本書は、「哺乳類全体の20%に相当する約1300種(そのうち日本に生息するのは35種)」いるという翼手目(コウモリ目)の本。ちなみに哺乳類を「種類の多い順に」いくと、げっ歯目(ネズミ目)、翼手目(コウモリ目)、トガリネズミ目となり、「これらトップ3だけで哺乳類全体の7割以上、すなわち4000種を占め、一番種類の多いネズミ目は約2300種で全体の40%を占めている」という。しかし、その中で、飛翔できる(滑空するだけでなく)のはコウモリだけである。
本書でなにより実感するのは、それほど数多くいるというコウモリについて無知であったことだ。薄暮の世界をひらひらはらはら飛び回るコウモリについて、本書はたいへんよく知ることのできる本である。書籍タイトルにある「逆さ」の問題もそうだが、「超音波」の問題もある。超音波を利用して暗闇を飛び、餌を捕獲するのであれば、その目はどうなっているのか。見えるのか見えないのか。手の構造は、どうなっているのか。鳥の翼、羽とどうちがうのか。そのスピードは、ひらひらはらはらに見られる知恵は、捕食者である猛禽類等との関係は・・・。また、「野生下のコウモリの最高齢記録は・・41歳という」、その「驚異的な長寿」の秘密についても記される。
本書はNatsume-sha Scienceシリーズの一冊である。その編集方針によるものなのだろう。単に、コウモリの生態について知るだけでなく、関連する科学的情報も多く示される。飛ぶに際しての「揚力」の問題や「超音波」による「エコーローケーション」、コウモリと感染症の話題では「ウイルス」が、「スーパー高度な休眠方法」として「トーパ」が取り上げられる。また、「生態系サービス(Ecosystem service)についての記述もあり「コウモリの経済的価値はアメリカだけで2兆円!」などという見出しもある。
著者は、「面白くて面白くて、それこそ夜型(というか、コウモリ型?)人間になっていき、コウモリの世界にどんどんハマって」、「気づけばいつの間にか会社を辞め、コウモリをメイン」の写真家となった方(巻頭8ページカラー写真あり。科学的専門的知識は監修者に頼っている)。著者の、コウモリ好き好き大好きという愛情の伝わってくる一冊である。
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ボクが逆さに生きる理由 誤解だらけのこうもり (Natsume-sha Science) 単行本(ソフトカバー) – 2017/10/19
◆日本の夜空はコウモリだらけ
◇人がいない洞窟や森、大き目な雑木林はもちろん、都心部の公園
などにも、コウモリは生息しています。夕方、空を見上げて、大き
さは小鳥ぐらいなのに、ちょっとヘンな飛び方をしているのは、た
いてい、コウモリです。こうもりは、それほど身近にいるのです。
◆わかってきたこと、まだわからないこと
◇飛ぶ能力や超音波(エコーロケーション)については、かなりの
ことがわかりはじめており、本書でしっかり解説しています。しか
し、どのように進化してきたのかは謎のままです。また、生態につ
いて、休眠状態(トーパー)など、面白いことが、たくさんわかり
はじめています。これも本書でていねいに解説しています。
◆コウモリは人類を救う?!
◇哺乳類を比べると、小さい割に、コウモリはとびぬけて長生きな
ことがわかります。研究が進めば、長寿の薬ができるかもしれませ
ん。また、鳥よりも体が重いのに飛行できる能力も重要です。もし、
はばたき飛行機ができれば、滑走路が不要になり、騒音もなくなり
ます。人類の発展に大いに貢献する可能性があるコウモリについて、
本書では、研究の最前線を、楽しい文章で解説しました。
【主要目次】
第1 章 コウモリのこと、どれくらい知っていますか?
第2 章 進化の謎を探る
第3 章 飛行メカニズムの謎に迫る
第4 章 超能力ではない、超音波だよ
第5 章 知りたい! 長寿の秘密
◇人がいない洞窟や森、大き目な雑木林はもちろん、都心部の公園
などにも、コウモリは生息しています。夕方、空を見上げて、大き
さは小鳥ぐらいなのに、ちょっとヘンな飛び方をしているのは、た
いてい、コウモリです。こうもりは、それほど身近にいるのです。
◆わかってきたこと、まだわからないこと
◇飛ぶ能力や超音波(エコーロケーション)については、かなりの
ことがわかりはじめており、本書でしっかり解説しています。しか
し、どのように進化してきたのかは謎のままです。また、生態につ
いて、休眠状態(トーパー)など、面白いことが、たくさんわかり
はじめています。これも本書でていねいに解説しています。
◆コウモリは人類を救う?!
◇哺乳類を比べると、小さい割に、コウモリはとびぬけて長生きな
ことがわかります。研究が進めば、長寿の薬ができるかもしれませ
ん。また、鳥よりも体が重いのに飛行できる能力も重要です。もし、
はばたき飛行機ができれば、滑走路が不要になり、騒音もなくなり
ます。人類の発展に大いに貢献する可能性があるコウモリについて、
本書では、研究の最前線を、楽しい文章で解説しました。
【主要目次】
第1 章 コウモリのこと、どれくらい知っていますか?
