問題解決の場において、多様性がいかにして集団に恩恵を生むのか、また、問題点は何かということを、さまざまなモデルやデータを元に、丁寧に解説している。
一様な集団は、つまるところたった一人とほぼ同じであるため、個人平均以上の結果にはならないが、多様な集団は、さまざまな観点や問題解決法を持つため、結果として個人平均以上の結果を残す。しかし、多様性はこのように恩恵をもたらすが、それには前提条件があり必ずしも絶対ではない、というのが著者の主張である。
また、多様性にはコストが存在するため、その恩恵はコストを考慮する必要がある。すなわち、【多様性の正味の恩恵=多様なツールの恩恵の合計−多様性のコスト】となる。
研究開発に従事する私のような人間には、「多様性」についての本書の考え方は非常に参考になった。
なお、本書の「多様な意見はなぜ正しいのか」というタイトルに若干の疑問がある。本書の内容とやや食い違いがあるように思うし、意訳としてもやりすぎでは?
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
「多様な意見」はなぜ正しいのか 単行本 – 2009/1/22
名門P&Gの最高研究スタッフでも歯が立たなかった超難問を解いたのは、名もない科学者たちの寄せ集めだった。多様な人間集団がときに恩恵をもたらし、ときに害悪をもたらすのはなぜか?
複雑系研究の俊英が「多様性」の謎に挑んだ注目作。
「多様性研究のランドマークになる名著」――『まぐれ』の著者タレブ氏も激賞!
複雑系研究の俊英が「多様性」の謎に挑んだ注目作。
「多様性研究のランドマークになる名著」――『まぐれ』の著者タレブ氏も激賞!
- 本の長さ488ページ
- 言語日本語
- 出版社日経BP
- 発売日2009/1/22
- ISBN-104822246000
- ISBN-13978-4822246006
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
スコット・ペイジ(Scott E. Page):
ミシガン大学教授(複雑系、政治科学、経済学)、サンタフェ・インスティチュート外部研究員。著書に『Complex Adaptive
Social System』(Princeton)など。
水谷 淳(Jun Mizutani):
翻訳家。東京大学理学部卒業。博士(理学)。主な訳書に『量子コンピュータとは何か』(ジョージ・ジョンソン、早川書房)、『論理ノート』(D・Q・マキナニー、ダイヤモンド社)、『フーコーの振り子』(アミール・D・アクゼル、早川書房)、『量子が変える情報の宇宙』(ハンス・クリスチャン・フォン=バイヤー、日経BP社)、『数は科学の言葉』(トビアス・ダンツィク、同)、『もっとも美しい対称性』(イアン・スチュアート、同)がある。
ミシガン大学教授(複雑系、政治科学、経済学)、サンタフェ・インスティチュート外部研究員。著書に『Complex Adaptive
Social System』(Princeton)など。
水谷 淳(Jun Mizutani):
翻訳家。東京大学理学部卒業。博士(理学)。主な訳書に『量子コンピュータとは何か』(ジョージ・ジョンソン、早川書房)、『論理ノート』(D・Q・マキナニー、ダイヤモンド社)、『フーコーの振り子』(アミール・D・アクゼル、早川書房)、『量子が変える情報の宇宙』(ハンス・クリスチャン・フォン=バイヤー、日経BP社)、『数は科学の言葉』(トビアス・ダンツィク、同)、『もっとも美しい対称性』(イアン・スチュアート、同)がある。
登録情報
- 出版社 : 日経BP (2009/1/22)
- 発売日 : 2009/1/22
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 488ページ
- ISBN-10 : 4822246000
- ISBN-13 : 978-4822246006
- Amazon 売れ筋ランキング: - 202,304位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 15,191位投資・金融・会社経営 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2024年4月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
