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フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠 単行本 – 2014/6/4
1999年、ミネアポリスの超高級ホテルに米国を代表する加工食品大手の首脳が極秘で会合を開いた。コカ・コーラ、ネスレ、ナビスコ、クラフト、ゼネラル・ミルズ。
会合の目的は、「肥満や生活習慣病の急増と加工食品」だった。砂糖、塩、油がたっぷりの加工食品が原因になっていることはあきらかで、今のうちに手を打たないと
集団訴訟のターゲットになりかねない……。
しかし、発言力の大きいゼネラル・ミルズCEOの「自分たちにそこまでの責任はない」という演説で場の空気は一変、食品業界が行動を起こすことにはつながらなかった。
それ以来、加工食品大手は、コストメリットと利益至上主義を前面に押し出し、いかに消費者をひっかけることができるかに、しのぎを削るようになっている。
その鍵となるのは、塩分、糖分、脂肪分の3つ。大手食品会社は、一流の化学者を大量に動員して、この安くて強力な成分の組み合わせで、人が快感を感じる「至福ポイント」を
刺激する食品を生みだしてきた。
表面上は、「ヘルシー」「ローカロリー」を謳いながら、健康を度外視して売れる商品を作り続けなければならない食品企業の実態と内幕を、ピュリッツァー賞受賞記者ならではの
きめ細かい調査取材によって暴くとともに、加工食品の罠からどのように身を守れば良いかを消費者に説く。
ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー1位
会合の目的は、「肥満や生活習慣病の急増と加工食品」だった。砂糖、塩、油がたっぷりの加工食品が原因になっていることはあきらかで、今のうちに手を打たないと
集団訴訟のターゲットになりかねない……。
しかし、発言力の大きいゼネラル・ミルズCEOの「自分たちにそこまでの責任はない」という演説で場の空気は一変、食品業界が行動を起こすことにはつながらなかった。
それ以来、加工食品大手は、コストメリットと利益至上主義を前面に押し出し、いかに消費者をひっかけることができるかに、しのぎを削るようになっている。
その鍵となるのは、塩分、糖分、脂肪分の3つ。大手食品会社は、一流の化学者を大量に動員して、この安くて強力な成分の組み合わせで、人が快感を感じる「至福ポイント」を
刺激する食品を生みだしてきた。
表面上は、「ヘルシー」「ローカロリー」を謳いながら、健康を度外視して売れる商品を作り続けなければならない食品企業の実態と内幕を、ピュリッツァー賞受賞記者ならではの
きめ細かい調査取材によって暴くとともに、加工食品の罠からどのように身を守れば良いかを消費者に説く。
ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー1位
- 本の長さ524ページ
- 言語日本語
- 出版社日経BP
- 発売日2014/6/4
- ISBN-104822250091
- ISBN-13978-4822250096
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商品の説明
出版社からのコメント
かつて日本で「やめられない、とまらない」というキャッチコピーで、一世を風靡したスナック菓子がありましたが、
加工食品の世界企業はいま、消費者が自社の食品を買い続けるように、さまざまな“トラップ"を製品に仕掛けています。
私は、本書執筆のための調査中に、機密扱いのさまざまな業界記録を入手した。
そこには、食品メーカーが綿密な計算のうえでこれらの原材料を使いこなしている様子がありありと示されていた。
たとえば、「飲みたい! 」という気持ちを起こさせる新しい清涼飲料を開発するには、「至福ポイント」を見つけ出せばよい。
糖分や塩分や脂肪分の配合量がある値にぴたりと一致していると消費者が大喜びするというポイントがあり、
業界内部の人々はこれを至福ポイントと呼んでいる。
(本書プロローグより)
至福ポイントはその一例です。
本書は、巨大食品企業が売り上げをのばすために行っている驚くべき製品開発やマーケティングの実態と、
ライバルとの激しい競争や株価対策などで健康的な製品を出したくても出せないジレンマを
当事者への徹底的な取材と内部資料により、解き明かした迫力あるノンフィクションです。
健康に関心のある消費者、小さなお子さんがいらっしゃる方、食品業界の方や、
マーケティングに関心のあるビジネスパーソンには必須の内容です。
加工食品の世界企業はいま、消費者が自社の食品を買い続けるように、さまざまな“トラップ"を製品に仕掛けています。
私は、本書執筆のための調査中に、機密扱いのさまざまな業界記録を入手した。
そこには、食品メーカーが綿密な計算のうえでこれらの原材料を使いこなしている様子がありありと示されていた。
たとえば、「飲みたい! 」という気持ちを起こさせる新しい清涼飲料を開発するには、「至福ポイント」を見つけ出せばよい。
糖分や塩分や脂肪分の配合量がある値にぴたりと一致していると消費者が大喜びするというポイントがあり、
業界内部の人々はこれを至福ポイントと呼んでいる。
(本書プロローグより)
至福ポイントはその一例です。
本書は、巨大食品企業が売り上げをのばすために行っている驚くべき製品開発やマーケティングの実態と、
ライバルとの激しい競争や株価対策などで健康的な製品を出したくても出せないジレンマを
当事者への徹底的な取材と内部資料により、解き明かした迫力あるノンフィクションです。
健康に関心のある消費者、小さなお子さんがいらっしゃる方、食品業界の方や、
マーケティングに関心のあるビジネスパーソンには必須の内容です。
著者について
マイケル モス
ニューヨーク・タイムズの敏腕記者。2010年に食肉汚染の調査報道でピューリッツァー賞を受賞。2006年にもイラク戦争の報道で、ピューリッツァー賞の最終候補になった。
