今年の初頭までは同じぶんか社のホラーＭに連載されていた作品がアンソロジー単行本シリーズ｢トカゲ」として分派した3冊目です。
今号は絶好調の松田洋子さん｢相羽奈美の犬｣と登場人物達の死んだ目が尋常ではない熊谷蘭冶さん「嘆きの天使」、中世の偉人達が実名で表れる秋乃茉莉さん「賢者の石 聖地1184」刀の言葉が解ってしまう少年刀鍛冶が毎回刀絡みの事件に巻き込まれる かまたきみこさん「KATANA」柳田やなぎさんのちょっとエロティックな河童物「しりこだま」、端正な妖狐物の吉川うたたさん「すっくと狐」は八百比丘尼伝説を翻案した内容、永遠の生命を持った美しきヴァンパイヤが退廃して行く姿が哀れな矢萩貴子さん「薔薇のヴァンパイア」、生熊尚さんの描き込みが凄い見開き2ページのイラスト、少女ピカレスク物に死神や化けガラスが絡む灰野りつ子さん「ハイエナ少女の血とガッツ」 そして久し振りの花輪和一さんの「トン子ちゃん」が掲載されています。
同じく隔月化して健在のホラーＭとの差は、トカゲの方が年長向けで耽美、ストーリー重視、スプラッター表現控え目、と言う所でしょうか。
個人的には松田洋子さんと花輪和一さんが読める時点で即購入でしたが、灰野りつ子さんの漫画が一番引っ掛かりました。
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