本著は、1962年のキューバ危機を題材に、国際政治学において国家行為を分析するための「視座」とその導き出す結果の多様性を示す著作である。
分析対象はキューバ危機だが、分析結果以上に分析の際に用いられた複数の意思決定モデルが検証されたものとなっている。
本著が提示する国際政治的な国家行為の分析視座は以下の3つのモデルだ。
①合理的行為者モデル
国家があたかも合理的な個人同様、目的に対し最も合目的的に行為・選択するという考え方。
②組織過程モデル
国家の行為を、関わる各組織のルーティン化されたプロセスと捉える考え方。
③政府内政治モデル
国家の行為を、関わるプレイヤー間の対立や取引等の関係と捉える考え方。
「合理的行為者モデル」による説明は、個人の合理的な意識決定を基礎に置くため、その説明も合理的で説得力のあるものとなる。
特に「何故そのように行動したか」という原因・理由についての説得力は強力だ。
しかし、国家行為が様々な個人・組織の集合と関連から成り立つことを考えると、その説明には埋めなければならない要素があることが浮かび上がってくる。
これに対し、国家の選択結果としての行為ではなく選択に至る過程(プロセス)に注目したのが「組織過程モデル」および「政府内政治モデル」だ。
これらのモデルの適用において必要となる情報量は桁違いのものとなるが、意思決定の「過程」を示すこれら情報は、「合理的行為者モデル」の説明を時に補完し、時にその矛盾を突く。
これらは、同じ事象に対する「問い」そのものが異なることを意味するものと言えよう。
「合理的行為者モデル」が「何故」への説明を試みるのに対し、「組織過程モデル」と「政府内政治モデル」は「どのように」への説明を試みると整理できるだろうか。
「視座」の相違が「問い」の相違を生み、それにより注目すべき事実・情報が相違し、異なる分析結果が導出されるのだ。
「問い」が異なる以上、事象の分析・説明においてはこれらモデルは相互補完的であり、またそうあるべきである。
どのモデルも事象を完全に説明し尽くすことはできず、それどころか、そもそもこの3つが「視座」の全てだという保証すらどこにもない。
本著は3つの「視座」を用いることで、社会科学では分析モデルの有効性が限定的であること、およびモデルの活用は相補的であるべきことを示してくれる。
一般に社会科学には、単独の理路整然としたモデルはたとえそれが現実の分析から帰納されたものであろうと、現実を説明する段(特に帰納元の現実とは異なる他事象への流用)においては暴論となり得るものであるという逆説がある。
更には、社会科学の対象とする事象は複数の個人、組織、それらの統合としての上位組織(例えば国家)、更には対外者が絡み合うものであり、事象そのものが複雑極まりない。
しかしこのことは、社会科学における分析モデルの構築・活用が不要・無益なものであることをいささかも示すものではない。
モデルを1つの基準として事象を測り、モデルと事象の差異を特定することがそのまま事象の特徴を浮き彫りにする作業となるからだ。
こうした研究アプローチは社会科学の世界で長く営まれてきたものだ。
本著は、このように社会科学のメタ次元を照射する側面がある。
「アリソンモデル」という言葉が生まれるほどに国際政治を紐解く上での有用な概念・フレームワークを提供する本著が、国際政治学を学ぶにあたっての必読書と言われる所以だろう。
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決定の本質 キューバ・ミサイル危機の分析 第2版 1 (日経BPクラシックス) 単行本 – 2016/3/3
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日経BPクラシックス 第17弾
「キューバ・ミサイル危機は、将来的に大きな影響を及ぼす事件であった。米ソが核戦争の瀬戸際で踏みとどまった1962年10月の13日間に匹敵するほどの出来事は、これまでに歴史には見当たらない。
多くの人命が突然失われる可能性がこれほど高かったことはかつてなかったことだ。実際に戦端が開かれていたら、1億人のアメリカ人、1億人以上のロシア人、そして数百万人のヨーロッパ人も死に、
過去に起きた自然災害や残虐な事件などは遠くに霞んでみえたことだろう。」(本書序章から)
1971年に刊行されたグレアム・アリソン著『決定の本質 キューバ・ミサイル危機の分析』は、政治学の古典、ベストセラーとして長く読み継がれてきた。
3つの分析モデルーー合理的アクター、組織行動、政府内政治ーーを駆使し、謎に包まれていた米ソ首脳の事件勃発から危機回避までの政治的意思決定論の傑作だった。
その後、情報公開が進み、秘密指定解除などによって米ソの中枢内部での新たな事実関係が解明された。
本書はアリソンと歴史研究者でケネディ政権内部の議論を秘密録音したテープを調査したフィリップ・ゼリコウが協力して、初版をほぼ全面的に改訂して1999年に刊行された。
第II巻収録の解説は、渡邉昭夫東京大学・青山学院大学名誉教授。
「キューバ・ミサイル危機は、将来的に大きな影響を及ぼす事件であった。米ソが核戦争の瀬戸際で踏みとどまった1962年10月の13日間に匹敵するほどの出来事は、これまでに歴史には見当たらない。
多くの人命が突然失われる可能性がこれほど高かったことはかつてなかったことだ。実際に戦端が開かれていたら、1億人のアメリカ人、1億人以上のロシア人、そして数百万人のヨーロッパ人も死に、
