別の本を読んでいいたら、市場原理主義はけしからん、政府の介入を否定するのはおかしい、人間は合理的ではない、という言説に何度も出くわし、どうもミルトン・フリードマンという人が、その代表論者であるようなことが書いてあったので、この本を読んでみることにしました。私は、思想とか哲学とか、歴史とか、経済学とかは特に詳しくありません。数理統計とか工学のほうの人間ですので、変なコメントをするかもしれません。
で、読んでみたのですが、私の印象では、この本がやっていることは、前半で、自由の概念や、政府の介入が是認される基準を明らかにした上で、 中半から、その考えを、いくつかの事象(金融、通貨、財政、教育、差別、企業、免許、分配、福祉、貧困)に応用しているだけですね。理科系的な議論の進め方と感じます。実際、 wikipediaの経歴をみると、もともとは数学や統計学に関心があったようですね。で、このミルトンさんがやったことは、具体的な問題の中で、政府が介入する境界を画定するとともに、その介入の在り方、役割とその限界の論理的帰結を説明していることですね。どちらかというと、市場礼賛ではなく、政府に頼ることの限界、信頼することのリスクではないでしょうか?
これまで読んだ本では、「市場原理主義、市場礼賛、政府の役割否定」といった非難が目に付くのですが、
どこにこういうことが書かれているのか、誰か教えてください。ミルトンさんって、政府の役割否定しているんですか?市場原理・万能で礼賛しているのですか?私には分かりません。それは、言い過ぎな感じがします。
6章以降は特に面白いです。8章で、企業が利潤以外の社会的なことに関心をもつことをダメといっています。レビューの中では皆さんこれに賛成していないようですが、私はこの意見は重要だと思います。20年ほど前から、財界が教育に口を出すようになっており、教育内容が大幅に歪められるようになってきている現下の状況で、ミルトンさんの8章の議論は重要だと思います。
思想とか学派とかいうことではなく、考え方を学ぶ上で、大変貴重な書物だと思います。この本は、個別の主張を暗記的に学ぶためにあるのではなく、考え方を学ぶ書物だと思います。
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資本主義と自由 (日経BPクラシックス) 単行本 – 2008/4/17
ミルトン・フリードマン
(著),
村井 章子
(翻訳)
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日経BPクラシックス 第1弾
ジョン・スチュアート・ミル『自由論』、フリードリッヒ・ハイエク『隷従への道』と並ぶ自由主義(リバタリアニズム)の三大古典の1冊。
本書が出版されたのは1962年。100万部近く売れた大ベストセラーだったが、国内で書評に取り上げたのは、アメリカン・エコノミック・レビュー誌の1誌だけ。
ケインズ派を中心とした経済学の主流派やメディアからは完全に黙殺された。なぜ? フリードマンが書いた内容があまりに「過激」だったからだ。
本書第2章に、政府がやる理由がない政策が14列挙されている。
●農産物の買取保証価格制度
●輸入関税または輸出制限
●農産物の作付面積制限や原油の生産割当てなどの産出規制
●家賃統制
●法定の最低賃金や価格上限
●細部にわたる産業規制
●連邦通信委員会によるラジオとテレビの規制
●現行の社会保障制度、とくに老齢・退職年金制度
●事業・職業免許制度
●いわゆる公営住宅および住宅建設を奨励するための補助金制度
●平時の徴兵制。「自由市場にふさわしいのは、志願兵を募って雇う方式である」
●国立公園
●営利目的での郵便事業の法的禁止●公有公営の有料道路
マルクス主義が20世紀を代表する思想だとすれば、フリードマンの自由主義は21世紀の主要思想になるはずだ。
多くの復刊希望に応えての画期的な新訳で、リバタリアンの真髄が手に取るように理解できる名著。
日本では1975年にマグロウヒル好学社から翻訳出版されたが、絶版になっていた。
本書は、2002年にシカゴ大学から出版された40版アニバーサリー版を元にベテランの翻訳家の手で見事な日本語訳となった。
竹中平蔵元大臣の補佐官、内閣府参事官として郵政改革を仕上げた高橋洋一氏(東洋大学教授)の解説付き。
ジョン・スチュアート・ミル『自由論』、フリードリッヒ・ハイエク『隷従への道』と並ぶ自由主義(リバタリアニズム)の三大古典の1冊。
本書が出版されたのは1962年。100万部近く売れた大ベストセラーだったが、国内で書評に取り上げたのは、アメリカン・エコノミック・レビュー誌の1誌だけ。
ケインズ派を中心とした経済学の主流派やメディアからは完全に黙殺された。なぜ? フリードマンが書いた内容があまりに「過激」だったからだ。
本書第2章に、政府がやる理由がない政策が14列挙されている。
●農産物の買取保証価格制度
●輸入関税または輸出制限
●農産物の作付面積制限や原油の生産割当てなどの産出規制
●家賃統制
●法定の最低賃金や価格上限
●細部にわたる産業規制
●連邦通信委員会によるラジオとテレビの規制
●現行の社会保障制度、とくに老齢・退職年金制度
●事業・職業免許制度
●いわゆる公営住宅および住宅建設を奨励するための補助金制度
●平時の徴兵制。「自由市場にふさわしいのは、志願兵を募って雇う方式である」
