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人生の王道 単行本 – 2007/9/20
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たとえ経済的に豊かではなくても高邁に振る舞い、上に媚びず下には謙虚に接し、自己主張することもなく、他に善かれかしと思いやる---そんな美徳をもった日本人がたくさんいました。
また、そのような人々によって構成された集団も、自ら高い品格を備えていました。
たとえば、ものづくりの現場には、自分がつくった製品でお客さまに喜んでいただけることを誇りに思い、品質管理を強制されずとも、自分が手がけた製品の品質や出来映えに、万全の注意と細心の心配りを払い、手の切れるような上質の製品をつくる人々が存在しました。
それは、商品を売る店頭でも同様でした。駆け出しの店員であろうと、一生懸命にお客様の身になって尽くしました。その上質のサービスも決して上司にいわれたからではなく、またマニュアルに書いてあるからでもなく、もちろん売らんがためでもなく、思いやりに満ちた優しい心から自然に発露してくるものでした。
日本の企業が、そのような上質の人間に支えられていたからこそ、今日の日本経済の発展があるのだと思います。
ところが近年、世の中を見渡せば、以前にはとても考えられなかったような、ひどい出来事が続いています。(中略)
今こそ、日本人一人ひとりが、精神的豊かさ、つまり美しく上質な心をいかにして取り戻すかを考えなければなりません。年齢を問わず、すべての日本人が改めてその品格、品性を高めることが出来れば、日本は世界に誇る上質な国民が住む国として、再び胸を張れるようになるはずです。私は、それこそが、真の日本再生であると考えています。
(プロローグより)
- 本の長さ264ページ
- 言語日本語
- 出版社日経BP
- 発売日2007/9/20
- ISBN-104822244997
- ISBN-13978-4822244996
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登録情報
- 出版社 : 日経BP (2007/9/20)
- 発売日 : 2007/9/20
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 264ページ
- ISBN-10 : 4822244997
- ISBN-13 : 978-4822244996
- Amazon 売れ筋ランキング: - 22,816位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 38位日本の思想(一般)関連書籍
- - 51位東洋哲学入門
- - 1,619位人生論・教訓
- カスタマーレビュー:
著者について
1932年、鹿児島生まれ。鹿児島大学工学部卒業。59年、京都セラミック株式会社(現・京セラ)を設立。社長、会長を経て、97年より名誉会長。また、 84年には第二電電(現・KDDI)を設立、会長に就任。2001年より最高顧問。2010年2月より日本航空会長に就任。京都商工会議所名誉会頭。ス ウェーデン王立科学技術アカデミー海外特別会員。ワシントン・カーネギー協会名誉理事。全米工学アカデミー海外会員。1984年には稲盛財団を設立し理事 長に就任(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『地球文明の危機(倫理編) 新たな倫理をどう構築するか』(ISBN-10:4492223096)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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西郷隆盛の残した訓言自体が素晴らしいので単独で一度読んでみたいと感じました。
身につけたいと手に取った。「南洲翁遺訓」により、西郷の思想を語ることで自分の理想を述べ
ているが、肝に銘じたいことばかりだった。以下に惹かれた教えを挙げてみる。
・トップに立つ人間には、いささかの私心も許されない~「私心」が露わになったとき、組織は
ダメになってしまうのです。
・自分が最も損な役を引き受けるという勇気がなければ、上に立ってはならないのです。自己犠牲
を払う勇気のない人が上に立てば、その下に位置する人たちは不幸になってしまいます。
・「遺訓二五条」人を相手にしないで常に天を相手にするよう心がけよ。天を相手にして自分の
誠を尽くし、決して人の非を咎めるようなことをせず、自分の真心の足らないことを反省せよ。
・策略で勝ち得た成功は、決して長続きしないのです~猜疑心に満ち、油断も隙もない緊張の連続
で、良識とか良心に厚い人は心が休まる間がありません。
・社長は、全人格を組織に投影して会社を発展させていくという役割を担っています。
・~いったん立ち止まってでも、この国の大計について議論を尽くさなければならない~他の国々
に対して「徳」をもって報いることができる国、言い換えれば「富国有徳」の国をめざすべき~
日本という国を軍事力や経済力をもって高く位置づけるのではなく~グローバルな時代の中で、
いかに世界の他の民族と強調し、世界平和の一端を担っていくかを真剣に考える、そのような時代
がきたと思うのです。
・~欲で動かない人は何で動くのかといえば、誠、仁、義といったもので動く。そういう人でなけ
れば、困難をともに克服して、国家の大業をなすことはできないんだと、西郷はいっているわけです。
・国の内政も外交も、基本となるのは正道を踏むこと~策略をもって相手を貶めようとすれば、同じ
仕打ちがこちらにも返ってきます。力をっかさに着て我を通せば人の心は離れます。相手の顔色を
うかがい迎合すれば信用は得られません。
・人間としてどうあるべきかということに立脚して話せば、国家間の争いの大半は解決できると思う
のです。
・西郷は、人間の真っ直ぐな心というものが最も大切であると考え、自分自身が率先垂範、真心を
貫く人でありました。~純粋な心こそが一番強いものだということを、私も固く信じています。
・長い目で見れば、正道を貫くことが、一番楽なことなのです。なぜなら、繕い隠そうとするものが
何もないからです。自分の名誉や地位や、財産などにこだわりがあり、それを必死に守ろうとして、
複雑怪奇な策略を企て~憔悴してしまう~西郷は~人間にとって一番難しい、「無私」ということを、
その生涯で貫くことができた、希有な人物です。
・~企業という集団を指導する立場にある、リーダーの資質を問うことが、企業の不祥事を克服する
ために、今最も大切なこと
・~人格に歪みがあれば、才覚や熱意を正しい方向へと発揮させることができず、結果として誤った
方向に経営の舵取りを行ってしまうのです。
・~素晴らしい哲学を繰り返し学び、自らの血肉としていくことにより、はじめて人格を高め、それを
維持することができるようになるわけです。
・経営を伸ばしたいと思うならば~自分自身の心を高めることが先決であり、そうすれば業績は必ず
ついてくるのです。
・死ぬときにどういう魂になっているのかということが、人の一生の価値を決める~人生の目的とは、
お金儲けや立身出世など、いわゆる成功を収めることではなく、美しい魂をつくることにあり、人生
とはそのように魂を磨くために与えられた、ある一定の時間と場所なのだと私は思うのです。
・仕事に打ち込む、一心不乱に働くということを通して、心、魂、人格がつくられていくという意味
では、まさに修行なのです。
・「遺訓二七条」過ちを改めるにあたっては、自分から誤ったとさえ思いついたら、それでよい。
そのことをさっぱり思いすてて、すぐ一歩前進することだ。~心を痛めるような悩み方をやめる~
大失態のときですら、決して思い惑ってはならないと西郷はいうのです。
「無私の心で生きる」という行動指針がぶれないことが大切だと学んだ。