本書は、排泄物(excrement)といわれる語では抽象度が高い、との一般的な理由により、
まず以下のような、語の一対一対応をおこなっている。
・著者はまず、専門家と一般市民の間で、排泄物を指す共通の語がないことを取り上げ、
それが(~)が難しくなる原因の一つだと述べている(~)
(~)と訳してしまうと、排泄物の(~)が伝わりにくいように思われたため、
訳文では「ウンコ(糞)」(語の一対一対応)としている
・この本(原題 The Origin of Feces『糞便の起源』)は、
ウンコというものの特性を生物進化の起源にまで遡って解き明かし、
それが生態系の中で占める位置と持つ意味を明らかにする(221)
そして、著者は語の一対一対応をすることで、糞それ自身の流れを考察している。
(糞虫・スカラベ・森・有機物・土・バクテリア・寄生虫・昆虫・微生物・菌類などの考察)
・著者はこのように言う。
「高邁(こうまい)な哲学や宗教的ビジョンがあろうと、
私たちはウンコをしないわけにはいかない(~)」
(~)それが自分自身を含めた生態系の中で(~)な存在だと(~)
(ウンコといわれる語の概念の≪それ自身≫の原初の問いへの回帰・反復)(222)
本書の著者の考察において、
ウンコ(糞)は無媒介的な=直接的な(ある何らかのものに区切りられていない)流れにおいて、
その生態系を含意しているものであり、
媒介的なものがあるところ(ウンコに対して何らかの区切りがあるところ)では、
別の諸生態系が形づくられるのではないかもしれない、と考察することもできる。
(排泄物の起源の遡行/何らかの形で媒介されたウンコの流れの体系的な諸世界の考察)
したがって、以上の諸視点からにおいて、
ウンコ(糞)を無媒介的な流れの≪それ≫ではなく、
媒介的(ウンコを対立的、否定的)に扱っているような諸世界では、
その体系の原初のウンコ(糞)に対する問いとして、
ある何らかの条件(問い)と、それに対するあらたな条件(問い)が積み重なり(畜糞化されていき)、
それ(原初の問いと、その下での条件とあらたな条件の反復)に、
対立するものが積み重なった諸世界が形づくられていく、と本書から考察することもできる。
(排泄物的なものの流動性の連続性)
(バクテリア的なものの分解/<対立><否定>の概念 idēe・事物 chose の畜糞化・事態の総体)
(/反射・反ね返り/度合い)
・われわれ人類は(~)今も本質的には動物だ(~)神人であれ猿人であれ、
われわれは未だに腸内の物質を(~)ねばならない。
そしてすべての動物の中から出てくるこの物質を(~)として、
(~)起源や根ざしているものまで遡って(~)することができれば、
まわりに見えるウンコすべてと(~)でつきあうことができるようになる。
この本を読んで、ウンコを知ろう
(ウンコといわれる語・概念の消尽/度合い)(18)
・(~)は……自分が何を(~)しているのか尋ねていたのだ
(鏡としてのウンコ)(『『死者』とその周辺 (Le livre de luciole)』引用)(164頁)
参考図書
『「トイレと文化」考―はばかりながら (文春文庫)』『スカラベの見たもの』
『トイレットからの発想―人と自然をよみがえらせる法』
『地殻・マントル構成物質』『糞尿と生活文化』『日本人の住まい(E.S.モース (著))』
『きのこと動物-森の生命連鎖と排泄物・死体のゆくえ-』『土壌微生物生態学』
『分解の哲学 ―腐敗と発酵をめぐる思考』『人工身体論―あるいは糞をひらない身体の考察』
『撹乱と遷移の自然史-「空き地」の植物生態学』『地上と地下のつながりの生態学』
『宗教の理論 (ちくま学芸文庫)』『呪われた部分 有用性の限界 (ちくま学芸文庫)』
『生物から見た世界 (岩波文庫)』『不可能な交換』『誘惑の戦略 (叢書・ウニベルシタス)』
『眼球譚 太陽肛門 供犠 松毬の眼』『バタイユの著作集/15巻/14巻/12巻』
