最初から3編目まで「ああ、よくある実話怪談だな・・」と、乱発されているありがちなパターンか・・と少しがっかりしながら読み進み、4話目の「黄色のTシャツ」で「これは由緒正しい山の怪談だな」とやや持ち直し、その後もずっとイマイチが続いて・・。
10編目の「サクラ肉」で、おお、これはと思いました。大正時代が舞台の話ですが、時代のほの暗い雰囲気も相まって正統派の怪談に仕上がっています。
他、よかったものは、
「チャットで」休日出勤している部下に、ネット上の怪談話を送りつけたら怪異が起きて・・。ネットで怪談を見るだけで実は何かを呼び込んでいるのかも・・と思うとかなり怖いです。
「東北の竹筒」埋葬後、生き返るかもしれないから墓地に竹筒を差し込んでおいて数日間話しかける・・というその土着的な習慣自体がなんとも不気味。
「初恋の人」夏休み、離島の伯母に預けられた少年。めずらしい環境と自然にわくわくしたものの、伯母は何かおかしい。そして洞窟へ連れられて娘だと紹介されたその少女は・・。
結局なんだったのかよくわからない、けれど恐ろしいような切ないようなその雰囲気がよく伝わってきました。これが一番よかったです。
振り返ると、自分の好みはストーリーがしっかりした長めのもののようです。ショートショート的な短いものはあっという間に終わって印象も残らず、読んだ端から忘れてしまいます。
全体としては、正直いって凡作が多いと感じました。全32編中の数編、上記のものはとび抜けてよかったです。
これがあるからまたつい買って読んでしまうんだよなあ。
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恐怖箱 魂迎 (竹書房ホラー文庫) 文庫 – 2013/8/29
- 本の長さ223ページ
- 言語日本語
- 出版社竹書房
- 発売日2013/8/29
- ISBN-104812496160
- ISBN-13978-4812496169
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登録情報
- 出版社 : 竹書房 (2013/8/29)
- 発売日 : 2013/8/29
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 223ページ
- ISBN-10 : 4812496160
- ISBN-13 : 978-4812496169
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,592,896位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 14位竹書房ホラー文庫
- - 5,969位SF・ホラー・ファンタジー (本)
- - 11,436位超心理学・心霊
- カスタマーレビュー:
著者について
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群馬県高崎市出身在住。著書に「幽山鬼談」「いきもの怪談 呪鳴」「上毛鬼談 群魔」「群馬百物語 怪談かるた」「怪談標本箱 毒ノ華」「同 死霊ノ土地」「同 雨鬼」「同 生霊ノ左」。編著に「群馬怪談 怨ノ城」「高崎怪談会 東国百鬼譚」がある。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年9月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今回の「恐怖箱」トリニティシリーズは本気を出したと云いますか、格段に進化、または覚醒したとさえ思えるほどのハイレベルな実話怪談の一冊に仕上がってます。
ネタの吟味具合もそうですが、ここにきて各著者の筆のタッチも何だかシュッと一本引き締まった感があり、過去のタイトル中最高峰の出来ばえかとも思えたりします。
もともと著者の一人、戸神重明作品を目当てに本書を購入しました。個人的に戸神氏は同シリーズ「空蝉」以来注目している新進気鋭で、今回の「魂迎」では氏の作品が大幅なページ増となっておりファンとしては質的量的にも大々満足です。
さらに今回、もうお馴染みの顔ぶれである共著の深澤 夜氏と鳥飼 誠氏が良ネタ良作を一挙掲載してくれました。まさに豊作、大漁といったお得感は大です。
すべての話においてこれはハズレといったものがなく、各著者の得手とする話や、新提示への挑戦的な手法がそれぞれのエントロピーを持って読み手を楽しませてくれます。
どの話も個性的かつエンターテインメント性に富み、甲乙付け難く大変面白いのですが、特に個人的な趣味や嗜好でお薦めの作品を挙げますと次の通りです。
「駅のホームで」………小学生女子モノは怪談ネタのドル箱か?
「黄色のTシャツ」………絡みつくような凄惨な怪奇描写は読んでいて引くレベル…
「幽体離脱」………ネタ(笑)と怪奇のカオス融合、驚愕の着地はお見事
「サクラ肉」………大正時代の古いお話、もはや怪談時代劇。馬怖わっ!
「東北の竹筒」………東北地方の民族学的高級ネタにして何だかやるせないお話
「土産話」………修学旅行の(超厭な)思い出…
「灯火採集」………宵闇礼賛、リッチで狂おしい闇
「トーテムポール」………藤子不二雄A 的な
「すぴっくすぱっく」………ヤバ過ぎてとてもお薦めできません!
「博士」………日常ネタ。集合住宅の困ったご近所さんの怪
「出張ストリップ」………ゲスなシチュ(笑)が意外と怪奇によく合うことうけあい!
