今日本語で入手できる、アンチ・マネロン詳細解説本のお奨め本です。
アンチ・マネロン関連書籍は、橘玲氏の一連の「ファクション」を除けば
実務書という意味では何冊か出ています。
全部読んだわけではないのですが、その中でも、本書が一番詳しく、法制度や
実務面だけでなく、システム構築にいたる情報が満載で、かなり役に立ちます。
この手の分野の専門書は、なかなか一般書籍として書店に並ぶことはほとんど
ないと考えられますが、そんな状況の中、本書が一般書籍として適切な価格で
販売されていることの意義は大変大きいと思います。
一般生活者に向けたマネロンという犯罪の身近さから始まって、
FATFと相互審査結果を中心とした、最新の動向。
さらに、きわめつけは、５，６章で微細にわたって解説される、AMLシステム
導入にまつわるガイドラインは圧巻。これは類書にはマネできない、
さすが、システムベンダー兼ビジネスコンサルのIBMならでは、とうなります。
最後にある、FATFの相互審査結果が結果として惨敗？したことを
受けて、今後のあり方、方向性、動向を著者たちが座談会形式で語り合う付録は、
今後の当局、金融機関、証券、保険などステークホルダーの動向を見る上で
貴重な意見がたくさんあります。米国情報は特に貴重です。
とにかく、一般向けには最初のほうの注意喚起を読みこなせれば十分と
思われますが、AML関係者は本書は必携です。
欲を言えば、「用語集」「ベンダーソリューション」付録があると
助かったのですが。
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