『バタイユの世界』『バタイユ―消尽 (現代思想の冒険者たち)』
『カオスモスの運動 (講談社学術文庫 (993))』『ウィトゲンシュタイン全集1/全集9』
『ソシュール小事典』『物質と記憶』『笑い(ベルクソン)』
『意識に直接与えられたものについての試論 (ちくま学芸文庫)』
------------------------------------------------------------------------------------
序章 フンコロガシと機上の美女
第一章 舌から落ちるもの
第二章 糞の成分表
第三章 糞の起源
第四章 動物にとって排泄物とは何か
第五章 病へ至る道――糞口経路
第六章 ヘラクレスとトイレあれこれ
第七章 もう一つの暗黒物質
第八章 排泄物のやっかいな複雑性とは何か
第九章 糞を知る――その先にあるもの
------------------------------------------------------------------------------------
(無媒介的な流れの連続性)
・糞の無媒介的(直接的)な流れ
① 太陽熱・無機物・有機物(分解)
② 動物・バクテリアなど(分解)
③ 有機物を分解する微生物(分解)
④ ①~③の反復・繰り返し(~を循環させている)
(糞虫・スカラベ・森・有機物・土・バクテリア・寄生虫・昆虫・微生物・菌類など)
・(~)(菌態・尿・糞分解痕菌など)と昆虫と植物史が示すのは、
バクテリア、昆虫、植物、動物の(~)が、ある一連の径路でつながっていること(~)
私たちすべては、目に見えないウンコが作った目録であり、
生命に関する自然の(~)はウンコの上にできていることを、それは示している(~)(162)
・排泄物が形を変え移動するプロセスの考察
・排泄物は、部分的に消化された食物に、バクテリアと体液を加えて丸めたもの(~)(130)
・生態学的な見方をすると、どの寄生虫も生物というだけでなく、
養分(~)エネルギーの束でもある。それぞれが排泄物を食べることを通じて、
<排泄物が実体化(表象化)>したもの(~)
(~)(尿・糞分解痕菌など)と(~)は、
実は、分解された排泄物が再び形をとったもの(~)
それらはウンコからできている(~)
こうした(~)(尿・糞分解痕菌など)のライフサイクルは排泄物のライフサイクル(~)
それが意味するのは、どのような種でも絶滅させれば(~)に影響するということ(~)(133)
・糞虫は他者には不用物と思われるものを食べ、あるいは埋めることによって、水をワインに、
(~)された廃物を生物の住める環境に変えている(14)
------------------------------------------------------------------------------------
(諸世界の体系での排泄物の流れ)
・(~)と違って、やっかいなウンコのジレンマは、不足ではなく多すぎることにある(40)
・(~)が世界中を動くとき、大量の(~)も動いていることとなる(64)
・排泄物は(~)したものすべてに関わっている(29)
・人間が排泄物と付きあってきたやり方の一つが、遊牧民に関するもの(109)
・毎年増えている、人間と動物の排泄物の量(2010年以降)
・人間から出る総重量/4億トン
・動物から出る総重量/140億トン(45)
・諸世界の体系での排泄物の流れは、糞の無媒介的(直接的)な流れとは異なった形で、
別の諸生態系の体系を形づくる(排泄物の事態の総体)
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排泄物と文明: フンコロガシから有機農業、香水の発明、パンデミックまで 単行本 – 2014/5/17
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「うんち」と「科学」――――語源は同じだと知っていましたか?