ウォールストリート・ジャーナル、ニューヨーク・ニュースデイ、アトランタ・ジャーナルコンスティチューションなどを経て2000年より現職。
本間 徳子
国立豊田工業高等専門学校情報工学科卒業。医療機器メーカーで翻訳業務などを担当した後、フリーランスの医学翻訳者に。
主な翻訳書に、『生物時計はなぜリズムを刻むのか』(日経BP社、ラッセル・フォスター、レオン・クライツマン)、『神と悪魔の薬サリドマイド』(日経BP社、トレント・ステフェン、ロック・ブリンナー)がある。
ニューヨーク・タイムズの敏腕記者。2010年に食肉汚染の調査報道でピューリッツァー賞を受賞。2006年にもイラク戦争の報道で、ピューリッツァー賞の最終候補になった。
ウォールストリート・ジャーナル、ニューヨーク・ニュースデイ、アトランタ・ジャーナルコンスティチューションなどを経て2000年より現職。
本間 徳子
国立豊田工業高等専門学校情報工学科卒業。医療機器メーカーで翻訳業務などを担当した後、フリーランスの医学翻訳者に。
主な翻訳書に、『生物時計はなぜリズムを刻むのか』(日経BP社、ラッセル・フォスター、レオン・クライツマン)、『神と悪魔の薬サリドマイド』(日経BP社、トレント・ステフェン、ロック・ブリンナー)がある。
登録情報
- 出版社 : 日経BP (2014/6/4)
- 発売日 : 2014/6/4
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 524ページ
- ISBN-10 : 4822250091
- ISBN-13 : 978-4822250096
- Amazon 売れ筋ランキング: - 286,672位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 191位商品開発
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年4月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
世の中にある食品マーケティング力の凄さと怖さを細かく理解出来る。そして、今までのお菓子の認知を変えてくれる一冊。本当に出会えて良かった。
2015年9月7日に日本でレビュー済み
糖分・塩分・脂肪分を巡る、米国の食品メーカーの内幕を描いた本(原題 "Salt, Sugar, Fat")。
本書における著者のスタンスは次のようなものだ。今や米国人の食卓に加工食品は欠かせないものになっているが、食品メーカーは消費者の健康には目もくれず利益ばかりを追求し、結果として食べ過ぎを催すような過剰な糖分・塩分・脂肪分が使われた不健康な食品が跋扈している。結果として米国人の多くが肥満になり、生活習慣病に苦しんでいる。食品メーカーはこのような事態に道徳的な責任があるのだ!
しかし本書は、このような告発の書として書かれながら、その糾弾的なトーンに騙されずに事実だけ辿っていくと、正直なところ、食品メーカーを弾劾するつもりにはなれなくなる。この面では、著者の意気込みは空回りしている。
糖分・塩分・脂肪分は、これまでも何度となくその不健康さが喧伝されて消費者団体やFDA(アメリカ食品医薬品局)などから低減を求める活動が行われてきた。アメリカ人に肥満が多いのは清涼飲料水の飲み過ぎのせいだとか、糖尿病が多いのはチーズたっぷりのピザを食べ過ぎるせいだとか。
そのたびに食品メーカーの心ある人たち(そういう人が著者のインタビューに応じてくれている)は、低糖、低塩分、低脂肪の健康的な加工食品を開発するよう努力してきた。それが消費者の要請であり、いつまでも砂糖たっぷり、脂肪たっぷりの刺激的な食品ばかりを作っていては、やがて消費者にそっぽを向けられるのではないかと本気で心配してきた。
巨大食品メーカーのフィリップ・モリスも健康的な加工食品づくりに力を入れた時期があった。それには主力商品であるタバコでの苦い経験が効いていた。タバコは健康を害さないということを言い続けていたのに、結局はタバコと癌との因果関係が立証され、巨額の和解金を払う羽目になった。食品でも同じことが起こるかもしれないと考えたのは当然だ。
だが低糖、低塩分、低脂肪の加工食品は、どうしても味が落ちる。なぜなら、糖分、塩分、脂肪分がおいしく感じるように、私たちの舌が設計されているからだ。だから、消費者の求めに応じて開発したはずの「健康的」な製品は、結局鳴かず飛ばずで消えていってしまう。その間に、ライバル社の「不健康」な製品のシェアが伸びるのである。
食品店の限られたスペースを熾烈に奪い合っている大手食品メーカーにとって、シェアの奪い合いに負けるということは、社長のクビが飛ぶような事態だ。結果、健康的な製品の開発は脇に追いやられて、より売れ行きがいい、糖分・塩分・脂肪分たっぷりの製品が強力にプッシュされていくことになる。
そうして、米国人の肥満はもっと進んでいくのだ。だが誰が悪いのだろう? 利益ばかりを追求して「健康的」な製品を積極的に販売しない食品メーカーなんだろうか? 本書は、少なくとも食品メーカーには「道徳的な責任」がある、という。事実食品メーカーの中には、不健康な製品を売りまくったことに対する悔悟の念を持つものも少なくない。そして不健康な自社製品を決して食べず、新鮮な野菜や魚だけを食べるという経営者だっている。
確かに、自ら誇れるような製品を売っていない、食品メーカーにも責任の一端はあるのかもしれない。だが食品メーカーだって消費者の求めに応えようとはしている。だが「健康的」な製品がサッパリ売れないのなら、その「消費者の求め」とは何なのか? 消費者は、口では「こんな甘過ぎのお菓子は子どもに食べさせたくない」とか、「ポテトチップスを食べ過ぎると悪いことをしたような気になる」などと言いながら、実際には甘くないお菓子は買わないし、脂ぎって塩辛いポテトチップスでなければ食べないのである。そうでなければ、フィリップ・モリスは「健康的」な製品で一儲けしていたはずだ。
では悪いのは、バカな消費者なんだろうか? 口では健康的なものが食べたいと言いながら、実際にはジャンクフードが大好きな消費者に責任があるのだろうか?
