明
出版社からのコメント
人工知能は、サイエンス、エンジニアリング、哲学が交錯する分野です。
まず知能とは何かを探究するサイエンスであり、そして知能とは何かを問う哲学であり、さらに知能を作ろうとするエンジニアリングです。
この三者が交錯する、とらえがたい中心に人工知能はあります。
そのため、人工知能という分野はときにさまざまな批判を受けながら現在のような確固とした学問、応用分野になってきました。
しかし、その輝かしい応用事例とは裏腹に、人工知能の基礎は弱く、もろく、「建設中」の看板が長らく立ったままです。
「知能とは何か」という人工知能の本来の基礎は、人間の究極的な問いの一つなのです。
古来から哲学者が何千年と考えて来たことでもあります。
おそらく、「知能とは何か」という基礎が完成するときは、人工知能が完成するときです。
科学が宇宙とは何かを問うように、人工知能は知能とは何かを問うのです。
それは、ちょうど鏡面のように。
科学は外へ外へ宇宙を探究し、人工知能は内へ内へ知能を探究します。
しかしながら、この二つの問いはいつか交わることでしょう。
宇宙を理解するのは知能であり、知能はまた宇宙の中で生み出されたものでもあります。
環境と知能は深く絡み合い、お互いの境界を定めることはできないのです。
著者について
京都大学で数学を専攻、大阪大学大学院物理学修士課程、東京大学大学院工学系研究科博士課程を経て、人工知能研究の道へ。
ゲームAI開発者としてデジタルゲームにおける人工知能技術の発展に従事。
国際ゲーム開発者協会日本ゲームAI専門部会チェア、日本デジタルゲーム学会理事、芸術科学会理事、人工知能学会編集委員。
最新の論文は『デジタルゲームにおける人工知能技術の応用の現在』(人工知能学会誌 2015年1月、30巻1号)、『ゲーム、人工知能、環世界 考える存在から経験の総体へ、AIのための現象学的転回』(現代思想、2015年12月号)。
登録情報
- 出版社 : ビー・エヌ・エヌ新社 (2016/8/11)
- 発売日 : 2016/8/11
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 320ページ
- ISBN-10 : 4802510179
- ISBN-13 : 978-4802510172
- 寸法 : 15 x 2.5 x 21.1 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 131,202位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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複雑なテーマをエレガントに、そして刺激的に提示する、すばらしい書籍。今年いちばん影響を受けた本かもしれない。
この本は、僕に、ただのいち読者ではなく、UXデザイナーとして、あるいは認知心理学、民俗学の観点として、向き直ることを求めた。そうしなければ、読めない本だった。
とくに記号接地問題については、強く共感した。ふだん、UXデザインの仕事で、ユーザーの大量の発話を、単一の意味の単位まで分解にして、再構築(抽象化)することで、ユーザーの心的世界を理解するということをしているので、知能は世界を記号によって理解している、というのは馴染みのある感覚だった。
人工知能のエンジニアは「そもそも自分は、どんな世界の地図の上を歩いていて、そのどの部分をつくろうとしているのか」それに自覚的にならなければならない。それを痛感した。
この本を読んで、本当によかった。
認知科学が人口知能に役に立つのではないでしょうか?
この一文でぐっと来ます。
知能とは何か?
この問いに哲学を通していろいろな知識を与えてくれる良書です。
哲学は非常に幅広い学問ですが、本書では特に現象学の知見が繰り返し登場し、重点が置かれています。
人工知能については、チェスや将棋などの特定の能力に特化した人工知能ではなく、著者がゲームの人工知能開発を専門としていることもあり、人間の知能を感情や自意識等を含めて構築することに重点を置いたものとなっています。
したがって、現象学を主とした哲学を応用することで感情や自意識を有する人工知能を構築すること、が本書を通してのメインテーマになっています。
本書は、2015年5月から2016年4月まで全6回で開催された「人工知能のための哲学塾」の講演録のかたちになっていて、そのうち本書には第一夜から第五夜が収められており、第零夜はウェブ公開となっています。
全体として、現象学、環世界、デカルト、デリダ、メルロ=ポンティなど、近現代の哲学を中心にして、それらの人工知能との関わりを考察されています。
第一夜では、人工知能に感情や感性を実装しようとする際、人工知能に主観的世界、内面的世界を与える必要があり、現象学を人工知能に応用することで、思惟だけではなく感情を与えられ、モノを対象とするだけではなく記憶や経験等の内部世界を含めた広い世界を対象としてとらえられるようになる可能性がある、ということが示されます。
第二夜では、ユクスキュルの環世界をヒントに、生物が世界をどのようにとらえていて、それをどう人工知能に応用できるかということが解説されています。
ここで少し気になった点は、ユクスキュルの機能環の説明で、Merkmalを「知覚微表」と表現されていますが、おそらく「知覚徴表」が正しいと思います。
ただ、「知覚標識」とするのが一般的かと思います。
(岩波文庫版の「生物から見た世界」でも「知覚標識」となっています。)
引用箇所等にも出てくるので、どうやらみすず書房版の「動物の環境と内的世界」の奇妙な訳語もしくは誤記をそのまま引きずっているようです。
第三夜では、フレーゲ、ライプニッツ、ラッセル等の分析哲学の系譜が概説され、その応用としての数理論理学的な人工知能、さらには様々な人工知能のアーキテクチャが解説されています。
第四夜では、デリダの差延を使って人工知能の自意識を構築できる可能性、あるいは内側から自分を言語化して構造化することにより意識を生み出せる可能性について解説されています。
第五夜では、メルロ=ポンティの哲学から、身体と知能あるいは意識との関係性に迫り、内側から身体をとらえる意識・知能としての人工知能の可能性について解説されています。
本書全体を通して、人工知能に哲学がどう関係しているかということが多面的に説明されていて、哲学を生かすことで自意識を持った革新的な人工知能を生み出せる可能性があるということが理解できました。
講演がベースとなっていることもあり、哲学や人工知能についての予備知識があまりなくても比較的理解しやすい内容となっており、したがって、哲学や人工知能についてより深く知るきっかけになり得る書だと感じました。
プログラマーの哲学の知識は問題外の失格。
プログラマーは哲学をぜんぜん知らないといってもいいだろう。
こんなゴミ講義をうけていた学生たちはきっとぜんぜん哲学が嫌いだろうな。