昆虫の糞から、ヒト、ゾウのウンコまで、あらゆる排泄物を知り尽くした獣医・疫学者である著者が、古代ローマの糞尿用下水道から、糞尿起源の伝染病、下肥と現代農業、大規模畜産とパンデミック、現代のトイレ事情まで、芳(かぐわ)しい文明史と自然誌を描く。
昆虫の糞から、ヒト、ゾウのウンコまで、あらゆる排泄物を知り尽くした獣医・疫学者である著者が、古代ローマの糞尿用下水道から、糞尿起源の伝染病、下肥と現代農業、大規模畜産とパンデミック、現代のトイレ事情まで、芳(かぐわ)しい文明史と自然誌を描く。
- 本の長さ222ページ
- 言語日本語
- 出版社築地書館
- 発売日2014/5/17
- ISBN-104806714763
- ISBN-13978-4806714767
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著者について
デイビッド・ウォルトナー=テーブズ(David Waltner-Toews)グエルフ大学名誉教授。獣医師、疫学者、作家、詩人と多彩な顔を持ち、「国境なき獣医師団」創設者として、動物と人間の健康、コミュニティの持続可能な開発、貧困の解消に取り組んでいる。その著書はノンフィクション、小説、詩など多岐にわたる。
片岡夏実(かたおか なつみ)1964年、神奈川県生まれ。主な訳書にマーク・ライスナー『砂漠のキャデラック アメリカの水資源開発』、エリザベス・エコノミー『中国環境レポート』、デイビッド・モントゴメリー『土の文明史』、トーマス・D・シーリー『ミツバチの会議』(以上、築地書館)、ジュリアン・クリブ『90億人の食糧問題』(シーエムシー出版)など。
片岡夏実(かたおか なつみ)1964年、神奈川県生まれ。主な訳書にマーク・ライスナー『砂漠のキャデラック アメリカの水資源開発』、エリザベス・エコノミー『中国環境レポート』、デイビッド・モントゴメリー『土の文明史』、トーマス・D・シーリー『ミツバチの会議』(以上、築地書館)、ジュリアン・クリブ『90億人の食糧問題』(シーエムシー出版)など。
登録情報
- 出版社 : 築地書館 (2014/5/17)
- 発売日 : 2014/5/17
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 222ページ
- ISBN-10 : 4806714763
- ISBN-13 : 978-4806714767
- Amazon 売れ筋ランキング: - 533,737位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 8,065位生物・バイオテクノロジー (本)
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「実際、馬糞と牛糞の、ウンコと肥料の区別がつかない人は、おそらく原子力の話をしないほうがいい。原子力産業に(政治、経済、エネルギーのどの形にせよ)かかわる人間の大部分はこの話題について知的な話をできないという事実が、もっとも本質的な生物としての自己から私たちがまるっきり疎外されていることを原因とする、根本的な無知を表している」と著者は述べる。これには同感だ!
私が原発問題とかの政治的発言、宗教上の発言を極端に嫌うのは、己が無知であることを自覚しているからで、微生物から見た人類の文明、昆虫から見た人類の文明が、もっともっとあっても良いではないだろうか?
普段の歴史書は英雄譚とか勇者を称える人間中心主義に囚われた酷く「傲慢」な考え方を改めるべきではないだろうか?新型コロナで正直考えを改めても良いのではないだろうか?人類など地球上の歴史の中では新参者に過ぎないことに謙虚になるべきで、ウイルスや感染症に対してはもっと謙虚になるべきで山本太郎「 感染症と文明――共生への道 」では「感染症のない社会を作ろうとする努力は、努力すればするほど、破滅的な悲劇の幕開けを準備することになるのかもしれない」と述べる。このことが糞尿を単に嫌悪するだけでは留まらない非常に深い問題が孕んでいる。「排泄物」を本気で科学的かつ歴史的に述べることが出来ない様な歴史家や科学者や評論家らは、根本的な無知を隠しているか、胡麻化しているか、単に無知かのいずれだろうが、信用に置けないことに変わりはない。
腸内細菌叢のことを調べていた時期があったので、この内容そのものに驚きは少なかったのだが、他の昆虫や香水などの教養を得る意味では悪い読後感は無かったのだが、デイビッド・モントゴメリー&アン・ビクレー「 土と内臓 」、デイビッド・モントゴメリー「 土・牛・微生物ー文明の衰退を食い止める土の話 」などの、糞尿を土壌に活用するべくフン闘している著書を読んでいたせいで、少々読後感のインパクトが薄くなったことは残念だ。けれど初めてこの手の本を読むなら良い本には違いない。結構わかりやすく書かれている。この本を読んであらゆる場所に「生命」は存在しており、もっと敬意を払うべきと考える一助になれば幸いかと考える。レビューする人も、ウンコに伏字をするなんてとんでもない!もっと自らが出したものに敬意を払うべきだ。それはこの本を読めばわかる。
私が原発問題とかの政治的発言、宗教上の発言を極端に嫌うのは、己が無知であることを自覚しているからで、微生物から見た人類の文明、昆虫から見た人類の文明が、もっともっとあっても良いではないだろうか?