しかし実のところ、悪いのは消費者でもない。悪いのは、安価なカロリーに頼らざるを得ない「貧困」である。経営者が自社製品を食べないのは当然だ。それらは、手頃な加工食品に頼らざるを得ない、時間もお金もない労働者に向けて作られているからだ。彼らは確かに健康的な食事を求めてはいる。だが新鮮な野菜は結構高いし、それ以上に調理の手間が掛かる。そして塩を振りかけなくても肉が美味しくなるハーブには手が届かない。共働きで子どものランチを手作りする余裕がない。時間もお金もない人間に、できる食事は限られている。安くカロリーが取れて調理の手間もないジャンクフードだ。
本書は、糖分・塩分・脂肪分に抗しがたい魅力があるから不健康な食品が跋扈するのだ、というトーンで書かれているがそれは事実ではないだろう。上質な食事を楽しむエスタブリッシュメント(上流階級)がジャンクフードを愛していないことでもそれは明らかだ。そうではなくて、健康を犠牲にせざるをえない貧困層の食事が、自然と糖分・塩分・脂肪分という手っ取り早い魅力に頼ったものになるというのが実態だろう。何しろ、糖分・塩分・脂肪分は原材料としてかなり安い。ハーブを使うのに比べたら塩を振るのはタダみたいなものだし、肉は脂肪分が多いほど安くなる。
つまり、糖分・塩分・脂肪分の跋扈は食品会社の問題ではなく、貧困問題のはずである。しかし本書にはそういう視点はほとんどない。利益を追求する食品会社が悪い、というだけの表面的な話になってしまっている。せっかく綿密な取材をしているのに、そういう単純な構図に収めようとするからエピソードに深みがない。
それに、糖分・塩分・脂肪分の摂りすぎが問題だ、というのも、間違ってはいないがどうも俗説を真に受けているところがある。例えば、著者は糖分が肥満の大きな原因だと疑っていないが、砂糖のカロリーはそば粉と大差がない。それに砂糖が肥満の原因なら、炭水化物(体内で分解されて各種の「糖」になる)もやり玉に挙げられなくてはおかしいが、本書では炭水化物によるカロリーの摂りすぎは全く看過されている。
他にも、ちょっと口が滑っただけかもしれないが砂糖の摂りすぎで多動になるといった俗説も真に受けていたし、態度がちょっと科学的でない。本書の大きな問題点は、著者に化学の素養がないことで、次の記述を見つけたときはのけぞった。
「フルクトースは12個の水素原子が6個の炭素と6個の酸素に挟まれた白色の結晶で、…」(p195)
化学を少しでも囓ったことがある人なら、こんな間違いはしない。これはきっとフルクトースの化学式がC6H12O6で表されることから来る誤解で、この化学式を見てそういう構造なんだと思い込んだのだろう。しかし実際のフルクトースはそんな構造ではなく、せめて「6つの炭素原子に5つの水酸基(-OH)と一つの酸素、いくつかの水素がくっついた」くらいの説明にすべきである。
こういう調子で、著者は糖分・塩分・脂肪分について語りながら、その化学的な様相についてほとんど理解していないように見える。多くの食品科学者にインタビューしていながら、フルクトースの構造を理解していないというのは不可解だ。
また、仮に糖分・塩分・脂肪分の跋扈は食品会社の責任だ、と主張するにしても、本書には欠陥が多い。まず第1の欠陥は、エピソードだらけで体系的な主張が全くないことである。例えば糖分について語るなら、糖分は体にどれくらい悪いのか、米国人はいつからどれくらいの糖を摂取しているのか、それによって誰にどのような影響があったのか、その相関係数はどれくらいなのか、といったようなことを一つ一つ積み上げなければならないのに、本書では「元食品メーカーの誰それは○×(商品名)を売りまくったことを今では後悔している」みたいなエピソードだけで済まそうとしている。
第2の欠陥は、図表が全くないことである。エピソードだけで話を進めようとする当然の帰結であるが、本書には図も表も、ついでに言えば写真も一つもない。 糖分・塩分・脂肪分のように計測可能なものを相手にしているにもかかわらず、グラフ一つ出さないというのは全く科学的態度ではない。本書にも多少の数字は出てくるが、つまみ食いの数字ほど信頼できないものはなく、経年的に追える数字の変化を明解に出すべきだ。
第3の欠陥は、 食品会社が悪い、というのを最初から決めてかかっていることで、これは公平でないだけでなく全体の論旨が説得的でなくなっている。本当に食品会社に責任があるのか、あるとしたらどれくらいあるのか、というのを考察しなければ糾弾の名に値しない。「ほら、やっぱり食品会社が悪いでしょ」みたいなトーンだけで食品会社を悪玉にしようとしてもダメで、悪いなら悪いと徹底的に論証する姿勢がないとフェアでない。
このように本書には大きな問題がある。