過去に起きた自然災害や残虐な事件などは遠くに霞んでみえたことだろう。」(本書序章から)
1971年に刊行されたグレアム・アリソン著『決定の本質 キューバ・ミサイル危機の分析』は、政治学の古典、ベストセラーとして長く読み継がれてきた。
3つの分析モデルーー合理的アクター、組織行動、政府内政治ーーを駆使し、謎に包まれていた米ソ首脳の事件勃発から危機回避までの政治的意思決定論の傑作だった。
その後、情報公開が進み、秘密指定解除などによって米ソの中枢内部での新たな事実関係が解明された。
本書はアリソンと歴史研究者でケネディ政権内部の議論を秘密録音したテープを調査したフィリップ・ゼリコウが協力して、初版をほぼ全面的に改訂して1999年に刊行された。
第II巻収録の解説は、渡邉昭夫東京大学・青山学院大学名誉教授。
- 本の長さ416ページ
- 言語日本語
- 出版社日経BP
- 発売日2016/3/3
- 寸法12.1 x 3.1 x 19.5 cm
- ISBN-104822251284
- ISBN-13978-4822251284
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5つ星のうち4.5
8
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価格 | ¥2,640¥2,640 | ¥2,640¥2,640 |
発売日 | 2016/3/3 | 2016/3/3 |
商品の説明
著者について
グレアム・アリソン
一九四〇~。ハーバード大学ケネディ行政大学院教授。政治学者。専門は政策決定論、核戦略論。ハーバード大学卒業後、
オックスフォード大学で修士号、ハーバード大学で博士号取得。一九七二年から現職。クリントン政権時代に国防総省スタッフとして
ウクライナ、ベラルーシなどの核兵器廃棄政策に関与。一九七一年に刊行した『決定の本質』は政策決定論の必読文献。他に『核テロ』、『日・米・ロ新時代へのシナリオ』(共著)。
フィリップ・ゼリコウ
一九五四~。バージニア大学教授。歴史学者。一九八九年から九一年、ブッシュ・シニア政権の国家安全保障会議(NSC)で、スコウクロフト大統領補佐官(国家安全保障担当)のスタッフとして働く。
NSCを経てハーバード大学で教鞭を執り、一九九八年から現職。コンドリーザ・ライスとの共著にGermany Unified and Europpe Transformed。
一九四〇~。ハーバード大学ケネディ行政大学院教授。政治学者。専門は政策決定論、核戦略論。ハーバード大学卒業後、
オックスフォード大学で修士号、ハーバード大学で博士号取得。一九七二年から現職。クリントン政権時代に国防総省スタッフとして
ウクライナ、ベラルーシなどの核兵器廃棄政策に関与。一九七一年に刊行した『決定の本質』は政策決定論の必読文献。他に『核テロ』、『日・米・ロ新時代へのシナリオ』(共著)。
フィリップ・ゼリコウ
一九五四~。バージニア大学教授。歴史学者。一九八九年から九一年、ブッシュ・シニア政権の国家安全保障会議(NSC)で、スコウクロフト大統領補佐官(国家安全保障担当)のスタッフとして働く。
NSCを経てハーバード大学で教鞭を執り、一九九八年から現職。コンドリーザ・ライスとの共著にGermany Unified and Europpe Transformed。
登録情報
- 出版社 : 日経BP; 第2版 (2016/3/3)
- 発売日 : 2016/3/3
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 416ページ
- ISBN-10 : 4822251284
- ISBN-13 : 978-4822251284
- 寸法 : 12.1 x 3.1 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 211,837位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,402位外交・国際関係 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年6月19日に日本でレビュー済み
本書は初版1971年出版の対外政策決定論の古典の第二版。アリソンは政治学者で政治の実務にも携わった人間で、ゼリコウは歴史学者だが、こちらもNSC勤務経験がある。
内容は、キューバ・ミサイル危機を3つのモデル(合理的アクター、組織行動、政府内政治)で分析したもの。初版との違いは、理論の部分では初版以降の学術的研究が広くサーベイされており、実際の分析の部分では、初版発表後に明らかになった外交文書や討議の録音に依拠している。
初版を読んだことのない人と、リピーターで別の楽しみ方があると感じた。
初版を読んだことのない人は、まずは各モデルによってどのように説明が異なるのかをよく理解するのがよいと思う。輪読も可。あえて早く読みすぎない方がよいと思う。
初版を読んだことのある人は、モデルは概ね頭に入っていることだろうから、それ以降に追加された参考文献なども見つつ、サーベイとしてまず理論の各章を読むのが面白いと思う。特に第一モデルについての章は、1990年代後半までの国際関係論の主要な文献をカバーしている。
