NTTでは、電話時代の価値観を頑なに持ちIP技術を理解しない「施設屋」によって技術陣が牛耳られている。彼らがNGN構築に関心を奪われ、フレッツ網に必要な予算をつけなかったことが、昨年のフレッツ網での大規模障害の一因となった。グループ一体となって取り組むNGNも、蓋を開けると現行フレッツ網の後継にすぎず、中身は空っぽに近い。これもユーザの利便性を無視して自社の都合ばかりを反映されているからである。このようなNTTが守ろうとしているのは、株主でもユーザでもなく、自らの組織体制である。NTTが打ち上げる構想も、組織に一体感を出すためのものである。NGNもその一つで、このままスタートさせるとトラブルが起こる可能性が高いとの内部の声にかかわらず、持株会社は開始を遅らせる気配はない・・・。
このように本書に書かれている事柄は、NTTとつきあいウォッチしてきた人々にはなるほどを理解できるではないだろうか。NTTの独占的体質がよく問題となるが、現行体制維持を優先する官僚的行動原理にその源泉があるのではないかと思う。本書はそうしたNTT内部の姿を描いており非常に面白い。無論、本書の記述には著者の解釈による所もあると思うが、人々の生活等に大きな影響を与える企業だけに、この問題を広く一般の読者に問うた点に本書の大きな意義があると思う。
しかし、この官僚的体質が民営化20年以上経た今でも継続しているのは、市場競争の進展にもかかわらず、NTTが圧倒的で経営が安泰であった証拠でもある。本書が求めるNTTの自己変革はなかなか期待できないが、組織検討を2年後に控えた今、一石を投ずる本であることは間違いない。
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NTTの自縛 単行本 – 2008/1/31
宗像 誠之
(著),
日経コミュニケーション
(監修, 読み手)
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技術力と信頼性の高さに定評があり、日本の通信を引っ張ってきたNTT――。そのNTTの様子がどうもおかしい。
2006~2007年には大規模なIP電話の障害を引き起こし、NTTが将来を託して構築する次世代ネットワーク「NGN」のサービス内容にはユーザーからも身内からも不満の声が巻き起こる。経営陣が強調する「株主のため、ユーザーのための経営」という主張には、アナリストなどの市場関係者やユーザーが異論を唱える。
こうしたNTTの異変の根幹には、NTTを縛り続ける“ある価値観”があった。その価値観はかつてのNTTに繁栄をもたらし、時代が変わった今でも大きな影響力を持ち続け、弊害を生み出している。それはNTTを無意識のうちに縛り続けている。その正体とは何なのか?
通信・ネットワークの専門情報誌『日経コミュニケーション』の記者である著者が、NTTグループ各社の現場社員、幹部、OBなどへの長年の取材を通じて、NTTグループが直面する大きな課題を明らかにする、必読の1冊。
2006~2007年には大規模なIP電話の障害を引き起こし、NTTが将来を託して構築する次世代ネットワーク「NGN」のサービス内容にはユーザーからも身内からも不満の声が巻き起こる。経営陣が強調する「株主のため、ユーザーのための経営」という主張には、アナリストなどの市場関係者やユーザーが異論を唱える。
こうしたNTTの異変の根幹には、NTTを縛り続ける“ある価値観”があった。その価値観はかつてのNTTに繁栄をもたらし、時代が変わった今でも大きな影響力を持ち続け、弊害を生み出している。それはNTTを無意識のうちに縛り続けている。その正体とは何なのか?
通信・ネットワークの専門情報誌『日経コミュニケーション』の記者である著者が、NTTグループ各社の現場社員、幹部、OBなどへの長年の取材を通じて、NTTグループが直面する大きな課題を明らかにする、必読の1冊。
- 本の長さ200ページ
- 言語日本語
- 出版社日経BP
- 発売日2008/1/31
- ISBN-104822210790
- ISBN-13978-4822210793
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登録情報
- 出版社 : 日経BP (2008/1/31)
- 発売日 : 2008/1/31
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 200ページ
- ISBN-10 : 4822210790
- ISBN-13 : 978-4822210793
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2008年4月4日に日本でレビュー済み
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著者の主張をひとことでいえば「NTT はいまだに電話的価値観の呪縛からぬけだせないために低迷している」ということになるだろう.フレッツ網の障害も NGN の低迷も電話的価値観のせいにされている.しかし,この本の内容をすなおによむと,これはこじつけだとおもえる.
フレッツの成功はこの呪縛をまぬがれて自由にサービス開発ができたからだという.しかし,フレッツよりまえ / よりあと (NGN) においても,フレッツにおいても,NTT が電話以外にめぼしいサービスを開発したことがあっただろうか? この本に書かれた NTT の動向は読むに値するが,著者の意見は聞くに値しないとおもわれる.
フレッツの成功はこの呪縛をまぬがれて自由にサービス開発ができたからだという.しかし,フレッツよりまえ / よりあと (NGN) においても,フレッツにおいても,NTT が電話以外にめぼしいサービスを開発したことがあっただろうか? この本に書かれた NTT の動向は読むに値するが,著者の意見は聞くに値しないとおもわれる.