しかし大きな問題はあるが、著者の取材は真面目であり、そこに書かれたエピソードは生き生きしている。米国の巨大食品会社の内幕を覗くようなスリリングさすらあるといえる。そして私が感じたのは、著者の主張するような食品会社悪玉論よりもむしろ、消費者に振り回される食品会社の哀れな姿である。
私も本書を読むまでは、米国の加工食品市場を牛耳る巨大食品メーカー、例えばコカ・コーラ、ネスレ、フィリップ・モリスといった企業は、米国の食事をも牛耳る巨人なのではないかと思っていた。しかし本書を読むとそういう巨人の姿は片鱗もない。やれ糖分がダメだ、脂肪分が多すぎる、といった移り気な消費者の動向に右往左往し、結局「健康的」な製品で失敗するお人好しにすら見える。彼らは巨大過ぎて、もはや自分たちが売りたい製品を売るという「贅沢」が出来なくなっているのだ。
つまり巨大すぎるから、巨大な需要に頼るしかなくなる。巨大な需要というのは、要するに米国の人口ピラミッドの最下層の需要ということだ。緻密にマーケティングして、あらゆる成分の分量を最適化する。製品を買ってくれる人たちの嗜好にバッチリ合う商品開発を行うのだ。そこに、こんな商品が美味しい、という理想はどこにも存在しない。ただ、どんな商品が「美味しいと思われるか」という現実だけが横たわっている。味の分かる料理人を雇う必要はなく、たくさんの試作品を作って調査を行い、一番売れそうなものを商品化するだけの空疎な商品開発。
米国の食卓を牛耳っているかに見える巨大食品メーカーは、ただ消費者の動向をマーケティングして「美味しいと思われる」商品を出すだけのつまらない存在になってしまった。そうしなくては、巨大な企業を支えられないのである。青臭い理想を言っている暇はない、利益がでなければ投資家からせっつかれる。シェアを奪われれば、雇われ社長はクビになる。こんなにも強大そうに見える企業が、移り気な消費者の動向に振り回される哀れな存在だったなんて、幻滅すら感じたのは私だけだろうか?
本書における著者のスタンスは次のようなものだ。今や米国人の食卓に加工食品は欠かせないものになっているが、食品メーカーは消費者の健康には目もくれず利益ばかりを追求し、結果として食べ過ぎを催すような過剰な糖分・塩分・脂肪分が使われた不健康な食品が跋扈している。結果として米国人の多くが肥満になり、生活習慣病に苦しんでいる。食品メーカーはこのような事態に道徳的な責任があるのだ!
しかし本書は、このような告発の書として書かれながら、その糾弾的なトーンに騙されずに事実だけ辿っていくと、正直なところ、食品メーカーを弾劾するつもりにはなれなくなる。この面では、著者の意気込みは空回りしている。
糖分・塩分・脂肪分は、これまでも何度となくその不健康さが喧伝されて消費者団体やFDA(アメリカ食品医薬品局)などから低減を求める活動が行われてきた。アメリカ人に肥満が多いのは清涼飲料水の飲み過ぎのせいだとか、糖尿病が多いのはチーズたっぷりのピザを食べ過ぎるせいだとか。
そのたびに食品メーカーの心ある人たち(そういう人が著者のインタビューに応じてくれている)は、低糖、低塩分、低脂肪の健康的な加工食品を開発するよう努力してきた。それが消費者の要請であり、いつまでも砂糖たっぷり、脂肪たっぷりの刺激的な食品ばかりを作っていては、やがて消費者にそっぽを向けられるのではないかと本気で心配してきた。
巨大食品メーカーのフィリップ・モリスも健康的な加工食品づくりに力を入れた時期があった。それには主力商品であるタバコでの苦い経験が効いていた。タバコは健康を害さないということを言い続けていたのに、結局はタバコと癌との因果関係が立証され、巨額の和解金を払う羽目になった。食品でも同じことが起こるかもしれないと考えたのは当然だ。
だが低糖、低塩分、低脂肪の加工食品は、どうしても味が落ちる。なぜなら、糖分、塩分、脂肪分がおいしく感じるように、私たちの舌が設計されているからだ。だから、消費者の求めに応じて開発したはずの「健康的」な製品は、結局鳴かず飛ばずで消えていってしまう。その間に、ライバル社の「不健康」な製品のシェアが伸びるのである。
食品店の限られたスペースを熾烈に奪い合っている大手食品メーカーにとって、シェアの奪い合いに負けるということは、社長のクビが飛ぶような事態だ。結果、健康的な製品の開発は脇に追いやられて、より売れ行きがいい、糖分・塩分・脂肪分たっぷりの製品が強力にプッシュされていくことになる。
そうして、米国人の肥満はもっと進んでいくのだ。だが誰が悪いのだろう? 利益ばかりを追求して「健康的」な製品を積極的に販売しない食品メーカーなんだろうか? 本書は、少なくとも食品メーカーには「道徳的な責任」がある、という。事実食品メーカーの中には、不健康な製品を売りまくったことに対する悔悟の念を持つものも少なくない。そして不健康な自社製品を決して食べず、新鮮な野菜や魚だけを食べるという経営者だっている。