多様性というものについて、そのメリットデメリット含め、参考になるところはある。
一方で、それを企業の「成功」などに結びつけるのは安直とおもう。また、コンピュータプログラムの世界で言えることを現実世界にそっくり当てはめるような見方がチラホラ見受けられるので、そこも安易に感じるし、著書自身の考えはあまり「多様」ではないように感ぜられた。
一方で、それを企業の「成功」などに結びつけるのは安直とおもう。また、コンピュータプログラムの世界で言えることを現実世界にそっくり当てはめるような見方がチラホラ見受けられるので、そこも安易に感じるし、著書自身の考えはあまり「多様」ではないように感ぜられた。
2017年8月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
・サノーさん一言コメント
「多様性は、いつ、どこで、誰が、どのように生み出し、それが集合知となるのは、どういうプロセスなのか。複雑な構造に挑むことにより、集団の本質に迫る」
【サノーさんおすすめ度★★★★☆】
・ウノーさん一言コメント
「方程式で解き明かす、集団の在り方です。覚悟しておく必要がある、難易度です」
【ウノーさんおすすめ度★★★☆☆】
・サノーさん、ウノーさん読書会
サノーさん(以下サ):たぶん、30%も理解してない。
ウノーさん(以下ウ):難しかったですね。読む前には、チョコとかお菓子を用意しておく必要があります。
サ:特に、物事や現象を記号化し、数式化する手法は「文系脳」がもっとも苦手とするところで、読み進めると、正直、アレルギーに近い、反応があった。
ウ:普通に難しいテーマなのに、数式や方程式が混じるから「うわー、勘弁してくれ」と放り出したことも、数回ありました。
サ:「理系脳」の人なら、慣れ親しんだプロセスではあるから、きっと楽しめる一冊なんだと思う。
ウ:研究課題や例題は、身近なものやスポーツものもあって、なかには、ユーモラスな結果や皮肉も含まれているので、多少は笑えましたが、ここは笑っていいところなのか、悩む箇所が多くありました。
サ:むかし「スネークマンショー」という、ナンセンスギャグ集団があって、そのもちネタで「感情と言ってることが違う人」のを初めて観たときの、感覚だった。
ウ:竹中直人さんの「笑いながら怒る人」とかが有名ですよね。
私は「モンティ・パイソン」のコント場面を連想しながら、戸惑いました。
サ:真面目な紳士が、下半身パンツ一丁でカフェにいて、難しい顔で新聞を読んでいるが、周囲の人は気づいていないかのように普通にしていて、主人公ひとりだけが「変だ!」と騒いでいるコントだな。
ウ:深い検証、ロジックを巡る考察なんだと取り組んだのですが、ウチの「脳力」では、理解に至ることはできませんでした。
もちろん、新しい単語や新しい表現に触れて、新しい語彙力はついたと思うのですが、好みや解釈、ヒューリスティクの拡大と分類、多様性がもたらすもの、もたらさないものを炙り出す理論展開は、ついていけませんでした。
サ:人それぞれの理解と解釈は、集合したり散開したりしながら、全体性をもって正しい方へ向かうのだから、この不理解にめげることなく、学びを続けたい。
ウ:とはいえ、頭痛いです。
「グループのダイナミクスが健全であっても、妥協は難しい」という、たくさん挙げられているなかのひとつの結論すら、解説を読んでも、いまだに「どうして、そうなのか」については、納得できていませんから。
【了】
「多様性は、いつ、どこで、誰が、どのように生み出し、それが集合知となるのは、どういうプロセスなのか。複雑な構造に挑むことにより、集団の本質に迫る」
【サノーさんおすすめ度★★★★☆】
・ウノーさん一言コメント
「方程式で解き明かす、集団の在り方です。覚悟しておく必要がある、難易度です」
【ウノーさんおすすめ度★★★☆☆】
・サノーさん、ウノーさん読書会
サノーさん(以下サ):たぶん、30%も理解してない。
ウノーさん(以下ウ):難しかったですね。読む前には、チョコとかお菓子を用意しておく必要があります。
サ:特に、物事や現象を記号化し、数式化する手法は「文系脳」がもっとも苦手とするところで、読み進めると、正直、アレルギーに近い、反応があった。
