インターネットで基本的な観光情報は何でも手に入る時代なのに、書店にあふれる観光ガイドはいまだに「るるぶ」や「地球の歩き方」から進化できていない。
行ったことのない場所には行ってみたくなるし、行ったことのある場所は「そうそう!」と楽しめる。
本来、ガイドブックというのは、こういう物であるべきなのではないだろうか。
「観光客が行ける本土最東端」である納沙布岬の項はぜひ読んでいただきたい。
北方領土返還に取り組む地元の「本気」や、そこに住む人々の生活を、作者らしい飄々とした絵で切り取りつつ、見たものを有るがままに受け止めようとする姿勢に、作者の誠実さを感じた。
北海道の観光ガイドは書店にいくらでもあふれている。
しかし、道東の「ぬったり感」を伝える本は初めて見た。
もちろん、4コマ王子としての笑いの筆も冴えている。
同じ北海道でも、稚内の宗谷岬の項の「ひょうしぬけ感」は、秀逸だ。
私は根室も稚内も行ったことがあったので、「ナマの空気感」を持ち帰って伝える作者の表現力には感服した。
よそ者であるが故の「居心地の悪さ」を楽しむことこそ、旅の神髄なのかもしれない。
最近の代表作「中央モノローグ線」と対をなす、人間観察の鋭さに満ちた素晴らしいガイドブックだ。
「世界編」なども期待してみたい。
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わびれもの (バンブー・コミックス MOMO SELECTION) コミック – 2010/5/27
小坂 俊史
(著)
- 本の長さ116ページ
- 言語日本語
- 出版社竹書房
- 発売日2010/5/27
- ISBN-104812472784
- ISBN-13978-4812472781
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登録情報
- 出版社 : 竹書房 (2010/5/27)
- 発売日 : 2010/5/27
- 言語 : 日本語
- コミック : 116ページ
- ISBN-10 : 4812472784
- ISBN-13 : 978-4812472781
- Amazon 売れ筋ランキング: - 376,251位コミック
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年5月29日に日本でレビュー済み
2010年5月28日に日本でレビュー済み
この本は、およそ観光雑誌には掲載されないようなところに
筆者が出かけた記録エッセイの本である。
「さびれた」「わびしい」場所中心だ。
だから、旅行好きな人よりも地元の人の方が「知ってる!」と
いう場所が多いと思う。
日本にはまだまだこんな場所があるんだという驚きとともに
「行ってみたいな」という気持ちが湧いてくる。
人一人やっと歩けるような道を行った先で暮らしている
集落の話は、まさに隔絶された村といった感じだった。
さびれた駅でもう少しここにいたい、列車がもう少し遅れて
くれれば、というエピソードもしみじみとしている。
九州・JR日本最南端の駅にはいつか行ってみたいなぁ。
普通の旅行に飽きたという人は、この本を片手にぶらり旅へ
出てみる、というのも新しい発見への道のりではないだろうか。
筆者が出かけた記録エッセイの本である。
「さびれた」「わびしい」場所中心だ。
だから、旅行好きな人よりも地元の人の方が「知ってる!」と
いう場所が多いと思う。
日本にはまだまだこんな場所があるんだという驚きとともに
「行ってみたいな」という気持ちが湧いてくる。
人一人やっと歩けるような道を行った先で暮らしている
集落の話は、まさに隔絶された村といった感じだった。
さびれた駅でもう少しここにいたい、列車がもう少し遅れて
くれれば、というエピソードもしみじみとしている。
九州・JR日本最南端の駅にはいつか行ってみたいなぁ。
普通の旅行に飽きたという人は、この本を片手にぶらり旅へ
出てみる、というのも新しい発見への道のりではないだろうか。
2010年5月27日に日本でレビュー済み
連載中に作者が突然遠野に引っ越してしまうと言う大アクシデント(笑)のあった、マニア御用達の名所案内のマンガです。
鉄道関係のネタにやや偏向している感もありますが、シーズンオフに観光地の離れ小島(食堂も営業してなければ、自販機も使えない)に行ったり、ロッテの2軍の試合を観に行った話(真面目に面白い)が好きです。
読み終わった後、その場所に行きたいとまでは思いませんが、何処かに行ってみたくなること請け合いです。
鉄道関係のネタにやや偏向している感もありますが、シーズンオフに観光地の離れ小島(食堂も営業してなければ、自販機も使えない)に行ったり、ロッテの2軍の試合を観に行った話(真面目に面白い)が好きです。
読み終わった後、その場所に行きたいとまでは思いませんが、何処かに行ってみたくなること請け合いです。
2010年8月30日に日本でレビュー済み
かの小坂氏が秘境駅とか美川ムーバレーとかおおざわの石仏の森とかの名スポット珍スポットを巡ったエッセイ。
せんせいになれませんみたいなはっちゃけ風ではなく、一見熱い感じなのになんとなく中央モノローグ線的な寂寥感を感じる不思議な温度の紀行文となっています。
せんせいになれませんみたいなはっちゃけ風ではなく、一見熱い感じなのになんとなく中央モノローグ線的な寂寥感を感じる不思議な温度の紀行文となっています。
2010年6月3日に日本でレビュー済み
小坂俊史の4コマではないエッセイ漫画。
わびしく寂れた場所へと案内する漫画なのだが、駄菓子やとかまんだらけとかは
あまりわびさびを感じない。
かえって楽しくにぎやかな感じがするんだけど。
それはもう作者がその場所を楽しんでいるからにほかならないだろう。
富山県にある謎の(ぜんぜん謎じゃないんだけど、その場所だけ案内されたら
謎だろう)おおざわの石仏の森 なんかは作者の面白がりにのって、
思わずそこに観光に行きたくなる。その石仏を作った社長さんに会いたくなる。
山口のムーバレーにも行きたくなる。
炭坑跡とムー大陸の関わりをぜひとも自分で発見して理屈づけたくなるじゃないかこのやろー。
シリアスにしみじみ終わっても最後のコマのつぶやきでちゃんと
落としてくれるところはさすが4コマ王子ならでは。
わびしく寂れた場所へと案内する漫画なのだが、駄菓子やとかまんだらけとかは
あまりわびさびを感じない。
かえって楽しくにぎやかな感じがするんだけど。
それはもう作者がその場所を楽しんでいるからにほかならないだろう。
富山県にある謎の(ぜんぜん謎じゃないんだけど、その場所だけ案内されたら
謎だろう)おおざわの石仏の森 なんかは作者の面白がりにのって、
思わずそこに観光に行きたくなる。その石仏を作った社長さんに会いたくなる。
山口のムーバレーにも行きたくなる。
炭坑跡とムー大陸の関わりをぜひとも自分で発見して理屈づけたくなるじゃないかこのやろー。
シリアスにしみじみ終わっても最後のコマのつぶやきでちゃんと
落としてくれるところはさすが4コマ王子ならでは。