確かに、自ら誇れるような製品を売っていない、食品メーカーにも責任の一端はあるのかもしれない。だが食品メーカーだって消費者の求めに応えようとはしている。だが「健康的」な製品がサッパリ売れないのなら、その「消費者の求め」とは何なのか? 消費者は、口では「こんな甘過ぎのお菓子は子どもに食べさせたくない」とか、「ポテトチップスを食べ過ぎると悪いことをしたような気になる」などと言いながら、実際には甘くないお菓子は買わないし、脂ぎって塩辛いポテトチップスでなければ食べないのである。そうでなければ、フィリップ・モリスは「健康的」な製品で一儲けしていたはずだ。
では悪いのは、バカな消費者なんだろうか? 口では健康的なものが食べたいと言いながら、実際にはジャンクフードが大好きな消費者に責任があるのだろうか?
しかし実のところ、悪いのは消費者でもない。悪いのは、安価なカロリーに頼らざるを得ない「貧困」である。経営者が自社製品を食べないのは当然だ。それらは、手頃な加工食品に頼らざるを得ない、時間もお金もない労働者に向けて作られているからだ。彼らは確かに健康的な食事を求めてはいる。だが新鮮な野菜は結構高いし、それ以上に調理の手間が掛かる。そして塩を振りかけなくても肉が美味しくなるハーブには手が届かない。共働きで子どものランチを手作りする余裕がない。時間もお金もない人間に、できる食事は限られている。安くカロリーが取れて調理の手間もないジャンクフードだ。
本書は、糖分・塩分・脂肪分に抗しがたい魅力があるから不健康な食品が跋扈するのだ、というトーンで書かれているがそれは事実ではないだろう。上質な食事を楽しむエスタブリッシュメント(上流階級)がジャンクフードを愛していないことでもそれは明らかだ。そうではなくて、健康を犠牲にせざるをえない貧困層の食事が、自然と糖分・塩分・脂肪分という手っ取り早い魅力に頼ったものになるというのが実態だろう。何しろ、糖分・塩分・脂肪分は原材料としてかなり安い。ハーブを使うのに比べたら塩を振るのはタダみたいなものだし、肉は脂肪分が多いほど安くなる。
つまり、糖分・塩分・脂肪分の跋扈は食品会社の問題ではなく、貧困問題のはずである。しかし本書にはそういう視点はほとんどない。利益を追求する食品会社が悪い、というだけの表面的な話になってしまっている。せっかく綿密な取材をしているのに、そういう単純な構図に収めようとするからエピソードに深みがない。
それに、糖分・塩分・脂肪分の摂りすぎが問題だ、というのも、間違ってはいないがどうも俗説を真に受けているところがある。例えば、著者は糖分が肥満の大きな原因だと疑っていないが、砂糖のカロリーはそば粉と大差がない。それに砂糖が肥満の原因なら、炭水化物(体内で分解されて各種の「糖」になる)もやり玉に挙げられなくてはおかしいが、本書では炭水化物によるカロリーの摂りすぎは全く看過されている。
他にも、ちょっと口が滑っただけかもしれないが砂糖の摂りすぎで多動になるといった俗説も真に受けていたし、態度がちょっと科学的でない。本書の大きな問題点は、著者に化学の素養がないことで、次の記述を見つけたときはのけぞった。
「フルクトースは12個の水素原子が6個の炭素と6個の酸素に挟まれた白色の結晶で、…」(p195)
化学を少しでも囓ったことがある人なら、こんな間違いはしない。これはきっとフルクトースの化学式がC6H12O6で表されることから来る誤解で、この化学式を見てそういう構造なんだと思い込んだのだろう。しかし実際のフルクトースはそんな構造ではなく、せめて「6つの炭素原子に5つの水酸基(-OH)と一つの酸素、いくつかの水素がくっついた」くらいの説明にすべきである。
こういう調子で、著者は糖分・塩分・脂肪分について語りながら、その化学的な様相についてほとんど理解していないように見える。多くの食品科学者にインタビューしていながら、フルクトースの構造を理解していないというのは不可解だ。
また、仮に糖分・塩分・脂肪分の跋扈は食品会社の責任だ、と主張するにしても、本書には欠陥が多い。まず第1の欠陥は、エピソードだらけで体系的な主張が全くないことである。例えば糖分について語るなら、糖分は体にどれくらい悪いのか、米国人はいつからどれくらいの糖を摂取しているのか、それによって誰にどのような影響があったのか、その相関係数はどれくらいなのか、といったようなことを一つ一つ積み上げなければならないのに、本書では「元食品メーカーの誰それは○×(商品名)を売りまくったことを今では後悔している」みたいなエピソードだけで済まそうとしている。