ウ:普通に難しいテーマなのに、数式や方程式が混じるから「うわー、勘弁してくれ」と放り出したことも、数回ありました。
サ:「理系脳」の人なら、慣れ親しんだプロセスではあるから、きっと楽しめる一冊なんだと思う。
ウ:研究課題や例題は、身近なものやスポーツものもあって、なかには、ユーモラスな結果や皮肉も含まれているので、多少は笑えましたが、ここは笑っていいところなのか、悩む箇所が多くありました。
サ:むかし「スネークマンショー」という、ナンセンスギャグ集団があって、そのもちネタで「感情と言ってることが違う人」のを初めて観たときの、感覚だった。
ウ:竹中直人さんの「笑いながら怒る人」とかが有名ですよね。
私は「モンティ・パイソン」のコント場面を連想しながら、戸惑いました。
サ:真面目な紳士が、下半身パンツ一丁でカフェにいて、難しい顔で新聞を読んでいるが、周囲の人は気づいていないかのように普通にしていて、主人公ひとりだけが「変だ!」と騒いでいるコントだな。
ウ:深い検証、ロジックを巡る考察なんだと取り組んだのですが、ウチの「脳力」では、理解に至ることはできませんでした。
もちろん、新しい単語や新しい表現に触れて、新しい語彙力はついたと思うのですが、好みや解釈、ヒューリスティクの拡大と分類、多様性がもたらすもの、もたらさないものを炙り出す理論展開は、ついていけませんでした。
サ:人それぞれの理解と解釈は、集合したり散開したりしながら、全体性をもって正しい方へ向かうのだから、この不理解にめげることなく、学びを続けたい。
ウ:とはいえ、頭痛いです。
「グループのダイナミクスが健全であっても、妥協は難しい」という、たくさん挙げられているなかのひとつの結論すら、解説を読んでも、いまだに「どうして、そうなのか」については、納得できていませんから。
【了】
2013年4月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
もとの本はきっとすばらしいはず。でもあまりにも翻訳が直訳というか、読みづらくて、全く前に進みませんでした。
2012年8月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
多様性の価値や個人・集団による問題解決能力について、事例や例題をふんだんに交えながらとても丁寧に論理立てて書かれています。
当然ですが、書名にある主張の通り「多様な意見が正しいこと」が結論として書かれていますが、それが常に成立するわけではなく、多様な意見が個人の能力を上回るという状況(集団の多様性のあり方、解決する問題のタイプなど)の制約についてもしっかりと書かれています。
なので、盲目的に「多様な意見万歳」と言っているわけではなく、冷静に「いや、個人の方が優れてる場合もあるよ(多様な意見すぎて破綻する場合もあるよ)」と指摘がなされています。
また、最後のエピローグの章にある一文
「才能ある”自分”と才能ある”彼ら”が、さらに才能ある”自分たち”になれることを知っておくべきだ」という著者の言葉には心動かされました。
この言葉を本書を読んだことで深いレベルで理解することができました。それだけで本書を読む価値はあったと思います。
本書は論理立てつつも現実を見ながら(事例、例題を踏まえながら)しっかりと書かれています。
しかし、例題やたとえ話が多すぎ&例題にちなんだ無駄な戯言が多すぎ。そして本が重くて分厚すぎ。
正直、読んでいてイライラします。この内容であれば三分の一程度に短くまとめることは十分可能だと思います。
論理立てて解説しているのに、余計な例題が入ったりして話が一旦途切れたり、理論の本筋とは関係ないケースをいきなり引き合いに出して、「ただしこういう場合はこうです」みたいな説明が割り込んで来たり……。
小さなところで説明や主張が右往左往します(本書の主張である多様性が有効に働く場合と、そうでない場合があるためです)
これを丁寧過ぎる解説と著者のサービス・ユーモア精神ととらえるか、「早く本筋話せよ」と私のようにイライラしながら読むのかわかれると思います。
まあ内容的には素晴らしいと思いますし、読んで勉強になりましたが、
集合知について十分に理解している人や研究者向けではないと思います。
