本書は、現場に即したITプロジェクトマネジメントのノウハウを指南する。
例えば、以下のような内容。
■リスク評価と対応方針マトリックス：
リスクは、発生確率と影響度を基に５段階で評価する。各リスク評価のレベルに合わせて、予防対策と問題発生時の対策を事前に検討する。
例えば、リスク5なら、予防は必ず実施、発生時対策も可能な限り検討。リスク3なら、予防の実施は任意、発生時対策は必須、など。
■新技術採用時の注意：
次の点を熟慮する。①機能要件の実現可否、②性能、セキュリティなど非機能要件の実現可否、③新技術／ツールを前提とした開発手順の確立、④必要とされるスキルの取得。
■スケジュール管理：
各種のマネジメント業務（進捗管理や品質管理活動）をスケジュールに明示する。
クリティカル・パスに影響がないかを確認するマイルストーンを設定する。工程間、契約に関わる事項、リスクのトリガーポイントなど。
進捗管理のために、進捗率を工程別に細かく定義して標準化する。
■工数見積もりの配慮：
マネジメント係数とリスク係数を忘れないようにする。
要員は、必要とされる役割／設計スキル別にチーム編成を考え、それぞれについて工数を見積もる。
初期見積り→概算見積り→詳細見積りで、精度を上げていく。
■品質管理：
大きく4つの作業で実施する。①品質目標の設定、②測定方法の決定、③品質保証活動の計画、④是正処置の作成。
品質確保のために、要件定義や設計などの上流工程でできる施策としては、PMやリーダーによる論理モデルの検証、チーム同士による相互レビュー、データベースへのアクセスパスの検討
■テスト管理：
4つの管理で構成する。
①テストで発見された不具合に対処するための不具合管理、
②仕様変更要求を把握し、実施判断するための仕様変更管理、
③テスト進捗と品質を管理するテスト進捗管理、
④プロジェクト成果物への変更要求に対して、一貫性を保持するための構成管理。
■トラブルプロジェクトでまず何をするか：
PMBOKの知識エリアごとにプロジェクトをレビューする。
あまり目新しいことは、書いていないが、逆に言えば、問題が起きるプロジェクトはこうした当たり前ができていないということと理解した。
あとは、ステークホルダーのマネジメントについて、もう少し解説が欲しかった。
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