その上で、初版との違いを実感したうえで実証の三章を読むとより楽しめるのではないかと思った。
内容は、キューバ・ミサイル危機を3つのモデル(合理的アクター、組織行動、政府内政治)で分析したもの。初版との違いは、理論の部分では初版以降の学術的研究が広くサーベイされており、実際の分析の部分では、初版発表後に明らかになった外交文書や討議の録音に依拠している。
初版を読んだことのない人と、リピーターで別の楽しみ方があると感じた。
初版を読んだことのない人は、まずは各モデルによってどのように説明が異なるのかをよく理解するのがよいと思う。輪読も可。あえて早く読みすぎない方がよいと思う。
初版を読んだことのある人は、モデルは概ね頭に入っていることだろうから、それ以降に追加された参考文献なども見つつ、サーベイとしてまず理論の各章を読むのが面白いと思う。特に第一モデルについての章は、1990年代後半までの国際関係論の主要な文献をカバーしている。
その上で、初版との違いを実感したうえで実証の三章を読むとより楽しめるのではないかと思った。
2016年5月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
言わずと知れた政治学の古典であり、こういった名著の翻訳は支持したいので原著は読んでいたが購入した。
だが、読みはじめてすぐ文章の繋がりが理解できない箇所や記憶している内容と違う箇所があり、原著と照合してみた結果、次から次へと誤訳が見つかった。以下かなり煩瑣になるが、誤訳かどうかを各人で判断できるように翻訳と原文と私訳を並置して数例をあげる。
翻訳: 犠牲者の割合はケネディ大統領が「三人に一人かそれ以上」と予測したのであるから(p35)
原文: Given the odds of disaster―which President Kennedy estimated as "between one out of three and even"―
私訳: 大惨事の起こる確率を考えると―ケネディ大統領の見立てでは「3分の1から2分の1のあいだ」―
(初版の翻訳では正しく訳されており、なぜこうなったのか不明)
翻訳: したがって、第二モデルや第三モデルが対象としない側面や要因の分析結果は特に役立つはずである。(p48)
原文: Dimensions and factors uncovered by Model II and Model III in this case should therefore be particularly instructive.
私訳: したがって、この事例において第二モデルや第三モデルによって明らかとなった側面や要因はとりわけ示唆に富むものとなるだろう。
(キューバ危機という第一モデルのいわばホームグラウンドで第二・第三モデルは勝負しなければならないという意味の文が前にある。翻訳は文の意味が繋がらない)
翻訳: 以下の各章を読み進むうちに、読者は使い心地のよい分類と前提が想像以上に重要なものであることにいつのまにか納得してしまうであろう。(p49)
原文: the chapters that follow will persuade the reader that categories and assumptions he has been using comfortably, unselfconsciously matter more than he suspected.
私訳: 無造作に自覚なく用いていたカテゴリーや想定が思った以上に重要だということについて、以下の章を読めば納得してもらえるだろう。
(unselfconsciouslyはおそらく「いつのまにか」という形で無関係な箇所の修飾に使われたのだろうか。この種の「操作」は頻出する)
以上は見つけた誤訳の一部であり、序章に関していえばこの種の誤訳は各ページに1つから3つぐらいある(序章までで読書を放棄したが、他の章もパラパラ読んで誤訳を幾つか確認している)。
冒頭に書いたようにこうした名著・古典の翻訳は支援したいし、本書が収められている日経BPクラシックスの志も素晴らしいと思うが、翻訳がこれでは何もかも台無しである。本当に残念だ。
だが、読みはじめてすぐ文章の繋がりが理解できない箇所や記憶している内容と違う箇所があり、原著と照合してみた結果、次から次へと誤訳が見つかった。以下かなり煩瑣になるが、誤訳かどうかを各人で判断できるように翻訳と原文と私訳を並置して数例をあげる。
翻訳: 犠牲者の割合はケネディ大統領が「三人に一人かそれ以上」と予測したのであるから(p35)
原文: Given the odds of disaster―which President Kennedy estimated as "between one out of three and even"―
私訳: 大惨事の起こる確率を考えると―ケネディ大統領の見立てでは「3分の1から2分の1のあいだ」―
(初版の翻訳では正しく訳されており、なぜこうなったのか不明)
翻訳: したがって、第二モデルや第三モデルが対象としない側面や要因の分析結果は特に役立つはずである。(p48)
原文: Dimensions and factors uncovered by Model II and Model III in this case should therefore be particularly instructive.