一般人やちょっと知的な話が好きな理系な方とか、集合知についてなんとなくしか理解できてない人向けだと思います。
当然ですが、書名にある主張の通り「多様な意見が正しいこと」が結論として書かれていますが、それが常に成立するわけではなく、多様な意見が個人の能力を上回るという状況(集団の多様性のあり方、解決する問題のタイプなど)の制約についてもしっかりと書かれています。
なので、盲目的に「多様な意見万歳」と言っているわけではなく、冷静に「いや、個人の方が優れてる場合もあるよ(多様な意見すぎて破綻する場合もあるよ)」と指摘がなされています。
また、最後のエピローグの章にある一文
「才能ある”自分”と才能ある”彼ら”が、さらに才能ある”自分たち”になれることを知っておくべきだ」という著者の言葉には心動かされました。
この言葉を本書を読んだことで深いレベルで理解することができました。それだけで本書を読む価値はあったと思います。
本書は論理立てつつも現実を見ながら(事例、例題を踏まえながら)しっかりと書かれています。
しかし、例題やたとえ話が多すぎ&例題にちなんだ無駄な戯言が多すぎ。そして本が重くて分厚すぎ。
正直、読んでいてイライラします。この内容であれば三分の一程度に短くまとめることは十分可能だと思います。
論理立てて解説しているのに、余計な例題が入ったりして話が一旦途切れたり、理論の本筋とは関係ないケースをいきなり引き合いに出して、「ただしこういう場合はこうです」みたいな説明が割り込んで来たり……。
小さなところで説明や主張が右往左往します(本書の主張である多様性が有効に働く場合と、そうでない場合があるためです)
これを丁寧過ぎる解説と著者のサービス・ユーモア精神ととらえるか、「早く本筋話せよ」と私のようにイライラしながら読むのかわかれると思います。
まあ内容的には素晴らしいと思いますし、読んで勉強になりましたが、
集合知について十分に理解している人や研究者向けではないと思います。
一般人やちょっと知的な話が好きな理系な方とか、集合知についてなんとなくしか理解できてない人向けだと思います。
2010年7月22日に日本でレビュー済み
「みんなの意見」は案外正しい
だけでは満足せず、さらに深く多様性について考察したい方向けの本である。他のレビューアの方が指摘している通り、タイトルは意訳し過ぎである。あくまでも「多様性の力」程度がふさわしいタイトルだと思う。
というのも、「多様な意見がなぜ正しいか」の証明は確かに行なっているが、それは本書の内容の一部を表現するだけである。さらに言えば、「衆愚が集合知に変わるとき」もあれば「衆愚は1人の英知に叶わない」どころか「好みの多様性を求めるために誰もが望まない結論に達する」パラドクスまで網羅されているからである。これらの証明は集合論や論理学を駆使したもので、著者は4割カットされたと言っているぐらい厳密・難解でくどいものである。専門家でもない限り、証明部分は飛ばして読んでも良いだろう。
・集団が優れた個人に勝つには、多様性を備えた多数の集団が必要である。
・多様性とは人種や外見ではなく、あくまでもアイデンティティや経験、教育に由来する視点や考え方である。
・能力と多様性は同じ価値を持つ。
・目標が多様な場合や、バイアスがかかった情報をもとにすれば、集団が狂気に走ることもある。
・多様性は1つの目的や目標に向かう時や予測する時に意味があり、目標や手段を求める時(選挙や行政、家庭の問題)には役に立たないこともある。
というのも、「多様な意見がなぜ正しいか」の証明は確かに行なっているが、それは本書の内容の一部を表現するだけである。さらに言えば、「衆愚が集合知に変わるとき」もあれば「衆愚は1人の英知に叶わない」どころか「好みの多様性を求めるために誰もが望まない結論に達する」パラドクスまで網羅されているからである。これらの証明は集合論や論理学を駆使したもので、著者は4割カットされたと言っているぐらい厳密・難解でくどいものである。専門家でもない限り、証明部分は飛ばして読んでも良いだろう。
・集団が優れた個人に勝つには、多様性を備えた多数の集団が必要である。
・多様性とは人種や外見ではなく、あくまでもアイデンティティや経験、教育に由来する視点や考え方である。
・能力と多様性は同じ価値を持つ。
・目標が多様な場合や、バイアスがかかった情報をもとにすれば、集団が狂気に走ることもある。