2014年9月3日に日本でレビュー済み
「電話的価値観」という表現で、NTTの体制、システム障害、NGNなどを繰り返し非難している。著者はNTTグループに対して強い感情的な何かがあるのではないかと思わせる。それは、いい側面では、よく取材している、という点。多数の幹部から言質を取っていたり、人事に詳しかったりと、これは記者という立場に加えて情熱がないとなかなかできない。反対の側面は、ややNTT非難に焦点を当てすぎているという点。NTTについて詳しくはないが、若干偏っているように感じた。
2010年2月7日に日本でレビュー済み
NTT西日本は、
2兆円近い売上に対して、
営業利益が30億円。
東日本でも、
2兆円の売上に対して、
300億円の営業利益。
いくらなんでも低すぎるでしょ。
組織の改革…できないんだろうなぁ。
すべてにおいて内向きだから。
2兆円近い売上に対して、
営業利益が30億円。
東日本でも、
2兆円の売上に対して、
300億円の営業利益。
いくらなんでも低すぎるでしょ。
組織の改革…できないんだろうなぁ。
すべてにおいて内向きだから。
2008年2月29日に日本でレビュー済み
私自身もNTTの批判的であるので早速読んでみたが、筆者の主張はあまりにも稚拙で大方は納得いかない、いわゆる批判のための批判になってるように感じた。
筆者は電話時代を過去の産物と切り捨て、今のインターネットが是、電話は悪としてしまってるが、これはそんなに単純なものではないだろう。
確かにインターネットのオープン性は大事なファクターであるが、誰もマネージしないことの欠点があるのもの事実である。また、電話には電話の良い部分もあり、例えば全国あまねく繋がるユニバーサルサービスや、故障しにくい信頼性とか、機密性があるとかの品質の面などである。
従って、電話の良いところとインターネットの良いところを併せ持ったNGNを作ろうと言うのが、NTTの、いや各国キャリアの主張であるが、これは正しいはず。
筆者は、NGNを電話時代カルチャーへの先祖帰りだとか、結局何も変わってないだとかを主張するが、それはそうか?
例えばコンピュータシステムの、集中型と分散型などは次代ともにそれを行ったりきたりを繰り返している。つまり時代とともに変わってゆくものであって、未来永劫に渡る正解などはなかったのである。
集中から分散からへ行って、また集中に戻ってきたときには、昔の集中に先祖帰りしてるわけではなく、明らかに進化しているものである。つまり、善悪二元論の先祖帰りではなく、スパイラル的に進化しているのである。
筆者にそのような歴史観が無かったものと思われ大変残念である。
筆者は電話時代を過去の産物と切り捨て、今のインターネットが是、電話は悪としてしまってるが、これはそんなに単純なものではないだろう。
確かにインターネットのオープン性は大事なファクターであるが、誰もマネージしないことの欠点があるのもの事実である。また、電話には電話の良い部分もあり、例えば全国あまねく繋がるユニバーサルサービスや、故障しにくい信頼性とか、機密性があるとかの品質の面などである。
従って、電話の良いところとインターネットの良いところを併せ持ったNGNを作ろうと言うのが、NTTの、いや各国キャリアの主張であるが、これは正しいはず。
筆者は、NGNを電話時代カルチャーへの先祖帰りだとか、結局何も変わってないだとかを主張するが、それはそうか?
例えばコンピュータシステムの、集中型と分散型などは次代ともにそれを行ったりきたりを繰り返している。つまり時代とともに変わってゆくものであって、未来永劫に渡る正解などはなかったのである。
集中から分散からへ行って、また集中に戻ってきたときには、昔の集中に先祖帰りしてるわけではなく、明らかに進化しているものである。つまり、善悪二元論の先祖帰りではなく、スパイラル的に進化しているのである。
筆者にそのような歴史観が無かったものと思われ大変残念である。
2008年2月16日に日本でレビュー済み
毎年この時期に出る日経コミュニケーションのシリーズで,1年間の通信業界の動きをおさらいするのによいのでいつも楽しみにしているのですが,今回は少々深みが足りないような気がします.例年であれば,KDDIやソフトバンクなど他の通信事業者や監督官庁である総務省との絡みも交えて解説されているのですが,今回はNTTのNGNに話が絞られています.
本書の主題は,旧態依然とした電話的価値観を捨てない限り,NTTのNGNは成功しないだろうというところです.NGNという言葉がキーワードになった昨年でしたが,中身がはっきりしてくるにつれて次第に期待感が薄れていくというのは残念なことです.
電話的価値観とは何かとか, NGNはどうなっているのかということに興味のある方はご一読されるとよいでしょう.日経コミュニケーションのサイトを普段から読まれている方には重複が多いかもしれません.
本書の主題は,旧態依然とした電話的価値観を捨てない限り,NTTのNGNは成功しないだろうというところです.NGNという言葉がキーワードになった昨年でしたが,中身がはっきりしてくるにつれて次第に期待感が薄れていくというのは残念なことです.
電話的価値観とは何かとか, NGNはどうなっているのかということに興味のある方はご一読されるとよいでしょう.日経コミュニケーションのサイトを普段から読まれている方には重複が多いかもしれません.
2008年3月20日に日本でレビュー済み
NGNに対するNTTの体制について問題点が述べられています。その是非はともかくとして、本書では同じようなことの繰り返しばかりで著者による建設的な意見も述べられていません。値段に見合うだけの価値が感じられません。新書レベルの価格で十分です。
2008年4月21日に日本でレビュー済み
この本のテーマであるNGN構想も含め、なぜNTTは上場会社として当然である投資収益率に目を向けた経営ができないのか。この本を読むとその理由が見えてくる。著者は電話的価値観が現在のIP時代にそぐわないことを最も重要な理由としてあげている。だが、それ以上に根本的な問題はNTTの経営陣が経営資源を企業価値向上のために割くのではなく、NTTの現体制維持という目的のために割いていることであろう。規制を免れるためにほどほどの利益しか出さないという本末転倒のNTTの行動様式もNTT経営陣の頭の中では現体制維持という大義名分のために正当化されているのだろう。このような経営陣が組織問題に触れられると株主の利益に反すると株主を持ち出すのはほとんどブラックユーモアである。