ロックンローラーの甲本ヒロトは
「子供のころから憧れてたものに、なれなかったんなら大人のフリすんな」と歌った。
これは成功者の優越感とか、才能がある人間の自負を歌ったわけではない。
本作の主人公、ネレーは「俺たちに諦めることに意味はない」と語った。
この言葉と、ヒロトの歌はきっと同じ意味だ。
「子供」が憧れるものなんて、途方もなくて、現実感に乏しくて、
無茶で、無謀なのかもしれない。
でも、誰しもがそんな時期を過ごしている。どうやら
僕の場合は海賊になりたかったらしいし。
そんなことをすっかり忘れて、なかったことにして、
遠い目をして「そんなこともあったなあ」なんて言うのは
義務と時間と限界と才能と日曜日の惰眠を知った大人の台詞
なんだろうけど、
それって、僕らがなりたかった「大人」じゃない。
ここに書かれている、20代半ばを過ぎて野球でメシを食おう、
ましてや異国の地で一旗挙げてやろうなんて思っている
「子供」な選手の話を、
若気の至りと看過せずに、うらやましいと思えるうちは、
まだ、ヒロトが言うような「大人」になれるチャンスがあるかなと思った。
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月給12万のヒーロー: がんばれ!!侍ベアーズ 単行本 – 2006/3/1
津川 晋一
(著)
アメリカの独立リーグに誕生した日本人のみのプロ野球チーム「サムライ・ベアーズ」奮闘記。これは単なる野球の物語ではない。夢見る人間たちの復活劇だ。
- 本の長さ281ページ
- 言語日本語
- 出版社竹書房
- 発売日2006/3/1
- ISBN-104812425387
- ISBN-13978-4812425381
登録情報
- 出版社 : 竹書房 (2006/3/1)
- 発売日 : 2006/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 281ページ
- ISBN-10 : 4812425387
- ISBN-13 : 978-4812425381
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,254,366位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年5月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2011年8月11日に日本でレビュー済み
野球に無知な状態で読んだんですが、作者の実話なのか、取材をして本にしたのか分かりませんでした。
男性が読むのにはとてもいいと思います。
男性が読むのにはとてもいいと思います。
2006年5月7日に日本でレビュー済み
Numberの書評を見て、即座に購入。
風邪引きのGW後半の友となるはずが、半日で読了。
「・・・そして強調しておきたいのは、一気呵成に読める面白い本ということだ。」という、書評そのままだ。
題材はノンフィクション。米国の独立野球リーグに参戦した日本人選手だけのサムライ・ベアーズというチームのお話。
96日間で90試合をこなすという過密スケジュール。
監督は、かのクロマティ。これが、ダメダメ監督だ。
アメリカ育ちだが、同志社在学中に阪神の応援にしびれたブレア。
みんな、野球が好きでしょうがないのだ。で、なかなか野球をあきらめきれない人たちの話。
読後感はとても爽やか。
あきらめきれない彼らをとてもうらやましく感じた。
自分自身、2度、スポーツを続けることをあきらめているからだ。
なぜ自分はあきらめられたのか(そこそこの成績を残せたのに。。。まぁフロックだが)?
なぜ彼らはあきらめずに続けられているのか?
良いとか悪いではなく、私があこがれる生き様がそこにある。
自分は、仕事でも、彼らのように輝いていけるのだろうか?
スポーツジャーナリズムに陶酔することの多い自分にとっては、自らに投影する言葉が多く詰まっている本でした。
風邪引きのGW後半の友となるはずが、半日で読了。
「・・・そして強調しておきたいのは、一気呵成に読める面白い本ということだ。」という、書評そのままだ。
題材はノンフィクション。米国の独立野球リーグに参戦した日本人選手だけのサムライ・ベアーズというチームのお話。
96日間で90試合をこなすという過密スケジュール。
監督は、かのクロマティ。これが、ダメダメ監督だ。
アメリカ育ちだが、同志社在学中に阪神の応援にしびれたブレア。
みんな、野球が好きでしょうがないのだ。で、なかなか野球をあきらめきれない人たちの話。
読後感はとても爽やか。
あきらめきれない彼らをとてもうらやましく感じた。
自分自身、2度、スポーツを続けることをあきらめているからだ。
なぜ自分はあきらめられたのか(そこそこの成績を残せたのに。。。まぁフロックだが)?
なぜ彼らはあきらめずに続けられているのか?
良いとか悪いではなく、私があこがれる生き様がそこにある。
自分は、仕事でも、彼らのように輝いていけるのだろうか?
スポーツジャーナリズムに陶酔することの多い自分にとっては、自らに投影する言葉が多く詰まっている本でした。
2008年8月12日に日本でレビュー済み
商品の説明の内容が本書を上手く言い表している。
でも、私も書きたい。
この話は諦めの悪い男たちの格好悪く、それ故に格好いい話。
フィクションなら、映画なら、打ちひしがれた後のハッピーエンドが待っているんだが、
現実は甘くない。ハッピーエンドでは終わらせてくれない。
主人公のネレーこと根鈴雄次がその際たるもの。
夢が現実になりそうなときにいつも逃げていってしまう格好の悪さ。
この米独立リーグも然り。だからこそ格好いい。
夢を掴めず、それでも追い続ける彼の姿はとても格好いい。
ぼくには決して出来ない、どこで諦めたのかを忘れてしまったくらい彼方の夢。
30になっても追い続ける彼を応援しないわけにはいけない。
今も彼は甲信越のリーグで野球をやっているとのこと。
頭が下がる思いだ。
でも、私も書きたい。
この話は諦めの悪い男たちの格好悪く、それ故に格好いい話。
フィクションなら、映画なら、打ちひしがれた後のハッピーエンドが待っているんだが、
現実は甘くない。ハッピーエンドでは終わらせてくれない。
主人公のネレーこと根鈴雄次がその際たるもの。
夢が現実になりそうなときにいつも逃げていってしまう格好の悪さ。
この米独立リーグも然り。だからこそ格好いい。
夢を掴めず、それでも追い続ける彼の姿はとても格好いい。
ぼくには決して出来ない、どこで諦めたのかを忘れてしまったくらい彼方の夢。
30になっても追い続ける彼を応援しないわけにはいけない。
今も彼は甲信越のリーグで野球をやっているとのこと。
頭が下がる思いだ。
2006年5月3日に日本でレビュー済み
もちろん中身は侍ベアーズのノンフィクションをベースにしていますが、「ネレー」という一人称により素晴らしい「青春野球小説」としても読めます。また野球好きならたまらない実在の人物の名前が出てきますから一気に読めてしまうと思います。津川晋一氏はノンフィクションスポーツライターの一人として名前を知られていたと思いますが、このような小説風のものも書けるということで、また新境地を開いたのでは。野球好きな人にはぜひ読んでもらいたい一冊です。
2006年3月28日に日本でレビュー済み
日本人だけの米独立リーグの野球チームとして、昨年小さな話題を呼んだ「サムライベアーズ」の話である。過酷な環境の中で様々なアクシデントがありながらも、野球に打ち込む挑戦者達の姿が克明に描かれれている。かと言って悲壮感と競争主義がクローズアップされた三文芝居のようにならないのは、野球という競技の本質と著者の筆力によるものだろう。読む人によって、様々な読後感が得られるはず。オススメ。