・多様性は1つの目的や目標に向かう時や予測する時に意味があり、目標や手段を求める時(選挙や行政、家庭の問題)には役に立たないこともある。
2009年5月8日に日本でレビュー済み
集合知、集合の知恵とは具体的に何か?を問うた本です。
まず序章は集合知を測定するアルゴリズムには遺伝的アルゴリズムを用いている事を
指し示しています。そしてその手法を紹介しています。
本書はパート2からが本題です。集合の知恵を用いて出した解答は非常に正確なのもだと
著者は言及します。
そのためには似たりよったエリート集団よりも様々な考え方、発想をもつ集団から
ランダムに選んだ方が正解に辿り着きやすい、もしくは正解へ近づく。
それを様々な事象から事例をこれでもかというくらいに持ち出して、説明しています。
本書の欠点は集合知を正確だと指し示すために表やグラフを持ち出してその正当性を
示唆していますが、かなり恣意性のある内容や強引にこじつけのある事例もあり、
とても感心できるものではないものも多々あります。
まだ集合知の研究は始まったばかりなので、サンタフェ研究所の猛者が書いた本でも
この水準のものかと落胆しています。
参考になるものもありますが、もし本書を読まれるならば十分に注意しながら、
著者の我田引水的な「集合知」の解説を吟味しながら読み解いてください。
それからまた本書を読まれた方からこのレビューを書いてくれる方が出てくる事を
願います。
それは私のレビューだけだと私的バイアスが強く働いてしますからです。
この本のレビューだけではなく、本サイトの☆は様々なレビューから
構成されているものの方がこうやって単一のレビューを書かれているものよりも
精度は必ず高い。それこそ「集合知」ですから。
まず序章は集合知を測定するアルゴリズムには遺伝的アルゴリズムを用いている事を
指し示しています。そしてその手法を紹介しています。
本書はパート2からが本題です。集合の知恵を用いて出した解答は非常に正確なのもだと
著者は言及します。
そのためには似たりよったエリート集団よりも様々な考え方、発想をもつ集団から
ランダムに選んだ方が正解に辿り着きやすい、もしくは正解へ近づく。
それを様々な事象から事例をこれでもかというくらいに持ち出して、説明しています。
本書の欠点は集合知を正確だと指し示すために表やグラフを持ち出してその正当性を
示唆していますが、かなり恣意性のある内容や強引にこじつけのある事例もあり、
とても感心できるものではないものも多々あります。
まだ集合知の研究は始まったばかりなので、サンタフェ研究所の猛者が書いた本でも
この水準のものかと落胆しています。
参考になるものもありますが、もし本書を読まれるならば十分に注意しながら、
著者の我田引水的な「集合知」の解説を吟味しながら読み解いてください。
それからまた本書を読まれた方からこのレビューを書いてくれる方が出てくる事を
願います。
それは私のレビューだけだと私的バイアスが強く働いてしますからです。
この本のレビューだけではなく、本サイトの☆は様々なレビューから
構成されているものの方がこうやって単一のレビューを書かれているものよりも
精度は必ず高い。それこそ「集合知」ですから。
2014年12月6日に日本でレビュー済み
「一人ひとりが何をすべきか、活気に満ちたこの世界にどんな貢献ができるか、それは、何らかの点で人と違うかどうか、他の人とは違う観点、解釈、ヒューリスティック、予測モデルの組み合わせを持つかどうかにかかっている」
個人的経験では、ある事について議論する際、欧米の外国人は多様な意見(たとえ反対意見でも)が出ること自体良しとするのに対し、日本人の場合(そうは口に出さずとも)「面倒臭いこと言うな~」という顔される事が少なくないように思う。「建設的である限り」多様な意見が出るのはイイ事だと思うが、問題はそれらを最終的にどうまとめるか?実はそれが一番大変だったりする。
個人的経験では、ある事について議論する際、欧米の外国人は多様な意見(たとえ反対意見でも)が出ること自体良しとするのに対し、日本人の場合(そうは口に出さずとも)「面倒臭いこと言うな~」という顔される事が少なくないように思う。「建設的である限り」多様な意見が出るのはイイ事だと思うが、問題はそれらを最終的にどうまとめるか?実はそれが一番大変だったりする。