私訳: したがって、この事例において第二モデルや第三モデルによって明らかとなった側面や要因はとりわけ示唆に富むものとなるだろう。
(キューバ危機という第一モデルのいわばホームグラウンドで第二・第三モデルは勝負しなければならないという意味の文が前にある。翻訳は文の意味が繋がらない)
翻訳: 以下の各章を読み進むうちに、読者は使い心地のよい分類と前提が想像以上に重要なものであることにいつのまにか納得してしまうであろう。(p49)
原文: the chapters that follow will persuade the reader that categories and assumptions he has been using comfortably, unselfconsciously matter more than he suspected.
私訳: 無造作に自覚なく用いていたカテゴリーや想定が思った以上に重要だということについて、以下の章を読めば納得してもらえるだろう。
(unselfconsciouslyはおそらく「いつのまにか」という形で無関係な箇所の修飾に使われたのだろうか。この種の「操作」は頻出する)
以上は見つけた誤訳の一部であり、序章に関していえばこの種の誤訳は各ページに1つから3つぐらいある(序章までで読書を放棄したが、他の章もパラパラ読んで誤訳を幾つか確認している)。
冒頭に書いたようにこうした名著・古典の翻訳は支援したいし、本書が収められている日経BPクラシックスの志も素晴らしいと思うが、翻訳がこれでは何もかも台無しである。本当に残念だ。
2017年9月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
緊迫の度合いが増す朝鮮半島情勢。今の朝鮮半島クライシスは、1回目の(2回目がないことを祈る)朝鮮戦争ではなく、1962年のキューバ危機に状況は極めてよく似ている。本書は米ソ核戦争の危機を回避したケネディ政権の選択(軍事行動ではなく海上封鎖、そしてソ連との合意)の意思決定の過程を分析した名著です。アメリカ政府関係者は当然読んでいるとは思うが、朝鮮半島有事が他人事ではない日本人にも広く読まれるべきと考えます。
2016年5月26日に日本でレビュー済み
あまりにも著名な国際政治学の古典、アリソン『決定の本質』(原著出版1971年)の大幅改定版(同1999年)。
以前に宮里政玄訳で中央公論社から出ていたが、絶版で古書価格が急騰し、入手困難だった。
今回、名著の新訳を手がけている日経BPクラシックスから待望の翻訳が出たことは、東アジアで北朝鮮問題
をはじめリスクが高まっている中、時宜を得た出版と評価したい。中身は旧版との比較で議論のあるところだが、
すべての読書子には挑んでほしい重厚な作品であることは間違いない。
訳も全体として正確で旧版より読みやすく、改善されている。
以前に宮里政玄訳で中央公論社から出ていたが、絶版で古書価格が急騰し、入手困難だった。
今回、名著の新訳を手がけている日経BPクラシックスから待望の翻訳が出たことは、東アジアで北朝鮮問題
をはじめリスクが高まっている中、時宜を得た出版と評価したい。中身は旧版との比較で議論のあるところだが、
すべての読書子には挑んでほしい重厚な作品であることは間違いない。
訳も全体として正確で旧版より読みやすく、改善されている。
2021年6月17日に日本でレビュー済み
嘘の大著
ソビエト崩壊により事実が解明されている
騙される人って 書かれている事が総て事実だと思い込んでいるのだろう
やれ米ソ全面戦争だの
人類滅亡の危機だの
あらん限りのソビエト擁護のプロパガンダの大洪水
事実に目を向けましょう
ソビエト崩壊により事実が解明されている
騙される人って 書かれている事が総て事実だと思い込んでいるのだろう
やれ米ソ全面戦争だの
人類滅亡の危機だの
あらん限りのソビエト擁護のプロパガンダの大洪水
事実に目を向けましょう