「暗い海」………「ウルトラQ」や「怪奇大作戦」を彷彿
「初恋の人」………38P短編小説並みのボリューム。夏の孤島が舞台、少年が見た狂気
と本編はエキセントリックな表誌絵に見劣りしない濃い内容です。心無しか巻頭の加藤節も今回ばかりは霞んでしまうほどに。
ネタの吟味具合もそうですが、ここにきて各著者の筆のタッチも何だかシュッと一本引き締まった感があり、過去のタイトル中最高峰の出来ばえかとも思えたりします。
もともと著者の一人、戸神重明作品を目当てに本書を購入しました。個人的に戸神氏は同シリーズ「空蝉」以来注目している新進気鋭で、今回の「魂迎」では氏の作品が大幅なページ増となっておりファンとしては質的量的にも大々満足です。
さらに今回、もうお馴染みの顔ぶれである共著の深澤 夜氏と鳥飼 誠氏が良ネタ良作を一挙掲載してくれました。まさに豊作、大漁といったお得感は大です。
すべての話においてこれはハズレといったものがなく、各著者の得手とする話や、新提示への挑戦的な手法がそれぞれのエントロピーを持って読み手を楽しませてくれます。
どの話も個性的かつエンターテインメント性に富み、甲乙付け難く大変面白いのですが、特に個人的な趣味や嗜好でお薦めの作品を挙げますと次の通りです。
「駅のホームで」………小学生女子モノは怪談ネタのドル箱か?
「黄色のTシャツ」………絡みつくような凄惨な怪奇描写は読んでいて引くレベル…
「幽体離脱」………ネタ(笑)と怪奇のカオス融合、驚愕の着地はお見事
「サクラ肉」………大正時代の古いお話、もはや怪談時代劇。馬怖わっ!
「東北の竹筒」………東北地方の民族学的高級ネタにして何だかやるせないお話
「土産話」………修学旅行の(超厭な)思い出…
「灯火採集」………宵闇礼賛、リッチで狂おしい闇
「トーテムポール」………藤子不二雄A 的な
「すぴっくすぱっく」………ヤバ過ぎてとてもお薦めできません!
「博士」………日常ネタ。集合住宅の困ったご近所さんの怪
「出張ストリップ」………ゲスなシチュ(笑)が意外と怪奇によく合うことうけあい!
「暗い海」………「ウルトラQ」や「怪奇大作戦」を彷彿
「初恋の人」………38P短編小説並みのボリューム。夏の孤島が舞台、少年が見た狂気
と本編はエキセントリックな表誌絵に見劣りしない濃い内容です。心無しか巻頭の加藤節も今回ばかりは霞んでしまうほどに。
2014年5月6日に日本でレビュー済み
この話だけが何か変な、引っ掛かりを残してくれた話だった。
内容的には物足りなささも感じたものの島、少年、孤独、土着的恐怖、意識をしなかった初恋など
親父的にグッとくる要素があってよかったです。実話怪談って粗製濫造の感じがあるけど
こういう話があるから油断ならん
内容的には物足りなささも感じたものの島、少年、孤独、土着的恐怖、意識をしなかった初恋など
親父的にグッとくる要素があってよかったです。実話怪談って粗製濫造の感じがあるけど
こういう話があるから油断ならん
2013年10月21日に日本でレビュー済み
妙な噂がある→そんなばかな話なんて→妙なものを見た→特に何をされるでもなくそいつが消えた→あれはなんだったんだろうか……
こんな感じの短編が延々と続く。
三人の筆者の作品をひとつずつ読んでみたら、どれが誰の文なのやら皆目見当がつきませんでした。
書き方に特徴がない。
迫ってくる恐怖がない。
ハラハラしない。どこか白けている。
主人公との絡みも因縁も無い。
徹頭徹尾思い切りつくり話っぽい。
「なんか変なものが現れた。そいつが何もせずに消えた」こればかり。
ヨーロッパの田園風景でも、もう少し変わり映えがあるでしょう。同じウイスキーだって産地で味が違うでしょう。
頁が短いのでそこに恐怖の演出のすべて詰め込むのは難しいでしょうが、それをやってこそ面白さも怖さも引き立つのでは。
プロの、怖いもの好きの、本気の怖い話を期待していました。
正直なところ、数ページ分の文章量だったらそっち方面のまとめサイトの方が怖い。
こんな感じの短編が延々と続く。
三人の筆者の作品をひとつずつ読んでみたら、どれが誰の文なのやら皆目見当がつきませんでした。
書き方に特徴がない。
迫ってくる恐怖がない。
ハラハラしない。どこか白けている。
主人公との絡みも因縁も無い。
徹頭徹尾思い切りつくり話っぽい。
「なんか変なものが現れた。そいつが何もせずに消えた」こればかり。
ヨーロッパの田園風景でも、もう少し変わり映えがあるでしょう。同じウイスキーだって産地で味が違うでしょう。
頁が短いのでそこに恐怖の演出のすべて詰め込むのは難しいでしょうが、それをやってこそ面白さも怖さも引き立つのでは。
プロの、怖いもの好きの、本気の怖い話を期待していました。
正直なところ、数ページ分の文章量だったらそっち方面のまとめサイトの方が怖い。