第2の欠陥は、図表が全くないことである。エピソードだけで話を進めようとする当然の帰結であるが、本書には図も表も、ついでに言えば写真も一つもない。 糖分・塩分・脂肪分のように計測可能なものを相手にしているにもかかわらず、グラフ一つ出さないというのは全く科学的態度ではない。本書にも多少の数字は出てくるが、つまみ食いの数字ほど信頼できないものはなく、経年的に追える数字の変化を明解に出すべきだ。
第3の欠陥は、 食品会社が悪い、というのを最初から決めてかかっていることで、これは公平でないだけでなく全体の論旨が説得的でなくなっている。本当に食品会社に責任があるのか、あるとしたらどれくらいあるのか、というのを考察しなければ糾弾の名に値しない。「ほら、やっぱり食品会社が悪いでしょ」みたいなトーンだけで食品会社を悪玉にしようとしてもダメで、悪いなら悪いと徹底的に論証する姿勢がないとフェアでない。
このように本書には大きな問題がある。
しかし大きな問題はあるが、著者の取材は真面目であり、そこに書かれたエピソードは生き生きしている。米国の巨大食品会社の内幕を覗くようなスリリングさすらあるといえる。そして私が感じたのは、著者の主張するような食品会社悪玉論よりもむしろ、消費者に振り回される食品会社の哀れな姿である。
私も本書を読むまでは、米国の加工食品市場を牛耳る巨大食品メーカー、例えばコカ・コーラ、ネスレ、フィリップ・モリスといった企業は、米国の食事をも牛耳る巨人なのではないかと思っていた。しかし本書を読むとそういう巨人の姿は片鱗もない。やれ糖分がダメだ、脂肪分が多すぎる、といった移り気な消費者の動向に右往左往し、結局「健康的」な製品で失敗するお人好しにすら見える。彼らは巨大過ぎて、もはや自分たちが売りたい製品を売るという「贅沢」が出来なくなっているのだ。
つまり巨大すぎるから、巨大な需要に頼るしかなくなる。巨大な需要というのは、要するに米国の人口ピラミッドの最下層の需要ということだ。緻密にマーケティングして、あらゆる成分の分量を最適化する。製品を買ってくれる人たちの嗜好にバッチリ合う商品開発を行うのだ。そこに、こんな商品が美味しい、という理想はどこにも存在しない。ただ、どんな商品が「美味しいと思われるか」という現実だけが横たわっている。味の分かる料理人を雇う必要はなく、たくさんの試作品を作って調査を行い、一番売れそうなものを商品化するだけの空疎な商品開発。
米国の食卓を牛耳っているかに見える巨大食品メーカーは、ただ消費者の動向をマーケティングして「美味しいと思われる」商品を出すだけのつまらない存在になってしまった。そうしなくては、巨大な企業を支えられないのである。青臭い理想を言っている暇はない、利益がでなければ投資家からせっつかれる。シェアを奪われれば、雇われ社長はクビになる。こんなにも強大そうに見える企業が、移り気な消費者の動向に振り回される哀れな存在だったなんて、幻滅すら感じたのは私だけだろうか?
2018年9月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
健康とは何か?
この問いを現代社会を取り巻く複雑な産業構造の視点で、
見解が述べられています。
自分達は、多くの食品企業、メディア、医療機関に、
ただ踊らされているだけかもしれません。
とにかく、著者の圧倒的な取材量を舌を巻きます。
これほどのジャーナリストは、まず日本にはいないでしょう。
文献・論文の読みこなしも、素晴らしいと思います。
食品企業は、消費者が、「はまるポイント」を常に探しています。
これは、食品企業に限ったことではなく、
どの企業も、この視点で、マーケティング活動を行っています。
人の生理機能ではなく、認知機能にまで、
影響を及ぼす情報が、日夜メディアから流され続けられています。
いったい自分達は、こういった社会構造の中で、
どうやって健康を実現していったいいのか?
非常に考えさせられる内容です。
特に、コカ・コーラの記述には、なるほどなと、させられました。
なぜ、コカ・コーラがロングセラーなのか、その一つの重大な秘密がわかります。
この問いを現代社会を取り巻く複雑な産業構造の視点で、
見解が述べられています。
自分達は、多くの食品企業、メディア、医療機関に、
ただ踊らされているだけかもしれません。
とにかく、著者の圧倒的な取材量を舌を巻きます。
これほどのジャーナリストは、まず日本にはいないでしょう。
文献・論文の読みこなしも、素晴らしいと思います。
食品企業は、消費者が、「はまるポイント」を常に探しています。
これは、食品企業に限ったことではなく、
どの企業も、この視点で、マーケティング活動を行っています。
人の生理機能ではなく、認知機能にまで、
影響を及ぼす情報が、日夜メディアから流され続けられています。
いったい自分達は、こういった社会構造の中で、
どうやって健康を実現していったいいのか?
