有名な橋から斬新な橋まで、海外の橋３６と日本の橋１５を紹介した本。アジア、日本、ヨーロッパ、アメリカ・太平洋の４章に振り分けて、全ページオールカラーの美しい写真とともに、橋の場所、歴史、構造など解説している。
日本の橋も世界の橋も、昔の橋も今の橋も、見つめてきた人々に支えられて今がある。と同時に、見つめてきた人それぞれに、その橋に支えられてきた想い出の橋でもある。
昭和１０年架設の筑後川昇開橋（ちくごがわしょうかいきょう）は、鉄道と船の航行を両立させた橋。鉄道の廃止で解体されるところを、地元住民の強い要望で動態保存され、今は歩道橋として復活している。列車は通らなくなったが、地元住民の気持ちは変わらない。橋は、やはり見つめてきた人々に支えられているという感じがする。
本当の素晴らしさは、その土地の空気や風を感じながら、その場所で見ることであろう。しかし、そんなに簡単に出かけられない方には、この本でも橋の魅力を堪能できると思う。そして、いつの日か、旅をすことがあって、この本の橋を実際に見る機会があるかもしれない。そんなことを考えつつ眺めてみる写真は、またひと味違う感じがする。
この本には載ってない橋が、たくさんある。近くに想い出の橋があるなら、久しぶりに訪れてみるのもいいと思う。
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