●国立公園
●営利目的での郵便事業の法的禁止●公有公営の有料道路
マルクス主義が20世紀を代表する思想だとすれば、フリードマンの自由主義は21世紀の主要思想になるはずだ。
多くの復刊希望に応えての画期的な新訳で、リバタリアンの真髄が手に取るように理解できる名著。
日本では1975年にマグロウヒル好学社から翻訳出版されたが、絶版になっていた。
本書は、2002年にシカゴ大学から出版された40版アニバーサリー版を元にベテランの翻訳家の手で見事な日本語訳となった。
竹中平蔵元大臣の補佐官、内閣府参事官として郵政改革を仕上げた高橋洋一氏(東洋大学教授)の解説付き。
- ISBN-104822246418
- ISBN-13978-4822246419
- 出版社日経BP
- 発売日2008/4/17
- 言語日本語
- 本の長さ384ページ
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登録情報
- 出版社 : 日経BP (2008/4/17)
- 発売日 : 2008/4/17
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 384ページ
- ISBN-10 : 4822246418
- ISBN-13 : 978-4822246419
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2019年10月27日に日本でレビュー済み
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2021年8月5日に日本でレビュー済み
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誤訳が多くてミスリードしやすいといううわさがありますが、英語版が読めるほど英語は得意でもないので我慢して読んでます。経済活動の自由と引き換えに何が犠牲になろうとしているのか考えさせられます。
2019年8月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ミルトンの当時の考えが福祉、経済、会社や国家などのジャンルから述べられています。
分厚い内容ではありますがアメリカ流の資本主義の源流について読み解くための一助となる本だと思いました。
分厚い内容ではありますがアメリカ流の資本主義の源流について読み解くための一助となる本だと思いました。
2012年1月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
はじめにCapitalism and freedomの原書(中古)をamazonで購入しました。それで読み始めたのですが、使われている単語は比較的平易だったのですが、その奥に秘められている思想と云いますか、意味内容を理解することが難しくて、あきらめました。それで、今度は村井章子さんが訳された翻訳本をamazonから購入しました。それで、今度は日本語で、内容を読んでみたのですが、やはり理解するのがかなり難しかったです。この理由は、多分村井さんが、翻訳の専門家で、出来るだけ原書に忠実に訳されたのだと思いますが、翻訳本に特有な、抽象的な概念を日本語にする難しさというものがあったのだと思います。しかし、今度は読み通してみようと努力をして、一通り読破しました。それで、次の機会に、今度は、翻訳本を見ながら、原書を、もう一度読んで、今度は、Milton Friedmanさんご自身の言葉を、味わってみたいと思っています。それで、内容の面で、幾つか思い知らされた点があったのですが、その1つに最低賃金制 ー そんな物はいらないという彼の考えに共感させられました。その理由は、日本の工場等が海外に移転してしまっているのは、一部の安定した労働組合等の組合員の声等で、最低賃金制の堅持が、繰り返し叫ばれています。しかし、失業者が急増している時代に、最低賃金制の堅持は、失業者をこれ以上増やさないことを前提とした上で、守られるべきもので、雇用されている労働者を守る制度であって、失業者や、パートタイムの労働者の権利を守れるものではないと思うからであります。それより、日本政府は、どのようにして雇用を増やし、失業者に安定した生活を提供できるのかが、今求められているのだと思います。
2016年10月27日に日本でレビュー済み
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人間は経済的動物です。であるならば、経済的に判定できないものはなく、貨幣的尺度で評価できないものは存在しません。
新古典派の骨子ともいうべき一冊です。
労働、教育、納税の三つの義務も、生存権、教育、参政権の三つの権利も、そしてそこから派生するすべての法律的義務、権利もおそらく貨幣的評価ができるはずです。
そして、例えば戦前ファシズムに対する修正主義の費用も、自衛隊の専守防衛の費用も、核戦略の費用も、おそらく経済学的に判定できるはずです。そして、政治的な経済学の立ち位置も計算できてしまうでしょう。
経済学というソフトパワーも米国が抜きんでていたことを示す一冊のように思えます。
市場は間違えますが、その代替として無謬の政府が市場に圧力をかけるとして、その費用は合うのでしょうかね?