非常に考えさせられる内容です。
特に、コカ・コーラの記述には、なるほどなと、させられました。
なぜ、コカ・コーラがロングセラーなのか、その一つの重大な秘密がわかります。
2014年8月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これは食品不安の今こそ
「読むべき」本と言えるでしょう。
いかに「トラップ(わな)」のように、
消費者の脳の快楽ポイントを解析して
はまってしまう味に仕立てるのか。
生々しいアメリカ系食品業界の
業界の裏側が克明にレポートされています。
加工食品の売上を支配する
「塩、脂肪、砂糖」でいかに脳を刺激して
自社商品にハマらせるか。
仮に中国の食品会社のような
不衛生の問題をクリアしていても、
次に我々に襲い掛かってくるのは、
この3つの成分による健康破壊なのです。
ネスレ、クラフト、ナビスコ、P&G
コカコーラなど世界大手は想像を絶する
味覚ポイントを周到に売り込んできます。
たくみなマーケティングやブランド戦略、
そして商品開発がビジネスの成功例として
ケーススタディでも華々しく取り上げられることは
多々あります。
しかし、そんな販売系の戦略よりも、
脳に刺激を与え味覚のツボを突き止める
技術的解析と研究の方が実はもっと周到で
ある意味恐ろしいという実態があります。
例えば、ゼロカロリーと称したヨーグルトが
あったとしましょう。
我々からすれば、
ゼロカロリーでヨーグルトなので
健康に良いイメージがあって
買ってしまいがちです。
しかし、カロリーは抑えていても、
逆に「糖分」を増やすなどして、
巧妙に我々の脳を刺激してきます。
カロリーを抑えても糖分を増やされたら
健康への害悪は変わりませんよね。
それがヨーグルトという健康によい
イメージのカテゴリーになると、
消費者も気にしなくなってしまいます。
他の食品で糖分が多いだけでは
買わなくてもヨーグルトとなると
感覚的に購買目線がゆるくなってしまうのです。
加工食品業界がしかける「至福のわな」は
本当に恐ろしいくらいに巧妙ですが、
しかし、そこに甘んじてきた私たちも
文句ばかり言っていても始まりません。
もちろん、中には便利だったり、安価だったり、
体に良いものも享受してきたからです。
そこで、言えることは、
結局のところ健康に関しても
自己防衛するしかない。
まずは知識武装をするところから。
これが本書を読んでの結論でした。
約500ページの本なので休日に
一気に読むことをお勧めしますが、
ビジネスドキュメントとしては疾走感がある
面白い本でした。
いわゆる単なる暴露本とも違う路線が
評価ポイントです。
「読むべき」本と言えるでしょう。
いかに「トラップ(わな)」のように、
消費者の脳の快楽ポイントを解析して
はまってしまう味に仕立てるのか。
生々しいアメリカ系食品業界の
業界の裏側が克明にレポートされています。
加工食品の売上を支配する
「塩、脂肪、砂糖」でいかに脳を刺激して
自社商品にハマらせるか。
仮に中国の食品会社のような
不衛生の問題をクリアしていても、
次に我々に襲い掛かってくるのは、
この3つの成分による健康破壊なのです。
ネスレ、クラフト、ナビスコ、P&G
コカコーラなど世界大手は想像を絶する
味覚ポイントを周到に売り込んできます。
たくみなマーケティングやブランド戦略、
そして商品開発がビジネスの成功例として
ケーススタディでも華々しく取り上げられることは
多々あります。
しかし、そんな販売系の戦略よりも、
脳に刺激を与え味覚のツボを突き止める
技術的解析と研究の方が実はもっと周到で
ある意味恐ろしいという実態があります。
例えば、ゼロカロリーと称したヨーグルトが
あったとしましょう。
我々からすれば、
ゼロカロリーでヨーグルトなので
健康に良いイメージがあって
買ってしまいがちです。
しかし、カロリーは抑えていても、
逆に「糖分」を増やすなどして、
巧妙に我々の脳を刺激してきます。
カロリーを抑えても糖分を増やされたら
健康への害悪は変わりませんよね。
それがヨーグルトという健康によい
イメージのカテゴリーになると、
消費者も気にしなくなってしまいます。
他の食品で糖分が多いだけでは
買わなくてもヨーグルトとなると
感覚的に購買目線がゆるくなってしまうのです。
加工食品業界がしかける「至福のわな」は
本当に恐ろしいくらいに巧妙ですが、
しかし、そこに甘んじてきた私たちも
文句ばかり言っていても始まりません。
もちろん、中には便利だったり、安価だったり、
体に良いものも享受してきたからです。
そこで、言えることは、
結局のところ健康に関しても
自己防衛するしかない。
まずは知識武装をするところから。
これが本書を読んでの結論でした。
約500ページの本なので休日に
一気に読むことをお勧めしますが、
ビジネスドキュメントとしては疾走感がある
面白い本でした。
いわゆる単なる暴露本とも違う路線が
評価ポイントです。
2014年6月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
