「それらにかんする『教育語り』が凝固し、対立軸へと固着してしまっているかのような教育テーマ」、具体的には「道徳教育」「ゆとり教育」「エリート教育」「キャリア教育」「大学改革」(pp.34-35)を取りあげ、「『教育論になにが必要か』を通じて『教育になにが必要か』に迫ろう(p.253)」とする。
5つのテーマはいずれも優に1冊の本になりうる大きなものだから、全体にサラッと書いたなという印象はあるけれど分かりやすい。ほぼ各章にある図式(p.80, 134, 194など)が議論の構図の理解をはやめる。
このように教育言説を分析した上で、著者は、教育について論じる作法として「問題の歴史性への注目」「立場性への注目」「傍観者的立場を避ける」「教育システムの外部とのリンケージへの着目」「当事者としての子どもへの視点」を挙げ(pp.252-261)、また教育問題へのアプローチとして「『革命的』ではなく、『改良的』」「抜本的な『改革』ではなく、漸進主義的な『改善』」「『中庸』をよしとし、『よりまし』を追求すべき(p.261)」とする。これらの結論には同感。私だったら、もうひとつ「教育政策・制度の、意図せざる結果にも注意を払う」ということも入れたいかも。
p.58にみられる日本の戦後のあり方についての著者の「夢想」を読む限り、著者はリベラル・左翼的なようだが、タブーになっていたエリート教育について「こうした『タブー』は解除されてもよいのではないか。……各界のリーダーや指導者層の“劣化”が言い募られているにもかかわらず、そうした事態にいつまでも“頬かむり”していてよいのだろうか(p.171)」と言う。ここにも同感。
あとひとつ。p.230に紹介されている「私立大学等改革総合支援事業配点区分表」には啞然とした。私大も少子化と教育政策の二重苦で大変だ。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
¥2,200¥2,200 税込
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
¥2,200¥2,200 税込
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
¥1¥1 税込
配送料 ¥350 6月7日-8日にお届け
発送元: 古本倶楽部【午前9時までのご注文は当日発送】【通常24時間以内発送】 販売者: 古本倶楽部【午前9時までのご注文は当日発送】【通常24時間以内発送】
¥1¥1 税込
配送料 ¥350 6月7日-8日にお届け
発送元: 古本倶楽部【午前9時までのご注文は当日発送】【通常24時間以内発送】
販売者: 古本倶楽部【午前9時までのご注文は当日発送】【通常24時間以内発送】
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
まず教育論から変えよう: 5つの論争にみる、教育語りの落とし穴 単行本 – 2015/5/25
児美川 孝一郎
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥2,200","priceAmount":2200.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"2,200","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"NaeSLFoqP0JD%2BWQ43u%2FNFEFDBKdzpXwEB1k14le%2FssvZS9ftnKuhs6gs5T6h5KGeesEAClf25rF6VkU3ml1b0sBM4Ji8Jm0JrDYgQ%2BYYjvkkbh4qRtCLg9Wgl3NT1vB5Z503P%2BixjFU%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥1","priceAmount":1.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"1","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"NaeSLFoqP0JD%2BWQ43u%2FNFEFDBKdzpXwE00zIljM7aZFvRwXjWzoy2lIiKyTJI7zCl9GESHhVlISwbiQTXHWc1O5deg14tT3P5NLLzcuVDOwegt1xkBzmy0K58mRAzJhMW8A639XS8Ze3q4uvw482U%2F7UOyv89dOl3Rp5W92KS8E8JpgcOWs5mdwYJgqNP9W%2F","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
世の中の多くの人が、教育に関心や意見をもっている現代の日本。
居酒屋談義から、ネット上でのTwitterやSNSにブログまで、
テレビをつければ、バラエティから、政治家による討論まで、
関心の高いトピックとして、だれもが評論家のように教育を語っている。
それはこの国の教育や学校にとって、はたして幸福なことだろうか?