全てのものごとが意思決定戦略に過ぎないというのは多少商学をかじったものとしては耳に心地よいものでした。
…私も人生を計算しなおそうかなあとも思います。
新古典派の骨子ともいうべき一冊です。
労働、教育、納税の三つの義務も、生存権、教育、参政権の三つの権利も、そしてそこから派生するすべての法律的義務、権利もおそらく貨幣的評価ができるはずです。
そして、例えば戦前ファシズムに対する修正主義の費用も、自衛隊の専守防衛の費用も、核戦略の費用も、おそらく経済学的に判定できるはずです。そして、政治的な経済学の立ち位置も計算できてしまうでしょう。
経済学というソフトパワーも米国が抜きんでていたことを示す一冊のように思えます。
市場は間違えますが、その代替として無謬の政府が市場に圧力をかけるとして、その費用は合うのでしょうかね?
全てのものごとが意思決定戦略に過ぎないというのは多少商学をかじったものとしては耳に心地よいものでした。
…私も人生を計算しなおそうかなあとも思います。
2017年12月11日に日本でレビュー済み
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序章「十九世紀の自由主義者は、自由の拡大こそ福祉と平等を実現する効率的な手段だと考えたが、二十世紀の自由主義者は、福祉と平等が自由の前提条件であり、自由に代わり得るとさえ考えている。そして福祉と平等の名の下に、国家の干渉と温情主義(パターナリズム)の復活を支持するようになった」
と現代の「リベラリズム」(自由主義)を批判する。基本的には、ここの温情主義に対する「規制緩和」というか、マネタリストと呼ばれるように政府の役割を減らすというところを目指すのが、フリードマンの立場か。ある意味、人間に信頼を置いているがゆえに、マーケットにまかせるという点があると。逆に政府への不信が大きいとも言えるか。自由主義と温情主義と。
「自由主義が根本的に恐れるのは、権力の集中である。ある人の自由が他の人の自由を妨げない限りにおいて個々人の最大限の自由を守ることを、自由主義者はめざす。この目標を実現するためには権力の分散が必要だというのが自由主義者の考えだ。」
と3章。あとは「ケインズ政策」の乗数理論批判の5章、あとはバウチャー制度などが興味深かった。
行動経済学などからすれば、「エコノ」として各人が振る舞えることを前提にし過ぎている、という批判が成り立つだろうか。とはいえ、まだまだ政府の無駄というところでフリードマンの新しさはあるように思う。
と現代の「リベラリズム」(自由主義)を批判する。基本的には、ここの温情主義に対する「規制緩和」というか、マネタリストと呼ばれるように政府の役割を減らすというところを目指すのが、フリードマンの立場か。ある意味、人間に信頼を置いているがゆえに、マーケットにまかせるという点があると。逆に政府への不信が大きいとも言えるか。自由主義と温情主義と。
「自由主義が根本的に恐れるのは、権力の集中である。ある人の自由が他の人の自由を妨げない限りにおいて個々人の最大限の自由を守ることを、自由主義者はめざす。この目標を実現するためには権力の分散が必要だというのが自由主義者の考えだ。」
と3章。あとは「ケインズ政策」の乗数理論批判の5章、あとはバウチャー制度などが興味深かった。
行動経済学などからすれば、「エコノ」として各人が振る舞えることを前提にし過ぎている、という批判が成り立つだろうか。とはいえ、まだまだ政府の無駄というところでフリードマンの新しさはあるように思う。
2017年2月16日に日本でレビュー済み
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最近の新自由主義批判は訳が分からないものになっています
一回この本を読んでみるべきかと思います
公営住宅の失敗や教育バウチャーなど、もっともだと思うものもあります
規制について違う見方ができる本です
一回この本を読んでみるべきかと思います
公営住宅の失敗や教育バウチャーなど、もっともだと思うものもあります
規制について違う見方ができる本です
2015年12月18日に日本でレビュー済み
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とてもよい。とてもよい。とてもよい。とてもよい。とてもよい。