普段の歴史書は英雄譚とか勇者を称える人間中心主義に囚われた酷く「傲慢」な考え方を改めるべきではないだろうか?新型コロナで正直考えを改めても良いのではないだろうか?人類など地球上の歴史の中では新参者に過ぎないことに謙虚になるべきで、ウイルスや感染症に対してはもっと謙虚になるべきで山本太郎「 感染症と文明――共生への道 」では「感染症のない社会を作ろうとする努力は、努力すればするほど、破滅的な悲劇の幕開けを準備することになるのかもしれない」と述べる。このことが糞尿を単に嫌悪するだけでは留まらない非常に深い問題が孕んでいる。「排泄物」を本気で科学的かつ歴史的に述べることが出来ない様な歴史家や科学者や評論家らは、根本的な無知を隠しているか、胡麻化しているか、単に無知かのいずれだろうが、信用に置けないことに変わりはない。
腸内細菌叢のことを調べていた時期があったので、この内容そのものに驚きは少なかったのだが、他の昆虫や香水などの教養を得る意味では悪い読後感は無かったのだが、デイビッド・モントゴメリー&アン・ビクレー「 土と内臓 」、デイビッド・モントゴメリー「 土・牛・微生物ー文明の衰退を食い止める土の話 」などの、糞尿を土壌に活用するべくフン闘している著書を読んでいたせいで、少々読後感のインパクトが薄くなったことは残念だ。けれど初めてこの手の本を読むなら良い本には違いない。結構わかりやすく書かれている。この本を読んであらゆる場所に「生命」は存在しており、もっと敬意を払うべきと考える一助になれば幸いかと考える。レビューする人も、ウンコに伏字をするなんてとんでもない!もっと自らが出したものに敬意を払うべきだ。それはこの本を読めばわかる。
2015年6月22日に日本でレビュー済み
また、おもしろウンコ本が増えたのだ。
スカラベが転がしているフンにページがふってある。
くすっとさせるポイント。
ウンコが巻き起こす様々な騒動とこれからどうしたらよいかなど
書いてあり、内容はいたって真面目。
農業関係の読みモノとも共通しているところがあって、動物のウンコを有効活用することが出来ないもんか!?というのが著者の考え。
なにしろ、人間のウンコだけでも1年間で4億トンにもなる。(80年生きたとして、ひとり4000Kg)
家畜のウンコはというと、2010年の生息数から、牛+ヤギ+羊+鶏=141億3645万トン!!!
サッカーのグラウンド300万面を2メートルのウンコで覆い尽くす量だそうだ。
グラウンドの真ん中に立ったら、見渡す限りってやつだね。
もう、想像するだけでうんざりするほどの量なのだ。
本では、イグノーベル賞もイケる!という面白い研究も紹介されている。
ひとつ目は、岡山環境アセスメントセンター。
なんと排泄物を含む下水汚泥から人口肉を作りだしたんだと!!
ロシアの研究もスゴイ。
宇宙線でウンコを処理するだけでなく栄養として人間が再度取り込めるように、ウンコをウジ虫に喰わせて、そのウジ虫を人間が喰うというサイクルを考えていたりする。
「私達はウンコを基礎とする新しい技術を設計できるか!」
は、これからの大きなテーマだね。
ぜひ、一読を!!
スカラベが転がしているフンにページがふってある。
くすっとさせるポイント。
ウンコが巻き起こす様々な騒動とこれからどうしたらよいかなど
書いてあり、内容はいたって真面目。
農業関係の読みモノとも共通しているところがあって、動物のウンコを有効活用することが出来ないもんか!?というのが著者の考え。
なにしろ、人間のウンコだけでも1年間で4億トンにもなる。(80年生きたとして、ひとり4000Kg)
家畜のウンコはというと、2010年の生息数から、牛+ヤギ+羊+鶏=141億3645万トン!!!
