大量生産の代名詞となった「フォードシステム」と、産業合理化の究極としてトヨタが誇る「カンバン方式」の連続性を関係者の証言や、関連データを丹念に拾い集めることで紡ぎ合わせ、その過程で俗に「フォードシステム}=ベルトコンベヤーの導入、「かんばん方式」=ジャストインタイムといっただけの通俗的な理解を丁寧に揉みほぐしていく。
圧倒的な後発であるトヨタが、先進アメリカの大量生産として一世を風靡していた「フォードシステム」の核を部品や作業工程などを含んだ「標準化」により「流れ作業」を可能とすること読み解き、世界で自動車産業として生き残るために必死に、会社の能力に応じて推進区制、号口管理、大野ライン、マテリアルハンドリングなどの「改善」を続けた結果「カンバン方式」へと行き着いたということ。
教育により人材を育て上げ、製造部プラス育て上げた彼らによる上と下からの改善の中で流れ作業をダイヤグラム式に管理することが出来るようになった。その中での工夫のアイテムの一つが「(仕掛け/引取り)かんばん」と名付けられているに過ぎないということが非常によく分かる。
トヨタがここ数年の間に一挙に海外進出、生産台数を増やしその短期的な好業績を持て囃す言説は溢れたが、まさにこの本の本旨の通り、トヨタにトヨタの経営力を持て囃す言説の毒が回り、自身の力の源泉(社員教育、成功報酬という還元)を見誤ったが故の短慮であったことが今日の大量リコール、バッシングとして跳ね返ってきたとも読み取くことが可能となっている。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
¥6,820¥6,820 税込
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
¥6,820¥6,820 税込
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
¥1,170¥1,170 税込
配送料 ¥257 6月14日-15日にお届け
発送元: リサイクル商品在宅買取【りもったい】(株式会社シガースタイル) 販売者: リサイクル商品在宅買取【りもったい】(株式会社シガースタイル)
¥1,170¥1,170 税込
配送料 ¥257 6月14日-15日にお届け
発送元: リサイクル商品在宅買取【りもったい】(株式会社シガースタイル)
販売者: リサイクル商品在宅買取【りもったい】(株式会社シガースタイル)
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
ものづくりの寓話―フォードからトヨタへ― 単行本 – 2009/9/10
和田 一夫
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥6,820","priceAmount":6820.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"6,820","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"VyMYf8vrfd6i9zTWhviC0FjaeaeLDPsZ35f%2BxbGZufaC8C8KbxzWnkH%2BB2XnOqCC%2BPWY6SyzkvL7x7%2B%2F8C7pF30Mu4ZMccMmON1537OkDXAA70TGzCenKkuU8DUqtQ0o","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥1,170","priceAmount":1170.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"1,170","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"VyMYf8vrfd6i9zTWhviC0FjaeaeLDPsZtb5gDRuMhGSlTOG7nqof2ItQdXJEpXTei13xTsLlnz5qHLA1FAivf8njH7NJ6bFcge8vUS7Z4rcNh%2FqO26Odu81Ug6lXZfXXfcvhDXejhQiyAy%2FsOGuWarNVxHkSYHz6MCih770cw7PumMZTevdnwA%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
「原点」を問い直す。—— 日本で自動車の大量生産はいかにして成し遂げられたのか。誤解に満ちたフォード・システムの実態を明らかにすることからはじめ、その日本への導入について考察。事実を見つけ出し一つひとつ積み上げていくことで、出来合いのイメージの向こうから、トヨタが構築してきた生産方式のまったく新たな相貌が浮かび上がる。
- ISBN-104815806217
- ISBN-13978-4815806217
- 出版社名古屋大学出版会
- 発売日2009/9/10
- 言語日本語
- 本の長さ628ページ
よく一緒に購入されている商品
対象商品: ものづくりの寓話―フォードからトヨタへ―
¥6,820¥6,820
最短で6月13日 木曜日のお届け予定です
残り2点(入荷予定あり)
¥6,270¥6,270
最短で6月13日 木曜日のお届け予定です
残り2点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
出版社からのコメント
第53回 日経・経済図書文化賞受賞!