議論をすればたちまちのうちの百花繚乱の意見が噴出。
それをなんとか整理して、対立する意見の折り合いをつけ、
調整しようとしても、結局は調停不能に陥ってしまう。
そして気がつくと、合意形成されることはないまま、
一つの教育政策や方針がただ押し通される──。
なぜそうなってしまうのか。
それは百家争鳴の教育論争に、「落とし穴」が潜んでいるからである──。
現在進行形の5つの論争を通して、
誰もが陥りうる「落とし穴」・"教育語り"の存在と、
"教育語り"がもたらす実際の教育への影響を明らかにし、
教育を語るための"教育語り"から、
教育を変えるための"教育論"へ転換するための方法を提示する。
居酒屋談義から、ネット上でのTwitterやSNSにブログまで、
テレビをつければ、バラエティから、政治家による討論まで、
関心の高いトピックとして、だれもが評論家のように教育を語っている。
それはこの国の教育や学校にとって、はたして幸福なことだろうか?
議論をすればたちまちのうちの百花繚乱の意見が噴出。
それをなんとか整理して、対立する意見の折り合いをつけ、
調整しようとしても、結局は調停不能に陥ってしまう。
そして気がつくと、合意形成されることはないまま、
一つの教育政策や方針がただ押し通される──。
なぜそうなってしまうのか。
それは百家争鳴の教育論争に、「落とし穴」が潜んでいるからである──。
現在進行形の5つの論争を通して、
誰もが陥りうる「落とし穴」・"教育語り"の存在と、
"教育語り"がもたらす実際の教育への影響を明らかにし、
教育を語るための"教育語り"から、
教育を変えるための"教育論"へ転換するための方法を提示する。
- 本の長さ266ページ
- 言語日本語
- 出版社太郎次郎社エディタス
- 発売日2015/5/25
- ISBN-104811807812
- ISBN-13978-4811807812
よく一緒に購入されている商品
対象商品: まず教育論から変えよう: 5つの論争にみる、教育語りの落とし穴
¥2,200¥2,200
最短で6月6日 木曜日のお届け予定です
残り3点(入荷予定あり)
¥1,760¥1,760
最短で6月6日 木曜日のお届け予定です
残り9点(入荷予定あり)
¥946¥946
最短で6月6日 木曜日のお届け予定です
残り3点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
児美川 孝一郎
1963年生。法政大学キャリアデザイン学部教授。法政大学文学部教育学科専任講師、助教授、キャリアデザイン学部助教授を経て現職。専門は教育学。法政大学大学評価室長、日本教育学会理事、日本キャリアデザイン学会副会長。
著書に、『キャリア教育のウソ』(ちくまプリマー新書)、『「親活」の非ススメ──"親というキャリア"の危うさ』(徳間書店)、『若者はなぜ「就職」できなくなったのか──生き抜くために知っておくべきこと』(日本図書センター)など、編著に『これが論点!就職問題』(日本図書センター)、共著に『キャリアデザイン学への招待──研究と教育実践』(ナカニシヤ出版)など多数。
1963年生。法政大学キャリアデザイン学部教授。法政大学文学部教育学科専任講師、助教授、キャリアデザイン学部助教授を経て現職。専門は教育学。法政大学大学評価室長、日本教育学会理事、日本キャリアデザイン学会副会長。
著書に、『キャリア教育のウソ』(ちくまプリマー新書)、『「親活」の非ススメ──"親というキャリア"の危うさ』(徳間書店)、『若者はなぜ「就職」できなくなったのか──生き抜くために知っておくべきこと』(日本図書センター)など、編著に『これが論点!就職問題』(日本図書センター)、共著に『キャリアデザイン学への招待──研究と教育実践』(ナカニシヤ出版)など多数。
登録情報
- 出版社 : 太郎次郎社エディタス (2015/5/25)
- 発売日 : 2015/5/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 266ページ
- ISBN-10 : 4811807812
- ISBN-13 : 978-4811807812
- Amazon 売れ筋ランキング: - 712,724位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 52,653位教育・学参・受験 (本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
星5つ中4.3つ
5つのうち4.3つ
5グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2016年6月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2020年5月12日に日本でレビュー済み
誰もが学校に通ったことがあるゆえに、「一億総教育評論家」社会といわれるほど、誰もが入りやすい「教育」に関する議論。しかし、それゆえに唯我独尊的な主張、個々の経験談に偏る論争などもあり、まさに何でもあり状態。
そんなかで、本書は、「道徳教育」、「ゆとり教育」、「エリート教育」、「キャリア教育」、「大学改革」といった5つのテーマについて、わが国での歴史的変遷など紐解きながら、論説している。
そんなかで、本書は、「道徳教育」、「ゆとり教育」、「エリート教育」、「キャリア教育」、「大学改革」といった5つのテーマについて、わが国での歴史的変遷など紐解きながら、論説している。