サッカーのグラウンド300万面を2メートルのウンコで覆い尽くす量だそうだ。
グラウンドの真ん中に立ったら、見渡す限りってやつだね。
もう、想像するだけでうんざりするほどの量なのだ。
本では、イグノーベル賞もイケる!という面白い研究も紹介されている。
ひとつ目は、岡山環境アセスメントセンター。
なんと排泄物を含む下水汚泥から人口肉を作りだしたんだと!!
ロシアの研究もスゴイ。
宇宙線でウンコを処理するだけでなく栄養として人間が再度取り込めるように、ウンコをウジ虫に喰わせて、そのウジ虫を人間が喰うというサイクルを考えていたりする。
「私達はウンコを基礎とする新しい技術を設計できるか!」
は、これからの大きなテーマだね。
ぜひ、一読を!!
2014年5月20日に日本でレビュー済み
知っているようで知らない、人間を含めた動物の排泄物のこと。本書では、そうした排泄物について、獣医学と疫学を専門とする研究者が多角的な視点から語っている。
再生の象徴たる糞虫の話からはじまり、ウンコの定義や、排泄物を介した伝染病の話など、本書はさながら排泄物のトピック集のようでもある。そんななかで、本書における最大のメッセージを挙げるとすれば、それは、「これからの『ウンコ』の話をしよう」となるだろう。人口が飛躍的に増加し、大規模かつ集約的な畜産が可能になった20世紀以降、人糞および畜糞をどう処理するかはじつに頭の痛い問題となっている。実際、著者が推計するには、年間で人糞は約4億トン、そしてウシ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリの畜糞はあわせてなんと約140億トンも生じているという。しかも、それらのほとんどは特定の場所に山積みにされているのだ。そんな状況を前にして、ではわたしたちはどうしたらよいのか。著者は提案もいくつか掲げているが、しかしまず何より、わたしたちがウンコと真正面から向き合わなければならないと主張する。「この本を読んで、ウンコを知ろう」(18頁)、とそういうわけだ。
このテーマだからか、この著者の性格なのか、著者は随所でおもしろおかしく語ろうとしている。ただ率直に言って、少なくともわたし個人の感想としては、その狙いはえてして空振りに終わっていたように思う。また、こうした興味深いテーマであるがゆえに、読む者をもっと惹きつけるような論じ方ができなかったかと思わないでもない。著者のメッセージはたしかに重要であるだけに、その点がいささか残念に感じられる本であった。
再生の象徴たる糞虫の話からはじまり、ウンコの定義や、排泄物を介した伝染病の話など、本書はさながら排泄物のトピック集のようでもある。そんななかで、本書における最大のメッセージを挙げるとすれば、それは、「これからの『ウンコ』の話をしよう」となるだろう。人口が飛躍的に増加し、大規模かつ集約的な畜産が可能になった20世紀以降、人糞および畜糞をどう処理するかはじつに頭の痛い問題となっている。実際、著者が推計するには、年間で人糞は約4億トン、そしてウシ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリの畜糞はあわせてなんと約140億トンも生じているという。しかも、それらのほとんどは特定の場所に山積みにされているのだ。そんな状況を前にして、ではわたしたちはどうしたらよいのか。著者は提案もいくつか掲げているが、しかしまず何より、わたしたちがウンコと真正面から向き合わなければならないと主張する。「この本を読んで、ウンコを知ろう」(18頁)、とそういうわけだ。
このテーマだからか、この著者の性格なのか、著者は随所でおもしろおかしく語ろうとしている。ただ率直に言って、少なくともわたし個人の感想としては、その狙いはえてして空振りに終わっていたように思う。また、こうした興味深いテーマであるがゆえに、読む者をもっと惹きつけるような論じ方ができなかったかと思わないでもない。著者のメッセージはたしかに重要であるだけに、その点がいささか残念に感じられる本であった。