吉川洋氏(東京大学教授)の総評より【2010年11月3日付日本経済新聞・26頁】
……いつの日にかデトロイトを凌駕しようとは誰も夢想だにしなかった日本の自動車産業。日本の自動車産業はいかにして今日の地位を築いたのか ------ 。本書はこうした問いに答えるべく、戦前からのトヨタの歩みを跡づけた大著である。
トヨタといえばカンバン方式という、通り一遍の通説が流布する中、著者はその誤りを一つ、また一つと実証していく。そもそもトヨタ以前に有名なフォードのT型車についても、私たちは「神話」を信じきっていたようだ。
とはいえ、部品表のシステム化こそがトヨタによる生産方式革新のコアだとする本書の一大テーゼを、このわずかのスペースで分かりやすく紹介するのはそもそも不可能である。詳しくは優れた学術書であるとともに、読み物としても興趣あふれる本書を実際に手にとって読んでいただくしかないだろう。
審査委員会では「本書は特賞に値する」という声もあった。今年度最大の収穫であるだけでなく、長く学界の財産となるべき著作であるといえよう。……
伊丹敬之氏(東京理科大学教授)の選評より【2010年11月3日付日本経済新聞・26頁】
……著者は読者を著者自身の「素朴な疑問」の連続の旅に誘う。出発点は「コンベヤー方式はフォード生産方式の真実か」である。
ハイランドパーク工場からリバールージュ工場へ、そして工場の建物や機械の配置から工場内のものの流れへ、……(中略)……著者が語るディテールに圧倒されながら、読者は自動車を中心とする「互換性部品」を用いる大量生産方式がいかに変貌を遂げてきたか、その歴史の流れを感じることになる。
「ものの流れと思想の流れ」、これがこの本の基本モチーフのように見える。歴史家とは恐ろしいものである。小さく見えることをないがしろにせず徹底的に調べた上で、膨大な資料を紡いで歴史の流れを描き出すことに成功している。
その流れを本書は寓話という視点でもとらえようとした。誰もが信じているが、もはや真実のコアではない話、それが著者のいう寓話である。……(中略)……
……アカデミズムの徹底と現実感覚の鋭さ、そして細かなティテールと大きな歴史の流れが同居した希有な大作である。
吉川洋氏(東京大学教授)の総評より【2010年11月3日付日本経済新聞・26頁】
……いつの日にかデトロイトを凌駕しようとは誰も夢想だにしなかった日本の自動車産業。日本の自動車産業はいかにして今日の地位を築いたのか ------ 。本書はこうした問いに答えるべく、戦前からのトヨタの歩みを跡づけた大著である。
トヨタといえばカンバン方式という、通り一遍の通説が流布する中、著者はその誤りを一つ、また一つと実証していく。そもそもトヨタ以前に有名なフォードのT型車についても、私たちは「神話」を信じきっていたようだ。
とはいえ、部品表のシステム化こそがトヨタによる生産方式革新のコアだとする本書の一大テーゼを、このわずかのスペースで分かりやすく紹介するのはそもそも不可能である。詳しくは優れた学術書であるとともに、読み物としても興趣あふれる本書を実際に手にとって読んでいただくしかないだろう。
審査委員会では「本書は特賞に値する」という声もあった。今年度最大の収穫であるだけでなく、長く学界の財産となるべき著作であるといえよう。……
伊丹敬之氏(東京理科大学教授)の選評より【2010年11月3日付日本経済新聞・26頁】
……著者は読者を著者自身の「素朴な疑問」の連続の旅に誘う。出発点は「コンベヤー方式はフォード生産方式の真実か」である。
ハイランドパーク工場からリバールージュ工場へ、そして工場の建物や機械の配置から工場内のものの流れへ、……(中略)……著者が語るディテールに圧倒されながら、読者は自動車を中心とする「互換性部品」を用いる大量生産方式がいかに変貌を遂げてきたか、その歴史の流れを感じることになる。
「ものの流れと思想の流れ」、これがこの本の基本モチーフのように見える。歴史家とは恐ろしいものである。小さく見えることをないがしろにせず徹底的に調べた上で、膨大な資料を紡いで歴史の流れを描き出すことに成功している。
その流れを本書は寓話という視点でもとらえようとした。誰もが信じているが、もはや真実のコアではない話、それが著者のいう寓話である。……(中略)……
……アカデミズムの徹底と現実感覚の鋭さ、そして細かなティテールと大きな歴史の流れが同居した希有な大作である。
レビュー
「……本書では、昭和初期の近代工業が家内工業の手仕事の「ものづくり」から脱却して、戦後の高度成長期に世界に誇る大量生産システムを構築してゆく過程が明らかにされる。それはそのまま「ものづくり」概念の更新の歴史でもある。
しかし著者は、その輝かしい歴史を懐かしむのではない。一般の通念を解体して、この百年間、製造業が何を追求し、それをどう実現してきたのかを再検討するのである。それなくしては、先人の知恵の継承はないというのが著者の信念である。
本書はまず、大量生産時代の幕を開けたフォード・システム=移動式組立ラインという「寓話」を解体する。……(中略)……このシステムで生産効率の向上と大量生産を実現するためには、ラインに供給される部品の仕様と品質が一定であることや、各工程の作業時間の平準化が達成されていなければならない。つまりキーワードは、コンベヤーよりも、生産工程全体の有機的な流れと、それを可能にする互換性部品だったのである。……(中略)……
