とても良い本なのにレビューがないので記憶を頼りにご紹介。
通信（海底ケーブル、衛星通信）の歴史のドキュメント。クラーク氏はSF作家、アマチュア無線マニアとして有名ですが、大西洋海底ケーブル敷設がどのような困難を乗り越えたのかのノンフィクション。1812年、ロシアでナポレオン軍が行き詰まっていたころ、大陸封鎖令で孤立していた大英帝国に対し米国が宣戦布告。終戦後、英国のとある貴族が私財をなげうって米国との電話回線敷設を決意します。通信があれば戦争が防げるはずだ！というのです。
あらゆるコネを使って資金調達しケーブルを作るのですが、長距離になると声が通らない。直流なら通るのに、音声になると通らない。これは理系の方にはいうまでもありませんがインピーダンス・リアクタンスですね。この時代にはまだ知られていませんでしたが、大英帝国の大科学者ケルビン卿が解明し、再挑戦。すでにすっからかんでしたが、借金を重ねて大英帝国の海軍をも動かして、大西洋敷設を果たします。この本は、これ以外にイリジウム計画の元になった通信衛星網のアイデアなどを通じて通信が世界を一つにしてきた歴史を語ります。
目次
第１部 深淵での架線
第２部 海をわたる声
第３部 通信衛星前史
第４部 星空からのメッセージ
第５部 光りあれ！
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