第2 章 進化の謎を探る
第3 章 飛行メカニズムの謎に迫る
第4 章 超能力ではない、超音波だよ
第5 章 知りたい! 長寿の秘密
- 本の長さ248ページ
- 言語日本語
- 出版社ナツメ社
- 発売日2017/10/19
- 寸法18.8 x 12.8 x 1.8 cm
- ISBN-104816363459
- ISBN-13978-4816363450
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商品の説明
著者について
福井大(ふくい だい)
東京大学大学院北海道演習林/森林圏生態学研究室助教
1976年岐阜県生まれ東京育ち。1998年北海道大学森林科学科卒業。
2004年北海道大学大学院農学研究科博士後期課程修了。学振特別
研究員(森林総合研究所北海道支所)、韓国国立生物資源館外国人
特別研究員、和歌山大学特任助教、東京大学特任助教を経て、2015
年6月より現職。専門分野は哺乳類生態学。
高田礼人(たかだ あやと)
北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター教授。
1968年東京都生まれ。93年北海道大学獣医学部卒業。1996年同大
獣医学研究科修了。
1997年北海道大獣医学研究科助手、2000年東京大学医科学研究所助手、
2005年より現職。2007年よりザンビア大学獣医学部客員教授、2009年
より米国RMI(ロッキーマウンテン研究所)客員研究員。専門は獣医学、
ウイルス学。
中島宏章(なかじま ひろあき)
1976年札幌市生まれ。(株)野生生物総合研究所で野生動物の調
査業務を9年経験。2007年、31歳でフリーとなり、調査業を続
けながら、憧れだった動物写真家を目指す。2010年、コウモリを
主人公にした20枚の組写真作品「BAT TRIP」で第3回 田淵行男
賞を受賞。2012年には第37回 木村伊兵衛写真賞のファイナリス
トにも。著書に『BAT TRIP~ぼくはコウモリ』(北海道新聞社、
2011年)、『たくさんのふしぎ~コテングコウモリを紹介します』(福
音館書店、2012年)などがある。現在、北海道各地でコウモリ写真
展・講演会を開催しながら、自身の写真活動や子育て経験を通じ、
現代社会の子どもたちの「自然離れ」をなんとかしたいと模索中。
北海道すべての市町村でコウモリ写真展・講演会・観察会を開催す
ることを目標とする「あなたの街のコウモリの森」プロジェクトに
取り組んでいる。
東京大学大学院北海道演習林/森林圏生態学研究室助教
1976年岐阜県生まれ東京育ち。1998年北海道大学森林科学科卒業。
2004年北海道大学大学院農学研究科博士後期課程修了。学振特別
研究員(森林総合研究所北海道支所)、韓国国立生物資源館外国人
特別研究員、和歌山大学特任助教、東京大学特任助教を経て、2015
年6月より現職。専門分野は哺乳類生態学。
高田礼人(たかだ あやと)
北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター教授。
1968年東京都生まれ。93年北海道大学獣医学部卒業。1996年同大
獣医学研究科修了。
1997年北海道大獣医学研究科助手、2000年東京大学医科学研究所助手、
2005年より現職。2007年よりザンビア大学獣医学部客員教授、2009年
より米国RMI(ロッキーマウンテン研究所)客員研究員。専門は獣医学、
ウイルス学。
中島宏章(なかじま ひろあき)
1976年札幌市生まれ。(株)野生生物総合研究所で野生動物の調
査業務を9年経験。2007年、31歳でフリーとなり、調査業を続
けながら、憧れだった動物写真家を目指す。2010年、コウモリを
主人公にした20枚の組写真作品「BAT TRIP」で第3回 田淵行男
賞を受賞。2012年には第37回 木村伊兵衛写真賞のファイナリス
トにも。著書に『BAT TRIP~ぼくはコウモリ』(北海道新聞社、
2011年)、『たくさんのふしぎ~コテングコウモリを紹介します』(福
音館書店、2012年)などがある。現在、北海道各地でコウモリ写真
展・講演会を開催しながら、自身の写真活動や子育て経験を通じ、
現代社会の子どもたちの「自然離れ」をなんとかしたいと模索中。
北海道すべての市町村でコウモリ写真展・講演会・観察会を開催す
ることを目標とする「あなたの街のコウモリの森」プロジェクトに
取り組んでいる。
登録情報
- 出版社 : ナツメ社 (2017/10/19)
- 発売日 : 2017/10/19
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 248ページ
- ISBN-10 : 4816363459
- ISBN-13 : 978-4816363450
- 寸法 : 18.8 x 12.8 x 1.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 839,551位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,907位動物学
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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