……「流れ作業」の実現のために、数万点もの部品供給に日々生じる過不足や、各工程に滞留する部品と仕掛品の山をいかに解消するか。必要なときに必要な部品が供給されるジャスト・イン・タイムのシステムをいかに構築するか。戦後の60年代まで続くその挑戦と試行錯誤の過程の検証は、本書の白眉である。とくに、工作機械から人間まで、その作業のすべてを時間で計測して「標準作業」を設定してゆく過程に、かつてフォード・システムを観察し、作業とは何かを見抜いた日本人の眼があると著者はいう。
最少のコストで一定の品質の製品を大量生産する二十世紀のシステムは、労働者の身体と生活をもそこに組み込みながら、規模の経済性を求めて、今日までひたすら拡大し続けてきた。トヨタが先導した日本のこの「ものづくり」が岐路に立ついま、次世代を担う人たちが、本書をぜひ、読み込んでほしいと思う。」(高村 薫 氏) --「朝日新聞」(2009/11/15朝刊)読書欄より
しかし著者は、その輝かしい歴史を懐かしむのではない。一般の通念を解体して、この百年間、製造業が何を追求し、それをどう実現してきたのかを再検討するのである。それなくしては、先人の知恵の継承はないというのが著者の信念である。
本書はまず、大量生産時代の幕を開けたフォード・システム=移動式組立ラインという「寓話」を解体する。……(中略)……このシステムで生産効率の向上と大量生産を実現するためには、ラインに供給される部品の仕様と品質が一定であることや、各工程の作業時間の平準化が達成されていなければならない。つまりキーワードは、コンベヤーよりも、生産工程全体の有機的な流れと、それを可能にする互換性部品だったのである。……(中略)……
……「流れ作業」の実現のために、数万点もの部品供給に日々生じる過不足や、各工程に滞留する部品と仕掛品の山をいかに解消するか。必要なときに必要な部品が供給されるジャスト・イン・タイムのシステムをいかに構築するか。戦後の60年代まで続くその挑戦と試行錯誤の過程の検証は、本書の白眉である。とくに、工作機械から人間まで、その作業のすべてを時間で計測して「標準作業」を設定してゆく過程に、かつてフォード・システムを観察し、作業とは何かを見抜いた日本人の眼があると著者はいう。
最少のコストで一定の品質の製品を大量生産する二十世紀のシステムは、労働者の身体と生活をもそこに組み込みながら、規模の経済性を求めて、今日までひたすら拡大し続けてきた。トヨタが先導した日本のこの「ものづくり」が岐路に立ついま、次世代を担う人たちが、本書をぜひ、読み込んでほしいと思う。」(高村 薫 氏) --「朝日新聞」(2009/11/15朝刊)読書欄より
著者について
和田 一夫(わだ かずお)
1949年生まれ。一橋大学商学部卒業(1973年)、ロンドン大学(LSE)でPh.D.を取得(1989年)。南山大学経営学部助教授などを経て、現在は東京大学大学院経済学研究科教授。
著 書:
Fordism Transformed(共編著、Oxford University Press、1995年)
『豊田喜一郎伝』(共著、名古屋大学出版会、2002年)
『豊田喜一郎文書集成』(編、名古屋大学出版会、1999年)
D.A. ハウンシェル『アメリカン・システムから大量生産へ』(共訳、名古屋大学出版会、1998年)
G. オーウェン『帝国からヨーロッパへ』(監訳、名古屋大学出版会、2004年)
『企業家ネットワークの形成と展開』(共著、名古屋大学出版会、2009年)
(所属等は初版第1刷発行時のものです。)
1949年生まれ。一橋大学商学部卒業(1973年)、ロンドン大学(LSE)でPh.D.を取得(1989年)。南山大学経営学部助教授などを経て、現在は東京大学大学院経済学研究科教授。
著 書:
Fordism Transformed(共編著、Oxford University Press、1995年)
『豊田喜一郎伝』(共著、名古屋大学出版会、2002年)
『豊田喜一郎文書集成』(編、名古屋大学出版会、1999年)
D.A. ハウンシェル『アメリカン・システムから大量生産へ』(共訳、名古屋大学出版会、1998年)
G. オーウェン『帝国からヨーロッパへ』(監訳、名古屋大学出版会、2004年)
『企業家ネットワークの形成と展開』(共著、名古屋大学出版会、2009年)
(所属等は初版第1刷発行時のものです。)
登録情報
- 出版社 : 名古屋大学出版会 (2009/9/10)
- 発売日 : 2009/9/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 628ページ
- ISBN-10 : 4815806217
- ISBN-13 : 978-4815806217
- Amazon 売れ筋ランキング: - 787,300位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 7,818位産業研究 (本)
- - 48,884位投資・金融・会社経営 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4.6つ
5つのうち4.6つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
7グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