「面白かった」。
ただし、これには「どんな人間が読んだか」という
補足が要るように思う。
私は「虫に興味がありますか」と聞かれたら、
「ない」と答える種類の人間である。
「虫」と言われても、頭の中には多様性も詳細もない
十把ひとからげの「虫」のイメージしか浮かべられない。
そんな人間がなぜこの本を読んだか、と言えば、
それは「養老先生の本だから」ということにつきる。
要するに私は先生のファンなのである。
私はつねづね先生の書かれた本を面白い、と感じていて、
ただ、それでも、先生が書かれた内容の
すべてがわかったわけではないので、
先生をキーワードにして何でも読むことにしている。
わからないことが、少しでもわかるようになりたいので。
そして、私にはこの本は
「虫」に対する興味のある/なしという
個人的な先入観をクリアして
「面白かった」。
書かれている対象は、
「虫」であり、かつ「虫」ではなかった。
「虫」の話はどこかにつながって、
「虫」をその一部として含む、大きな景色が見えてきたりした。
私と同じような感じの人ならば、
同じような感想をお持ちいただけるのではないだろうか。
星が三つなのは、こういう少しバイアスのかかった人間が
面白かった、と述べることへの控えめな評価の表れです。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
私の脳はなぜ虫が好きか? 単行本 – 2005/6/30
養老 孟司
(著)
『バカの壁』『唯脳論』など多数の著書で、人間と人間、そして人間と自然について鋭い考察を行ってきた養老孟司。その幼少時代から現在にいたるライフワークは、実は昆虫採集と昆虫研究である。本書は、そんな著者にとって、初めての「昆虫と自然」「昆虫とヒト」に関する書籍だ。
虫の視点で、時にユーモラスに、時に鋭く、ひとを、科学を、社会を、経済を、政治を見つめ、そして語る。ときに、虫の目に立ち返って人間について思考し、ときに虫をもとめてアフリカ、マレーシア、オーストラリア、ブータンと世界中を渡り歩く。養老哲学の原点である「虫の目で考えること」をたっぷり教えてくれる、面白くってタメになる哲学と自然科学の本!
虫の視点で、時にユーモラスに、時に鋭く、ひとを、科学を、社会を、経済を、政治を見つめ、そして語る。ときに、虫の目に立ち返って人間について思考し、ときに虫をもとめてアフリカ、マレーシア、オーストラリア、ブータンと世界中を渡り歩く。養老哲学の原点である「虫の目で考えること」をたっぷり教えてくれる、面白くってタメになる哲学と自然科学の本!
- 本の長さ226ページ
- 言語日本語
- 出版社日経BP出版センター
- 発売日2005/6/30
- ISBN-104822244563
- ISBN-13978-4822244569
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 日経BP出版センター (2005/6/30)
- 発売日 : 2005/6/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 226ページ
- ISBN-10 : 4822244563
- ISBN-13 : 978-4822244569
- Amazon 売れ筋ランキング: - 267,204位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 285位昆虫学
- - 8,390位エッセー・随筆 (本)
- - 9,643位哲学・思想 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4.4つ
5つのうち4.4つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
4グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2007年6月11日に日本でレビュー済み
エコロジー関係の雑誌に連載された文章だそうである。虫が好きな人は「そうそう!」と思う話、関心の無い人には「そんなこと、どうでもいいじゃないか。」と大して面白くもない、そんな「なんということもない」虫の話である。1999-2002の連載文をまとめたものなので、「愛知万博予定地」など少し古くなった時事的な話題もある。が、昆虫を相手にしている時の著者ののびのびとした心の動きが素直に出ている文章もあり、「ひとって、こんな風にいろんな考えをまとめあげていくのだな」と思えるものもある。まあ、気楽に読み流せる一冊である。その割には、と考えると値段が少々高いかもしれない。
大学で長く研究をして疑問も生じたけれど、と著者は書いている。しかし「研究というのは、そうした疑問を解くことではなかった。研究は具体的だが、疑問は抽象的だったからである。」。どんな疑問も思考も「具体的」なところから始まるのだろうけれど、「仕事」という制約の中ではそこからはみ出した抽象的なものを育てることは難しい。著者は、そんなはみ出した部分を「虫」という他人には「なんということもない」世界につないで広げていったのではないだろうか。そんな著者の長年の心の動きが垣間見える。意味はわからないがなにか気になる世界をむやみに切り捨てないことも大事なのかもしれない。
表紙、裏表紙のゾウムシがなかなか気になってしかたがない。この立体は模型か?グラフィックスか?影も映っていて良くできている。機関車とかフィギュアとか、「何分の一」の模型は多いけれど、「何十倍」の模型もいいかも、などとつくづく眺めてしまった。ひっくり返し、ためつすがめつ見れば、どうでもいいことからいろいろとまた世界が広がりそうな気配がする。
大学で長く研究をして疑問も生じたけれど、と著者は書いている。しかし「研究というのは、そうした疑問を解くことではなかった。研究は具体的だが、疑問は抽象的だったからである。」。どんな疑問も思考も「具体的」なところから始まるのだろうけれど、「仕事」という制約の中ではそこからはみ出した抽象的なものを育てることは難しい。著者は、そんなはみ出した部分を「虫」という他人には「なんということもない」世界につないで広げていったのではないだろうか。そんな著者の長年の心の動きが垣間見える。意味はわからないがなにか気になる世界をむやみに切り捨てないことも大事なのかもしれない。
表紙、裏表紙のゾウムシがなかなか気になってしかたがない。この立体は模型か?グラフィックスか?影も映っていて良くできている。機関車とかフィギュアとか、「何分の一」の模型は多いけれど、「何十倍」の模型もいいかも、などとつくづく眺めてしまった。ひっくり返し、ためつすがめつ見れば、どうでもいいことからいろいろとまた世界が広がりそうな気配がする。
2005年7月7日に日本でレビュー済み
バカの璧で有名な養老先生は、昆虫にも多大な関心と愛情を持っていらっしゃいます。ですがただの昆虫記ではありません。
なぜ、虫を愛するのか。なぜ、気になるのか。そんな疑問を脳の働きから考えるという、刺激的なエッセーです。
虫の話をしつつも脳の話を、脳の話をしているかと思えばそれがそのまま昆虫の話になる。
脳の話は抽象的に語られると、なかなかつかみどころがわからなくなってしまいますが、昆虫という具体例を挙げることでわかりやすくなっています。なによりも著者が虫を無視できないほど大好きですから、出てくる例も当意即妙で最高にエキサイティングです。
なぜ、虫を愛するのか。なぜ、気になるのか。そんな疑問を脳の働きから考えるという、刺激的なエッセーです。
虫の話をしつつも脳の話を、脳の話をしているかと思えばそれがそのまま昆虫の話になる。
脳の話は抽象的に語られると、なかなかつかみどころがわからなくなってしまいますが、昆虫という具体例を挙げることでわかりやすくなっています。なによりも著者が虫を無視できないほど大好きですから、出てくる例も当意即妙で最高にエキサイティングです。