クラフト(KRFT)、ハーシー(HSY)、ケロッグ(K)を投資対象として考えているので、とても参考になりました。
クラフトがタバコ会社傘下にあった頃の話が詳しく書かれています。この頃に学んだはずのブランディングのノウハウは、今も同社に根付いているのでしょうか?ここ3年は業績伸び悩んでいますね。利益率は相変わらずいいですけど。
タバコと、「塩、砂糖、脂肪」からなるジャンクフードと比べていますが、両者の決定的な違いは、人はタバコは辞めることはできても(難しい人も多いでしょうが)、食べることはやめられないということ。
徐々に豊かになりつつも、日々の糧を稼ぐのにやっとこさの、発展途上国の、あるいは先進国の「中の下」くらいの人にとって、お手軽で満足の得られるジャンクフードは、手放したくても手放せないものでしょう。自分で素材を買ってきたほうが栄養があることが理屈で分かっていても。
これから豊かになっていくと言われている東南アジアやアフリカの人々を「至福」にしていくのは、これら欧米系の食品ジャイアントか、あるいは、インドネシアのインドフード(INDF)やフィリピンのROBINA(URC)などのローカル系か、あるいは、これら食品メーカのブランドを否定してプライベイトブランドを押し付けるセブンのような小売なのか。
クラフトがタバコ会社傘下にあった頃の話が詳しく書かれています。この頃に学んだはずのブランディングのノウハウは、今も同社に根付いているのでしょうか?ここ3年は業績伸び悩んでいますね。利益率は相変わらずいいですけど。
タバコと、「塩、砂糖、脂肪」からなるジャンクフードと比べていますが、両者の決定的な違いは、人はタバコは辞めることはできても(難しい人も多いでしょうが)、食べることはやめられないということ。
徐々に豊かになりつつも、日々の糧を稼ぐのにやっとこさの、発展途上国の、あるいは先進国の「中の下」くらいの人にとって、お手軽で満足の得られるジャンクフードは、手放したくても手放せないものでしょう。自分で素材を買ってきたほうが栄養があることが理屈で分かっていても。
これから豊かになっていくと言われている東南アジアやアフリカの人々を「至福」にしていくのは、これら欧米系の食品ジャイアントか、あるいは、インドネシアのインドフード(INDF)やフィリピンのROBINA(URC)などのローカル系か、あるいは、これら食品メーカのブランドを否定してプライベイトブランドを押し付けるセブンのような小売なのか。
2015年1月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本を読んで、いかに加工食品には、塩分、糖分、脂肪部が使われていて、その過剰摂取が人体に有害なもの
であるかが明確になった。初めは、向こうの甘いお菓子とコーラやシロップの話で、甘いもの好きのアメリカの
話だとたかをくくっていたが、日本も同じだと判明。美味しそうなピザにも使われているし、当然コーンやアイスクリームなどにも使われている。マックは世界規模だし。医者から加工食品を取らないように注意されたばかりで、びっくり。これを読むと、大手食品メーカーが作っているのは、食料品ではなく有害な化学物質だと思えた。
食の安全は、重要事項だ。ものすごく長くて読み応えがあったが、すごく役にたった。
であるかが明確になった。初めは、向こうの甘いお菓子とコーラやシロップの話で、甘いもの好きのアメリカの
話だとたかをくくっていたが、日本も同じだと判明。美味しそうなピザにも使われているし、当然コーンやアイスクリームなどにも使われている。マックは世界規模だし。医者から加工食品を取らないように注意されたばかりで、びっくり。これを読むと、大手食品メーカーが作っているのは、食料品ではなく有害な化学物質だと思えた。
食の安全は、重要事項だ。ものすごく長くて読み応えがあったが、すごく役にたった。
2014年9月10日に日本でレビュー済み
現代の加工食品の実体と背景を紐解く一冊である。加工食品にとって重要なのは糖分、塩分、脂肪分だと論破し、加工食品業界が如何にこれらに固執し、それが如何に現代人の病気に繋がるか述べられ、内容的には興味深い。
ただし、小説仕立てにしたためか、全体的に冗長で、私のように根拠と結論を早く知りたいものには苦痛となる。何しろ長くて読むのに時間が掛かる。ダイジェスト版希望といった感じか。
ただし、小説仕立てにしたためか、全体的に冗長で、私のように根拠と結論を早く知りたいものには苦痛となる。何しろ長くて読むのに時間が掛かる。ダイジェスト版希望といった感じか。
2019年4月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
徹底的な取材をもとに暴かれた、
アメリカの加工食品の危険性。
塩味、甘み、脂肪分のコントロールで生まれる、
みんなが欲しがる刺激的で満足度の高い「至福ポイント」が、
加工品の研究者のゴールでもある。
もはや、食べ物ではない。
アメリカの加工食品の危険性。
塩味、甘み、脂肪分のコントロールで生まれる、
みんなが欲しがる刺激的で満足度の高い「至福ポイント」が、
加工品の研究者のゴールでもある。
もはや、食べ物ではない。